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【とらドラ!】大河×竜児【フワフワ妄想】Vol9

1 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 01:09:41 ID:/MJJptmK
ここは とらドラ! の主人公、逢坂大河と高須竜児のカップリングについて様々な妄想をするスレです。
どんなネタでも構いません。大河と竜児の二人のラブラブっぷりを勝手に想像して勝手に語って下さい。
自作のオリジナルストーリーを語るもよし、妄想シチュエーションで悶えるもよし、何でもOKです。
次スレは>>970が立ててください。 もしくは容量が480KBに近づいたら。
    / _         ヽ、
   /二 - ニ=-     ヽ`
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まとめサイト
ttp://tigerxdragon.web.fc2.com/

前スレ
【とらドラ!】大河×竜児【アツアツ妄想】Vol8
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1242374673/

過去スレ
【とらドラ!】大河×竜児【ラブラブ妄想】(1スレ目)
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1231122796/
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http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1234443246/
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http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1240317270/
【とらドラ!】大河×竜児【ドキドキ妄想】Vol7
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1241386432/

2 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 01:10:08 ID:/MJJptmK
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http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1240666906/

3 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 01:10:27 ID:/MJJptmK
まとめサイトより

Q、1話の机が吹っ飛ぶシーンどういうこと?超能力?
A、ちがいます。ラブレターを鞄に入れてたら人が来たので、ロッカー隠れようとして凄い勢いで移動したんです。

Q、とらドラ!ってどんな作品なの?
A、とらドラ!は高校生特有の『思春期』という限られたひとときの中、
 友達と過ごしながら楽しいと感じたり、ある時は落ち込んだり、
 またある時は恋に悩んだりしながら、毎日を過ごしていくという作品です。
 (雑誌インタビューより)

Q、何クールですか?
A、2クール25話(DVD8巻構成)です。

Q、会長とあーみんの区別がつきません。
A、川嶋亜美(あーみん・ばかちー):前髪が朝倉風、ややたれ目、胸がおおきい、モデル
  http://www.tv-tokyo.co.jp/contents/toradora/images/chara/ami.gif
  狩野すみれ(会長・兄貴):前髪ストレート、ややつり目
  http://www1.atwiki.jp/toradora?cmd=upload&act=open&pageid=19&file=up49532.jpg

【一目でわかるとらドラ!一話】
@猛獣が襲い掛かってきた
Aお腹がすいていたのでご飯をあげた
B「気に入った。これからも飯つくってくれ、毛づくろいとかも頼むわ」
C襲われそうだし、ほっといたら死にそうなので、しぶしぶ飼うことに
Dご飯あげたら、ちょっと尻尾ふった ←今ここ
実際は竜児を犬扱いしている大河こそが
飼われている側っていうのが面白い

とらドラ! まとめwiki
http://www1.atwiki.jp/toradora/
とらドラ! AA保管庫(仮)
http://monabase.net/toradora

4 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 01:11:20 ID:/MJJptmK
>>1乙←これは乙ではなく大河のポニーテールだと思うことにした

5 : ◆fDszcniTtk :2009/05/27(水) 01:13:07 ID:9KeXqnXb
じゃぁ、新スレ記念に新作投下開始

「検察側の証人」


6 :検察側の証人 ◆fDszcniTtk :2009/05/27(水) 01:14:04 ID:9KeXqnXb
「それでは、検察から最後に主張すべきことががあれば、この場で主張してください」

開廷時からずっと目を閉じている裁判官が、しわがれた声で宣言する。促されて検事が立ち上がると、法廷にいる全員が彼女を見つめた。
誰もがうらやむようなすらりとした女性らしいプロポーションをかっちりとしたスーツに包んだ検事は、法廷中の視線を楽しむように軽く微笑むと前に歩み出た。

「裁判長、これまで主張してきたとおり、被告の行動はきわめて暴力的、直上的であり近しい人間に対しても思いやりを感じさせません。これは被告に対して最大限重い刑罰を与える十分な理由となります。
しかしながら、検察はここにもう一つ被告の罪の証拠を加えたいと考え、幾分例外的ですが、最後に参考人をこの場に呼びたいと思います。許可を」

なに言ってんのよ。そう思うが早いか、弁護人が声を張り上げる。

「異議あり!提出された資料に無い証人の証言は証拠能力を持ちません!」
「異議を認めます。検察は資料にない証人を呼ぶことは出来ません。そもそも少々遅すぎるようですが」

あなたともあろう方が。と、続けるように裁判長は目を閉じたまま言葉を切る。

「裁判長、私どもの参考人に証拠能力が無いことは重々承知しております。しかしながら、直前まで証言を拒んだこの証人…参考人は、上告後の審理への影響力の大きさという点で裁判長も重大な関心をお持ちかと思います」

そう言って、女検事はめがねの奥でくりくりと大きな目を光らせる。すでに判決は軽すぎるだろうと見込んだ上で、上告をにおわしているのだ。

「いいでしょう、証拠能力が無いのを承知と言うことであれば、参考人を呼ぶことを許可します。繰り返しますが、この参考人の登場、発言は当法廷の審理になんら影響を与えるものではありません」

裁判官がくわっと目を開き、宣言する。検察団と弁護団がわずかに、何かを避けるように頭を下げた。

「ありがとうございます。では、参考人を」

後ろのスタッフに指示を出す検事から視線を外し、弁護士に目を向ける。あんた知ってた?

知らない、と言う風に弁護士が首を横に振る。もう一度検事に目を向ける。あんた、誰を連れてきたのよ。こちらを見返して、女検事がにやりと意地の悪そうな笑みを浮かべる。そして現れた参考人を見て、大河は凍りつく。そんな…ばかな…どうして…

「裁判長、参考人高須竜児は被告逢坂大河ともっとも親しかった友人であり、被告の多くの非道な行為を間近で目にして…」

涼やかな声で参考人を紹介するばかちーも、弁護人席で凍りつく独身の表情も途中からまったく見えなくなった。竜児が私を有罪にしようとしている。竜児が、私を、見捨てようとしている…。頭が真っ白になり、足元の床が突然消えたような錯覚に陥る。

ロープなき絞首刑台から落ちていきながら、大河は悲鳴に近い声を上げた。

「りゅうぅぅぅぅじぃぃぃぃぃぃぃぃっっっっっっっっっっっ!」

◇ ◇ ◇ ◇ 

7 :検察側の証人 ◆fDszcniTtk :2009/05/27(水) 01:15:04 ID:9KeXqnXb
驚いて跳ね起きた。暗い部屋でぜえぜえと息をあえがせる。パジャマが汗でべっとりと濡れていた。ベッドの上掛けは乱れに乱れている。

「大河、大丈夫?」

ドアの向こうで母親の声が聞こえる。起こしてしまったのだろうか。だとすれば、大きな声を上げたのだろう。夢の中の情景がよみがえり、今一度恐怖に震える。

「うん、大丈夫」

そう言ってベッドから降りると、部屋の扉を開ける。廊下から差し込んでくる光のまばゆさに目を細める。心配そうな顔で母親が立っていた。

「あなた本当に大丈夫なの?」
「大丈夫。ちょっと水飲んでくる」
「そう…」

嫌な夢だった。竜児が私を見捨てるなんて。

◇ ◇ ◇ ◇ 

8 :検察側の証人 ◆fDszcniTtk :2009/05/27(水) 01:16:02 ID:9KeXqnXb
「なぁ、お前本当にどうしたんだ?なんかあったんだろう?」
「なんでもないって言ってるでしょ。もうその話はやめてよ」

いつものように通学路を並んで歩く。5月もあっと言う間に終わり、まもなく6月。並木の葉の色も、目にまぶしい鮮やかな新緑から濃い緑に変わってしまい、まもなくさわやかな季節も終わると教えてくれる。いつもどおりの朝。
だけど二人の間では、今日はほんの少しだけ険悪な会話が交わされている。6月を間近に控えて湿度が上がってきたせいか、大河のきれいな髪も心なしか今日はつやが無い。
朝から浮かぬ顔の大河に何かを感じ取った竜児がしつこく問いかけるのだが、大河にとってはそれも気分の悪さをより深めてしまう。

「いいや、やめねぇ」
「しつこい!いくら竜児でも殴るよ」
「勝手にしろ、俺は聞くのをやめねぇから。お前が何か怒ってるんならともかく、どうみても、何か心配事を隠してる顔をしてるじゃねぇか。俺だってお前のことが心配なんだよ。なぜそれをわかってくれねぇんだよ」

大河は精一杯強がって、見え見えの脅しをかけてみるものの、すかっと空振り。かえって竜児のぶっきらぼうながら、やさしさのこもった言葉にたじろぐ。もう去年とは違う。
傲岸不遜、わがまま大王だった逢坂大河も高須竜児の前では柵に当たって方向転換する牛のようにおろおろとする事が多い。わがままっ子くらいまで階級が下がってきている。

「わ、私にだって竜児に言いたくない心配事くらいあるわよ。それとも私にはプライバシーは無いの?」
「別に何もかも話すことはねぇよ。でもよ、俺たち婚約してるだろう。なぜ心配事があるのなら俺に話してくれないんだよ」
「だって…」

それはあまりにもくだらない夢だから。とは言えずに大河が頬をふくらませる。

そんなわがままな表情までかわいらしいのだから、神様は不公平だと竜児は独りごちる。ふん、と竜児からそらした横顔は小さな鼻の描く美しい曲線に縁取られていて、憂いを含んだ大きな瞳はきらきらと光る。
シャープに研ぎ澄まされた顎のラインはまるで精緻なガラス細工のようで、大河の作り物めいた美しさを恐ろしいほど引き立てる。

歩くわがまま人形に向かって、「だってもヘチマもあるか」、と竜児が押し込もうとしたときに、聞き慣れた声が飛んできた。

「やぁやぁ、お二人さん!おっはようサントリー!」

3年になっても相変わらず健在なひまわりの笑顔を振りまいて、櫛枝実乃梨が手をふる。高校最後の大会に向けて、絶賛猛練習中にもかかわらず疲れなどみじんも見せない。前向きエンジン搭載の少女は今日も朝から出力全開。
日に日に強くなる日差しに焼かれて、小麦色の肌も絶好調だ。


9 :検察側の証人 ◆fDszcniTtk :2009/05/27(水) 01:16:58 ID:9KeXqnXb
よっ、と軽く手を挙げる竜児の横を飛び出して大河が実乃梨の元に駆け寄る。いつもならふわりと夢のようにたなびく灰色めいた淡色の長い髪が、今日は心なしか華やかさに欠けるのは、じっとりした空気のせいか、浮かぬ顔の大河のせいか。

「みのりん、みのりん、みのりーん!聞いて聞いて!竜児がひどいの。私にとても人には話せない恥ずかしいことまで何もかも話せって言うの」
「言ってねえぇよ」
「ほほう、お二人さん、朝から夫婦喧嘩かい?」

朝から卵ご飯なみにおいしいネタを見つけてニヤニヤ笑いの実乃梨に

「ちがうもん、まだフィ、フィアンセだもん」

大河が赤面して頬を膨らませる。竜児と実乃梨に対して2正面作戦を張るつもりだろうか。大河の脳みそではそんな器用な真似は無理だと思われるが。

「まぁ、まぁ、大河落ち着いて。夫婦喧嘩は犬も食わないって言うから私は話は聞かないよ。でも私の経験によるとだね、大河と高須君がもめたときには9割5分大河が悪いね。どうだい、心当たりがあるんじゃないかい?胸に手を当ててよく考えてごらん」

な、なによみのりんまで…と顔にそのまま書いたような表情をしてわざとらしいポーズで固まった後、

「な、なによみのりんまで!ひどいんだから!」

大河は駆け出す。そうしておおよそ10メートル先まで行ったところで歩き出し、振り向き振り向き、一人で歩いていく。

あれは、ちゃんとついてきているか確認しているのだろうか、あるいはしつこいなと思っているのだろうか、それとも竜児と実乃梨が仲良くし過ぎないか気にしているのだろうか。苦笑しながら竜児が

「なぁ、櫛枝。悪いけど追っかけてやってくれないか」

実乃梨に頼む。

「おやぁ?大河をなだめるのが一番うまいのは高須くんだと思ってたけど、私の見込み違いだったかなぁ」
「なんだかあいつ意地になっちまって、俺の話まるで聞いてくれないんだよ」
「そうかい?ま、いいや。じゃぁ、大河が泣いたときは高須君に任せることにするよ」

そうからかうと、さっとその場からダッシュして瞬く間に大河の横に追いついた。怒るなよ!と体を振って大河に肩でぶつかる。甘ったれたふくれっ面で実乃梨を見上げる大河は、表情からすると、だって、とか何とか言ってるのだろう。

◇ ◇ ◇ ◇ 

10 :検察側の証人 ◆fDszcniTtk :2009/05/27(水) 01:17:58 ID:9KeXqnXb
朝は怒ったような顔をしていたくせに、結局大河は授業が終わると竜児のクラスまで来て、いつものように入り口のところで待っていた。少しは気分は晴れただろうかと、

「おう、お待たせ」
「うん」

声をかけてみるが、どうもさえない。

竜児はいくぶんあきらめ気味だ。そもそも、黙っていると決めたことは、決して話さないのが大河だ。悩みを話してくれないことは不満だし、大河だけに心配なのだが、こうして顔に出ていることからすると、たいした悩みじゃないのかもしれないと思う。

大河は本当に深刻な問題は、表に出さない。

しかし、あきらめたところで事態は改善しないのだ。日に日に強くなる日差しは、下校時間が早い二人をいくらか不愉快な強さで照らす。大河になるべく日が当たらないように黙って陰を作ってやりながら、竜児は困ってしまった。
これが北村なら上手く当たり障りの無い面白い話でも出来るのではないだろうか。女子と話すのなんて苦手だ!と言っている北村は、そのくせ女子に妙な人気があり、しかも自然に話をしている。
竜児と来たら正真正銘女子と話すのは苦手で、しかもようやく念願かなって彼女(婚約済みです)が出来たばかり。その彼女が校内きっての扱いのむずかしい女ときてるのだから、本気の本気で手に負えない状況である。

大河の相手をしないと決めたのなら、話は簡単だ。今日の夕食の話をすればいい。旬の食材の味から始まって、価格の動向、その価格を決めている最近のブームと天気、行きつけのスーパーでは急に根菜類の質が落ちたこと、
今日の献立を決めるにあたって考慮した過去1週間の献立、夏に向かってスタミナが重要なこと、しかし梅雨も近いので生ものは危険なこと、等々など、頼まれなくても2時間はこのネタで話すことができる。

しかしまぁ、そんなことをしても大河の機嫌を損ねるだけだろう。しょうがねぇや、やっぱり婚約者としての義務は果たさなければ。と、気持ちを切り替えて、気分転換にだけでも誘うことにする。

「なあ大河、ちょっと寄り道していかないか?」
「え?いいけど。竜児晩ご飯どうするのよ」
「俺ひとりだからな、遅くしたってかまわない」

泰子が昼の仕事になったため、夕食はいつも竜児ひとりだ。自分ひとりだから晩飯は遅くてもいい。晩飯が遅いなら、用意も遅くてもよいということだ。去年までは仲良く卓を囲んで一緒に夕食を食べていた大河は、今は両親と一緒に夕食を食べている。

「そう。ならいいけど、どこに行くの?」
「ああ、ちょっと気分転換にな」

そういって笑みを浮かべた竜児が連れてきたのは、大橋だった。

「あーあ、まったく暑くなってきたなぁ。いよいよ初夏だぜ」

そういって、竜児は歩道の手すりにひじから先を預け、川面に目をやる。厳寒時に美人女子大生とロン毛高校生のカップルを生み、さらに別カップルを婚約させた川は、今はぬるそうな水をけだるげに流している。
排ガスで汚れた手すりなど、普段の竜児なら見ただけで人を殺せそうな視線を送るばかりで触りもしないのだが、今日は特別なのか、何も考えていない様子で、ただ、ただ、川面を見ている。

大河のほうは、これもいつもとちょっと逆で、手すりの汚さが気になる様子。バレンタインデーの晩は興奮状態のままどぶ川で寒中水泳をやったので気づかなかったが、改めて仔細に見れば、とてもまともな神経を持った人間が触ってよいものに思えない。

だから、手すりには触らず、一歩下がって立っているのだが…。どうもこの構図は落ち着かない。何をするでもなく川面を見つめる長身の男。その横から一歩下がった位置で、男の後ろ頭を見上げている小柄な少女。
ねぇ、お父さん。私たちこれからどうするの?ああ、そうだな。お母さんのところに二人で行こうか…。傍から見たらそんな風に見えているかもしれない。ふたりとも高校の制服だが。

「竜児ぃ」
「おう。何だ?」
「何だ?って…何してるのよ?」
「おう。何もしてない」
「…」

実にさわやかな声で、竜児はそうこたえた。目元には征服後の世界に思いをはせる魔将軍のように喜びをたたえているが、もちろんそんなことを考えているわけではない。

11 :検察側の証人 ◆fDszcniTtk :2009/05/27(水) 01:19:00 ID:9KeXqnXb
「俺、時々来るんだ、ここに」
「え、そうなの?」
「おう。考え事したり、落ち込んだときとかな」
「竜児も落ち込むこと、あるんだ…」
「そりゃ、たまにな。たまにだけどな。俺だってガキだからさ。あれこれうまくいかなくてうじうじ考えることもあるよ。って、お前は知ってるだろう」
「知ってるけど…」

出会って間もないうちに、二人はどういうわけか、妙に親密になってしまった。お互い想い人がいて、その人に気持ちを伝えることができないでいた。それどころか、いろいろ重いこと、つらいことを抱えていて、人に言えないでいた。
その言えないことを言える相手に出会えたことを、二人ともほとんど奇跡のような気持ちで受け止めた。それが二人のスタートラインだった。だから、竜児だってぐじぐじ悩むことがあったのは大河も知っている。

知っては、いる。

それでも、大河にとって竜児はまぶしい存在だ。出会ったころは目つきが悪いだけで、うじうじ、もじもじ、はっきりしないもやし男だと思っていた。なのに、ふたを開けてみると竜児はほとんど底知れない優しさと包容力を持った男だった。
そのうえ、たった一年間で、見る見る間に竜児は男らしくなっていった。自分で考え、ものを言い、やるべきだと思ったことをまっすぐやる男になっていった。そして最後に、大河に手を差し伸べてくれたのだ。
何度もひざを折るような苦しい気持ちを味わっていたはずなのに、それでも竜児は踏ん張って大河に手を伸ばし、そして手をつかんで道はこっちだと指し示してくれた。

自分の横でどんどん男らしくなっていく竜児を見ていた大河は、どうしても、あまり成長してないように思える自分と竜児を比べてしまう。いつまでたってもどうでもいいことを考えている自分。胸を張って、いつも未来を見上げているように見える竜児。

竜児の問題は全部解決していると思っていた。駄犬呼ばわりしていた男に、いつの間にかすっかりすがっていた大河にとって、今でも竜児がそんな風に思うことがあるというのは、軽い驚きである。

「…竜児には、もう悩みがないのかと思ってた」
「俺はどんだけ脳天気だと思われてるんだよ。おかげさまでてんこ盛りだ。まぁ、ありがたいことに前ほど重い悩みはないけどな」

そして微笑んだまま大河のほうを振り向き、お前ともうまくいってるしな、と付け加える。

「そうね」

大河も素直に微笑み返す。そうだ。自分たちはうまくいっている。細かいことはいろいろあるけれど、高須竜児と逢坂大河は、おおむねいい方向に進んでいる。

「そうよね、私たち、うまくいってるわよね」
「おう」

そうさ。と、微笑んで竜児が言葉をつなぐ。

「で、どうしたんだ?」

ふふふ、と大河が小さく笑う。降参だ、とでもいうように。

「わかったわ。話してあげる。でも、笑わないでね。それから場所変えましょ。竜児の袖、汚れてひどいことになってるわよ」

◇ ◇ ◇ ◇ 

12 :検察側の証人 ◆fDszcniTtk :2009/05/27(水) 01:19:53 ID:9KeXqnXb
いくらか涼しくなった大橋からの帰り道、大河が話してくれた話は、笑えないものだった。深刻という意味ではなく、面白く無いという意味で笑えなかった。
そもそも、ひとの夢の話が面白かったためしがない。大河の過去を断罪する裁判が開かれ、検察は亜美、弁護人は独身、裁判長はラーメン屋の店長だったとか。

お前、どこで笑えっていうんだ?と、突っ込みたいのは山々だが、本当に元気をなくしている大河を見るとそんな気もなくなる。大河自身も夢の内容が面白いとは思ってないのは明らかだ。
ただ、検察側の証人として竜児が現れたことにショックを受けており、そんな自分を竜児が笑うのでは無いかと思っているのだろう。

大河に気づかれないよう、竜児は空を見上げて嘆息する。逢坂大河には「猛獣注意」「ワレモノ注意」の二つの札が貼ってある。その時に応じてどちらの札により注意するべきかを見極めるのは竜児の責任だ。それが煩わしいわけではない。
今回は「ワレモノ注意」の札だとわかったので、さて、このガラスのハートの婚約者をどう言って元気づけてやろうと思っているだけだ。しかしそれにしても。

笑えねぇ。

大河は心の底で竜児が大河を見捨てるかもしれないと思っているのだろうか。そっちのほうが竜児には少なからずショックだった。生まれてこの方、竜児がこれほど人に心を捧げた事など無かったというのに。これでも不満なのか、この腹ぺこ虎め。と、ちょっとだけ腹が立つ。

「なぁ、大河。お前は俺が裁判でお前を見捨てる夢を見たのがショックなんだろ?」
「…うん、そう」

馬鹿な話よね?あきれるでしょ?と、大河は微笑むのだが、弱々しすぎて竜児はやっぱり笑う気がしない。

「そんなの夢なんだからさ、忘れちまえよ。俺がお前を見捨てるはずがないだろう」
「ありがとう…そうなんだけどさ。ひっかかるのよね」
「何が」

横を歩く大河のつむじを見下ろす。少し湿度が下がったせいか髪のつやは戻ってきているが、つむじに元気がない。つむじを見て元気だとか元気じゃないとか、俺も相当変だな、と竜児は苦笑する。

「だって…ねえ竜児。晩ご飯遅くても今日は買い物には行くんでしょ?一緒にいって、竜児のうちで話をしてもいい?」
「いいぞ。でもお母さんに悪いからちゃんと飯は自分ちで食えよ」
「うん、そうする」

そう答えて、大河が今日初めて晴れやかな顔で笑う。その顔を見て、一足先に梅雨入りしそうだった竜児の心も晴れる。そして俺の心なんて、こんなものだと自嘲する。ずっと大河が横に居てくれたら、ずっと大河が笑ってくれていたら、きっと竜児の心はこの先ずっと五月晴れだ。

すばらしいじゃないか。

◇ ◇ ◇ ◇ 

13 :検察側の証人 ◆fDszcniTtk :2009/05/27(水) 01:21:44 ID:9KeXqnXb
「私ってさ、悪い子じゃない?いつかしっぺ返しが来ると思うのよね。だからあの夢もまんざら嘘じゃない気がするんだ」

ジャガイモの品定めをする竜児の横で、大河が話す。芽が出かかっているし、ちょっとしなびた芋もある。やっぱり最近根菜の品質が良くない。

「また予知夢か?気苦労が多いな。だいたい、お前は悪い子じゃないだろう」

なるべく深刻な話にならないように、竜児は明るい声でこたえてやる。そもそもこの話はそれほど深刻ではないはずだが、もし落とし穴があるとすれば、竜児自身だろう。それは竜児にもわかっている。俺はまじめすぎるからな、と自分の心を戒める。

軽い話を重くするドジを踏むとしたら竜児自身だ。どんな軽くてアバウトな話題であっても、竜児が本気になると微に入り細に入り細かくほじられて深刻な問題に見えてくる。パラノイアじみた性格は家事には役に立っているものの、恋人とのトークに持ち出すには、少し場違いだ。

「竜児はそう思う?」
「思うさ。万引きも、カツアゲも、シンナーも、暴走も、喧嘩もしないだろう。むしろ俺がやると思われているな」

にやり、と笑う姿は本当に喧嘩と暴走くらいはしていそう。

「でも、私喧嘩はしてたよ」
「去年のことだ。今年はおとなしくしてるだろう」
「そうだけど…時効じゃないよね」
「そりゃそうだけど」
「私、悪い子だったからいつかバチが当たるかもしれない」

形は悪いが色のいいにんじんを手にとってぼんやり見つめながら大河がつぶやく。葉の緑が濃い。見る目があるじゃないか。と、小さな手からにんじんをさらってかごに入れる。
傍から見たら、お使いに来た女の子の手から世界征服をもくろむ悪人がにんじんを奪い取ったように見えるかもしれない。

世界征服をもくろむ悪人がにんじんを奪い取るメリットが何なのかは別として。悪人も少女も高校の制服であることは別として。

「そのバチが、『検察側の証人、高須竜児』か。考え過ぎじゃないか?」
「そうかも…違うかも…。ねえ、竜児。竜児はどう思う?」
「どうって?」
「きゃっかんてきに見て、竜児は私が沢山許せないことをしたって思うでしょ?」
「…俺はお前が好きだ。客観的になんかなれないな」

苦笑いを浮かべてレジに向かう竜児の後姿を大河が見つめる。竜児も大河も、まだ「好きだ」という言葉に照れがある。竜児の苦笑いは精一杯の照れ隠しだろう。その証拠に首の辺りが赤い。
その姿を追う大河も、頬を染めてうつむいている。そうしてうつむきながら、懸命に言葉を搾り出す。

「嘘つき。竜児がそんな軽薄野郎のわけないじゃない。知ってるんだから」

嘘じゃねぇさ。

俺は心底お前に骨抜きにされてるんだ。竜児はそう思うものの、一方で大河がそれほど高く買ってくれているのなら期待に添いたいとも思う。だってそうだろう。これほど大河のことを好きなのだから。大河が客観的であってくれというなら、そうあってやろうじゃないか。

「そうだなぁ、そうまで言うなら考えてみるか」

レジの列に並びながら竜児がこたえる。大河はうん、と言ったまま竜児の話を待つが、さすがにスーパーの列で少女の犯した罪の数々について語るのも変だ。二人とも黙って前の人の勘定が終わるのを待っている。前のおばさんは、かごいっぱいに買い物をしている。

◇ ◇ ◇ ◇ 

14 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 01:24:59 ID:/MJJptmK
さっそく28282だぜ

15 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 01:39:25 ID:UtCKHR+y
>>1乙です

それと検察側の証人の人も乙です。新スレ早々こんな良作が読めるとは…なんたる幸運


以下、4スレほどジグソーに使います。2話分です

16 :【ジグソー】:2009/05/27(水) 01:40:46 ID:UtCKHR+y
つまるところ、自分とはなんなのか。あれだけ惨めな思いを乗り越えて、あれだ
け罪の意識に捕われて漸く振り払った想いをまた拾ってしまった自分とはなんな
のか。目標が無い限り、辛い事がしたくないのが人ではなかったか。それに反し
ている自分とはなんなのか。
被虐趣向とはまず違う。心理の奥底を引っ掻き回すものを自ら受け入れる人はま
ずいない。例えば、劣等感を意図的に作り出して誇示する人がいないようにだ。
「お前を嫌えるかよ!」
竜児の言葉が頭の中を反芻する。全てはこの言葉のせいなのだろう。この言葉は
甘過ぎる。何故竜児は、ないと言わずに出来ないと言ったのだろうか。もしかし
たら、竜児は自分と同じ想いを……
そこまで考えて、ぽちゃんとお湯の中に身体を沈めた。妄想が飛びすぎる。本当
の事を聞かずに決め付けられたら、竜児も良い迷惑だろう。
今大河が判る竜児の気持ちといえば、自分を嫌ってない事と、心配がかかる存在
として見られているという事だけだ。
神社での光景がフラッシュバックする。あの時、竜児は確かに自分の手を避けた
。嫌ってないとしたら、あれはなんだったのか。もしかしたら、嫌ってないとい
うのが自分を落ち着かせる為の欺瞞だったのかもしれない。判らない。判らなく
てもどかしい。
今までは怖かった竜児の気持ちが知りたかった。一度失ったこの感情に愛着がな
くなったのか、それともただ失う事に度胸がついたのかは判らないが、真実を聞
いて砕けても良いと思える。
この想いが砕ければその破片は心に深々と刺さり、長く苦しむ事になるだろう。
だが、このまま立ち止まっているよりは、後ろでも前でも良いから動いた方が、
直ぐにでは無いだろうが得になる。次からは足取りを軽くしてくれる勢いとして
、何処に転ぶか判らぬこの一歩は働いてくれることだろう。
だが、真実を聞くとして、手段は二つある。一つは待ち。もう一つは歩みだ。
待ちはとても気が楽だが、選ぶ事は出来ない。待つともいつ聞けるかは判らない
し、時間をおけば、今は晴れやかな模様のこの想いも再び黒く淀みまた止められ
なくなる。
だから、少し勇気がいるけれども、大河は自らが歩み寄る道を選んだ。だが、一
人で勝手に寄っていくのは友への裏切りだ。ならば、そうならないように役を揃
えねばならない。
大河は全てを巻き込んで終始をつけるつもりだった。
入浴を終え、夜風で上気した頭と身体を冷ましてから友に電話をかけた。だが、
友はバイト中なのか6コール目で留守電へと繋がった。
「もしもしみのりん。私、大河だけど。…あのね、突然だけど、私竜児の事が好
きみたい…ううん、好きなの」
誰にも聞かれていない筈なのに妙な恥ずかしさが込み上げてきて、大河の顔を赤
に染めてゆく。
「でも、みのりんも竜児の事好きなの私知ってる。だから、明日一緒に告白しよ
うよ。逃げたりしたら、ぜっっっったいに許さないからね」
留守電だからだろうか。大河は、普段なら文章でないと伝えられない事まですら
すらと喋れる饒舌家となっていた。だが、明日そうなる事はまずないだろう。
上手く伝えるなら手紙だ。そしてそれに書くことは決まっている。ほんの数文字
で終わる言葉だ。それなのに、ペンを持つ大河の指は中々動かなかった。

17 :【ジグソー】:2009/05/27(水) 01:41:28 ID:UtCKHR+y


この世界で唯一の純愛と言えば、それは太陽と月だろう。月は太陽に見て欲しく
て、空に漂う数多の星々に負けないように輝き、太陽は月の姿が仰げるだけで顔
を赤く染める。しかし、その恥ずかしがり方たるや半端ではない。二人に挟まれ
る地球をさらに鬱屈にさせるような朱く愛のある光の水彩を地表に落とすのだ。
「来てくれたんだね」
「うん。でも、違う目的で来たんだ」
二人の少女、大河と実乃梨もそんな水彩に彩られて、朱く染まっていた。顔だけ
がやけに朱いのは、元々染めてあったものに上塗りされているからだ。
「違う目的…?」
「うん。私、大河を応援しに――
堪らずに大河の手が実乃梨の頬へ飛んだ。
「逃げんな!」
澄んだ叫び声が校舎に響く。
「私の親友はそんな弱虫だったのか!ずっと逃げて来た私だって、いまこうやっ
て立ち向かってるんだぞ!なのにお前は逃げるのか!」
「わ、わたしは大河の為に――
もう一撃入る。気付けば、大河は涙を流していた。悲しい訳でも辛い訳でも無か
ったが、何故か涙腺が緩まっていた。
「親友を思えばこそだ!言えぇぇえ!」
実乃梨の顔に強い意思と怒りが浮かぶ。これだけ言われてこれだけ叩かれて抑え
ろなどとは、余程の聖人君子でもなければ無理だろう。
「そうだよ、好きだよ!私だって高須君の事が大好きだ!」
「だってよ竜児……良かったね」
「……え?」
校舎の影から、顔を真っ赤にしながらもばつの悪そうな顔をした竜児が出てくる
。その手には大河が昨日書いた手紙が握られている。
「さぁ、竜児。どっちを選ぶの?」
「た、高須…君……?」
三人の間に沈黙が流れる。
「櫛枝。話がある」
沈黙から皆を引き上げたのは竜児だった。その御指名は櫛枝。
大河は影に消える二人を最後まで目で追い掛けて、それからとさりと地面に座り
込んだ。現実はなんともあっさりと終止符をつけてくれた。お陰で、寂しさはあ
れど涙は一滴も流れなかった。

18 :【ジグソー】:2009/05/27(水) 01:42:20 ID:UtCKHR+y
女の子を泣かしたのはこれが初めてだった。心がズキリと痛むが後悔はない。き
っと、これが自分に嘘をつかないで済む道だからだろう。
「そっか…や、良いんだ!気にしないでくれ!」
気丈に振る舞うその姿がまた辛い。きっと本人も或る感情を殺して、別の感情を
無理に起たせる事は辛いはずだ。
「それが高須君の本音だろ。そんな悲しい顔をしないでくれよ」
櫛枝 実乃梨は大河に会うまでは恋の矢が刺さっていた存在だ。いや、それももし
かしたら憧れという感情に少し尾鰭が生えたものだったのかもしれない。なにし
ろ相手は明るく、誰とでも隔て無く接する優しい美少女。憧憬の念を抱いてもお
かしくはないはずだ。
「別に後悔はしてねぇよ」
酷な言葉かもしれないが、包装してぼかした所で何も始まらない。歩み出したこ
の足を止めない為にも素直に吐いた。
「ただ、お前が気丈に振る舞うのが辛い」
実乃梨の顔から笑顔が消える。
「そっか…判るか……。ねぇ、高須君。胸、借りていいかな?」
「おう」
実乃梨の身体を優しく抱きしめる。部活で鍛えていて、しっかりした身体付きだ
と思ったが、どうだろうか。腕に感じるのは、柔らかくて下手に力を入れてしま
えば折れそうな女の子の身体そのものだ。
「うわぁぁぁぁぁぁあ!!」
泣き止むまで、何も言わずにただ抱きしめた。


「じゃぁ、俺行くな」
「うん。寄り道しちゃダメだからね」
実乃梨がもう大丈夫だと言うので、素直に離れた。顔を見ればそれが欺瞞だとは
簡単に判ったが、それでも大丈夫と言ったのは一人でいたいという事なのだろう
。心配と優しさはただひたすらにかけて良いものではない。
表に出て、大河を探す。だが、先程居た場所にその姿はない。
「大河ーーっ!!」
我無者羅に走りながらその名を叫ぶ。まだ部活をしていた一部の生徒が、驚きと
好奇の目で自分を見て来たが、見向きもせずにその視線をくぐり抜けた。
何故大河は自分の手元から離れて行ってしまったのだろうか。自分が実乃梨を選
んだと思い、絶望感に当てられただろうか。
拳を強く握る。すれ違う想いに苛立ちが湧いてくる。あの手紙を開き、あの短い
文章を読んだ自分が涙を流したのもその理由も大河は知らない。
『好きです』の四文字が力強く描かれたいかにも大河らしい手紙は、両想いにな
れた証だった。幸福などと言う陳腐だが率直な気持ちが竜児の心を満たしたのだ


19 :【ジグソー】:2009/05/27(水) 01:43:01 ID:UtCKHR+y
三流恋愛小説のような出会いをし、三流私小説のような葛藤を繰り広げ、そして
また三流恋愛小説のような局面を迎えている。
大河はおそらく全てを明かして全てを終わらせる気だったのだろう。だが、それ
は自分も同じだ。ただ、思い描く未来が違う。
大河はお姫様だ。誰よりも我が儘で、誰よりも美しく、誰よりも淋しがり屋で、
そして誰よりも優しい。心の奥で自分以外の人の幸せを願っているような御人だ
。自分は、騎士としてそんな姫の命令に従って来た。だが、忠誠を誓った騎士に
だって意思は在る。会えば、ありったけの我が儘を言わせてもらうつもりだ。
自分の家に押し入り、自室の窓を開け放つ。睨み付けた先の窓は開いている。
先日、自分は大河をこの事で怒った。しかし、こう見てみると、成る程、思わず
手を伸ばしたくなる絶妙な距離感が在しているのが判る。焦燥感と僅かばかりの
需求心が在れば、跳び越えてしまうのはもはや抑えが利かない行為だ。
そう、今の自分のように。
助走をつけて、一回跳んで手摺りに。二回目の跳躍で窓の奥へと滑り込む。入口
は、竜児の身体には少々小さく、入るときに節々を打ってしまったがそれに感じ
入る暇さえ惜しかった。
「竜児ッ!」
「おう、大河。窓から失礼な」
四肢を床に投げ出す情けない姿を大河に曝しながら、以前出来なかった住居への
侵入の理を入れる。
「な、なんであんたが此処に…」
「大河!」
起き上がって大河と目線を合わせる。これから話す事は対等として聞いて欲しか
ったからだ。
「大河。お前は卑怯だ。俺の気持ちを考えずに櫛枝と結ぼうとしやがった」
「だってそれは――
「良いから黙れ。発言は俺が一通り話し終えるまで許さん」
自分の決心も新鮮で、大河も竜児の奇異な行動に驚いて次に繋げる言葉に迷って
いる今が好機だった。ここを逃したら、多弁家の自分は別離の言葉も無しに去っ
て行ってしまうだろう。
だから、今だけ自分中心に世界を把握する。
「お前は俺がこの手紙を呼んで泣いたのを知らない。その理由もだ」
ポケットから取り出した、左手一本で懸命に折った紙製手裏剣を大河へ投げる。
歪つな形のそれを大河が柔らかに受け取って、目を丸くする。
「りゅ…」
喋りかけた大河を目で制し、代わりに顎で解いてみるよう催促する。大河は少々
逡巡した後、それを手裏剣からゆっくりとただの一枚の紙へと戻していった。
「大河。俺の我が儘を聞き入れてくれるか?」
手紙を見て顔を赤くした大河に問う。手紙には竜児が或る工夫を加えていた。
大河は口をぱくぱくさせて何も言わず、うろたえる以外何も反応を示さなかった
が、竜児はその沈黙を了承と受け取った。
「俺と結婚しやがれ!」
幾千の歯が浮くような言葉よりも陳套で率直な言葉を選んだ。そちらの方が我が
儘らしく、なにより彼女の胸に鐘楼の響きが如く鳴ってくれそうだったからだ。

20 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 01:52:38 ID:UtCKHR+y
>>19
とりあえずここまで。次でこの物語もラストです。ヴォネガット氏の言葉を引用しますが、この物語は肺炎に罹らせていただきました。そのせいで、急に方向変わったなと感じるかもしれません


今回の太陽と月の話ですが、本来は実らぬ恋の話です。が、作者は日食と月食の時にあんなに深く交わってるのに恋人じゃない訳がないと思ってます

21 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 02:10:30 ID:UtCKHR+y
>>14
スレじゃなかったorz
どんだけジグソーを引き摺るつもりでいるんだ俺は…

22 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 02:12:38 ID:UtCKHR+y
そして指定ミスをするという。今に始まった事じゃ有りませんが、今回はいくらなんでも抜けすぎですね

23 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 02:42:08 ID:LTxfCNAs
ドン( ゚д゚)マイ

24 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 05:24:41 ID:mK6bjrrQ
新スレ&まとめの人乙!

自分は布団の中でスレをみてニヤニヤしつつ落書きってのがデフォなんで
いつも手書き+汚い写メですが、色塗る時はPCです。
カラーは3スレ目のツーショット登校しか上げてないけどw


ttp://imepita.jp/20090527/190550
最初はもっと大河のポーズが違ったんだけど
その…どう控えめに見ても…対面座位にしか見えなかったのでこうなった。
そしたらpntが見えた。

25 :検察側の証人 ◆fDszcniTtk :2009/05/27(水) 07:40:09 ID:9KeXqnXb
「許せないことって言ったよな。だから軽い悪さはこのさい数えなくていいだろう」

スーパーを出て、歩きながら竜児が言う。大河が持ちたいといったので小さなビニール袋を一つ持たせている。

「軽い悪さって?」
「たとえば、お前結構春田の扱い悪いよな」
「そ、そうかしら」
「そうだよ。ほら、俺が春田にヘアピンをあげようとしたとき、春田に飛びかかってたよな。あれはもちろん、お前が俺の事を思ってくれての事だったんだけど、春田にしてみるとびっくりだよ。
あと、北村が髪染めてきたときには、春田に北村から電話があったってだけで逆上してたろ。あのとき、春田は顔の骨がミシミシいってたぞ。まじで怖かったんだからな」
「そそそそういえばそんなこともあったわね」

竜児がノーカウントを宣言している軽い話ですら、被害者の骨がミシミシ音を立てている。竜児が有罪と考えてる自分の罪がどんなものか、寒気を感じた大河は思わず振り返る。後ろから大鎌を構えた陰気な死神がおっかけて来たりしていないだろうか。幸いにも、いない。

だが傍から見ると、すれ違うものすべてを地獄に送り込みそうな顔をした死神が、ちゃんと大河の横に立っている。学生服を着ているが。竜児のことだが。

「それから俺と出会った頃、みんなが俺の事を誤解してるって大暴れしたことがあったよな。俺はすごく嬉しかったけど、あれはやり過ぎだぞ。みんな困ってたじゃないか。まぁ、これもノーカンでいいや」
「そ、そう?ありがとう」

閻魔大王のような怖い顔のくせに、慈悲深くも乱暴狼藉を許してくれる竜児に、大河はひたすら感謝するしかない。

その後、竜児は傷心のクラスメートをおしべめしべ話でいたぶった話を可哀想で片付け、生徒会長戦のときにマイクで独身をぶっ叩いた事を事故で済ませ、文化祭のミスコンでよそのクラスの女子を下女扱いしたことをお祭りだからと笑い、
水泳の授業中に花も恥じらう年頃の同級生の水着を衆人環視の中ひん剥いたことを青春の1ページとし、ものまね150連発を酷いことするなぁで済ませ、
生徒会の黒猫男の顔に風水落書きをした上にカツアゲしたことを少々やり過ぎだがあれはあいつの勘違いが悪いよなで片付け、同じクラスの女子にバスケットボールをあてろと言ったことを未遂で良かったなで終わらせた。

「わ、私。か、なり酷いね」
「ん?気にするなよ、このくらい。みんな忘れてるだろう」

忘れているだろうか?

そりゃバスケットボール未遂事件は誰も知らない話だが、黒猫男にやったカツアゲあたりは、今からでも学校にばれたら前回の停学とあわせて即退学を食らうかもしれない。
今日の今日まで何事もなかったように暮らしていた大河も相当悪いが、数え上げた後に笑って済ませている竜児のほうも空恐ろしい。まるで映画の中で、殺した人の数を笑って数えているギャングのようではないか。
ひょっとして、泰子が育て方を間違えていたら相当悪くなっていたのではないかと大河は心配になる。そして、ギャングっぽい扮装の竜児を想像して、あまりに似合うので身震いする。黒いスーツに身を固め、帽子を片手で押さえてあごをついと上げ、にやりと笑っている竜児。

似合いすぎる。

姿かたちはともかく、竜児が大したことないとして切り捨てた悪行の数々に、大河は死んだら地獄行きだと覚悟を決める。だとしたら死ぬわけにはいかない。きっと竜児は地獄には落ちてこないから。思わず手を伸ばして竜児の制服の袖を掴む。

「なんだ?」
「何でもないけど…握ってていい?」
「お、おう。…もし嫌だったら、話やめるぞ」
「いいの。続けて」

目を白黒させながら必死の形相で見上げる大河に、竜児が躊躇する。しまった、またやり過ぎたかと思うが、後の祭りだ。顔を見ればわかる。大河はこうなったら全部聞いてやると腹を括っている。

「ねぇ」

大河に袖を引っ張られて竜児が続ける。

「ええと…そもそもはお前が許せないことをしたかどうかって話だったよな」
「…うん」
「さっき散々あげつらったけど、ああいうのはまぁ忘れろ。たいしたことじゃない」
「そ、そう?」
「ああ。たいしたことない。数が多いだけだ。忘れろ」
「竜児が…そう言うなら。でも…」
「でも、何だ」
「許せないことって、やっぱりあるってことだよね。竜児の言わなかったことの中に」
「…まぁな…」

◇ ◇ ◇ ◇ 

26 :検察側の証人 ◆fDszcniTtk :2009/05/27(水) 07:41:13 ID:9KeXqnXb
傍からどう思われているのかは知らない。

学校で大河にがみがみ言える生徒など片手で数えられる程度だ。竜児はその一人に入っている。だから、ひょっとしたら、見る人によっては竜児は大河にあれこれうるさく言っていると思っているかもしれない。実際、そうなのだろう。

だが、生まれながらの逢坂大河専用世話焼き体質にして、大河のやることなら相当大目に見ている竜児は、並の人間では想像できないくらい多くのことを黙って呑みこんでいる。
鯨一頭まるまる呑みこんだ後に、どうです、これからとんこつラーメンでも食べに行きませんか、と言う。そのくらいの度量がなければ逢坂大河の横には立っていられなかった。そして高須竜児こそは、逢坂大河が恋人にふさわしいとして心を預けてきた男なのだ。

その、竜児が腹の中に呑み込んできた多くの事柄の中には、確かにある。許せないことが。

しかし、それはいちいち言わなければならないことなのだろうか。世間が逢坂大河を横暴で乱暴だと言うのなら、竜児だって世間に言いたいことがある。大河を長い間ほったらかしにしてきたのは誰なのだ、と。
長い間、誰にも見守られることなく真っ暗な底なしの穴のような子供時代を大河に送らせたのは誰なのだ、と。世間はそれは親の責任だと言うだろう。ふざけるな、と竜児は思う。
親だって完全ではないのだ。そんなときに誰一人手を伸ばさなくていいなんて道理があってたまるものか。

片親の家庭に対する世間の風の冷たさを身にしみて味わってきた竜児は、大河が送った少女時代を考えるだけで身震いする。親がだめなら教師が面倒を見ろなどという馬鹿親みたいなことを言うつもりはない。だが、誰も子供をかまってやらなくていいなんてことはないはずだ。
大河が孤独な少女時代を送っていた間、実の親をはじめとして誰も暖かい手を差し伸べてやろうという大人は現れなかったのだ。だからこそ、大河は施設の子供たちにクリスマスだけでもプレゼントを贈ってあげたいと言う。それがどういう意味かわかるか。

逢坂大河を許せないという大人がいるなら、俺が大河のために弁護してやる。 竜児は本気でそう思っている。世間が許さなくても、俺が許す。道理も何も曲げて許す。竜児はそう思っている。大河は特別なのだ。ゆっくりと、優しい女になってくれればいい。
実際、新学期になって大河は見違えるほど明るくなったじゃないか。長い間、ほったらかしだったのだ、少しくらい長い目で大河が育つのを見てやってもバチは当たらない。世間的に許せないことがあったとしても、少々大目に見ていいはずだ。竜児はそう思っている。

だから、大河には話したくはないのだ。自分が呑みこんだものを。呑みこむのが苦しかった分、吐き出せば自分の口は何を言うのかわからない。そんな恐ろしさがある。

「お願い、竜児」

思いのほか、まじめな話になったのは、やっぱり自分がまじめすぎるからだろうか、と竜児は空を見上げる。

「なぁ、大河。やっぱり言わないとだめか?俺はお前には…」
「お願い」

たかが夢じゃないか。

「竜児…」
「独身につらく当たったのは許せないことだったな」

前を向いたまま、竜児が話し始める。押さえつけていただけに、自分でも驚くような唐突さで口をついて出てしまった。ひどく後悔した。後悔しているのに、口が止まらない。


27 :検察側の証人 ◆fDszcniTtk :2009/05/27(水) 07:42:05 ID:9KeXqnXb
「独身?」
「あいつ、お前が送ってきた葉書きを俺に見せてくれたぞ。エスケープの罰に俺が反省文書いてたときに」
「葉書きって?」
「お前が停学食らってたときの」
「ああ、あの葉書き…」
「なんだよあれ。色鉛筆で一色塗りって。どんだけひねくれ坊主なんだよ」
「だって…」
「お前、独身がどれだけ狩野屋の店長さんに…兄貴の親父さんに頭下げたか知ってるよな。独身がどれだけ職員会議でお前のこと護ってくれたか、想像つくよな」
「…つくけど…」
「お前のこと、独身は真剣に思ってくれてたんだぞ。先生だって他人なんだから、そこまでする必要なんかないんだ。それでもあいつはお前に手を伸ばしてくれてたんだ。
お前だけじゃない。北村がわめき散らかした時だって、自分の合コンをドタキャンして北村を探し回ってたんだ。俺たちが授業エスケープしたときだって、かばってくれた。あいつはそういう奴なんだよ。そういう気持ちを踏みにじるような事、するなよな」
「…ごめん」

竜児はため息をつく。

いつになったら自分は激情を抑えて話をできる人間になるのだろう。親からもらった目つきの悪さに悪態をついている場合じゃない。この口から出る言葉だけは、自分の責任なんだから。大人になったらちゃんと話ができるようになるのだろうか。
湿度の高い青に染められた空を見上げる。

「すまねぇ。強く言い過ぎた」
「いいの。そんなこと言ってくれるの竜児だけだから」
「そうか?櫛枝とか川嶋もいるだろう」
「そうだけど…竜児は特別なの!」
「そうか」
「うん」

ようやく竜児のアパートにたどりつく。

まだ少し早いから、お茶を飲んでいく時間くらいはあるだろう。鍵を開けながら隣の高級マンションに一瞥をくれる。あんなところに放り込みやがって。と、逢坂陸朗に毒つく。もっと早く大河と出会っていればよかった。そうすれば、大河が一人で泣く回数だって減ったろう。
自分のやらかしたことに後から後悔する回数だって減ったろう。

「茶ぐらい飲んで行くだろう」
「うん、ありがとう。ねえ竜児、ほかには?」
「茶菓子か?今は切らしてるなぁ」
「そうじゃなくて、許せないこと」

振り返って竜児が大河をにらみつける。しつこいぞ、このくそチビ。と、思っているわけではない。あきれているだけだ。どうしてそこまで過去の悪行にこだわるのだ。しかも裁かれたのは夢の中じゃないか。しばしみつめ、そして、ついと顔をそらす。

「まぁ、あとは兄貴の親父さんによそよそしいくらいか」
「あれは…だって…気まずいもの」
「わかってるよ。だから俺も何も言わないだろう」

狩野すみれと殴り合いの喧嘩を演じた大河は、ほとんど退学確実だったのだ。それを救ってくれたのは狩野すみれの父親の「手を出したのはうちの子も一緒だから」の一言だった。
大河は独身に連れられてちゃんと謝りにいったし、それはそれなのだが、その後顔を合わせるたびに大河は気まずそうな顔をしている。竜児はそれをわかっているから、大河と一緒の時には、あまり狩野屋には行かない。

「また謝ったほうがいいのかな」
「そうじゃねぇ。会ったらちゃんと挨拶しろってだけだ」
「でも…」
「…大河、俺たち結婚するだろう」

うつむいていた大河が、え?と竜児を見る。竜児は真剣だ。話をそらしたわけでもなんでもない。そういう顔で大河を見ている。

28 :検察側の証人 ◆fDszcniTtk :2009/05/27(水) 07:43:05 ID:9KeXqnXb
「結婚するだろう」
「うん」
「子供、ほしいか」
「…ほしい…ほしいよ。竜児と私の子」

大河は顔を赤らめて、でも、真剣な目で竜児に答える。

「その子が女の子で…大きくなって…目に入れても痛くないほどかわいいその子が…傷だらけになって学校から帰ってきたら。お前は喧嘩の相手を許せるか」
「…」

そのままフリーズ。キッチンシンクを背に大河を真剣な目で見つめている竜児から、気まずそうに目をそらす。狩野屋の店長の言葉の重みが、いまごろわかってきたのだろう。

「…竜児は許せる?」
「…そのときにならないと、わからねぇ。言えるのは、今の俺にはできそうにないってことだけだ」

大きくため息。

「でも、あの人は自分の心を押し殺して、お前のためを思って許してくれたんだ。俺たちなんかには想像もできないほど大変なことだ。その気持ちに、お前はこたえなきゃいけない。そう思わないか」
「…思う」
「そうだろう。そういうことだ」

竜児はもう一度こちらに背を向けてお茶の用意を進める。

「どうすれば…いいのかな」
「挨拶をしろ。会ったら頭を下げて、こんにちはと大きな声で言え」
「そんなので、いいのかな」
「いいんだ。おかげで道を踏みはずさずに、ちゃんと歩いています。そう伝えてやれ。俺たちみたいなガキにできるのはそのくらいだ」
「…竜児はガキじゃないよね。私だけガキだ」

竜児はお茶を淹れる手を止めて、こんどは小さくため息。

「買いかぶるなって」

淹れ終わった茶をお盆に入れて竜児が運んできた。今でも高須家に残してある専用の湯飲みを大河の前においてやり、自分も座る。大河は座布団の上に制服姿でちょこんと正座している。

「ねぇ、ほかには?」
「ああ?挨拶だけでいいよ」
「そうじゃなくて、ほかに許せないこと…」
「俺が思いつくのはそのくらいだ」
「嘘」

大河がお茶を前にしたまま、竜児の顔を覗き込むように言う。

「嘘なもんか」
「だって…狩野すみれのこと」
「殴りこみの話か」
「うん」
「あれはいいんだ」
「いいって。竜児…」

大河が目を見開く。いいはずがない。白昼に木刀を持って上級生の教室に殴りこみをかけ、相手に怪我をさせたのだ。いいはずがない。

「お前は北村の気持ちのためにやったんだ。俺はそれを知っている。北村も、兄貴も知っている。だから、いいんだ」
「そんな…だって…私…そうよ、それ、きゃっかんてきじゃないじゃない」
「いいや客観的だね。ほかの奴が違う意見だとしたら、そいつが客観的じゃないんだ」
「だって私、停学になったよ。私も退学になると思ってたもん」
「知るか。規則は規則。気持ちは気持ちだ。今度同じ事があっても、もう暴力は振るうな。北村もそう言っていたろう。そういういことだ。この話はそれでいいんだ」

29 :検察側の証人 ◆fDszcniTtk :2009/05/27(水) 07:44:30 ID:9KeXqnXb
まん丸に見開いた大河の瞳が、潤んでくる。そして顔を伏せ、

「竜児は私に甘すぎるのよ」
「そんな事はねぇ」
「甘いわよ」
「なんなら、俺が本気で甘やかすとどうなるか見せてやってもいいんだぞ」
「バカ」

軽口をたたく竜児を小さな声でののしる。

制服に包まれた小さな体が震えている。尖らせた口元がかわいらしい。唐突に、竜児はその白い頬に手を伸ばしたくなる。柔らかそうな頬の誘惑は、竜児の理性を吹き飛ばしそうだ。でも、こんなときに本当に今手を伸ばしたら大河の腕が竜児を吹き飛ばすだろう。
どうだろうか。試しに手を伸ばしてみたいという衝動が大きくなる。

「私、竜児にひどい事いっぱいしたよ」
「ひどいことって殴ると蹴るとかか?」
「うん。悪口も言った」
「あれはひどかった」

竜児が笑い声を上げる。
「頼むからもうしないでくれ。せめて手加減してくれ」
「許せないよね」
「いや、いいよ。気にするな」
「だって」
「いまさら何言ってるんだよ。俺はお前にプロポーズして、お前は俺にOKを出した。それの何が不満なんだ」
「話そらさないで」
「そらしてない。な、もういいだろう。夢のことでくよくよするのはよせ。もう泣くな

泣くなといわれて却って抑えきれなくなったのか、鼻をすするのに加えて、とうとう涙声になった。

「…竜児」
「何だ」
「泣いているときくらい、横にいてよ。フィアンセなんだから」
「おう、すまねぇ」

苦笑しながら立ち上がり、テーブルを回りこんで大河の横に座る。顔を赤くして肩を抱き寄せてやるのだが…

「ねぇ竜児。私ひとつわかった」
「おう、なんだ」
「座布団に座ったままだと泣きにくいね」

わがままな奴だな、と苦笑しながら竜児は体をひねって制服姿の大河を抱え上げ、自分の胡坐の上に横抱きにする。声を漏らす大河の背中を抱き寄せると、今度は少しはすわりがいい。大河は竜児の肩に顔を押し付けたまま、嗚咽をこらえている。
大河の髪の毛から甘い香りが漂ってきて、竜児の顔を包む。小さな体から体温が伝わってきて、竜児の心拍数が跳ね上がる。

「ねぇ竜児」
「今度は何だ」
「私、竜児を好きになってよかった」
「…俺もお前を好きになってよかったよ」
「…ほんと?」
「ああ、本当だ」
「私悪い子なのに?」
「言ったろう、お前はもう悪い子じゃないんだよ」
「…私、狩野屋のおじさんにちゃんと挨拶するね」
「おう、やれやれ。これからは買い物にもどんどん連れて行ってやる」
「独身にも謝ったほうがいいのかな」
「そのほうがいいんだろうけど…お前がやりにくいなら、葉書きでも出してみたらどうだ」
「…葉書き?」
「ああ、それで気持ちは伝わるさ。ありがとうって一言書いとけよ。きっと泣いて喜ぶぜ」
「…そうかな」
「そうさ」
◇ ◇ ◇ ◇ 

30 :検察側の証人 ◆fDszcniTtk :2009/05/27(水) 07:45:35 ID:9KeXqnXb
「ねぇ竜児」
「おう」
「…竜児はずるいね」
「するいって…なんでだよ?」
「自分ひとりで大人になって。私だけ置いてけぼり」
「そんなことねぇだろう」
「あるわよ」
「そうか?」
「そうよ。ずるいんだから…」
「そうか」





◇ ◇ ◇ ◇ 

「ねぇ、竜児」
「おう」
「キスして…」





◇ ◇ ◇ ◇ 

大河はもう、去年のようには泣かなくなった。不安で、寂しくて、一人で泣いていたのが遠い昔のようだ。今はもう、そんなことでは泣かない。不安は前ほど大きくないし、一生続く絶望に立ち尽くすことも無い。
夜に竜児のことを思って寂しくなることはあるけれど、朝になればまた会える。

でも、竜児と付き合うようになって、違う理由で泣くようになった。そして竜児の腕の中で泣くという、蜜のように甘いひと時の味を覚えてしまった。覚えてしまった以上、以前のように我慢するのは難しい。
我慢しようと思っても、竜児の胸で泣きたいという誘惑に負けてしまう。竜児のことが好きで好きで仕方なくて、泣いてしまう。

自分は、ひょっとしたら以前より泣き虫になったと竜児に思われているかもしれない。そう思って、大河は気恥ずかしさともうれしさともつかない気持ちに頬を染める。

「なぁ大河」
「…何?」
「夢の中では、お前が裁判で被告になって…俺が検察側の証人として呼ばれたんだよな」
「うん」
「本当にそんなことになったら…ねぇと思うけど…そのときは検察側の証人として、お前はいい子だと証言してやる」
「………うん」

ほら、またこうやって竜児は大河を泣かそうとする。

竜児の意地悪…

小さくつぶやいた大河の言葉は竜児には聞こえていない。幸せそうな笑みも竜児には見えていない。

◇ ◇ ◇ ◇ 

31 :検察側の証人 ◆fDszcniTtk :2009/05/27(水) 07:46:33 ID:9KeXqnXb
「ねぇ、竜児も悩みがあるって言ってたじゃない」
「おう、てんこ盛りだぜ」
「どんな悩みなの?」

大河の家まで送っていく道すがら、大河が竜児の顔を見上げる。太陽はもう沈んでいるが、空の色はまだ明るい。見上げた大河の瞳がきらきらしているように思えるのは、雲が写りこんでいるのだろうか。

「いや、大したことじゃねぇって」
「なによ、自分だけ無理やり聞き出しといて。私は竜児のフィアンセなのに」

頬を染めているのは怒っているのか、フィアンセ、という言葉にまだ慣れていないせいか。そんな頬を膨らました顔すら可愛いと思うのは、俺も相当重度の病気なのかと、竜児は苦笑い。

「怒るな怒るな…そうだなぁ。この前は英語のテストが75点のときに大橋に行ったな」
「何ですって!」

急にボリュームが大きくなった大河の声と同時に、傍らでブン!とすさまじい音がする。見ると、大河が歩いて行くのと逆の方向を向いて固まっている。
それだけでも不自然だが、上体はぐっと左に傾け、右足はほぼ水平で空気を切り裂くような形のままという、さらに不自然な姿勢。つまり、その、反射的に回し蹴りを竜児に叩き込もうとして、途中で思いとどまったのだろう。

あっけに取られて目を丸くしている竜児を、きっと大河が見上げる。あー、睨み付けてる睨み付けてる。

「あんたねぇ、75点なんて点数で卒業できると思ってるの?」

いや、できるだろう。てか、1年生のときのお前の成績は相当悪かったと聞いてるぞ。名前の書き忘れで。竜児はそう思うのだが、もちろん声に出さない。注意一秒怪我一生。こういう顔の時の大河は「猛獣注意」だ。しかしまぁ、大河は大河でがんばっているらしい。
馬鹿竜児とも、駄犬とも言わず、

「週末のデートは中止!あんたんちで英語の勉強するからね」
「はいはい」
「『はい』は1回!」

ぷんぷん怒っているだけだ。

これが夢の効果なら、竜児は夢に感謝しなければと苦笑する。そりゃそうだ。去年なら回し蹴りを1発叩き込まれて胸倉掴まれたまま、首でもくくろうかと思うような罵詈雑言をたっぷり3分間聞かされているはずだから。

「おーーい、たかっちゃーん!たいが〜!」

大河に見つからないよう、必死でニヤニヤ笑いを抑えているところに、春田の声がする。見ると、向こうから能登と二人で歩いてきている。

「おう、どうした」
「ラーメンよラーメン。もう、たかっちゃんが大河とばっかりラブラブで遊んでくれないからあ、能登っちと二人で寂しくラーメン食べてきちゃったよ」
「そうか」

苦笑する竜児の横で大河が顔を赤くして困っている。

「高須、もっと遊ぼうよ高須。クラスは違っても俺たち2−Cのモテナイ・トリオだったんだからさぁ」
「あー、わかったわかった。悪かったよ」

能登も大河を警戒しつつ、普段の竜児の付き合いの悪さをなじる。確かに3年にあがってから、竜児は大河とばかりいる。いいじゃないか。婚約したんだし。そもそも、モテナイ・トリオを真っ先に脱退したのは春田のはずだ。
トリオ崩壊の危機の今、存亡は能登の双肩にかかっているぞ…とは、さすがに言えない。

「あのさ、私、私、あああああんたのことロン毛虫とか呼んで、その…」

おお、と竜児は目を丸くする。大河はどうやら春田にこれまでの悪逆非道の数々を謝るつもりのようだ。何たる進歩!
これが全校から手乗りタイガーの二つ名で恐れられ、廊下を歩けばモーゼが紅海を渡るがごとく人波が割れ、全校生徒の心の兄貴に木刀振り上げ殴り込んでいった逢坂大河か。竜児は感動のあまり目頭が熱くなる。

32 :検察側の証人 ◆fDszcniTtk :2009/05/27(水) 07:51:28 ID:9KeXqnXb
しかし相手が悪かった。

「あっれー?こっち学校じゃなくてたかっちゃんちじゃーん?なーんでたいが〜こっちから来てんのー?あ〜俺わかっちゃた〜。たいが〜たかっちゃんちでいちゃいちゃしてたんだ〜。いいなぁ〜!いいなぁ〜!俺もいちゃいちゃしたいなぁ〜。
あ、なんか俺、股間がぞわぞわしてきちゃった〜!ちん…」

空気を切り裂くような音に続いてバキッ!といやな音が至近距離でする。大河のかかとが春田の太ももに突き刺さっているのを目にしたときには、春田は「ぱふゅ〜〜〜む〜〜〜」とか変な声を上げつつ、崩れ落ちていくところだった。

「いった〜い、たいが〜何すんの〜?俺たち友だひゃぐぐぐっう!」

お前が「何するの」だ、と竜児がテレパシーで突っ込みを入れている間に、大河は左手で路上に崩れた春田の胸ぐらをつかみ、小さな体のどこにそんな力があるのか路上から無理やり引き釣り上げ、右手で両頬ごと歯茎をつかむ。
ぐぐぐしゅしゅぐしゅ…と、人間とは思えない音を春田に立てさせながら、グリンと大河の首がこっちを向いた。怖い。思わず一歩後ずさる。

「竜児、こいつ殺しちゃだめなんだよね、殺しちゃだめなんだよね」
「殺すな、殺すな!泣くほど悩むことかよ!」

怒りと理性のせめぎあいに体を震わせながら目を白黒させる大河をなだめ、春田を救出するのに能登と二人で大騒ぎ。せっかく大河が1歩前進したのに、愉快な仲間たちときたら、2歩下がらせようとする。こりゃ先の長い話だ、と竜児はまたもや空を仰ぐ。
今日は空を仰いでばかりの気がする。

仕方が無い、大河の「いい子計画」には、のんびり付き合うか。

朝方よりも、湿度が下がったのだろう。梅雨前だというのにさわやかな夕暮れだった。大騒ぎする大河が振り乱す髪も、心なしか、いつも通り夢のように美しく舞っているように見える。

(おしまい)

33 : ◆fDszcniTtk :2009/05/27(水) 07:52:34 ID:9KeXqnXb
------

すみません、まとめサイト管理人さんにお願いがあります。

暇なとき、気分が向いたら出いいので、

「クリーム・ソーダ」→
「天気がいいからピクニックに行こう」→
「You are too beautiful」→
「蹴っ飛ばしてやろうか」→
「Sundays, October」

の順に「続きはこの作品」的なリンクを張っていただけないでしょうか。

上の一連の作品は(私の作品にしては)良くできていると思っているので、混ざらないようほかの投稿ではトリップを使いませんでした。今回長くなったのでトリップをつけましたが、「検察側の証人」は、「蹴っ飛ばしてやろうか」とはつながりません。別の話です。

図々しいお願いだとは承知しています。気が向いたらお願いします。


34 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 08:43:35 ID:qtO1EHcT
>>24
出勤前にいいもん見たわ
脳に刻み込んで仕事しよう

35 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 11:50:05 ID:Drl+cXH3
>>24
あんた天才だw
俺の身体的変化に責任とれー!www

36 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 12:56:45 ID:SVCeFMZj
>>20
いきなりプロポーズとはたかっちゃんらしい
そして
「日食と月食の時にあんなに深く交わってるのに恋人じゃない訳がない」
に感動した
ちなみに日食と月食は年に二回ずつ必ずあります
あと改行は句点ごとに行ってくれた方がPCだと読みやすい

>>21-22
もうべっかんこ使ってアクセスしろ
http://ula.cc/

37 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 12:57:44 ID:SVCeFMZj
ところでお前ら前スレ埋めてからこっち使えよ!!

>>24
すげえ!これはナイスクオリティだ!
そして鉄壁が破られたw

38 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 14:35:03 ID:TSyr7ZAv
>>24
光速で保存した

39 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 18:55:30 ID:rWadRbJq
>>24
見た瞬間に保存されていた。
正直、何が起こったかわからなかった。

>>33
検察もすごく良かったです!
ああ、たくさん良作があって至福w

40 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 20:07:14 ID:dpKhT73x
前スレ500KB到達終了
みなさまお疲れさまでした

>>24
URL見て保存クリック余裕でしたwwww

41 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 20:07:25 ID:Gz/tBP7V
>>1乙です
てか、自分の提案したタイトルがついて素直に嬉しいな!
次スレタイトルも案出すぜ!
てか、俺も便乗してSS書いてみようかな・・・

42 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 20:31:47 ID:dpKhT73x
>>41
いくつかスレタイ案をストックしていただけると非常にありがたいです
SSもどんどん書いちゃって書いちゃって

43 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 20:59:10 ID:dpKhT73x
>>33
こういう時系列かあ
いいねえ

しかし長編書ける人マジスゴス

44 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 22:26:32 ID:iqKptfBh
>>24
ふと携帯のiピク開いたらこの絵があったんだけど
なんなのこれ、ウイルス?

45 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 22:50:07 ID:Os5jQwBX
>>33
有難うございました。相も変わらず素晴らしい!
“「猛獣注意」「ワレモノ注意」の二つの札” や、“つむじに元気がない”とか
“竜児の腕の中で泣くという、蜜のように甘いひと時”
凄くイイ!と思いました。やっぱ表現が素晴らしい!

こうして、大河は取り戻していくんですねー、いろんなものを
竜児、大人になったなー。守る人がいると力が倍増するタイプですね。
でも“またやり過ぎたか”も竜児らしいが。

>>24
の画が挿絵になって、倍楽しめた。
何か見えてるのはサービスということで。

46 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 22:51:11 ID:p8UAy1Si
>>24
うおお大河かわゆす!!竜児かっこいい!!
色塗るの上手いっすねーww

24さんと若干かぶる?かもしれんが、せっかく描いたので、自分も絵投下。
竜虎お姫様だっこです。まだまだ画力足りませんがorz
そして、自分は色塗りは大河の料理(以下略なのでしてません…

ttp://bear.lolipop.jp/upl/cgi/upl_img/3486.jpg

47 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 23:27:00 ID:9KeXqnXb
>>45

感想ありがとう。そうやって気に入ってもらえたところを具体的に教えてもらうと、
本当に励みになるよ。特にその三つは自分でも密かに気に入っていたところなので、
2828してる。

>>24
いい絵だねぇ。"You are too beautilful"のときもそうだったけど、投稿中にネタが
かぶってしまって心臓が止まるかと思った。どこかのスーパーハカーが俺のPC
覗いてるんじゃない?←自意識過剰



48 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 00:01:22 ID:/POrKkGd
>>46
かわいいな

49 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 00:03:18 ID:FXEE2/G7
>>47
似たもの同士が集まってたまたま同じような心理状態になるとネタがかぶるのではないか

50 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 00:37:21 ID:x0SFQYca
>>47
いつも楽しませてもらってるので、こちらこそ有難うです。

「とらドラ!」は原作もアニメも物足らない(勿論、もっと続けてくれ的な意味で)
ので、ここが無かったら身悶えして、眠れねぇ・・・

>>ネタがかぶってしまって心臓が止まるかと
投下途中だと、思わず後ろ振り返りたくなるの、分かります。
でも、まとめ人さんの手によって、最高の挿画になるんだぜ!

また“大河横抱っこ”はこのスレじゃ、標準装備だしな!


51 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 00:39:51 ID:mFnvooPm
アクセス規制でPCから書き込みできない…投下したいのにさ…
携帯ならいけるのかな?
転送してから投下しようかな。

52 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 01:03:20 ID:c064MGUQ
>>51
がんばれ!

53 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 02:34:50 ID:7u4BSdb1 ?2BP(0)
8レス程借ります
スレ違いな感じもしますので、マズかったスルーしてください。
では

54 :1/8:2009/05/28(木) 02:36:54 ID:7u4BSdb1 ?2BP(0)
それはこんな一言から始まった。
『しっかりしろよ』

今朝も高須竜児は台所に立っていた。最愛の恋人との再開も果たし、その顔を想い浮かべながらニヤニヤと…
でも現実は厳しい、泰子の両親からの援助もあり進学する事にしたが、一体いつになったら大河との約束を果たせるのだろうか?
「嫁に来いよ」
ハァとため息が出てしまう。
出来れば自分としても早く大河と家庭を持ちたい、でも社会の常識を重んじる俺としては収入もないのに余所のお嬢様を嫁にくれとはいかない。
それに大河の両親だって納得してくれる訳がないし……
とにかく今は考えても駄目だ、目標に向かって一つ一つ勝ち取るんだ!こんな時はあの言葉だ!

「よっしゃ、盛るぜー!!」

「おはよ〜りゅうちゃ〜ん」
「オッ!おう、おはよう泰子って…」
「どうしたの〜?りゅうちゃん」

今まさに決意を固めた息子の前に眠そうに目を擦りながら泰子は自室から出て来た。
その姿はとても思春期に少年から大人に変わる息子を持つ母とは思えない下着の様な姿。

「またお前はそんなカッコで、もう昼間の仕事なんだからもうちょっと母親らしくと言うか『しっかりしろよ』」
「母親らしく?しっかりしろよ?」

ハッ!しまった、今のは失言だ。
泰子は若くして家も捨て俺を育てる為に苦労してくれているのに…
俺は誰に後ろ指さされようが、陰で噂されようがハッキリ言える『これが俺の母です』と、なのに何だ今の言葉は

「いや悪い、そのなんだ、えぇと……ん?」

俺の意に反し、泰子は難しい顔をして考え込んでる、てっきり落ち込んで悲しい顔をしてるとばかり思ったのに。

55 :2/8:2009/05/28(木) 02:38:48 ID:7u4BSdb1 ?2BP(0)
泰子は考えた、『母親らしく、しっかりしろよ』その言葉を聞いた瞬間キラッ☆と頭に閃く物があった。
でも寝起きである、悲しいかな自分は起きていてもそんなに頭は良くない、だから竜ちゃんにはしっかりお勉強してもらわなければいけない…って、違う違う何だったっけ〜?

「う〜ん?う〜ん?」

泰子のやつ何唸ってんだ?
もう家を出ないと大河との待ち合わせに遅れるし、かと言って唸りながらフリーズした母親をこのままにしては不安だし…

「泰子〜、泰子さ〜ん」
「ヒッ☆びっくりした〜?!」
「びっくりしたじゃねーよ、朝からフリーズしちまう母親にこっちがびっくりだよ」
「ごめんね〜☆」
「いや、俺こそ悪かった…」
「なにが〜?」
「覚えてねぇのかよ!まぁ良いや、朝飯いつの所な」
「竜ちゃんもう行っちやうの?」
「ああ、大河との待ち合わせに遅れ『アアァー!!』
「どっ!どうした、泰子?」
「大河ちゃんだ〜☆」
「何が?なにが大河なんだ?」
「なんでもな〜い☆早く行かないと大河ちゃん待ってるよ〜☆」
「オッ!オウ、じゃあ行ってきます」
「行ってらっしゃ〜い☆」

何なんだ、泰子のやつ?

56 :3/8:2009/05/28(木) 02:41:10 ID:7u4BSdb1 ?2BP(0)
「うふふ☆そうだ、大河ちゃんだ☆」

もうすぐしたら大河ちゃんがお嫁に来てくれるんだった。
竜ちゃんにさっき『しっかりしろよ』って言われて何だろ〜?ってなったのはこれなのか。
竜ちゃんのお嫁さんとゆうことは、やっちゃんの娘、大河ちゃんにとってのお義母さんになるんだからつまり……

『☆嫁と姑☆』

さっき『しっかりしろよ』って竜ちゃんが言ったのはこの事ね、間違いない!
そうだよね〜やっちゃん初めてだし、お嫁に行ってないからお姑さんに会った事ないし、どうしよう…

ハッ!!ダメダメさっき竜ちゃんにしっかりしろって言われたばかり、やっちゃんがんばらなくちゃ☆
そうだ☆お店に行ってパートさんに聞いてみよ、やっちゃん賢い☆


「ただいま」
「りゅうちゃんおかえり〜☆」
「オウ、ん?珍しいなお前がDVD借りて来るなんて?」
「へへ〜☆やっちゃんこれ見てお勉強するでガンスよ☆」
「で?何のDVDだ?」
「渡●世間は鬼ばかり☆」

何の勉強だよ…

57 :4/8:2009/05/28(木) 02:45:09 ID:7u4BSdb1 ?2BP(0)
最近やっちゃんが変だ。

何かよそよそしいと言うか、顔は引きつってるし、言葉が棒読みのセリフみたいだし何なんだろ?
竜児に聞いても「俺も最近泰子がわからなくなった」って言うし…
ハァ〜 私なんかしたのかな?
ダメよ逢坂大河!弱気になったら、これはきっと高須大河になる為の試練よ!考えなくちゃ。
最初に気付いたのはいつだっけ? えっと〜そうだ!みんなで竜児の家に行った時だ!
その日は私が帰って来たお祝いだって言うからてっきり竜児と二人きりだと思って、おもいっきりオシャレして心は乙女モード全開にしたのに着いたら元クラスメートが勢揃い、何なんだ!アァん!
私の乙女心返せっちゅうねん!ハァハァ……

違う違う、今はそれじゃないやっちゃんの事だ。
あの日は、家に入ったらみんなが居てびっくりしてたら「大河ちゃん、おかえり〜☆」やっちゃんに抱き締められて……
そうだ!その後急にやっちゃんがハッ!ってなって

「大河ちゃ…さん、ミッ皆さんにごっ・ご挨拶して、その後グラスととっと取り皿をお配りして」
「ハァ、ハイ」
「泰子、今日は大河が主役なんだぞ!」
「えっ?だってDVDで…」
「まあまあ高須クン、ここはグレート・ウェイトレス櫛枝にまかせたまえ」
「…すまん、櫛枝」

その後は、お酒が入っていつものやっちゃんに戻ったけどあれからだ。後なに話したっけ?うーん………
そういえば、私にじゃなくてみのりんに『櫛枝さんは何でも手際良くやるね〜☆女の子版りゅうちゃんだ〜☆』
……わかった!!わかったわよやっちゃん、そう言うことね!。

つまり…

竜児ように家事が出来るようになるまで嫁には迎えない、いえ高須家の敷居も跨ぐなってことね!

「よっしゃー!ヤッタル〜!!」
「たっ!大河!?」
「あっママ、私ちょっと竜児の家行ってくる」
「えっ?もう8時よ?もう暗いし」
「大丈夫!この決意が変わらないうちに伝えたい事があるの、お義母さんに」

58 :5/8:2009/05/28(木) 02:50:09 ID:7u4BSdb1 ?2BP(0)
「なぁ泰子、最近お前大河に対して変だぞ?」

俺は疑問をぶつけてみた。大河には止められていたが、やはり気になる。

「エッ!?そうかな…」
「ああ、何か態度が冷たい気がする」
「そんな事ないよ〜、大河ちゃんは大切なお嫁さんだよ!、やっちゃんの娘だよ!」
「ヨッ!嫁って、お前の気持ちは嬉しいが気が早すぎるだろ?」
「え〜 だって卒業したら結婚するんでしょ?」
「しねーよ!!」
「なんでー!!!」
「俺は進学するんだ、収入もないのにどうやって生活するんだ!」
「それはやっちゃんが一生懸命働いて…」
「ダメだ、また体調崩したらどうする、だからダメだ!」
「やっぱり竜ちゃんはやっちゃんの事頼りないって思ってるだ…」
「そんな事ねぇーよ!」
「だって『しっかりしろよ』って…」
「えっ?」

全ての謎が解けた、俺の一言が泰子の暴走、いや努力を生んだらしい。
ありがとうお母さん、あなたの行動は俺の予想斜め上を行ってます。
そのあと小一時間かけて俺はこれまで泰子がどれほど頑張って来たか、それに対して俺がどれだけ感謝しているかを伝えた。

「ありがとう…竜ちゃん」
「何度も言わせるな、それはこっちのセリフだ。ありがとう…」
「大河ちゃんも許してくれるかな?」
「大丈夫だよ、今までどうりにしたら大河も安心するさ…」
「……でも、よりにもよってなんで渡●世間なんだ?」
「パートさんに聞いたら『嫁と姑?だったら渡鬼でしょ』って、だって最後はみんな仲良く幸せなるんでしょ?」
「お前何年分見るつもりだよ…」

たしかに今までは夜一緒にをテレビなんて無理だったしな、たまには一緒に見るか……その時

59 :6/8:2009/05/28(木) 02:55:07 ID:7u4BSdb1 ?2BP(0)
ドンドン「りゅーじー!」
ドンドンドン「りゅーじ、開けてー!」

時刻は午後8時20分
「大河?」
何でこんな時間に?
以前なら何ともない時刻だが今は違う、大切な恋人が俺の嫁が夜道一人で歩いて来たのか?これは一大事だ!
なんて危ない事を、説教か?説教するべきなのか?それとも優しく抱きしめて注意をすべきか?う〜ん難しいぞこれは

「…うちゃん、竜ちゃん!」
「ハッ!」
「竜ちゃん!大河ちゃんじゃない?」
いかんいかん妄想が暴走した、早くドアを開けねば。
「もう!どんだけ婚約者を待たせるのよ!」
「すまん」
「春とはいえまだ夜は寒いんだから!あっ!そんな事よりやっちゃん居る?」
「ああ、居るよ。今テレビ見てる、早く上がれよ。」
「お邪魔します」

さぁ!やっちゃんにこの決意、竜児への熱い想いを伝えなくちゃ!逢坂大河一世一代の勝負だわ!

60 :7/8:2009/05/28(木) 03:00:11 ID:7u4BSdb1 ?2BP(0)
…居間にはキチンと正座したやっちゃんが居た、また私先手を取られた?
いや!まだまだ〜!

「大河ちゃん、いらっしゃい。あのね、今まで『ちょっとまって!…ください』

「やっちゃん!いいえ、オッお義母さん!私の話しを聞いてください。」
私はやっちゃんの正面に座り
「お義母さん!」
「ハイィ!?」
あぁ〜もう泣いちゃいそう、でも伝えなくちゃ私の気持ち、竜児への想い、やっちゃんへの感謝を…
そして私の決意を!

「私、逢坂大河は一流の嫁になるまで高須家の敷居は跨ぎません!」
「……ハァア?」
大河のやつ何を言ってんだ?一流の嫁?何だそれ?それに肩を震わせて今にも泣きそうだ。
「…大河、一体何があったんだ?」
「うっ、りゅ〜じぃ〜」
「なんだ?大河」
「うぅっ、いばは、やざじぐじだいで」
「えっ?」
「今は優しくしないでって言ってるの!……いま優しくされたら私の決意が崩れちゃう…」
「急にどうしたんだ?一流の嫁って何だよ?それに家に来ないって」
「わたしはー!!……私はお義母さんに認められるお嫁さんになるまで竜児の家には来ない」

何だそれ!大河のやつ本気みたいだし、それにお義母さんって泰子の事か?
んっ?何か横で畳がポタポタ言ってんな……って、泰子!何だその大粒の涙は!!おぉー!今度は大河に飛び付いて体をブンブン揺すって!

「大河ちゃーん!何で家に来ないなんて言うの〜何で〜!なんで〜!!」
「だっ、だって…」
「やっちゃんの事嫌いになったの?やっちゃんがちゃんとお姑さんができないから?」
「ちっ!違うよ!やっちゃんの事が嫌いとかじゃなく・て?……おしゅうとめさん?って何?」

わかったぞ、二人共も妄想が暴走したんだな〜、わかるぞ〜!解るぞその気持ち!!俺も櫛枝に始まり、大河のまで合わせると妄想ノートは30冊はくだらないからな〜
今度は大河オータムバージョンを作る予定だしな、楽しみだな……って違う違う、今は二人のすれ違いの誤解をとかねば!

61 :8/8:2009/05/28(木) 03:07:41 ID:7u4BSdb1 ?2BP(0)
「一流のお姑さん?」
「そうだ、お前の言葉を借りるなら一流のお姑さんだ」

なんだ、やっちゃんは私をお嫁さんとして認めてないんじゃないんだ、良かった。それに私を嫁に迎える為に頑張ってくれたし!幸せだな〜
よし!幸せな家庭を作ろ!
その為にはやっちゃん子供好きそうだし、やっちゃんの為にた〜くさん子供作ろ!竜児も私をたくさん愛してくれそうだし…… ヒヒヒ

「…が、た…が、大河!」
「ひゃい!」
「今度はなんだ、考え込んでると思ったらニヤニヤし出して」
「そ〜ね〜一言で言うなら、これから方針?、未来予想図?、そうだ!!明るい家族計画!!!」
「一言じゃねぇし、大体なんだそのどこかのキャッチコピーみたいなのは!!」
「まぁ良いじゃない!三人で幸せな家庭を作りましょ!」
「さんせ〜☆やっちゃんもがんばって〜良いお義母さんと〜おば〜ちゃんになるでがんす☆」
「!!…おばあちゃんって、気が早いんだよ!」
「もぅ〜竜児は細かいのよ、なんでも早い方が良いのよ!幸せになるのも、子供も作るのも」
「子供って!」
「りゅ〜じ〜、それより緊張したからお腹すいた」
「緊張とお腹は関係ありません!…たく、チャーハンぐらいしか出来ないぞ?」
「うん!チャーハンがイイ!」
「ヨシ!ちょっと待ってろよ」
「待って、竜児」
「ん?なんだ?」
「わっ私!作ってみようかな〜」
「へっ?」
「イイネ〜☆大河ちゃん、やっちゃんと一緒に作ろ〜☆」
「…たく、火に気を付けろよ」
「ハ〜イ」

自然に顔が綻ぶ、二代目高須家大黒柱としてはこの時間を末永く続けられるように頑張らねば。
しかし今回の事で良くわかった、俺たちは似たもの家族だ。肩肘張らず、気遣いなんかしないで自然にしてた方が幸せみたいだ。

そして俺は台所の二人を見て思う、まあこれが幸せの風景ってやつなんだろうな…


おしまい

62 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 03:09:50 ID:7u4BSdb1 ?2BP(0)
初めて書いてみました、マズかったらスルーしてください。
では、ありがとうございました。

63 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 03:26:10 ID:Nk20cC/6
暴走大河も暴走やっちゃんも可愛いなw

64 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 05:46:40 ID:XfFqQjWq
やっちゃんかわいかった。
案外やっちゃんかわいく書けている作品少ない気がするから余計良かったです。
処女作とは思えないで気だったのでまたお願いします。

65 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 06:08:45 ID:Cau49Mr6
>>61
竜児、この二人の面倒をみるのか(w

66 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 06:43:20 ID:FjZxxQ51
>>61
スレチなんてとんでもない!
そそっかしい2人ならこういうのもありそうだなw
面白かった、また読みたい!

67 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 07:58:32 ID:PWMkh8wC
「…くそ」

まただ、また一人で教室につっぷして唸っている。
貧乏ゆすりに加え、たまに頭を乱暴に掻き毟り、机の脚を蹴る。不機嫌なのは火を見るより明らかだろう。
遠くからそんな竜児の様子を伺う大河。いつもなら「あんたが不機嫌だと皆ストレスで死んじゃう」等と
笑い話に持っていけるのだが、今日はいつもと違う。何も知らない者が見れば薬が切れてイライラしていると
勘違いするに違いない。大河もそうにしか見えないから仕方ない。
ほら、毎日おとなしく受験勉強をしてる後ろの席の子も、手がガタガタ震えてわけわからん字になってる。
自分がいる反対の入り口にも女子達が竜児をチラチラ見てはガタガタ震えてる。

2日程前は、竜児は天にも昇りそうなほどご機嫌だった。3年生なので担任は独神ではないが、
確か朝のHRを終えた頃から超がつくほどご機嫌なのは覚えている。
いつもなら大河から竜児の膝に座るのだが、近づくと待ってましたと言わんばかりの勢いで腰を引っ手繰り、
ぼすんと自分の両膝に乗せて頭を撫でてくれた。機嫌がいい理由を聞いても、別に〜♪と言うだけで
何も教えてはくれなかった。別に無理に聞く必要はないので聞かなかった。それからは朝も昼も晩も食事が豪華だったので、
自分もつられてご機嫌になるってもんだ。

* * *

昼休み。いつもなら竜児と一緒に昼食をとるのだが、昨日と同じで弁当を机におくと、どこかへ行ってしまう。
誰かを殺してしまいそうなので、つけてみた。以外とすぐ着いた場所は自動販売機前。
ばかちーはいないようで、コーヒーを買うとそれを一気飲み。熱さも感じないのだろうか。
飲み終えると、ゴミ箱へボッシュート。しかし外れたが、入れなおす気はないらしい。しばらく販売機に両手をつき、
不意に頭をガンガンと打ちつけ始めた。これは重症だ…。

「竜児?あんた最近変。何かあったんじゃないの?」
「…何もねぇよ、気にすんな」

いつも通りぶっきらぼうな口調だが、目を見れば不機嫌だってすぐわかる。
いつもなら前髪をいじるなりなんなりするはずなのに、今は狂目を隠そうともせず死線を辺りに振りまいている。
「教室戻ろうぜ」
それだけ言うと、自分を抜かして教室へ向かう。待って、と言っても当然待ってはくれない。オカシイ。

* * *

「ん〜…」

教室で一人思案する。竜児は帰るぞと言ってきたが、考え事があるから先に帰ってと言ってある。
自分が何かしただろうか?竜児にとって大切な物を壊したとか。いや、それはない。だって竜児の大切な物は私なのだから。
バカバカしいことを考え、一人顔が緩む。情けない…。

「あれ?大河、帰らないの?」
「あ、みのりん。ちょっと考えたい事があって…」
「ははーん、高須君の事だね?今回は随分と深刻なご様子だね」
「うん…みのりん何か心当たりない?」
「大河にわからないものが私にわかるわけないじゃん…例えば料理を粗末に扱ったとか」
「ないない、ちゃんと平らげて竜児の分まで奪ってるくらいだよ」
「そうだよね〜、大河が高須君の手料理を残すなんてゴジラが来てもありえないしね」
「みーのりん♪」
「す、すまねぇ…さて、あたいはキャップ取りに来ただけだからもう行くよ。あでゅー!」
「あ…うん、またね。みのりん」

* * *

68 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 07:58:56 ID:PWMkh8wC
チュンチュン、と外で小鳥が歌声を束ねる。昨日は夜遅くまで考えたが、何も浮かばなかった。
いつも通りの食事を終え、竜児と手を繋いで登校する。
登校の途中で1年生の男子がバカ騒ぎしながら走ってすぐ傍を通る。
2人、3人と傍を駆け抜け最後の一人が竜児の肩にぶつかった。
振り向いて、すいませんと言う。いつもならそのまま見逃すのだが、今日もやはり一味違う。
ギラギラッと本気の目で睨み付けると、散れと言い放つ。1年生達は素早く財布を取り出し、一つにまとめて
竜児の近くに置いて全力疾走で駆けて行く。財布を置いていくのはいつも通り。それを拾って職員室にある落し物入れに
投下するのだが、拾い上げると青いポリバケツに突っ込んだ。

「ちょ、竜児…それはいくらなんでもあんまりじゃない?」
「あれはゴミだ。1年坊に人生の厳しさをその肉体に刻んでやらねばという優しい先輩の精一杯の気遣いだ」

多分、今なら山口組にでもどこへでも入れるだろう。高須組を作り上げる事も可能。マジもんの悪だ。
その後いくら問い詰めても一向に答えようとはせず、気づけは昼休み。弁当を机に置くと、また自動販売機へ向かった。
その後を追おうとするが、我らが櫛枝実乃梨に声を掛けられる。

「大河!高須君の不機嫌の理由がわかったぜぃ!」

おぉ!と声を馳せるのは大河だけではなく、ほぼクラス全員。不機嫌になり始めてからクラスの空気は二酸化硫黄ほど重かった。

「で、理由はなんだったの?」
「聞いて驚くなよ?それは…『プール掃除』だッ!!!」

はあ?と大河を含めクラス全員の頭の上にクエスチョンが浮かぶ。
確か、前回の体育はクラス全員でプール掃除だった…のだが、あいにくの雨となり、中止となったのである。
そして次の日に1年生が代わりにプール掃除をした…あぁ!繋がった!!
確かに竜児は図書室へ続く廊下を通るたびにニヤニヤしていた。理由は窓から見えるプール。
水のないプールはカビとコケで緑に変色し、プール内の壁にも床にもコケが生えまっくていた。
プールへと続く更衣室の廊下にもコケがこれでもかと言わんばかりの勢いで多い茂っていた。
竜児にとってはあそこを掃除する事を3度の飯より楽しみにしていたんだろう。
この前なんてプールを管理している黒マッスルにプール掃除をさせてくれと頭を下げに行っていた程だ。
しかし黒マッスルは放課後生徒一人を残してプール掃除をさせるなんて親に知れたら何を言われるかわかったものではないので
その申し出を断ったのだ。本来プール掃除は1年生の役割なので、2年生の頃も歯を食いしばって耐えたとか。
そして、プール開き間際に1年生は隣県へ研修に行くらしい。そのため、一番近くに体育のある3年がする事になったのだ。
しかし、それも雨のため中止をせざるを得なくなり、今に至るという訳だ。
だから、1年生に対して厳しくなったのか。嫁を別の男に寝取られた夫の気分だろう。
なら、する事は一つ。フィアンセを喜ばせるために自分ができる事をする。それは…。

* * *

「竜児!こんな所にいたの!?」
「おう…大河?どうした?」
「喜びなさい、放課後!プール掃除させたげる!」

竜児にできる事…それは黒マッスルに頼み、再び竜児にプール掃除をさせる事。
もちろんそんな事できる訳がない。しかし…大河の後ろには、1年生を含めた3年生ほぼ全員。
要求は、『竜児にプール掃除をさせないと集団エスケープを実行する』というもの。
竜児の掃除好きなのは教師だけでなく誰もが知っている。そして、最近不機嫌なのも。
黒板で問題を解いて貰おうと竜児を指した先生は、あぁん?と一言で後ろの席の子へ行ってしまう。
不機嫌な理由を黒マッスルに告げると、『ある意味病気だな…』と愚痴を零し、掃除させる事を許可したのだ。

「本当か!?…でも、1年が殆ど掃除しちまったんだろう」
「学校のプールの汚さを見縊ってはいけないわ。所詮1年、真面目に掃除するのはごく一部よ?
 みんな水を掛け合ったりキャッキャキャッキャしてるだけだから。壁際の溝もコケだからけよ」

そう言った瞬間、死んだ魚のような目をした竜児の三白眼に生命の色が宿り始めた。
言い終えたあとは、無言で自分を抱きしめ、頬ずりをかました。頬が濡れてる。それ程嬉しかったのだろうか。
それから、竜児は朝一番(7時前後)に学校へ一人で向かい、プール掃除をする事が5日ほど続いた。

おわり

69 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 08:01:57 ID:PWMkh8wC
前スレに書いた者だけど、最初からまとめて投下。
前スレのは書かなかった事にしておいて下さい>まとめ人様

投下してから気づいたけど、

「学校のプールの汚さを見縊ってはいけないわ。所詮1年、真面目に掃除するのはごく一部よ?
 みんな水を掛け合ったりキャッキャキャッキャしてるだけだから。壁際の溝もコケだからけよ」

という最後の大河の台詞の「コケだからけよ」を「コケだらけよ」に修正願いたいorz

ニヤニヤじゃなくてごめんね

70 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 08:27:32 ID:NE2DGUXZ
>>62
脱字が2、3ヶ所あるけどそれはそれとして面白かったであります

71 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 08:35:49 ID:NE2DGUXZ
>>69
シリアスと見せかけてなんというすばらしいオチ!
感動したぜ

72 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 12:10:58 ID:NE2DGUXZ
独神
ttp://blog-imgs-40-origin.fc2.com/n/e/t/netamichelin/2008101107.jpg

73 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 13:32:57 ID:lxWMs8fl
きたー

74 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 16:03:20 ID:FXEE2/G7
まとめの方へ

前スレ最後のコンプリイト発売ネタで

ポシェット→ポーチに直して欲しいです
お願いします

75 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 16:11:58 ID:q5JAs9XQ
総本山幸福屋大河視点竜児ktkr!

76 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 19:38:37 ID:m9L9aJpB
>>74に追加で修正お願いします

×そう言って竜児は「コンプリイト」を手に取り目の前の大河と見比べる。
○そう言って竜児は隣りにあった「プレパレード」を手に取り目の前の大河と見比べる。

×「何よ…ちゃんと歌詞にも注目しないさい!」
○「何よ…ちゃんと歌詞にも注目しなさい!」

書いてるときって間違ってるのに気付かないもんだなと思った

77 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 22:00:52 ID:httXxN4R
結婚して大河が家事をやるようになったら
さだまさしの「朝刊」みたいな感じになると勝手に思ってる

78 : ◆QHsKY7H.TY :2009/05/28(木) 22:05:41 ID:Q7mPaopT
遅くなったが1乙!
ってかスレ進むの早くね?
前スレ585だが、1話Ifの旅行編続きを投下します。数日ごとに投下がスタンスになるかも。

それとまとめの人にお願いがあります。
今の俺のトリップを良ければ

だから、その手を離さないで

とらドラIf(クリスマスからで竜児怪我する奴)

とらドラシミュレーションゲーム

リュウジチュウドク

につけて頂けるとありがたたいです。
他にも書いてるけどとりあえずこれで。

あとだから、その手を離さないでのラスト、

世界が隠した、手に入れ『る』べき

と『る』を入れて頂けると助かります。
折角のラストが気になってたんで。

お暇な時で結構ですのでお願いしたいです。

では次より前スレの続きです。

79 : ◆QHsKY7H.TY :2009/05/28(木) 22:07:29 ID:Q7mPaopT
***

「いやぁ、絶好の行楽日和になったなぁ!!」
駅のホームで北村が楽しそうに話しかけてきた。
「おぅ、そうだ……な?」
最後の疑問符は、驚きか疑問かはたまた両方か。とにかく、俺に二の句を告がせないようにするにはそれで十分だった。
北村は腰を落とし、両膝に手を乗せて上半身全部で顔はこちらを見たまま、まるで観覧車のようにグルグル回る。
「どうしたー!?元気ないよー?声出していこう!!」
北村の顔がずれたと思ったらそこには櫛枝の顔。ようするにアレだ。
たった二人でチューチュートレインのアレだ、ああもう突っ込まねぇぞ。
櫛枝が何か不穏な事を思いつきそうだったが、程なくして、川嶋も合流。
人数が揃った所で電車へと乗り込んだ。
「えーと逢坂さんと高須君はそこ、実乃梨ちゃんと祐作はそっちで私はここね」
以外にも川嶋は取り仕切るのが上手い。
北村顔負けの指導力で率先して電車の席順まで上手い事決めた。
窓際に俺、正面に大河。俺の隣に川嶋、通路を挟んで川嶋の隣に櫛枝、櫛枝の正面に北村。
あっという間にそんな構図になった。おっと、感心してる場合じゃない。
「よかったらみんな食べてくれ」
俺は今朝作ってきた弁当、と言ってもそんなたいしたものじゃなく、おにぎりとちょっとしたおかずだが、それを配る。
おかずには、ゆで卵、ウインナー、卵焼き、から揚げ、とシンプルかつ食べやすい物を選んだつもりだ。
「流石だな、高須」「お〜超ウメー!!」「ウチにお嫁に来る?」「竜児のご飯はなんだって美味しいんだから」
みんなの、心からの賛辞に、
おぅ、とそっけなく応えるも持って来て良かったと心の中でガッツポーズ。
やがて窓から海が見え始める。
「わぁ、竜児、ね、海だよ海!!」
「おぅ、いいもんだなぁ」
大河が目を輝かせて喜び、期待度が上がったところで下車。今度はバスに乗り換える。
ここでも川嶋は普段の北村のようにリーダーシップを遺憾なく発揮した。
一番後ろの繋がった席に、俺を中心に右に大河その隣に櫛枝、俺の左に川嶋、その隣に北村。
道は少し悪いのか思ったよりも揺れて、
「きゃっ!?あ、ごめん竜児」
何度か俺の方に大河は寄りかかってきていた。
「おぅ、大丈夫か、大河」
がっちりと抑えてやる。
「うん……」
何処か照れたように俺の腕に大河が寄りかかったところで、
「きゃっ!?あ、ごめんねぇ高須君♪」
川嶋も寄りかかってきていた。
この時、俺は何故か背筋が寒くなったのだが、ホントもの凄く寒くなったのだが、理由はわからない。
バス停に着くころには、何故か俺は消耗していた。ホントなんでだろう。
そこから少し道なりに歩いて数十分。
「一体どれだけ歩かせるのよ」
大河の機嫌が悪くなって来た頃、
「もう、見えてるでしょう?裏に回って……そのままデッキに上がれると思うから」
言われたとおりに少し山になったところを歩き、木々が生い茂りながらもきちんと整備された舗装を進んでいくと、そこには思わず声を出したくなる光景が待っていた。
「おおぅ」「わぁ」「おおー」
口々に出す深い感激の声。
デッキからは、まさにプライベートビーチとも呼べる海へと繋がる道があり、白い砂浜と綺麗な海が手招きするかのように佇んでいる。
「ここがあーみんの別荘?ここに泊まれるの?」
「そうよ実乃梨ちゃん、でもまずは掃除かなぁ、去年から誰も来てないし」
その時、俺はかつて無いほどの胸の高鳴りを感じた。
「去年から!?」
聞き返してしまう。
「?え、ええ」
つい、口元が緩み、「ひっ!?」川嶋を怯えさせてしまう。
だが、今は俺の意識にあるのは一年ほったらかされたという別荘のみ。
一年もほったらかされたということは、すっかり埃は溜まり、あっちもこっちもついでにそっちも汚れて酷いはずだ。
ゾクゾクゾクッ!!!これは大変な戦いになりそうだぜ!!
「竜児?おーい竜児?みんなまずは海に行くって行っちゃったよー?」
俺は大河の声も聞こえぬ程これから行う掃除に心を奪われていた。

80 : ◆QHsKY7H.TY :2009/05/28(木) 22:09:07 ID:Q7mPaopT
***

まずはバケツに雑巾を浸してしっかり絞る。
おおぅ、足跡が付くくらいに埃がうっすらと積もってるな。
フフフフフ、フフフフフフフフフフフフ!!!!!!!!!
心の奥底からムズムズと俺の本能とも呼べる想いがわき上がって来る。
ああ、あそこはもっと凄いに違いない。いや、あっちも綺麗に拭いて、あの狭そうな所は高須棒で……。
そう思い、さっとポケットから鉛筆に布を巻いてゴムでグルグル巻きにした即席掃除道具を取り出す。
持ってて良かった高須棒。さぁて、これで準備は万全だ。
まずは雑巾で床を舐めるほどに綺麗してやろう。
おおぅ!?拭けば拭くほど埃が消えていく。いいねぇ……いいねぇ!!おらっ!!さっさと消えろこの埃め!!お前は俺が根絶やしにしてくれる!!
「……ぅじ、……ゅうじ」
さぁて、次は……。
「竜児!!」
「おぅ!?」
ぐふっ!?そこは反則……。
俺は股に手を当てその場にうずくまる。
金的、国際ルールでは反則である。
「おま、お前……一体なにを……」
「アンタが私を無視するからよ、何度も呼んでるのに」
ぷいっと不機嫌そうに俺から視線を逸らすのは、最強にして最凶、最悪にして災厄をもたらす大橋の虎こと大河だった。
「何よ、何か言いなさいよ?」
「……言わなくてもわかるだろ」
俺は黙って恨めしそうに大河を見つめた。

***

みんなでビーチバレーを始めるが、竜児が来ない。
「逢坂さん、高須君呼んできたら?もしくは掃除手伝ってきたら?」
珍しくばかちーが私にまともな案を出してくる。
まともすぎてつい疑うような視線を向けてしまう。
「何よその目?言っとくけど人の善意を信じられなくなったら終わりよ?何のために電車やバスでアンタと高須君を近づけてあげたと思ってるの?」
私は目を見開いた。偶然じゃ無かったんだ……。
「ま、いいけどね。プールでのお詫びも兼ねてアンタらを少し応援しようとか思ってたんだけど、逢坂さんがいかないなら私が行こっかな〜?」
「わ、わかったわよ、行けばいいんでしょ行けば!!」
そうして、恐らくは掃除に身も心も奪われて近づきがたくなっているであろう竜児の所へと向かう。
竜児はリビングらしき部屋の床を拭いていた。笑いながら。ハッキリ言って、恐い。
「ねぇ竜児、みんな待ってるから先に遊ばない?」
声をかけてみるが、聞こえていないみたい。
「おーい、竜児、竜児ったら!!」
竜児は埃に目を奪われているようで、本当に私には気付いて……なんですって?
私より埃が、掃除が大事だとでも言うの?
ムカっと来た。
「もう、竜児!!」
ドカンと一発蹴りを入れ……ん?何か足に触れたような……まぁいいか。
「おま、お前……一体なにを……」
「アンタが私を無視するからよ、何度も呼んでるのに」
私はぷいっとそっぽを向く。
「何よ、何か言いなさいよ?」
「……言わなくてもわかるだろ」
竜児が何か熱い視線で私を見つめて……なんか照れるわね。
ハッ!?まさか、言葉なんてなくても通じ合ってるだろ俺たち、という意思表示?なんてこと!?またやらかしてしまったわ!!
「そ、そうね。でも竜児、その、そういうことは夜の方が……」
「?だから今掃除してるんだろ?で、そういうことってなん……大河?」
何て言うことなの!?私は一体どれほどドジなのだろう!!夜のために、『私との夜』のために掃除を出来るだけ早く終わらせよう、とは!!こうしちゃいられない!!
「竜児!!私も手伝うわ!!」
「お、おぅそうか、そうか!!」
竜児は、意外なほど驚いて喜んでくれた。今、私たちの心は一つになっているっ!!

81 : ◆QHsKY7H.TY :2009/05/28(木) 22:10:01 ID:Q7mPaopT
***

「あんたたち、ずっと掃除してたワケ?」
川嶋が呆れたように俺に言う。
「おぅ、あらかた綺麗になったぞ」
どうだとばかりに自慢する。
まずは床。
これは俺が担当し、もう完っ璧に磨き上げた。
ここまで良いフローリングだとワックスをかけられないのが悔やまれる。
さらに窓は大河が担当した。
意外にもこれも綺麗、いや意外なんて言ったら失礼か。
こいつもようやく掃除の心に目覚めたようで、俺の顔を見るなり、もの凄いスピードで、しかも二刀流ならぬ二枚雑巾で窓を磨き上げていた。
少しスピードが落ちて、ニヘラァとしてるな、と思ったら俺を見て、またスピードを上げる。
きっと掃除で綺麗になったのに感動していたに違いない。
「ちょっとタイガー、あんたそれでいいの?」
川嶋が呆れ果てました、という態度で大河に聞く。
しかし大河は、
「ふっ、浅いわねばかちー、全てこの掃除にも意味があるのよ!!」
おお!!大河よ、掃除に意味まで見つけるとは、お前にもう教えることなどこと掃除に関しては無いかもしれない。
「ほう、見事なものだな。流石は高須、掃除に手を抜くと言うことを知らないな」
北村も感心したように頷く。
流石北村、その眼鏡も伊達ではないな。
「と、そうだった。亜美、確かバイクがあるんだろう?買い出しに行ってこようと思うんだが、いいか?」
「ああ、それならあと一人くらい連れて一緒に行った方がいいよ、結構な量になるし正直祐作のセンスじゃあねぇ」
「ふむ、それなら……逢坂、手は空いているか?」
「えっ?丁度今手が空いたところだけど……」
「良し、じゃあ買い出しに行こう」
「え?で、でも竜児の手伝い……」
「おーう、それなら私がやるよ、大河」
タイミングを見計らったように櫛枝が現れる。
まぁ、俺としてはどちらでも……。
大河が、ちらちらとこっちを見ている。
俺としてはどちらでも……どちらでも……少し、大河の方がいいかな。
「北村、たい「よぉし!!じゃあ行こうじゃないか、ハッハッハッ!!」が……」
ああ、引きずられるようにして大河が離れていく。
まぁ、しょうがないか。
「さて高須君、いや高須シェフ!!今日は何をお作りになるので?」
櫛枝が少しふざけながらも宣言通り手伝ってくれるようだ。
「おぅ、今日はカレーだ。甘いのと辛いのの二つを作る」
「?一つでいいんじゃないの?」
「大河は辛いのダメなんだ。だから別に用意してやろうと思って」
「ほほー、大河のこと良くしってるねぇ、おねぃさんこれなら安心だ」
「は?おねぃさん?」
「なーんでもないよ、じゃあさくっとやりますか!!」
そう言って櫛枝は包丁を握り、おおぅ?
「凄いな櫛枝、いいテク持ってるじゃねぇか」
「あ、今誉めてくれた?やったぜぃ♪」
櫛枝はトトトト、と静かに、しかし早くまな板の上の包丁を動かしていく。
「私さ、弟のお弁当作ったりしてたし、バイトで鍛えられてますから」
「バイト、か」
「ん?高須君バイトしたいの?紹介するぜ?超紹介するぜぇ?」
「あ、俺は……」
バイト、俺は、俺は……。
いつの間にか俺の方の手は止まっていた。

82 : ◆QHsKY7H.TY :2009/05/28(木) 22:11:53 ID:Q7mPaopT
「高須君?どうかした?」
はっとする。
「いや、なんでもない」
そう、気にしちゃいけない。
バイトは正直したい。
泰子の助けになってやりたい。
でも、その泰子が止めて、という懇願を無視したら、意味が無い。
「まぁ、俺がバイトしようと思った時は頼むよ」
だから、今はまだ、バイトはしない。

***

北村君と買出しに行って帰ってくると、すでにカレーはほとんど出来上がってた。
「いや、櫛枝お前結構すげぇな」
「いやいや、高須君こそ、この櫛枝、まだまだ精進が必要のようでござる」
二人もなんか、いい感じになってた。
ムカムカする。
「おぅ大河、お疲れ、風呂沸いてるから先に入って来いよ」
ようやく私に気付いた竜児は、私の顔を見もしない。
私がどれだけ急いで戻って来たと思ってるの?
「どうしたー?大河元気ないよー?」
みのりんが明るく私の顔を覗き込む。
「何でもないよみのりん、お風呂入ってくる」
私は居づらくなってこの場を後にした。

***

「さて、これで準備はいいな」
ようやく出来上がったカレーに満足する。
「うわぁ!!ねぇ高須君こっちこっち!!」
いつの間にかベランダらしきところから外に出ていた櫛枝が俺を呼んだ。
「おぅ、どうした?おおぅ……」
外は暗く、明るかった。
闇の帳が下りて、夜を強調する中、幾千幾万の星々が煌いている。
櫛枝は木の手すりに腰掛けて空を見上げていた。
ふと、さっき思ったことを聞く。
「櫛枝、さっきの大河、元気なかったか?」
「んー?ちょっとねー、なんか気落ちしてるみたいだった、かな」
そうなのか?俺は、全然気付かなかった。
「私は大河とずっと一緒にいたんだもん、それぐらいわかるよ」
その言葉が、何故か悔しかった。
俺だって大河のことはわかってる、そう言いたくとも、言えない。
それが何故か凄く悔しい。
何故こんなに悔しいのかはわからない。
でも、大河を一番理解できるのは自分だと、心の中で思っていた自信が砕け散る。
「高須君はさ、幽霊見える人?」
突然聞かれた。
「幽霊?」
「そう、幽霊。ゴースト。私はさ、目に見えないものも信じてる。でも他の人が見たって言ってるのは信じていない」
何だそれ?
「もしかしたら幽霊なんていないんじゃ、なんて思うこともあるけど、やっぱり信じてる。見える人には見えて、見えない人には見えない。高須君は、幽霊見たい?」
櫛枝の言う、幽霊。何故か頭に大河が浮かんだ。俺は……。
「俺は……見たいのかもしれない。だから心霊スポットにも行くし、恐いDVDも見る、のかな」
「そっか……それでいいんじゃないかな?きっとそのうち……見える日が来るよ」
「そうかな?」
「そうだよ」
「そうだな。おかしい話だが、そんな気がしてきた」
「その意気さ、がんばるのだ高須君」
なんか、櫛枝から勇気をもらったような、そんな気がした。

83 : ◆QHsKY7H.TY :2009/05/28(木) 22:12:50 ID:Q7mPaopT
***

お風呂上り、竜児とみのりんがいない。
何か嫌な予感がする。
っと、竜児とみのりんの声……?
耳を澄ませて聞いてみる。
どうやら、外で二人きりでいるようだ。
胸がズキンと痛む。
「そ……だよ」
「……かしい……だが……」
!!……かしい、だが……香椎、だが!?
ちょっ!?どういうこと!?
何で香椎奈々子の名前が出てくるの?
ムカムカする。
竜児……。

***

「「「「「いっただきます」」」」」
全員で挨拶してカレーを食べる。
「美味い、流石だな高須!!」
北村がカレーを一口食べて、感想を述べてくれる。
「お前朝と同じ事言ってるぞ」
「でも美味しいよ高須君」
川嶋や櫛枝も褒めて……大河?
「どうした、大河。お前のは特別に甘口にしたんだが、不味かったか?」
「……別に、そんなんじゃない」
「ならどうした?」
「なんか、ムカムカするの」
ムカムカ?
「腹でも痛いのか?部屋で横になるか?」
「!!う、うん……あの横にい「なんだ逢坂、お腹痛いのか?胃薬なら持って来てるし良かったら俺の部屋に来るか?」て……」
大河は、何か言って欲しそうに俺をちらりと見つめ、次いで嘆息。
「うん、北村君、お願い」
そしてすぐに席を立ってしまった。
「あ〜あ、タイガーいっちゃたよ高須く〜ん」
川嶋が嫌味な声で「あ〜あ」と続ける。
それが何か癇に障った。
「なんだよ」
「べっつにぃ」
じゃあ言うなよ、というセリフはぐっと飲み込む。
だが、胸の中の抉られるような痛みと、最後の何か言って欲しそうな大河の顔は、ずっと体中を占めていた。

***

竜児は、私のことを実際どう思っているのだろう。
直接言ってもらったことは無いが、好きでないのだろうか。
全部私の妄想なのだろうか。
考えすぎなのだろうか。
でも、私は決めたんだ。
今夜は、竜児と夜を共にするって。
何か、不安な事ばかり起こるから、これで安心したい。
一緒のベベベベベベッドでねねねね寝るだけけけけけよよよ。
そうよ、竜児が求めてこないかぎり……求めてきたら……どうしよう。
わ、私、竜児なら……。
そう思いながら、もう夜中と言って差し支えないこの時間に、竜児の部屋をノックした。

***

84 : ◆QHsKY7H.TY :2009/05/28(木) 22:17:38 ID:Q7mPaopT
とりあえずここまで。
検事の人、相変わらず上手いなぁ。

85 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 22:52:48 ID:ARwSZ+7C
続ききたー
そしてまた寸止めぇぇぇぇぇ
Ζです

86 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 23:09:25 ID:OnZU9Ox9
書き手さん達すごいなあ
どれも読み応えありますね
証人高須竜児は何だか大河と一緒に自分も説教受ける気分になりました

三人家族は実に楽しい
やっちゃんがイキイキとしてかわいかった

掃除人高須竜児はオチが秀逸
1話ifは切ない展開ですね
気持ちの食い違いこそラブ※
和解への道筋楽しみです

87 :繋いだ手はそのままで  ◆odaAq0EgoE :2009/05/28(木) 23:46:52 ID:AVLCs/vm
おー1話ifきてるねーw

こっちは先に新作の続きだよw前スレ668?の続き♪↓
「ご・・・ごめんね。りゅ、竜児がそんなに思ってくれてるなんて、気付かなくて・・・」
やばいやらかしたやっぱりそうだ。
言いながら俯いてしまう大河を目の前にして、竜児はコレでもかというほどに後悔していた。
早合点早とちり早漏。いや最後のは違う。
全く、後先考えずに突っ走るのは大河のはずだった。
よもや自分がその二の轍を踏むとは。
いつもの俺はどこに行った?
石橋を叩いて殴って掃除して。キレイにしてから渡らない。それを眺めて悦に入る。
なに言ってんだ俺は?
取り留めなく混乱する竜児の頭の中。
それを現実に引き戻したのは、大河の強い声だった。
「・・・でもね!それなら私も一緒だよ?」
「・・・え?」
はっと我に返り、視線を向けた竜児の目に飛び込んできたのは、真っ赤になってはにかみながら微笑む大河の顔。
「・・・いっつもね、玄関出るとき・・・か、帰りたくない・・・って思ってた」
「!!」
「こ、このまま前みたくここでゴロゴロして、竜児の煎れてくれたお茶飲んで、夜中まで他愛無い話して・・・そんで眠くなったらベランダから帰るの」
言いながら大河はふと、カーテンの引かれた窓の方へ視線を向けた。
その先には・・・。


88 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 23:47:33 ID:s1Aayy6q
>>84
なるべくはやく続きを頼む

89 :繋いだ手はそのままで  ◆odaAq0EgoE :2009/05/28(木) 23:48:55 ID:AVLCs/vm
>>87

「でもね、今はこうなっちゃって、それはとても・・・とても哀しいんだけど、受け入れないといけなくて。ママも、新しいパパも私のこと大事に思ってくれて、だからだから・・・」
そうして大河は、ニッコリと微笑んだ。
「私も我慢しなきゃなって」
あの頃よりも、確かに成長した、少し大人の笑顔で。
「大河・・・」
「だからね、竜児。私は竜児に辛い思いをさせてたことに気付かなかった。だからそれには謝る。ごめん。でも・・・寂しい思いは、これからもさせちゃうし、すると思う」
そこで言葉を切ると、大河は目を瞑って一つ息をついた。
そうして開いた瞳には、決意の篭った光が見えた。
「でもそれは、私たちが望んだものだから。二人で乗り越えていくものだから。だから平気!」
・・・いつからだろう?
竜児は、目の前で屈託なく笑う少女を、まるで初めて見るかの様に目を細めた。
眩しい光を放つかのような自分の恋人を。
・・・以前はただ直情的に行動するだけだった。
自分の意思に従い、そして他人のためにも同様に。
それは大河の勘の良さとでも言うべき幸運さで、辛くも難を逃れ、そして道を作ってきた。
しかしそれは所詮、偶然が重なっただけに過ぎない。
もしどちらかにブレれば、真っ先に奈落まで真っ逆さまの危ういタイトロープ。
そんな中で竜児たちは、今に繋がる現実に辿り着いていた。
しかし今の大河はどうだ?
今まで通り、自らの望むことは決して譲りはしない。
しかしそれは、今までのようなゴリ押しでまかり通るのではなくて、まわりを、自分を、一つのものと考え、その中で最良と思えるものを選んでいく決意で満ち満ちている。
たとえその中で、自らに多少の不利益が出るとしても、それを飲み込み、我慢し、そして未来に繋げていく。
そんな風に生きていこうと大河は言うのだ。
・・・自分はなんと浅はかだったのだろう?
竜児は、知らず自嘲気味に笑っていた。


90 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 23:50:02 ID:FXEE2/G7
一気に新作ラッシュだぜ

91 :繋いだ手はそのままで  ◆odaAq0EgoE :2009/05/28(木) 23:50:22 ID:AVLCs/vm
>>89

俺は大河を信じていなかった。
いや信じていなかったのでは無く、護ろうとしたのだ。
汚いもの、傷つけるものから目を背けさせ、幸せな綺麗なものばかり見せてやろうと。
今までずっと傷ついてきた大河に、竜児は自分のできる限りの幸せを『与えてやろう』と思っていたのだ。
なんと傲慢で、独善的な思い上がりだろうか?
今の大河に対して、これほどの侮辱もそうはあるまい。
「竜児?」
急に黙ってしまった愛しい人に、大河が小首を傾げる。
竜児の自己嫌悪など知る良しも無い大河は、ただただ竜児に心配そうな視線を送るだけだ。
その様子に、また竜児が笑った。
嬉しさの中に少しの寂しさを混ぜた笑顔で。
「大河」
竜児はゆっくりと立ち上がると、そのまま大河の隣へと移動する。
「竜児?」
下から見上げる瞳を真正面からみつめ返す。
そこに込められた感情を、大河は知る由も無い。
だから竜児は行動で示した。
「りゅ、竜児!?」
竜児はゆっくりと、覆い被さるようにして大河を抱きしめた。
全身でその小さな身体を包み込むように、優しく、強く。
「・・・ごめんな」
そして寄せた耳元に小さく呟く。
瞬間ブルッと大河の身体が震えたが、抱きしめる腕は緩めない。
「ごめんな・・・ごめん」
「な、なに謝ってんのよ・・・?」
その質問には答えない。
否、答えてはいけない。
大河が・・・これ以上先に大人にならないように。
いつまでも横で並び立つ存在でいるために。
ずるいとわかっていながらも、竜児は敢えて答えをあげない。
ただ・・・一言だけ、わかりにくいようにそっと差し出した。
「・・・ありがとうな」
「は?ごめんの次はお礼?一体なんなのよあんた!?」
少し怒気を込めた台詞に、竜児の顔が綻ぶ。
そうだ。今はそれでいい。
いずれわかる時がくるまで、大河・・・今のお前をもう少し感じさせてくれ。
今まで通りの、俺が好きになった大河をもう少しだけ・・・。
そうして静かな抱擁は、離れ際の口づけにバトンを渡して終わりを告げる。



92 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 23:51:42 ID:AVLCs/vm
さて、とりまここまでw
次はifを書きたいけど、何がくるかわかりませんw

93 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 23:55:01 ID:FjZxxQ51
>>84
また生殺しか…O乙
続きくる日まで全裸待機!

94 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 00:06:52 ID:yYGotrEH
ラッシュに混ざりたいと思います。
前スレ99の幼児化竜児『大河お姉ちゃん』の続き。
随分と間あけちまったorz
あまり時間なくて急いで書いてるので読みにくいし表現も苦手であまりないのだが…まぁ許せw

95 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 00:08:29 ID:yYGotrEH
****

チャポン
湯気が天井からポタリと背中に〜♪
ではなく湯船に落ちる。

「はい後ろ終わり。次前ね。ほらさっさと手どけなさいよ男の子らしくない!」

もし本当に神がいるなら……願い事が一つ叶えられるのなら…どうか時間を戻して下さい。
別に小さくなる前に戻せとの我が儘は言いません。
せめて大河に会った時に真実を語らせていただければいいのです。
それだけでいいのです。そしたらこんな拷問を受ける事もなかったでしょうから……

先ほど無理やり脱がされ全て見られた。
「あら可愛い♪」とも言われた。
ついでに軽く指で弾かれた…。
…ちょっと痛かった。
もうお婿に行けない…。
プライドもズタズタだ。
「前は自分でするからいいよぉ〜」
「なぁ〜に今更恥ずかしがってんだって」

恥ずかしいに決まってるだろ!!
せめてタオルくらいくれよ!!
何が悲しくて隣人のクラスメートに2度も見せなくてはいけないのだ!?
それに…
「いいからさっさとこっち向けい!!」
抱きかかえられ半回転させられ大河と目があった。
「よし♪じゃ洗うよぉ♪」
頼むからせめてお前だけはタオルを巻いてくれ!!

そう大河はもう完璧なまでに全裸なのだ。
全体的にミルク色で透き通るような肌。所々赤みがかっているのは風呂場の熱気のせいだろう。
腕も足も本当に折れそうな程細くて綺麗だ。
あの哀れと言われ大河のコンプレックスの元は,やはり小さい……が,俺は哀れとは思えない。
ちゃんと膨らみがあるし形も綺麗。それに先ほど講義し暴れた時に肘がちょっと当たってしまったのだが,とんでもなく柔らかかった…。
そして下腹部は…

「よしオッケ♪流すよ。」
大河の声でハッ!!っと顔をあげ目を開けた。
竜児はずっと目を瞑り俯いてた。
当たり前じゃないか。こっちは目のやり場に困ってるんだから。
それでも頭ん中は不覚にも全て見てしまった大河の体でいっぱいだった。ttp://imepita.jp/20090528/828080

96 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 00:09:48 ID:yYGotrEH
*****

リビング。
ブォーっとドライヤーの音と熱を耳元で感じる。
竜児にとって天国とも地獄とも言える試練は気付けば終わってたのだ。
殆ど記憶がない。
あるとすれば、全て大河任せだったて事だけだ。
体洗うのは勿論。
シャンプーもコンディショナーも。
湯船では大河に抱っこさせられてた様な…?
曖昧だ。
風呂上がってから体拭くのもあまつさえ着替えも大河だった。
もちろん俺だって反論はした。
だが全て「いいから」とか「おとなしくしな」とか終いには「黙れ!」と…。
あぁ。流石手乗りタイガー。子供にも容赦なしか。
幼児体型のおかげなのか,それとも俺の理性が勝ったのかは分からんが俺の息子は上り竜になる事なく済んだ。

で,もちろん今このドライヤーで髪を乾かしてくれてるのも大河だ。

なんかもうどうにでもしてくれ状態だ。
プライド?何それ?おいしいの?
今なら【大河お姉様】でも何でも言えらぁ〜!ハハハハはぁ〜…


しかし昼にも思ったが,髪を触られたり頭を撫でられたりするのは本当に心地よくて気持ちいい。
何度か大河の頭を撫でた事あるけど,あいつもこんな気持ちだったのだろうか?安心を感じていたのだろうか?


カチッと音と共に「はいお終い」と言う声。
なんだかちょっと寂しい感覚になった。

「喉乾いたでしょ?牛乳飲む?」
「あっいただきます」
有り難い。息も困難な状態が続いたので喉もカラカラだ。
「はいどうぞ。私髪乾かしてくるからゆっくりしてて」
「どうも………はぁ〜」
そう言って牛乳を俺に渡し洗面所に入る大河を確認し俺はどっとため息をついた。
だがこう気を緩めてしまうと風呂での大河を無意識に思い出してしまう。
滑らかな肌。軽く塩を盛ったくらいの綺麗な胸。その先端に桃色の突k……いかんいかん!!
頭を大きく振り思考を妨げる。
「って言うか俺だってバレたらこの世界にはいられなくなるな」
血の気が引いて行くのを自ら感じていた。

97 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 00:11:38 ID:yYGotrEH

*****

ここにきて第二試練。
就寝だ…。

予想はしていだがこうなるよな。
天井付きのお姫様ベットに潜り込んで2人で横になる。

まぁこの家に来て幾度となく掃除したが客用布団なんて見たことも聞いた事もない。
その前に人が来る事もないと聞いた事があるな。
あのクソジジイにこのマンション捨てられ一度だって顔も見せた事ない……あぁ…一度あったな。
大河を引き取るとかなんとか勝手に言い出して勝手に振り回して終いにはまた裏切った。
思い出しただけでも腹立たしい!!
あと俺以外来た事ある奴は櫛枝ぐらいだろう……

「電気消すわよ」
…あぁ、思い出した。俺櫛枝に振られたんだった。
あの夜の事を思い出し胸が痛くなり大河に背を向けて顔をしかめる。

「ねぇ…竜児」
「えっ!?なっなに!?」
突然声をかけられ驚き軽く声が裏返る。
「あんた好きな子とかいる?」
こいつはこのタイミングでそんな話しを振ってくるのか…
「いっいるよ。一応…」
「そっかぁ」
「…大河お姉ちゃんは?」
「…うん。いるよ。大好きな人が…」
「へぇ,そうなんだ」
「…………」
「…………」
「…………」
沈黙が続く。なんだか耐えられず
「どっ,どんな人なの?お姉ちゃんの好きな人って?」
分かっている事を聞いてしまう。
「ん……好きになっちゃいけない人かな」
だが返ってきたのは意外な答え。
「えっ!?…何それ?」
なんだそれは?お前の好きな人は北村だろ!?
なんで好きになったらいけないんだ!?
「その人には別に好きな人がいるから。それに…」

98 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 00:13:10 ID:yYGotrEH

好きな人!?
…あぁ、兄貴の事か…。
確かに北村は全校生徒の前で兄貴こと元生徒会長の狩野先輩に告白した。
それで誰もが北村は先輩が好きだって事を知ってる。
でも先輩は北村を振った…?
振ったのかどうかは曖昧だったがもう留学先のアメリカに旅立った。
北村もその曖昧な先輩に対する大河の襲撃のおかげで吹っ切れ今では失恋大明神として活躍中である。

それでも大河は北村が好きだったではないか。
なぜ急にそんな弱気になってんだ。

「それにね。その好きな人の好きな人って私の親友なの…」
「……えっ?」

親友?大河の親友…。
兄貴…は,どう考えたって親友ではない。
香椎?木原?違う!!
あの2人は友達だが親友と呼べる程でわない。
なら川嶋?
いや…あいつは大河にとっちゃ親友より悪友だ。
…だったらやっぱり親友と言える奴は櫛枝しかいねぇ。

「その好きな人はね…」

櫛枝の事が好きな奴を好きだと…?
思い当たる奴がいない。
ただ俺を除いて。

「竜児って言うの」

99 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 00:15:15 ID:yYGotrEH
とりあえずここで。
みなさんGJ!

自分もまだまだヒヨッコだけど頑張っていきます。

100 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 00:49:58 ID:zZDp9PK4
検察側の証人の竜児が男前すぎて……! 惚れた!
◆fDszcniTtk氏の作品の内容はもはや原作と混同してしまいそう。
とらドラ!を読んでいてよかった!

101 :【ジグソー】:2009/05/29(金) 01:47:20 ID:eSSaT7FQ
>>16-19の続きです


恋にとどめを刺すあらゆる手段の中で、最も確かなのはその恋を満足させること
である。
                          ―――マリウ゛ォー



『好きです』
自分は将来に響く恥を残してしまった。
『俺もだ』
彼も将来に響く恥を残してしまった。
いや、これは恥の定義には当て嵌まらないのかもしれない。手紙に書かれたたっ
た二文のやりとりを見るたびに幸慶に満たされ、思い起こす度に嬉しさで顔が綻
んでしまうからだ。恥とは、思い起こせば顔が赤らみ、逃げ出したくなるような
後悔に迫られる物を言う。それに当て嵌めるのには少々苦心する必要が有りそう
だ。
その手紙も何時までも眺めている訳にはいかない。思い出に浸るのも時として大
事だが、今は前を見て進みたかった。
「どうした?」
後ろから抱き着いた竜児の背中は大きく頼もしく温かい。こうしているだけで幸
せだった。今純愛のような想いを抱いているのは、今までが散々濁っていただろ
うか。
二人の恋は目茶苦茶だった。届かぬと思いながらも期待を抱き、叶わぬと思いな
がらも温もりを欲し、治まらぬ気持ちは二人を狂わした。
そういえば竜児の告白も中々の目茶苦茶ぶりであった。色んな過程を振り飛ばし
、いきなり結婚を押し付けて来たのだから。自分はその目茶苦茶ぶりが堪らなく
嬉しく、二言でそれを認めてしまったのだから何とも巫山戯た話だ。
「ねぇ、竜児。私、今こうやって竜児の好きな人として横に居るだけで幸せなん
だ」
「俺もお前の好きな人として側に居れるだけで幸せだ」
恋とはどうにも漠然として捕らえがたい。それが成就した今でも、大きな謎を残
している。
「でもね竜児。私、竜児に触れたら自分が狂うと思ってたの」
「俺だってそうだ。既に狂気に駆られてたのかもしれねーけどな」

102 :【ジグソー】:2009/05/29(金) 01:48:05 ID:eSSaT7FQ
竜児は大河に全てを話していた。それを聞いた大河は軽蔑も嘲笑もしなかった。
そればかりか、竜児がそれ程までに自分を想っていたという事が嬉しくなったほ
どだ。自分も似た境遇だった故に判る物が有り、人間らしい行動だと思えたから
かもしれない。
「ねぇ、どうしてこんなに晴れやかなんだと思う?」
これが恋という憎めない奴が残していった謎。狂おしい程欲していた存在が手に
入った瞬間、大時化の心は掌を返すように穏やかな気候へと変貌した。それでは
相手への愛しさが無くなったのかと問えば、答えは否だ。先程お互いが言ったよ
うに、二人はお互いを感じるだけで幸せなのだ。愛しさは寧ろ増していると言っ
ても良い。
「俺もそれは思ってた。ちょっと前の自分からは考えられねぇ変化だからな」
しばしの間、二人で思索してみたが片鱗を掴む事さえ出来なかった。やはり、漠
然としたものを掴むにはこちらも漠然としたイメージで以って探らなければなら
ないといけないのだろうか。だが、少し頭が冴えるだけの普通の高校生二人にそ
んな哲学を持てと言うのは無理な話であった。
結論として、知りたいが知らなくても幸せでなくなる事はないとして、これ以上
の探求を止めた。
「そういや、俺、お前に言葉で伝えなきゃいけない事が有る」
「ん?なに?」
「聞きたきゃ、俺の前に来い」
竜児の背中の温もりは名残惜しいが、今回は好奇心が勝った。ゆるゆると背中か
ら離れ、竜児の前に座り、顔を真っ直ぐに見つめる。
「好きだ!」
心臓が跳ね、血が激流となりて身体を巡り、体温が上昇してゆく。特に顔はじん
わりと汗が浮かぶ程に熱くなっている。
恐らく、自分は食べ頃のトマトのように真っ赤に染まり、嬉々とした表情と乞驚
とした表情とが混ざっているみっともない顔なのだろう。それに対し、竜児は顔
は赤いが表情は真剣だ。
自分だけが驚喜狼狽せねばならぬ状況が悔しく、その額をバチンと叩く。そして
、痛みに顔を歪ませた竜児が不平を言う前に唇を頬に付けた。
「あ…たい…が…」
実際、そんな事をしてもお互いに恥ずかしさが増すだけで、それは冷静に考えら
れれば単純な事なのだが、狼狽する人の考えとはかくも愚かである。だが、愚か
故に鮮やかだ。
「私の方が好きだもん!」
もう勢いに任せてしまえと大河は思い、生の感情をぶつける。それに打たれた竜
児は、顔を浚に赤くしながらも愛する人に笑顔を向けた。
「そいつは参ったな」
「何がよ」
「対等じゃなきゃ、嫉妬しちまう」
竜児の手が大河を引き寄せる。胸の内に抱かれた大河は、ちょと驚いた後、自ら
も竜児に抱き着いた。
「嫉妬って、あんたちっさいわね」
「だってよ、一番になりたいと思っちまうじゃねぇか」
「好きの度合いで?」
「好きの度合いで」
どちらからとも言わず、二人は顔を近づけて赤くなった相手の顔を見て小さな笑
顔を零した。その笑みがお互いから離れると、二人は視線を情熱的に絡ませ、そ
してゆっくりと唇を重ねた。
澄み渡った蒼い空が印象的な日だった。

103 : ◆fDszcniTtk :2009/05/29(金) 01:49:07 ID:v8xW6otB
>>84
ども。何となく小さくまとまりすぎてる気がするんだよね。

>>86
ありがとう。竜児は説教臭い気がするけど、一方で大河に関しては相当我慢していると思う。

>>100
おお、男前に読んでもらえた!「とらドラ!」は高須竜児の成長の物語だと思ってるので、
今回はびしっと竜児を前に出してみた。大河が竜児をどう見ていたかも書いていて楽し
かったよ。

104 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 01:49:33 ID:zXkoADU+
1話if別荘の夜ktkr!!
次回が楽しみだ2828が止まらねぇぜ!

>>95
竜児が可愛すぎてもえるwwwww
続き期待してます!

105 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 01:54:39 ID:eSSaT7FQ
>>102
とりあえず、ジグソーはこれにて完結です

句点ごとに改行して欲しいとありましたが、済みません。いきなりそうするのも混乱を招くかなぁという独断の元、実行致しませんでした


以下にエピローグというか、後書きというか、日記というか…な物を投下させて頂きます。なんかもう目茶苦茶です

106 :【ジグソー】:2009/05/29(金) 01:56:17 ID:eSSaT7FQ
全ての具象と全ての感情は那由多に広がるピースであり、無尽蔵に生まれる不完
全な事象を完成させる為に在る。いわば、人の生きる世とはジグソーパズルで溢
れており、人とは解法者としての使命を帯びて産まれてくる存在なのである。だ
が、それは金銭で手に入るジグソーパズルよりも意地悪だ。
ピースが自分の手に掴める位置に有るとは限らず、誰かが自分のパズルのピース
を持っている事もこのジグソーパズルではざらである。さらには、絵柄は作り遂
げぬまで判らぬときた。
この場合によっては不可能ともされるジグソーを諦める人も居る。だが、それは
決して屈辱に感じる事でも、逆に侮辱するべき事でも無い。なぜなら、諦めるの
も勇敢な選択肢として認められるからだ。一つに囚われて前に進めない事の方が
、屈辱に感じるべきなのだ。
実は、生まれるジグソーの殆どはそうやって中途半端に完成させられては捨てら
れている。捨てられた物を一々拾う学者という例外はいるが、大衆の人々はまず
拾わない。捨てられたジグソーはゆっくりと風化してゆき、最後は儚き砂となり
て霧散する。
しかし、そうはならない物がある。そのジグソーは3×3のあたかも初心者用の
パズルではあるが、それは自分一人では絶対にピースが揃えられず、かといって
他人の持つピースを頂くには全力を幾度もぶつける必要がある。失敗すれば乃ち
崩壊を示すが、得られればかけがえのない物として手元に残る。
それを七情のジグソーパズルと言う。
単純であればこそ、人は強烈に完成を望む。それは時に人を狂わせ争いを起こさ
せる程だ。
して、その狂気の泉たる七情のジグソーが完成したらどうなるか。きっと穏やか
な風に包まれる事だろう。
これは、ジグソーを解くにあたっての目的を考えてもらえれば判るだろう。それ
は完成させた物を、自分の努力の軌跡をゆっくりと眺めたいからではないのか。
事故ならばいさ仕方ないが、まさか、作って直ぐに崩す人は中々おるまい。この
ジグソーとてそれは例外では無い。
故に、ジグソーパズルが完成した際、それまでの過程がいかなるものであろうと
、まずは出来た絵を心穏やかに眺める事が出来るのだ。
高須竜児と逢坂大河のジグソーは、二人の持つピースを交換する事で無事に完成
した。それまでの過程はとても誇れる物ではないが、出来上がった絵は思わず視
惚れ、思わず誇ってしまいたくなる程に美しい。そして、その絵は時に散らばり
ながらもこれからの二人の軌跡を取り込みながらより美しく、より広大になって
ゆくだろう。その軌跡が同じ道を辿る物であるなら尚更にだ。
二人はライフサイクルの真ん中に立っている。今、漸く出来上がったその絵も壁
の一つを越えられた報酬でしかない。これからも多種多様なジグソーパズルが二
人の元に生まれるだろう。その時、二人はそれをどう解くのだろうか。手を繋い
で共同作業としてそれに取り組むのだろうか。
想像は尽きぬが、まずは新たな佳境に入った二人に祈りを捧げよう。
鐘楼が響く中、二人は共に白髪の生えるまで歩むと誓った。見守る友に、涙する
家族に、喜ぶ自分に、そして愛する人に。
握られた手がこれからどうなるかは誰にも判らない。案外あっさりと離れるかも
しれない。しかし、そんな未来を一体誰が想望するだろうか。
もし君が、運命は万望すれば揺れ動く物と信じるならば、是非ともこの在り来りな
祝辞を心から響かせて欲しい。

『二人の行く先に幸多からん事を』

月と太陽に誇れる愛が永久に保たれるように。
完成したジグソーパズルが永久に色褪せぬ存在となるように。

107 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 02:04:15 ID:eSSaT7FQ
ここまで、薄い癖に妙に硬いジグソーをお読み頂き有難う御座いました。皆さんの励みが完結まで書ききる力になりました


とりあえず、次は書いたままほったらかしになってるUSAでの物語の続きをさくっと書けたらなと思います

108 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 02:09:13 ID:zXkoADU+
>>107
ジグソーの人乙です。
薄いなんてとんでもない。色々と考えさせられました。
別話も楽しみにしてますよー

109 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 03:03:50 ID:dhQsZVXG
>>99
いいねー、続き期待しています。


110 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 08:14:30 ID:bzfBEnbQ
>>92
前スレ669からの続きですお

111 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 08:17:46 ID:bzfBEnbQ
>>95
大河のロングヘアって便利だなー

おっと
「お風呂なんだから濡れないようにまとめ上げないの?」
は無しの方向でw

112 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 08:20:25 ID:bzfBEnbQ
>>102
>「私の方が好きだもん!」

(*´Д`)ポワワ

113 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 10:21:14 ID:zZDp9PK4
>>107
GJ!!

114 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 10:40:40 ID:eyA13ZIO
そういえば大河は竜児のパンツ一丁姿(海パン姿含む)は見てるけど
竜児は大河の下着姿は本編中一度も見ていないな
てか胸は触ったけどパンツは見てないよな

115 :虎飛び出し注意1/3 ◆wVNPBvxl56 :2009/05/29(金) 10:47:09 ID:zZDp9PK4
大した内容でもないのにいつの間にか三スレも跨いで申しわけない。
後二回くらいで終わる予定なんですが。
改行はどうしたら一番見やすいですかね。

*

 ボタンのかけ違いを直すくらいなら目を閉じていてもたやすくできる。ただしそれは自分が着ている服の場合に限った話だ。
人の服だって、やってできないことはないだろうが、相手の身体に触れてしまう懸念なしに直すのは少し難儀だ。
 ましてや、下に何か着けているならともかく、大河はパジャマ一枚。下手をすると胸板の上に薄く載った脂肪や、
その先端、さっき過失で目撃してしまった、ややベージュがかった薄桃色の先端に、手が触れてしまわないとも限らない。
それを承知で直させるということは、裏を返せば万一触られても構わないという意思表示とも考えられるのだが
――それでどんな目に遭うかはさておき――このとき竜児の頭にはそんな可能性はこれっぽっちも浮かばなかった。
 もとより、ちらちらと手元を確認しながらパジャマに手を伸ばす竜児に何か考えている余裕などなかったのだが。

「ほら竜児、よそ見してると『どうかしちゃう』かもよ?
 ちなみに触ったら……具体的には思いつかないけど酷いことするから」
「う、うるせ!」

 竜児は覚悟を決め、はだけた胸元をきっと見定めた。どうして竜児にこんなことを強いるのかという前段階は既に、
大河が一度こうと決めたら絶対曲がらない数々の前例を前に意味を失っている。
 大方タチの悪い冗談なのだろうが、取り敢えず今の竜児にできるのは、ベストを尽くすことだけである。

「じゃ、じゃあ直すからな」
「う……ん……」

 真正面から見られるとは予想していなかったのだろうか、まともに向き合うと今度は大河の方が顔を背ける。
対称性は一般的な美醜の基準と言えるが、はすに傾いだ首筋にうっすら浮かぶ影や、伏された目、そのかすかに赤らんだまぶたを縁取る長い睫毛と、
落とした影が白磁のような肌と描いたコントラスト、創造主にひいきされたとしか思えない滑らかな鼻筋の曲線とその下に連なる、
心なし尖らせた唇、そんな奇跡的な構成を最も魅力的に見せるのは芸のない線対称などではなく、どこかに敢えて歪みを孕ませた非対称に他ならない。
無駄に小洒落た間接照明は、今このとき大河の柔肌の上に光と影の芸術を作り出すために据えつけられたのに違いない。
 竜児は半ば呆然とパジャマの袷を手にした。真っ向から立ち向かった大河は手乗りタイガーの持つ危険性とは全く違う意味のそれを携えていた。
 すなわち、手乗りタイガーはそれ自体に理性を期待できないが、湯上りタイガーはそれに相対する者の理性を激しく揺さぶるのだ。
 まだしっとりした肌は上気してほんのり薔薇色。恥らったように斜め下を向いた首の接合部から、蠱惑的なラインを辿る鎖骨のほとんどが露わになって、
大胸筋の下に薄く浮いた肋骨の影すら窺うことができた。
 竜児は自分の舐めまわすような視線に気づかぬまま、一つ目のボタンを外した。傷の深さを見るためには切開する必要があるのと同じように、
かけ違いを直すにはまずボタンを外さねばならない。
 もともとはだけいたところから更にボタンを外せば、結果はもう目に見えている。

「あっ」

 という間もなく、支えを失ったパジャマは右肩を滑り落ち、

「おうっ!?」

 と咄嗟に伸ばした竜児の手が、やや乱暴に襟をかき合わせるまでの一瞬間、その触れば切れそうなほど鋭利な目には、
鎖骨の遠位端がちらりと映りこみ、もう少しひっかかりがあれば稼げていた時間の分余計に、肌色の面積が増えてしまった。
 もう全体でも見てしまったとはいえ、やはり「隙間」は途方もなく、色っぽいのだった。
 大河は自分の身体を過小評価しているのだ。幼児体型だなんてとんでもない。ちょっとばかり胸がないからって、少しばかり背が低いからといって、
何を気に病む必要があるというのか。
 ただ、風呂から上がっただけなのに、この匂い立つような色気ときたらどうだ。写真部の誰かは本当に軽挙妄動もいいところ、
その目は節穴としか思えない。もっとも余りつぶさに観察されたら、それはそれで癪に障るのだが。
 まて俺。竜児は我に帰った。パジャマの前を強くかき合わせたことで引っ張られた布地が大河の身体の曲線をくっきりと。
待て、違うそんなことじゃない、違う。

116 :虎飛び出し注意2/3 ◆wVNPBvxl56 :2009/05/29(金) 10:48:55 ID:zZDp9PK4
「……なによう」

 大河は見つめ合ったまま固まる竜児を訝しげに見上げた。ほんの小さないたずら心と、上手く言い表せない期待めいたものがさせたことだが、
やはり恥ずかしい。というより照れくさい。しかし竜児が動揺すればするだけその気持ちが満たされるのは、もう抗弁しがたい事実となりつつあり、
脳だか身体だか、心だかが、「もっと」とせき立ててやまない。
 とろ火みたいにちろちろと舌を出した欲望は既に持て余し気味に大河の小さな胸を占領しつつあって、心は、ぐらぐら、
「太っちゃうけど、甘いものも食べたい」的な回避・接近の心理型。いけないと思う気持ちが劣勢に追い込まれていく。
 そんなことを考えてはいけない。思っているのは竜児も同じで、ともすれば大河に見とれてしまう自分を抑えることが、時間の経過とともに困難になる。
 何を考えてるんだ、相手は大河なんだぞ。
 自らに言い聞かせる言葉も虚しく、再び動き出した手は緊張に震えるし、頭の中はまっしろけーなー♪ 状態で、
いけないとは思いつつ剥がしてしまうできかけのかさぶたのように、理性の皮を一枚めくれば火傷しそうなほどの熱情がじわりと滲み出しそうで、
一度出てしまえばもう歯止めが利かなさそうなのだ。
 外したボタンを留めなおし、次を外して正しいボタンホールにはめる。パジャマのボタンは普通のシャツより少ないし一つ一つが大きいから、
本来なら一分とかからず終わる作業のはずだ。
 手さえ震えなければ。
 落ち着け、高須竜児。ああそうだ。
 竜児は不意に解決策を見いだした。自分が好きなのは、一体誰か。大河に惹かれてはいけないのは何のためか。
 そうだ櫛枝を思い出せばいい。メメント・実乃梨。一年も恋慕する少女の太陽みたいな笑顔を思えばきっと――

「……うぅ」

 下を向いて呻く。結果から言えば大失敗だった。実乃梨の屈託のない笑顔は、竜児を打ちのめしたのみならず、一層現在の状況を悪化させた。
 その最たる原因は、罪悪感だった。しかもそれは、想い人がいるのに他の女に惹かれたせいではなく、
目の前の大河を差し置いて別の女のことを考えたことに起因する罪悪感だったのだ。
 すわ、一大事。竜児は、たった今、大河に惹かれている事実に打ちのめされた。一つ気づくと、蟻の穴から堤が崩れるように露呈する、隠れた本心、
向き合おうとしなかった感情の萌芽。それがいつの間にか無意識に張り巡らした垣根を突き破り、
今や伸び放題に力強い枝葉を掲げた立派な大木になって姿を現したのだった。しかし手入れもされず好き勝手に成長した枝々は荒々しく絡み合って、
どこか歪で、屈折していて、不安定に傾いているのだった。
 放っておいたら腐って倒れてしまいそうな想いを危ないところで見いだしたはいいが、どう対処したらいいか分からない。
 竜児はやっとのことで困難な作業を成し遂げた。大河は途中からうんうん唸りはじめた竜児が少し心配になってきた。いたずらが過ぎただろうか。
そこまで困らせるつもりではなかったのだが。

「竜児?」

 竜児は弾かれたように顔を上げた。

「あ、ああ、ほら、直したぞ、そろそろ帰……」

 言い終わらぬうちに立ち去りかけた竜児のTシャツの裾を、すがりつくように掴む手。肩越しに見えた大河は自分の行動にびっくりしたみたいに目を丸くして、
何か言いかけた口をパクパクさせていた。

「……なんだよ」

 竜児としてはこれ以上大河の側にいるのは精神衛生上堪えがたかった。取り敢えず一人になって考える時間がほしかったのだが。

「……だめ」

 ぽろっとこぼれた本心が竜児を釘づけにする。ずるい、と思った。そんなことを上目づかいで囁かれて、それでも帰れる男が存在するだろうか?

「……ドライヤーしてよ」

117 :虎飛び出し注意3/3 ◆wVNPBvxl56 :2009/05/29(金) 10:50:01 ID:zZDp9PK4
 帰ってほしくない本心を代弁した声が咽喉をついて出る。いつもの権高な命令口調とは打って変わって、甘えたようなお願い口調。
ただでさえ大河に甘い竜児がそんな言い方をされれば当然スルーできるはずもなく、

「しかたねえな」

 などと言いつつ実はちょっと嬉しく聞いてやるのだった。
 大河はその瞬間の、どんなわがままでも結局聞いてくれる竜児の「しかたねえな」が大好きだった。「早くしなさいよ」などと言いながら、
ふにゃふにゃと緩みだす頬をいたずらっぽい笑いで隠す。
 もうちょっとだけ居てほしい。かけ違いは手間取ったとはいえ案外何事もなく終わってしまって、すごく物足りないのだ。
触ってほしいとかそこまで大それたことを考えていたわけではないが、もし何かあったときの竜児の慌てた顔を見てみたかった。
 竜児の動揺はそのまま大河の必要とする証拠になる。身体のコンプレックスに限った話ではない。
竜児は今まで大河を女の子扱いしたことはあっても女として扱ったことはなかった。せいぜい妹くらいの扱いである(それでもシスコンには違いないが)。
だからこそ偽乳パッドを作ってくれたり、緊急事態とはいえ水着の中に手を突っ込むような真似ができたのだろうと大河は思っていた。
 ところが今日の竜児は、これ以上ないくらいに赤面し、まともに目を合わせられないくらい照れている。つまり、大河を異性として意識しているのだ。
それはさっきのアクシデントからだろうか、それとも、ずっと前から。
 竜児の大きな手が、長い髪をかきあげてドライヤーの温風を割り込ませる感覚にこの上なく安心しきり、大河は目を閉じた。
 ちょっとでも他の女子と仲良くしている竜児を散々エロ犬だ発情犬だと罵ってきた大河だったが、竜児が本当はいじましいまでに一途な男であることを知っている。
それにかなり鈍感だから、思わせぶりな態度や生半可な誘惑には気づきすらしない。だから、今までのそれは全部嫉妬に過ぎないのだろう。
 そんな竜児の動揺だからこそ価値があるのだ。きっと竜児も、罪悪感に苦しんでいるだろう。何といっても竜児が好きなのは実乃梨なのだから。
我ながらひどいことをする、と思う。それでも、一度開いた穴は塞がらない。溜め込んだものを全て吐き出さなければ止まらないのだ。
そうしている間にも穴は広がっていき、いつしか決壊してしまうかもしれない。
「もうちょっと」は「もっと」になって、「こっちを見て」は「私だけを見て」に変わってゆく。大河を一番見てくれる人間は竜児をおいて他になく、
それは竜児でなければならない。そのために側に居るのか、側に居たがためなのか、どちらが先かは分からないが、とにかく大河の傍らに一番長く、
近く居続けた実績は、もう覆しようがない。それが一番確かな真実だった。
 竜児が、必要だ。

「……ね、竜児」

 呟くような声はドライヤーの音にかき消される。竜児はドライヤーを止めた。

「なんだって?」
「少なくとも手を止めてなんて言ってないわよ。
 もうボケちゃったのかしらうちの愚犬は。遺憾だわね」
「空耳一つに対してそれか……」
「グズはほどほどにしてちゃっちゃと終わらせなさいよ。眠いんだから」
「へいへい……」

 とは言いつつ、きっと今夜は長くなると、大河は面映く予感した。
 ドライヤーが終わったら、たっぷり時間をかけて髪を梳かしてもらおう。その後はハチミツきんかんをホットで作ってもらって、その後は――
 無邪気な期待で胸を膨らませる大河の後頭部を、狂おしく見つめる男が一人。油断した大河をドライヤーのコードで縛り上げて拷問にかけてやろうと思っているわけではない。
 限界寸前なのだ。
 ドライヤーの熱はシャンプーやボディーソープや、その他色々な要素が集合した大河の甘い香りを発散させ、ダイレクトに竜児に叩きつけるのだ。
それだけでなく、ほんのり赤い小さな耳や、髪をかき上げたときに覗くうなじの後れ毛が、否応なく竜児の心拍を上昇させる。
もう大河のことで頭がいっぱいなのは分かりきっていた。
 でも、竜児を信じてこんなにまで心を許している大河に、こんな想いを抱いていいはずがない。到底ない。ああ、でも。でも。
大河の裸身といたずらっぽい笑みが脳裏をちらつく。
 その葛藤の様は竜虎相打つ……のではなく、竜対竜の孤独な戦いだった。

118 : ◆wVNPBvxl56 :2009/05/29(金) 10:52:23 ID:zZDp9PK4
絵は帰ってきたら描きます。遅くなってもせめて二時には……。

119 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 11:50:17 ID:eyA13ZIO
>>115
文節ごとに改行がベスト
文章の途中はワースト
句読点が行頭にくるなんて論外

まあ多少乱暴な意見だから参考程度に
あとPCからどう見えるかはAASってところ押して確認してみて

120 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 11:58:00 ID:eyA13ZIO
改行のこといろいろ書いたけど
それ以上に大切なのは内容が面白いか2828出来るか(*´Д`)ポワワ出来るかなのであって

いくら改行が綺麗でも俺みたく2828も(*´Д`)ポワワも出来ないんじゃ
本末転倒摩訶不思議七転八倒なわけですよ
だからあまり気にせず書いていってもらえれば嬉しいです

>>118
明日の午前二時ですね、わかりました
今回も面白かったです

121 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 12:18:20 ID:x90aBsjx
>>115-117
いい感じに2828展開だぜ

改行は現状でおkですよ

122 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 16:03:49 ID:fq1XvKyj
>>119-120
なんというツンデレ

123 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 19:10:47 ID:/r3JlWxr
まとめサイトがiphoneだと文字化けして読めねー。
なんとkしてくださいな

124 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 20:13:01 ID:aEEcxlrG
それかiPhoneのエンコード設定をなんとかすればいいのでは?

125 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 20:40:44 ID:c0AALDw1
>>124
それが強制自動判別なんですよ

126 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 20:43:14 ID:zXkoADU+
>>118
飛び出し大好きです。
今晩も楽しみしてますー
が、無理はしないようにでw

127 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 22:24:40 ID:aEEcxlrG
>>125
いずれにしてもiPhine側の設定じゃねいかね?
まとめサイトには直接飛んでるの?
それともファイルシークなど通してるの?

128 : ◆QHsKY7H.TY :2009/05/29(金) 22:40:18 ID:FLC5uUlo
>>83続き

ベッドの上に座って目を瞑ること数十分。
足は珍しく苛立ったように落ち着かない。
『あ〜あ、タイガーいっちゃたよ高須く〜ん』
だから何だって言うんだ。
………………………………。
でも、なんか北村の部屋から中々戻って来なかったよな?
いや、俺は別に気にしてるワケじゃ……。
トントントン。
「おぅっ!?」
急に扉がノックされる。
あまりなタイミングについ必要以上に驚いてしまった。
カチャ……。
扉を開けて入ってきたのは、
「……竜児、私お腹の調子良くなったみたいなの」
大河だった。
――――ドクン――――
心臓が跳ねる。
「お、おぅ、それで?」
「うん、えっと、入ってもいい?」
「お、おお?」
いや、我ながらきょどりすぎだ。
おお?なんて良いのか悪いのかどっちだよって言いたくなるじゃねぇか。
しかし、大河はそんなことには気にした様子もなく俺の腰掛けているベッドに腰掛けた。
ギシ……。
ベッドが少し軋む音がする。
大河は俺と肩がぶつかるくらい近くに腰を下ろし、黙って下を向いた。
……下を向いている大河の今日の髪型はポニーテール。
今までポニーテールは見たことが無かったが、大河はどんな髪型でもよく似合うと思う。
今日なんて、窓に加えてテーブルを椅子に座りながら懸命に拭いてる姿が可愛かった。
うんしょうんしょ、と何度もテーブルの端から端まで拭く度に後ろのテールが揺れる姿が微笑ましくて、将来こんな人が家で掃除してくれてたら俺は掃除しなくなるのかな、とか思ったりした。
「ねぇ、竜児」
ぱっと大河は俺に振り向く。
――――ドクン――――
心臓がまた跳ねた。
俺の心臓にはそれしか能のないポケモンがいるのかと疑いたくなる。
ああ、だから俺は竜なのか、とくだらないことを思考し、
「?ねぇったら」
大河の顔が俺の鼻先3cm。
――――ドクン――――
待て落ち着こう冷静になろうはやまってはいけないきわめてなにげないふうにしておれはせいじょうであることをあぴーるしそうだもんだいなく……。
ポフッ。
!?!?!?!?!?!?
胸に、重み。
大河の頭。
膝に、重み。
大河のおしり。
服に、つっぱり感。
大河の綺麗な指。
「……聞こえてるんでしょ、無視、しないでよ……」
細い指に力が加わる。
熱い吐息が、薄いシャツの繊維を通して俺の肌に伝わる。
ギシ……。
またベッドが軋んだ。

129 : ◆QHsKY7H.TY :2009/05/29(金) 22:41:08 ID:FLC5uUlo
緊張のあまりに動けない。
体が鉄のように重く、しかし大河が触れている所だけは異常に感覚が鋭い。
胸では髪の毛一本一本を知覚しているんじゃないかと思うほどの大河の髪を意識し、膝はその重みと感触を脳伝達物質を通して遺憾なく教えてくれる。
極めつけは、
「……竜児、黙ってないで……何か言ってよ」
――――ドクン――――
これだ。
そんなふうに俺のシャツを掴んで顔を埋めたまま喋るのは止めて欲しい。
決して繊維が細かくない夏用のシャツを通して、大河の吐息が俺の肌を直接撫でつける。
つい、手が伸びた。

***

ふわっとした感触。
竜児の声を聞きたくてかけた言葉に返答は今だ無い。
代わりにあったのは竜児の掌の感触。
まるで抱きしめるかのように頭を寄せられ、ふわりと撫でられる。
「あ……」
漏らした声に、竜児は手を止めた。
「わ、わりぃ……」
別に悪くなんか無い。
「そ、そうだ大河、あんま飯食ってねぇだろ?カレー温めてやるよ。ほら、行こうぜ」
さりげなく腰を持ち上げられ、ギシッというベッドの軋む音と共に竜児は立ち上がった。
「あ……うん」
二の句を継ぐ前に竜児は部屋の外に出る。
声なんて出さなければよかった。

***

だだっ広いこのリビングに、たった二人というのはもったいない。
この広さはウチくらいあるのでは無いだろうか。
そんなことを思いながら、俺はランプを光源として大河の為にカレーを用意した。
「はぁ、食べた食べた」
大河はやはりお腹がすいていたのか、いざ食べ始めると勢いはいつもと同じになった。
「何故か、俺まで……」
俺も付き合いで一皿食べ、大河の食べた食器と一緒に洗う為にキッチンに立つ。
こうして洗い物をしているとだいぶ落ち着いてきた。
と、同時に何故大河が俺の部屋に来たかが気になった。
まさか、俺にああすることが目的なわけないだろうし。
思い出して、赤面。
もう何度も洗った皿を洗い直す事で精神の安定をはかる。
「ふぅ」
キュッキュッと皿を拭き終え、大河の待つソファーへと向かう。
さっきからチラチラとポニーテールが動くのが見えている。
どうやら、俺の様子を窺っているらしい。
心なしか「……まだ?」という表情に見えないこともなかった。
全く、俺だから良いようなものの、そんなことを他の男にしてみろ、どうなるかわかったもんじゃないぞ。
――――ズキン――――
先程とは違い、胸に痛みが奔る。
他の男と大河……?
何を考えてるんだ俺は?
俺はただ、さっきのように誰にでも――――ズキン――――あんなふうに膝に乗って――――ズキン――――胸に頭を預けて――――ズキン――――くるのは良くないと……。
胸が苦しい。
大河はそんな奴じゃない、と思う一方「じゃあ何故さっきあんなことをした」という疑問が、不安が、焦燥が俺を駆けめぐる。
「竜児、座らないの?」
気付けば、屈託のない笑みを浮かべて、「待ってたよ」と言わんばかりの大河がそこにいた。

***

130 : ◆QHsKY7H.TY :2009/05/29(金) 22:42:42 ID:FLC5uUlo
竜児がやたらと長く洗い物に時間をかけ、ようやく来たと思ったらボーっとしたまま仁王立ち。
もう、どんだけ待たせるのよ。
「竜児、座らないの?」
私の声に、ハッとなって私を見つめる竜児の瞳は何処までも綺麗だった。
目つきが悪い、とよく言われるが、そんなものを打ち消して余りある純粋な瞳。
そんな、綺麗な目で見られると、照れちゃう。
「お、おぅ座るか」
竜児はやっと腰を下ろす。
私も隣に腰を下ろした。
「………………」
「………………」
お互いに無言。
でも、隣に竜児を感じる。
今日は、なんとなく最後までいけるかも、という予感に駆られる。
思い切ってぱふっと竜児の肩に頭を乗せてみた。
竜児は一瞬ビクッとなって、でも視線は送ってこない。
「こんなに広い部屋なのにせせこましくくっついて……狭いアパート根性が染み付いちゃったみたい」
「……ウチに来るの、嫌なのか?」
「ううん、やっちゃんがいて、ブサ子がいて、そして竜児がいる。嫌なことなんて一つも無い」
「そうか」
「………………」
会話が途切れる。
せっかくの今のムードを壊したくなくて、先へ踏み込めない。
……ガタン!!
「「!?」」
物音に振り返る。
しかし、そこには何もない。
「……何だ?」
竜児が訝しがりながら立ち上がる。
しかし、そこには何もな……ドン!!
「きゃっ!?」
何かが今窓を叩く音がした。
私は慌てて竜児にかけよる。
「い、今の、風か?」
「そ、そんなわけ……きゃっ!?」
また音。今度は室内。何かここ恐い。
「りゅ、りゅうじ……」
「へ、部屋に戻るか」
竜児の苦肉の策は、寝てしまおうということのようだ。
でも、こんなんじゃ恐くて寝られない。
「りゅ、竜児、その、恐くないの?」
「いや、そりゃビビッてるさ。でも確かめる勇気もないしな。ならいっそ……うおっ!?」
再びドン!!と一際大きく音が鳴る。
同時に私は強く竜児の腕を抱いた。
「っておい!?痛い痛い痛い!!」
「あ、ご、ゴメ……きゃっ!?」
「いだだだだだだだ!!!」
緩めようとして、また驚きのあまり強く抱いてしまう。
「りゅ、りゅうじ、どうしよ?こんなんじゃ寝られないよ」
「し、仕方無い。朝まで一緒にいるか?」
!?朝まで……?そうだった!!私はそのつもりで……。
ぼっと顔に赤みが増す。
「う、うん……や、優しくして……」
初めてだし。
「おぅ?……まぁ確かにこんなこと初めてで恐いよな。大丈夫だ大河、頼りないが俺がついてる」
「竜児……」
ううん竜児、なんかすっごく頼もしいよ。

***

131 : ◆QHsKY7H.TY :2009/05/29(金) 22:44:42 ID:FLC5uUlo
部屋に戻ってとりあえずベッドに座る。
ギシッ、ギシッ。
体重をかけるたびに軋むベッド。
だが二人で乗っても壊れるような気配はもちろん無い。
「あ、あの、りゅうじ」
大河が、顔を赤くしてもじもじしながらシーツを弄繰り回す。
「そ、その、ね?え、え、えっと……」
なんだ?一体どうした?恐すぎて情緒不安定になったのか?
今は夜中だし、出来るなら大声とかは避けたい。
みんなが寝てるなら迷惑になるし。
「大河、落ち着け。大丈夫だから」
ここは男の俺がしっかりしなければ。
俺は大河に肩から毛布をかぶせてやる。
「今日は一日付き合ってやるから」
俺の言葉に、ぼっと大河の顔の赤みが増した。
どうしたんだろう?そんなに恐いのだろうか。
「りゅ、りゅうじ!!」
ギシッ。
軋む音と、大河。
大河は、毛布を俺にもかけようとして失敗し、どうやったらそうなるのか、俺を押し倒して覆いかぶさるような形になっていた。
「大河……?」
「はうあ……」
大河は顔全体から湯気でも上がってるかのようにフワフワし始め、パタリと胸に倒れこむ。
「大河?」
「……ひゃうっ!?」
一瞬悦に入ったような顔のあと、すぐに自分のした事に気付いて起き上がり、ベッドの上で正座をする。
何故に正座なのだ。
「そ、その、今のは違うの、フライングというかなんというか……」
よくわからないことをまだ大河は言っている。
よほど恐いのだろう。
「大丈夫、大丈夫だから、落ち着け、な?」
俺は再び大河に肩から毛布をかけて、隣にすわり、毛布の半分を俺の背に回した。
恐らくさっきはこうしたかったのだろう。
「あ……ん」
納得したように、大河はそれ以上言葉を紡ぐ事をやめ、俺の肩に体重を預けてきた。
「あったかい……」
大河はそれだけ言うと、やがて何も話さなくなる。
「……大河?」
気付けば、
「すぅ……すぅ……」
寝息を立てていた。
俺の肩を枕代わりに眠るなんて、よほど眠かったのだろうか。
「た、いが……」
さらっと素手で髪を梳く。
サラサラの髪が指をサラリと通り抜けていく。
同時にいい香りが鼻腔をくすぐり、俺の中を大河で一杯にする。
身も……心も。
「大河……」
俺は自分が眠るまで、小さく大河と呼び続けていた。

***

132 : ◆QHsKY7H.TY :2009/05/29(金) 22:51:42 ID:FLC5uUlo
とりあえずここまで。
おかしいな?もっと時間かかるはずだったのに『続きを』って書き込み見てたらいつの間にか投下してもいいくらいに書きたまってた。
みんなありがとう。

そして質問途中でぶったぎってごめんなさい。

>>92乙!
If楽しみにしてるよ!

幼児化竜児気になって眠れNEEEEEEEE!

133 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 23:01:32 ID:zXkoADU+
>>132
裸で待ってた俺に謝れwwwwwww

うそです。続き超期待してます!

134 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 23:01:34 ID:frzl82cZ
トラ飛び出しも旅行もGJ!
ところで>>123は「BB2Cで開く」を使ってないかい?
Safariで開けば化けないはずだが。

135 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 23:21:05 ID:Tz7hdSL/
大河は幼女だよ

136 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 23:42:13 ID:i/j9H13e
>>134
いえー。どっちもダメです。
変換ページ通してみます。あまり気が進まないけど…

137 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 23:46:26 ID:C7r3l6pD
>>132
いいねいいねー!
一話ifの人と幼児化竜児と同じくらい続き楽しみにしてる!

コメばっかしてないで俺も何か書くか…

138 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 00:21:48 ID:jCd3L81f
>>132
やばい。一気に読みたくなってきた。まとめ人さん頼みます(>人<)

139 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 00:29:07 ID:HmKtTO9t
(*´Д`)ポワワ

140 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 01:21:33 ID:JVlOTZ9W
「はぁ……」
「おや大河、溜息なんて珍しいじゃん。何かあった?」
「あんたが元気無いと気持ち悪いし、なんだったら話ぐらい聞くわよ?」
「みのりん、ばかちー……あのね、実は……」




141 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 01:22:22 ID:JVlOTZ9W
「ただい……ま……」
 大河が居た。
 メイドが居た。
「お、お帰りなさいませ、ご、ごしゅ、ごひゅっ!」
 あ、舌かんだ。

142 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 01:23:13 ID:JVlOTZ9W
 正確には『メイド姿の大河が居た』
「おい大河、お前確か今日は櫛枝と用事があるって……」
 だから俺も久しぶりの能登と春田の誘いに乗って、帰りに少々遊んできたわけだが。
「こっちに来て」
 大河は俺の問いに答えず、腕を掴んでぐいぐいと引っ張る。
 何があったかは知らないが、相当テンパってるな、これは……
「座って」
 言われるままに座った目の前、卓袱台にあるのは皿に乗せられた黄色い紡錘形。その上には真っ赤な『りゅーじ』の文字が。
 有体に言えば、それはオムライスであった。
「ど、どうぞ、召し上がれ」
 汚れ物が残っている台所を確認するまでもなく、大河が作ったもの、なのだろう。
「おう……いただきます」
 真剣な表情で俺の手元を見つめる大河。こちらもつられて緊張してくる。
 スプーンで端の方から一掬い。覚悟を決めて口へと運び、初めての婚約者の手料理の味をしっかりと確かめる。
「……うん、美味い」
「……ホントに?」
 いやまあ、確かにこの状況で『不味い』とか言える男はそういないとは思うが。
「おう、本当だ。お世辞や贔屓目無しに美味いぜ」
 言いながら二口三口と食べ進めると、ようやく大河はほっとした表情になる。
「よかった……」
「で、その格好はどうしたんだ?」
 う、と大河が固まる。
「……あのね、私、ここしばらくお料理の勉強してたの」
「……料理なら俺が教えてやるのに」
「だってそれだと竜児をびっくりさせられないし……」
 髪の毛をいじりながらもじもじとする大河。思わず頭を撫でてやりたくなるのをぐっと我慢。
「でも結局、きちんと作れるようになったのはオムライスと、あとはもっと簡単なのぐらいで……
 それで悩んでたら、みのりんが『後は愛情で補えばいい!』って……」
「……それで、メイドか」
「うん。ばかちーが、絶対竜児が喜ぶからって」
 落ち着いてよく見ると大河の服装はメイド服ではなく、既存の服の組み合わせとカチューシャでそれっぽく仕立てられているだけである。
 確かに川嶋ならこのぐらいの芸当はやってのけそうだ。
「……変?」
「いや、なんというか……可愛い」
 正直俺にはメイド属性なんてものは無いんだが……
 そんなもの関係無しに、大河の場合は似合ってるんだから仕方がない。
「ホントに?」
「ああ、最初はびっくりしたけどな。
 というか、大河が俺の為にそこまでしてくれたってことが嬉しい」
「えへへ〜……」
 赤くなる大河を抱き寄せて軽くキス。
「……ケチャップの味がする」
「そりゃまあ、な。
 そういやこのオムライス一つしかないけど、大河は食べなくていいのか?」
「え、え〜と……」
 なぜか視線を逸らす大河。
「実は、文字書くの失敗したのは自分で食べちゃったんでお腹いっぱいなの。
 で、それが最後の一つ」
 俺は苦笑しながら再びスプーンを手に。
「おう、それじゃこいつはしっかり味わって食べないとな」
 また一掬いを口に運ぶ。うん、美味い。
「……また作るわよ?」
「それはそれ、これはこれだ」
 ぱくぱくもぐもぐ。今日は俺的にオムライス祭だ。


143 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 01:24:12 ID:JVlOTZ9W
 オムライスは程なく完食し、洗い物も済ませ、大河が淹れてくれたお茶を飲みつつ食後のまったりタイム。
「あ、あのね竜児。ばかちーが竜児が喜ぶって方法もう一つ教えてくれたんだけど……」
 言いながらなぜか真っ赤になる大河。
「おう? 今日はもう十分満足したから、無理しなくていいぞ?」
「そ、そう? それじゃ、裸エプロンってのはまた今度ね?」
  ぶほっ!
 おもいっきりむせた。
「りゅ、竜児、大丈夫!?」
「げほ、ごほ、げほ……!」
 川嶋……また、なんという事を。
 …………ちょっと期待してもいいですか?



144 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 01:26:02 ID:JVlOTZ9W
あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
『おれが大河が料理を習うネタでSSを書いていたら
  いつのまにか竜児と大河がイチャイチャしていた』

な… 何を言っているのか わからねーと思うが
 おれも何をしたのかわからなかった…
   頭がどうにかなりそうだった…

妄想だとか2828だとか
 そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
  もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…



頭の中でネタをこねくりまわしてる段階でもそっちの方向に行きがちだけど、
特に竜児と大河を二人っきりにすると筆が滑る滑る。
キスとかその前の行書いてる時点ではまるっきり考えて無かったのに、気がついたら書いてるし。


145 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 01:42:23 ID:CF+b7be7
>>144
なんというあるある
どのシチュエーションに放り込んでもやつらは数行でイチャつきだしやがるんだ…

ケチャップキスがすんごくよかったですGJ

146 : ◆odaAq0EgoE :2009/05/30(土) 01:52:10 ID:jCd3L81f
「・・・あん、コラ動くなチビトラ」
「だってあんた顔近い」
「あんたがやってみたいって言ったんでしょ!?あーコラ動くなっての!!もう・・・実乃梨ちゃん!!」
「んー?どしたーあーみん・・・zzz」
「寝直すな!ちょっとタイガー押さえてて」
「んー?なんでさ・・・おお!?こ、これは・・・」
「み、みのりんあんまり見ないで」
「ね?わかった?」
「オッケーオッケー!そういうことなら不肖櫛枝、協力するに吝かじゃないぜ!!」
「ううう」



「うん?おーい何やってんだ3人して?」
「あ高須君、ナイスタイミング」
「?なにがだ?」
「たった今完成したところなのだよ」
「だからなにが?」
「「じゃん!」」
「!!」

二人が差し出したのは大河。
竜児の目がその一点で驚いたように止まる。
そこは唇。
いつもスッピンのそこには、今真っ赤なルージュが塗られていた。
艶出しのグロスに包まれたそこに、ゴクリと竜児の喉が鳴る。

「タイガーがさ、あたしが化粧してるの見て付けてみたいって・・・え?」
「ちょっちょっと高須君!?」
「むーむー!?む!あむ・・・ちょ、り、うみゅ・・・はふっ、りゅ、りゅじ・・・あむ・・・うちゅ・・・」
「・・・は!?お、俺は何を!?」
「・・・けだものだ」
「高須君も男だったんだ・・・」
「大河!?大河しっかりしろー!!」
「自分でやっといてあれかよ・・・」
「・・・(カシャ)」
「写メ!?なんで!?」
「た・・・大河の成長写真・・・」
「・・・親かあんた」

落ちねーよ?w

147 : ◆wVNPBvxl56 :2009/05/30(土) 02:08:37 ID:EZqIvzU9
ごめんなさい、間に合わなかった
ttp://sakuratan.ddo.jp/uploader/source/date111560.jpg
ので途中経過を上げておきます。今日中には仕上げます。

>>119-120
丁寧にありがとう! PCで書いてるんですが掲示板で読みやすい形を模索中。
普段はテーブルタグ使っているもので。
では文節で改行、でいきます。
まとめてで申しわけないが>>121以降の人たちもありがとう。

>>131
元々みのりんの仕返しはきっとこういう結果を期待してたんだろうな……。

148 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 02:17:09 ID:F6nPQqdq
なんだか神が多すぎて投下するのに迷うんだが、とりあえず投下してみる
前スレで投下した「空白の一年 〜同じ空の下〜」です。

149 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 02:18:14 ID:F6nPQqdq

今の生活になってから時が経ち、竜児もまたいろいろな変化に気づいた。
大河が転校した後、下級生の間では今「手乗りタイガー」はもはや伝説の扱いになりつつあり、以前ならヤンキー扱いで恐れられていた竜児も、意外と人気者になった。
しかも、大河の存在を知らない1年生は結構告白してくる。まあ、当然断るしかないのだけども。
あと、元2-Cの連中がやたら能登と木原をプッシュするようになった。
主に北村や春田、そして香椎が中心ではあったが。どこか微妙な雰囲気の二人のやり取りを見ていると、どこか初々しく懐かしい。まあ、そんなことをいえば「お前が言うな」と一蹴されるだろうが。

高校生活最後の夏休み。
去年に続いて、伊豆半島の川嶋家の別荘に行った。
竜児、北村、亜美、実乃梨、今年はそこに能登、春田、木原、香椎、そして一時帰国していた兄貴(すみれ)と、去年にましてにぎやかだった。
しかし、大河は来なかった。まあ当然だろう。向こうからは飛行機で片道2時間、割引込みでも飛行機代は馬鹿にならない。
それに東京に来れば、あの「くそオヤジ」にとっつかまる可能性もなくはない。見つかれば有無を言わさず引き戻されるだろう。
そして、大河の中にある、あの決意。おそらく今竜児と会えば、大河のことだ、また甘えてしまうに違いない。
「タイガーのやつ『しばらくは親元でがんばる』って言ってたもんね。ま、しょうがないか。」
と、少し憂いを帯びた表情を見せる亜美が言った。

これだけの面子がそろうと、話題はおのずと大河のことになってくる。
さすがだよ明智君、キミたちだからこそあれだけの距離があっても続くのよ、と実乃梨。
しばらくいない間にすごい事になってるな、まさかお前らがな・・・。と笑うのは兄貴。傍らの北村が、いやいや、運命の二人ですよ。と大真面目な顔で言う。
ほんとすげーよなー、たかっちゃんすげーよー、と春田。
高須君とタイガーちゃんの事見習ったほうがいいかもね、とボソッと言うのは香椎。そして、その言葉に思わず赤面する能登と木原。

そのみんなの声に、これだけの人に支えられているという実感を抱いた。失恋大明神だけが恋の応援団ではなかったのだ。
竜虎は並び立つもの、だからいつか必ず・・・とは言ったが、不安にならない事もない。

大丈夫、これだけの支えがあれば、この先もがんばれる。


ーーーーーーーーー

150 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 02:19:32 ID:F6nPQqdq
2学期に入り、大橋高校では早速文化祭の準備が始まった。
竜児のクラスは「幸せの手乗りタイガー伝説」なんて芝居をやった。
去年の文化祭後の実話にだいぶ脚色を付けたものだったが、そこはさすがの劇団春田、3回の公演はすべて超満員だった。
当の竜児は裏方に徹したが、なかなかによく出来たものだとは思った。ただ、竜児から話を聞かされた大河はお気に召さないようだったが。
そして生徒会の選挙には『不幸の黒猫』こと富家幸太が会長に、兄貴の妹・さくらも書記に立候補。
もちろん二人とも当選し、「北村会長と兄貴に次ぐ大物カップル」としてもてはやされるようになった。
そしてそれらを過ぎると、3年生は一気に受験モードに突入した。
ーーーーーー
11月半ば、金曜夜のジョニーズ。
能登「いやー、勉強も結構しんどくなってきたな…。そこそこ点数取れたからいいけど」
春田「進路決めたらなんか勉強する気なくなって来たな〜」
竜児「何が『決めたら』だよ。親父さんの仕事継ぐだけじゃねーか」
能登「そうだぞ。っていうか元々勉強する気なんか無いだろ」
春田「のののん♪(←けいおん!的な意味で)おれは〜芸大に行って〜楽しいキャンパスライフをエンジョイするんだ〜」
二人「………(彼女さんの影響か…)」
春田「そういえばさー、北村大先生アメリカ行くってマジなのー?」
竜児「本人がそういってるんだからそうなんだろ。ま、大方元会長絡みなんだろうけどな。」
能登「若干ストーカー気質な所があるからな…。でもあの意気込みは覚悟入ってるよな。今日もHR終わってからそっこー帰ったもんな」
竜児「会長が宇宙に行くってんだから、北村も宇宙でもどこでも行くつもりなんだろうな。本気で好きじゃなきゃできねーよ」
春田「たかっちゃんはどうなのー?たいが〜のことすっげー気になるんだけど」
能登「たしかにな。今熊本にいるんだっけ?いつ東京に戻るとか聞いてるのか?ってか一緒に暮らすの?」
竜児「いや、決まってない。聞くにも聞きづらいし…」
能登「そうだよな。事情が事情なわけだし」
ちゃんと聞いたわけではないが、大河の父はいまだ東京近辺に息を潜めてるらしい。
資産は差し押さえ、父の自宅の電話は止められ、ケータイも母娘で着信拒否にしたため、現在は音信不通だとか。
大河たちの居場所も教えてないので、いろんなつてをたどって探しているらしい。
実際、竜児の元にも来たのだが、「どこに行ったかもわからないし、知ってたとしてあなたに教える気は欠片も無いから帰ってくれ」と一蹴した。
手元に金があれば探偵でも雇ってただろうが、ほぼ無一文の彼なら、そろそろ諦めるしかないだろう。
ほとぼりが醒めれば戻ってくるはず。そうすれば、また二人、いや三人で過ごせる日が来るだろう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

151 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 02:22:01 ID:F6nPQqdq
一方、大河の方も、それとなく進路の話題が出てきていた。
大河「そういえば、進路もう決まっとーと?」
涼子「うち医療関係目指してるけん、東京の方の医科大に進むつもりたい」
ゆかり「…大河、今なんて聞こえよっと?」
大河「玉の輿目指すけん、東京でよか男捕まえるたい」
春菜「さっすが大河、涼子語の翻訳ば宇宙一たい」
涼子「ばっ!そろいもそろってなんば言いよっとね?うちはこれでも」
大河「はいはい、涼子はちかっぱもてとるばい。で、ゆかりは?」
ゆかり「福岡出て商業系の専門校行くたい。とりあえず簿記検定くらいはとっとっと思うとね」
春菜「うちも美容院継ぐけん、福岡の美容専門なんとかってとこに決めたばい。大河はどうすっと?」
大河「なかなか決まんにゃあ。ほんとは東京戻りたいばってん、親の都合考えるとそげんやおいかんと、たいが悩んどるばい」
春菜「そりゃしょんなか。でも、彼氏も東京で待っとっと?なったけ早よ帰った方がよかね」
大河「うーん…」
そう、こっちに来ても、進路の悩みは変わらず付いてきた。
とりあえず高校は卒業するつもりだが、今まで何も考えてなかったために窮地に立たされている状態だ。
まあ「竜児のお嫁さんになるっ☆」ってのも一つの道だが、まあそれはゴールでありすぐ可能というわけでは無かろう。
涼子「大河がたいが悩んどるとはのう。さては自分、彼氏と早よぼぼしとうて」
ゆかり「涼子、よう昼間から言いよるばい。付き合いだしたばかりじゃけん、そげんこつしとる訳…」
大河「………///」
ゆかり「え…、そこで黙る…?」
春菜「……まさか」
…………そう、そうです。そのまさかなんです。
逢坂大河18歳、人生最大の悩みどころ。この微妙な空気を、どうやって切り抜けよう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

152 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 02:34:05 ID:F6nPQqdq
とりあえずここまで。
Wikiとかを参考に書いてるので、熊本弁は結構だめだめにorz

↓オリキャラの設定
涼子…イメージ的にはインドアなみのりん。
ゆかり…とりあえず、名前の元ネタは福岡といえば…な某声優(熊本だけど)。涼子がボケならつっこみのつもり。
春菜…ポジション的には奈々子様…と思ったけど違うか。

ちなみに、熊本弁では
・たいが(たいぎゃ)→とても、かなり
・なったけ→できるだけ
・ぼぼ→要するにギシアン

というらしい


ということで駄文失礼しました

153 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 06:47:10 ID:qCQqacQA
オリ設定でも全く抵抗なく読み進められます
なんとなく漂うほわ〜んとした空気感に地方っぽさを感じます
方言は使い手でないと大変だと思いますが
がんばってください
楽しみにしてます

ROM専ですみません

154 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 07:12:22 ID:CktbHYii
大河が壊れたwww

155 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 07:15:28 ID:4jPy9mYN
>>152
GJ!方便大河かわええのうw
くぎゅも方便なのかな…

ぼぼ=ようするにギシアンワロタ

そういやアニメでは卒業後に再開したけど、
原作では始業式向かう途中で再開したよな
2ヶ月くらいしか別れてねえじゃん、再開後はイチャコラが堪能できるお!
まああの2人にとっての2ヶ月は一年くらい会ってないような感覚なんだろうけど。

156 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 08:12:24 ID:HmKtTO9t
大河がトゥル子に変換される件
あるいは地声釘宮に変換される件
そして釘宮理恵さんがめでたく三十路になられましたおめでとう

>>155
方便にはつっこむべきですか?

157 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 09:17:24 ID:HmKtTO9t
再開にもつっこむべきですか?

158 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 10:55:14 ID:ioUxxTFG

                       こまけぇこたぁいいんだよ!!
   {   :.(__,∧: : /| , : "´ ̄:丶   
    '、  : :} : : : . ∨ |'゙: : :,、: : : : : : ヽ   
     \ー┴‐=彡′: :|メ、/  \∠|: ; :!  
      \ : : : : : : : :  (●) (●)|: ||  
       ヽ __,/ } ¨      |:!:! |   
         7 二ユ_v^|  { ̄ヽ  川:|  
         } -‐=、} }ト、 'ー‐' _.イ:|:!:!       ノ'r‐‐ 、
         ヽ /ー'1/\::゙マ ¨ T| |:|: :|      { 「/二ヽ
        __,.V:.:  |   ヽ:V⌒ | |:|: :|      ヽ└ァ‐ {

159 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 11:05:41 ID:HmKtTO9t
大河の身体もこまけぇぜ!

160 : ◆wVNPBvxl56 :2009/05/30(土) 11:24:30 ID:EZqIvzU9
ttp://sakuratan.ddo.jp/uploader/source/date111571.jpg
まとめの方、お手数ですが
>>116の「……だめ」の後ろあたりに挿していただけるとありがたいです。

161 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 11:55:10 ID:Psfnd5s+
方言ktkr

待ってたよ〜
また、続き書いてくださいね。
九州な言葉はかわいいなぁ

162 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 12:39:39 ID:OMTBOskR
>>98

今こいつは何て言った?
好きな人は竜児?
竜児って…竜児って…
「………俺か…?」
思わず声に出してしまった。

「…ぷっ」
その瞬間背中から聞こえたのは昼前にも聞いた覚えのある含み笑いの漏れる声。
「ぷはッ」
そして吹き出した声。
その声に反応し上半身を起こし少しあどけない三白眼を思いっきり開いて大河を見やる。

「ははは!うん!あんたも確かに竜児だね」
でも残念。あんたもまぁ好きだけど…あんたじゃない。っと言葉を続けた大河の顔がくもがかっていく。

「なんで!?だって大河の好きな奴って別の……っ!!」
あまりの出来事につい,いつもの調子で喋ってしまった自分に気付きブレーキをかけた。
ヤバい。今のはまずった。

「………」
「ぁ…ぇっとぉ……」
「…あんた。いつ誰が名前を呼び捨てにしていいって言った?」
「…ごっ…ごめんなさい」
ここは素直に謝る。
だって今のは完璧自分のミスだったから。

「ん…まぁいいわ。なんでそんな事聞いてきたのかは知らないけど,あんたの言う通り前は別の人が好きだったのよ」
だった…過去形…つまり今は好きではないって事だよな。
「まぁ竜児が…って言ってもあんたじゃないからね」
っと軽く頬を赤くして微笑んでる様な膨れてるような顔で釘を刺してくる。

「…うん」
分かってるよ。俺の事じゃない。俺の事じゃないよな…?
竜児は胸の内で祈ってた。
だってそうだろう?
もし俺だったら絶対今までみたいに大河を見れない…意識しちまう。

そして大河は言葉を続けた。

163 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 12:40:42 ID:OMTBOskR


「前まではね,別の人…竜児の親友で北村君って言うんだけど,その北村君が好きだったの」

…あぁそうだよ。
俺の唯一の親友,お前の好きな奴は北村だ。
ここまでは俺だって知ってる。
だがこっから先は知らない…知りたくない。
でも竜児は今時間が止まってるかのように動けなかった。

「でもね,それはいつしか憧れに変わってた事に気付いたの」
「………」
「…っで竜児を好きだって気付いたのもつい最近,去年のクリスマスイブ…根性のない竜児を告白するように仕向けて背中押してあげた後…」
クリスマスイブ…あの日か…あまり思い出したくもない

「…私1人で泣いてた」
「っっ!!」
竜児は眉間にシワをよせ驚き元々出なかった言葉を余計に詰まらせた。
「そこで私竜児が好きなんだって気付いて裸足のまま竜児を追いかけてた…でも見つからなくて…追いつけなくて」
もう…頼むからもうその先は言わないでくれ…
「エントランス抜けたところで竜児の名前を呼びながら…ずっと泣き叫んでた」

…知らなかった。
俺はまたこいつを1人ぼっちにさせていたのか…泣かせてしまっていたのか。
「情けないでしょ?」
っとあどけない笑顔で聞いてくる大河に心が痛む。
「…そんな事ないよ」
もうこんな下らない返事しか思いつかない自分にも腹が立つ。
「あ〜ぁ。私こんな子供相手に何言ってんだか。さっ!もう遅いしさっさと寝よ。はい!あんたもさっさと布団に入る!」

いつのまにか俺は布団の上で正座して話しを聞いてたようだった。
「はい」と返事をして気持ちのいい布団に体を滑り込ませる。
「じゃ,寝るわよ。おやすみ」
「おやすみなさい」

164 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 12:42:39 ID:OMTBOskR


………
あれからどのくらいの時間がたったのだろう?
予想だと30分?いや!一時間くらいか?
大河とお互い背中合わせの状態で横になってる竜児は未だに寝付けずに考え込んでいた。

大河は北村ではなく俺が好きだと言った。
あの文化祭の日から大河をもう独りさせないって決めたのにまた独りにさせて泣いてる事にも気付いてやれなかった。
このやるせない感情はいつまでたっても消えない。

「……スンッ」
!!突然後ろから聞こえてきた鼻を啜る音に反応し振り向く。
「大河お姉ちゃん…まだ起きてるの?」
「…フッ……クッ」
次に聞こえてきたのは
「…もしかして」
歯を食いしばって声を押し殺すような喉の鳴る音。
「泣いてるの…?」
その音が,声がシンとした寝室に響く。
「…ハァ……クッ…ぅじ」
「えっ!?」
「りゅ…じ……竜児……りゅーじぃ……」

連続して自分の名前を呼ばれる声。
―ズキン―
胸の奥が締め付けられるような感覚が走る。
なんだかいても立ってもいられない。
その瞬間大河が突然寝返りふわっとした甘い香りが鼻をついて気付けば大河の頭が俺の狭い胸に寄りかかっていた。
て言うか押し潰してきた。

「くはっ!!」
ちょっ!!苦し…!!
「……ゴメ…ちょっ…と…スンッ…胸……貸して…クッ…」
「………」
「うっ…竜児…りゅーじぃ…」
うわぁ〜んと泣き叫び続ける大河の頭を俺は自然と小さい腕で包み込んでいた。

大丈夫。俺はここにいるよ。もう独りにしないよ。
そう思い頭を柔らかい髪を優しく優しく撫でる。
俺が感じたあの安心感を大河…お前にも感じて欲しいから………。
ttp://imepita.jp/20090530/445970

165 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 12:47:47 ID:OMTBOskR
こんかい短めだけど,自分の中での中間地点だったので投下いたした。
>>104>>109>>137
コメありがとです。
マジ励みになります。
>>111
便利です。そう!細かい事は聞いちゃダメですよw
>>132
GJです。そしてちゃんと寝て下さいw

166 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 13:08:55 ID:RNk4Oxtu
このスレすげぇわ!


167 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 14:07:20 ID:4jPy9mYN
>>165
お、お、お疲れ!!
続き楽しみにしてます!

168 :背中:2009/05/30(土) 14:11:41 ID:wnhPE7qn
高須家のリビングで手乗りタイガーが凶暴な声を上げ始めた。
「せーなーかーがー!かーゆーいー!」
時は真夏。風通しを良くするために、竜児が開け放した窓から蚊が入り、大河をさしたらしい。

「ねえ、竜児っ!!」
クルリ。背中をかけ、とばかりに大河は竜児に背中をむける。ちっこい大河では、かゆい所に手がとどかないようだ。
「おう」
大河の背中をかいてやろう、と竜児は大河の背後によっていく。

「駄犬!!このあたり、このあたり!」
大河の短い腕がさししめすあたりを、カリカリとかいてやる。
「バカ駄犬っ。そこじゃなくて!もっと、こっちっ!」
「ここか?」
「ちーがーう!!」
竜児の手がなかなか大河のかいてほしい所にヒットしない。
大河がクルリと振り向き、凶暴な眼で竜児を見る。
「もっとひだりっ」
「ここ?」
「そう!そう!」
やっとヒット。
「竜児―、きもちいいー」
大河は安心しきった笑顔を見せて喜んでいる。

よかった、よかった、きもちいか、そうか、そうか。
竜児もグルーミングをしているサルのような、おだやかな気持ちになる。
テレビではのんびりバラエティー番組が流れ、テーブルの上には良く冷えた麦茶。
まったりすぎる夏の午後だ。

ガリッ。「いたっ」大河が小さく声をあげる。
俺としたことがボーッとしていて、つい大河の背中に爪をたててしまったようだ。
「大河?大丈夫か?」
「うん・・・。あの、ちょっと血でたかも。竜児たしかめてよ。」
「おう、ごめんな。」

いそいで、大河の服をめくって、傷を確かめる。大河の着ているヒラヒラブラウスの背中をまくりあげる。何の気なしに。

「どう、竜児、怪我してる?」
「あっ・・・、ああ・・」

何の気なしにまくりあげたブラウス。ってか、背中!大河の背中!
眼にしみるように真っ白な背中は、俺の爪のせいでちょっと血がにじんでいた。その上にピンクのブラがのぞいていた。

ちかっていうが、俺は大河を女として意識したことはない。
俺にはれっきとした好きな人がおり、その人以外俺には女じゃないから。
でも、大河さん。これは反則じゃなかろうか。思わず息子が反応するのは、もはや俺のせいではない、と思いたい

「ってか、俺つめたてちゃったみたい。血でてる、ゴメン!」
急いでブラウスを元に戻す。あせる。

「そっか、ありがとね竜児。ところでさー、私北村君とー」
俺の動揺に何一つ気づかず、大河は北村と付き合ったら何がしたいのと己の恋愛妄想を繰り広げはじめた。うんうん相槌をうちながら聞く俺の心の中を何一つしらないで。


169 :エンゲージリング  ◆odaAq0EgoE :2009/05/30(土) 15:12:12 ID:jCd3L81f

「でもよ。実際結婚式だなんてどうやってやるんだ?」
北村に連れられながら、俺は至極もっともな質問をした。
考えたら、この時間に開いてる式場なんて無いし、そもそもそれを行う資金など無い。
もしかしたら、体育館か教室で、簡易に行ってくれるのかもしれない。それはそれでいいな。
そんなことを考えていた俺に、ふと、北村は振り返ってニッと笑った。悪戯っぽく。
「その辺は、見てのお楽しみだ」
「多分気にいってくれると思うよ?」
「苦労したんだから〜」
北村に続いて、櫛枝、川嶋も笑顔で答えてくる。
どうやら、細工は流流仕上げをご覧じろ、といったところらしい。
全く・・・重ね重ね頭が下がるよ。
そして、ちらりと傍らに目を向ける。
繋がった手の先にいる大河が、視線に気付いてニッコリとみつめ返してきた。
そうだな。
今日はこいつらに全て任せよう。
俺たちの為に集まってくれたこいつらに。



「ここは・・・」
つれてこられたのは、日が暮れて真っ暗になったメイングラウンド。
ナイター用の証明があるはずだが、今日は使用する部活がないのか沈黙したままだ。
視界すらあまり利かない暗闇。
そんな折り、櫛枝の声が後ろから響いた。
「ささ、お二人さんは前へズズイッとどうぞ」
そう言いながら、背中を押す櫛枝。
大河も押されているのだろう。同じようにおっかなびっくり歩を進めている。
「い、いや前にって言われても・・・」
どの辺まで行けばいいんだ?
それでも押される背中の感触そのままに、前へと歩き出す。
大河も不安なのだろう。
握った手の平から伝わってくる。
「お、おい櫛枝。いったいどこまで・・・」
「よーし、そこでいいぞー!」
突然響く北村の大声。
「じゃ、いくぞ!スイッチオン!!」
北村の声にあわせていきなり現れる光。
それは・・・。


170 :エンゲージリング  ◆odaAq0EgoE :2009/05/30(土) 15:14:19 ID:jCd3L81f

「ああ・・・」
「・・・!!」
いきなり目の前に現れたのは、真っ白な光を宿した小さなネオン。
大きな大きな白いモミの木にその身を巻きつけて、辺りをその淡い光で照らし出す。
そうして天辺で光るのは、幾つもの方向に、光を撒き散らすプリズムのような大きな星。
大河の・・・星。
「お・・・お前等・・・」
あまりにも突然のことで、言葉が咄嗟に出てこない。
大河も同様で、呆けたようにその大きなツリーを見上げていた。
そうツリー。
あの日・・・俺たちに色々なことが起こったあの日に、俺たちを見ていたツリーがそこにあった。
「どーだ驚いただろ?」
いきなりかけられた声に振り返ると、能登がしてやったりの顔で立っていた。
「大変だったんだぜー?お前等に隠れて皆呼び出して、吶喊で作ったんだからなー?で、どーよ感想は?」
「・・・あ、いや・・・あ、あんまりにも突然で・・・」
そこまで言うのが精一杯だった。
思わず涙が出そうになって、慌てて言葉を飲んだ。
「あーれー?ターイガー?ひょっとして泣いてんのー?」
ひょこっと能登の後ろから顔を出した春田が,大河の顔を覗き込むように首を傾げる。
その言葉に釣られるように俺も大河へと視線を向けた。
「バ、バカ。な、泣くわけ無いじゃん・・・」
そう答えた声は、裏腹に涙の色をしていた。
そこにいた全員の顔が綻ぶ。


171 :エンゲージリング  ◆odaAq0EgoE :2009/05/30(土) 15:16:05 ID:jCd3L81f

「・・・しかしコレ、よく使用許可取れたな・・・」
いいながら、もう一度ツリーを仰いだ。
設置にしろ電源にしろ、教師の許可なく出来はしないだろう。
それは容易に想像できた。
「一体どんな魔法を使ったんだ?」
「私が許可を出しました」
「え?」
言いながら歩いてきた人物。
今は変わってしまったが、今までで一番世話をかけた教師。
「ゆりちゃん先生・・・」
呼ばれた先生が、目の前でニッコリと微笑んだ。
「もと2−Cの生徒のことですからね、真っ先に生徒会長が私のところにきたのよ」
「北村・・・」
振り返った視線の先、親友は、ただ黙って笑顔を浮かべた。
「皆、あなた達が大好きなのね。今日1日見てたけど、それは楽しそうに作業してたわよ?あいつ等泣かせてやるんだー、このツリーの下で幸せにしてやるんだー・・・って」
そう言って微笑んだ先生の目尻にも、ネオンを反射して光る一滴の涙。
それを目にしたとき、俺の胸にも何か熱いものが込み上げてきた。
泣かないように上を見上げる。
そうして目に入るのは、キラキラと光るガラス細工の星。
なにかの拍子に色々な物は壊れてしまう。
でもそれは、元に戻せるんだと、俺に教えてくれた星。
その星にみつめられて、今日俺たちは結婚する。
みんなの祝福を受けて
「じゃあ、あと少し準備があるから、高須たちはそこで待っててくれ」
能登の言葉に何人かが駆け出す。
残った奴らは俺たちの周りへ。
そうして掛けられる暖かい祝福の言葉に、俺は心の中でそっと礼を述べた。



172 :エンゲージリング  ◆odaAq0EgoE :2009/05/30(土) 15:17:56 ID:jCd3L81f


「でも・・・正直意外でした」
「ん?なにが?」
ワイワイと騒ぐ連中を横目に、北村がお礼と共に恋ヶ窪に話し掛ける。
その目には、感謝の念と、幾許かの申し訳なさが浮かんでいた。
「いえ・・・その、大変失礼なのですが、こういった婚礼のようなものに関係したイベントには、あまり参加したがらないのではないかと思い、最初はお誘いしなかったのですが・・・」
そうなのだ。
北村は最初、許可だけ取り付けて、後は自主的にやろうと考えていた。
自分達の手で全てやりたかったのと、こういったことに神経をピリピリさせる独神への、ささやかな配慮で。
しかしゆりは、生徒だけでの作業では何かあった時に誰が責任が取れるの?と、自ら監督役を買ってくれたのである。
それは大変嬉しかったのだが、もしかしたら気分を害しているのではと、少々北村には気の引ける申し出だった。
でもゆりは、作業中終始笑顔であったし、一緒に手伝ってくれたりもした。
それ故に、北村は自分のある意味『見くびっていた』ことを正直に謝罪しているのだった。
「・・・」
ゆりの顔が苦笑に歪められる。
言わなければわからないことなのに・・・。
心中そんな風に呟いて、目の前の真面目すぎる生徒会長を静かにみつめた。
「ありがとうね北村君。でもあんまり真面目すぎるのも、時と場合によりけりだから気をつけてね?」
「はい。申し訳ありませんでした」
「でも意外だったのはホントですよ?」
隣からひょこっと亜美が顔を出して、ゆりの顔を眺める。
「いつもだったら『そんなもん出でるもんですかい!やるんだったら勝手にやって頂戴!』ってなことゆりちゃん先生言っててもおかしくないですし」
「あーみん、言いすぎだよ・・・」
「えーそっかな実乃梨ちゃん?でもなーんかスッゲー余裕ての?亜美ちゃん感じてたんですけどー?」
どう?とクリンと首を傾げて、亜美がゆりに問い掛ける。
その絶世の可愛さと裏腹の、真っ黒な質問で。
どうやら1年以上の付き合いは、既にゆりすらも亜美が心を開くべき相手になってたらしい。
一瞬ひくっと頬を引きつらせたゆりだったが、コホンと一つ咳払いをすると、ニッコリと微笑んだ。
それはもう幸せそうに。
「な、なにいきなり?」
「いい観察力です川嶋さん。折角だから話しておきますね?」
そう言って、ゆりがゆっくりとまわりを見回した。
くるんと一周して最後、自分に腹黒な質問をしたカリスマモデルのところに視線を戻す。
視線を受けた亜美が一歩後ずさったのを見て、軽くほくそ笑む。
そしていきなりの爆弾投下。
「川嶋さん、先生ね?来年の春に結婚するから」
え?
一瞬空いた間。
「ええーーーーーーーっ!!?」
今まで大河と竜児に群がっていた連中も、いや、当時者の二人も含めて、一斉にゆりの言葉に声をあげた。
それ程に驚きの大ニュース。
しかしそれを言った本人は、静かに微笑みを浮かべていたりする。
「あ・・・そ、そうだったんですか。せ、先生。お、おめでとうございます」
動揺しながらも、北村が律儀に祝辞を述べた。
それに対しニヘッと笑うと、おーありがとーと答えた。
春田が。
そして場の空気が凍りつく。
ゆっくりと皆の視線が、ゆりからずれていく。
その横で相変わらず能天気な笑顔を浮かべた春田に。
「な・・・なんであんたが・・・お礼、言うのよ・・・?」
動揺しながらも、春田の横にいた木原が、クラスを代表して聞き手を買って出た。
しかしそこでその場にいる全員が思った。
いや待て。ちょっと待て、と。
それを聞いていいのか?心の準備とか・・・。
「えー?だってゆりちゃんと結婚すんの、俺だもーん」
やっぱり必要じゃねーか!!
一瞬といわず数瞬の沈黙。
そして起こった怒号怒声は、先程とは比べ物にならない大きなものだった。


173 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 16:00:31 ID:4jPy9mYN
>>172
おおエンゲージリングktkr!
教師と生徒の禁断の恋w
続き楽しみにしてます。

174 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 16:07:06 ID:p6wT68Zn
ひらってきたのれす
ttp://img.20ch.net/anime/s/anime20ch8086.jpg
ttp://img.20ch.net/anime/s/anime20ch8087.jpg
ttp://img.20ch.net/anime/s/anime20ch8088.jpg
ttp://img.20ch.net/anime/s/anime20ch8089.jpg
ttp://img.20ch.net/anime/s/anime20ch8090.jpg

175 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 17:23:00 ID:G4PFM+t9
春田は意外すぎて吹いたwwww
もう最高wwww

176 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 17:55:10 ID:4jPy9mYN
>>174
スレチ。
以下通常通りの流れ

177 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 18:01:51 ID:l8b5kbtK
いや原作のプールのセリフもあるしな。
大河に「ぼっ…」とか、スピンオフのせなさんとか春田のポテンシャルは高いw

スピンオフのゆりちゃんとの電話とかカワイイよ

178 :別スレで華麗にスルーされた春田ネタ:2009/05/30(土) 18:20:51 ID:E7pZpptN
「原作の10巻を読むとな、川嶋は『困っている友達を見たら手をさしのべずにはいられない』性格って事になってるんだよ」
「何よ、あんたいきなり。それよりお腹すいたんだけど」
「じっさい、4巻でお前に向けた視線がそうだしな。あと、あいつ、みんなを喜ばすアイデアを考えるのが上手いって思われてるけど、5巻のプロレス脚本初読みシーンは、むしろ困ってる春田を助けたと考えた方がしっくり来るんだよな」
「ねぇ、竜児ぃ。チャーハン作ってよ」
「ところが9巻で俺とお前がくっついちゃったんで、あいつすごく孤独感じてるんだよな。10巻の河川敷のシーンでさ、俺とお前にコート貸して、一人で『そっちは二人だし』ってごちるシーンがある。
で、このエピソードの終わりで北村のコートを櫛枝と二人で羽織って涙ぐむシーンにつながるんだけど、いいよなぁ」
「エビチャーハンがいいなぁ」
「そうなると、あんないい奴なのに横に居てやる彼氏が居ないってのは可哀想だ」
「ばかちーは自分で何とかできるって。それよりエビチャーハン食べたい」
「いやいや、あいつ結構寂しがりだぞ。で、俺にアイデアがあるんだ。」
「なーに?私バター味より醤油味のほうが好きよ」
「春田がお似合いだと思うんだ」
「……ロン毛虫味のチャーハン………………やだ」
「食うなよ。川嶋と春田がお似合いだって話だよ」
「え。だって、アホ毛虫って大学生の彼女いたじゃない」
「そうだよなぁ。春田には居るんだよなぁ。しかし長続きしない気がするんだよ。スピンアウト読む限りでは」
「ふーん。そう。どうでもいいけど」
「春田のいいところは友達思いだって事だ。困ってる奴を見ると助けたいって思う。しかも先に体が動く。損得勘定もてらいもない。あれは本当にいいやつだぞ」
「そんなかっこよかったっけ」
「かっこいいっていうか…たとえば北村がみんなの前に兄貴に振られたとき、あいつステージで泣いてた北村の所にいってやってるんだよ」
「そうだっけ」
「お前もショック受けてたから覚えてないか。北村ホイホイ作戦の時、真っ先に乗って一芝居うってくれたのもあいつだぞ。あと、俺とお前のエスケープを助けてくれたのも春田だしな」
「そういえばそうねぇ」
「だからさ、春田って川嶋みたいな寂しがりやと結構合うと思うんだよ」
「竜児、それ短絡過ぎない?やっぱりばかちーと馬鹿毛虫って想像つかないよ」
「いいと思うんだけどなぁ。春田はねちねちしつこくないから、川嶋のわがままだってさらっと流せるぞ」
「はいはいわかったわかった。二人はお似合い。ねぇ、お昼つくってよ」
「よし、じゃエビチャーハン作るか。醤油味だったな」
「うん!」


179 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 18:48:03 ID:j31T93VK
俺「うん!」

180 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 19:46:55 ID:2xVq/GUn
「なぁ、ぜったいってあると思うか?」
「……はぁ?突然何言ってんのよ。」
「俺には無いと思うんだ、そういうの。」
「だから何言ってんのよバカ犬。あんたと私は絶対に幸せになるの!そういう風にできてるんだから!」
「……?大河、お前なんか勘違いしてないか?」
「え?」
「舌苔ってのは舌に溜まる食べかすやらなんやらの事だぞ?俺は健康そのものだし、ハミガキもしっかりしてるから無いと思うんだ。」
「こ、こここのバカ犬ぅうう!!!」
「うぉ!ま、待て!何怒ってるんだよ!おい!」
「うるさい!黙れ!そして腐れ!!」

一段落して
「竜児に舌苔なんか無いわ。私が一番良く知ってる。」
「大河……。」
「竜児……。」

チュッチュッギシギシアンアン


俺は何を書いてんだ_| ̄|○

181 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 20:01:41 ID:eU6JhR8C
>>180
わらた

182 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 21:12:53 ID:WlsLp4Rl
>>180
頑張れw

183 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 21:52:12 ID:E7pZpptN
おお、9月あいてるじゃないか、SS書けるぞ!とおもったら、スピンオフでデブってた。 orz

いい感じの隙間がないなぁ。

184 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 22:04:29 ID:4jPy9mYN
>>183
無理やり作ればおk
再開後の小説仕様とかさ

185 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 22:24:52 ID:E7pZpptN
いやぁ、ネタは思いついていて、それは大河と竜児がまだそれぞれに思い人が
居るときの話。7月かなぁ。プールから別荘までかなり時間があるし。

186 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 23:15:17 ID:l8b5kbtK
ifも投下されてるのに律儀な奴め
だが、その姿勢嫌いじゃないぜ!

【豆知識】
竜児「チャーハンをパラパラに仕上げるポイントは」
大河「ポイントは?」
竜児「最初に冷や飯を溶き卵にぶっこんでしまうことだ」
大河「ええぇ!?」
竜児「まぁ見てろ。これなら火加減さえ間違わなければ、誰も失敗しない」
大河「私でも?」
竜児「……そ、それは……どうだろう?」


以上。やおい無し

187 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 23:39:19 ID:jCd3L81f
>>176
あ、スレチって俺に言ったんじゃないのかwコメありがとVv

春ゆりは、流れ上入れたかった俺のワガママなので、嫌いな方はスルーして下さいm(__)m

188 :【 - midnight - 】 00 ◆askgvpoGB. :2009/05/31(日) 00:27:42 ID:6u8BF6D0

こんばんは。初投稿させて頂きます。

SSというか、長文を書く事自体が初めてなので、
みなさんのように素晴らしい作品とはとても言えませんが、
良かったら見てやって頂けると嬉しいです。

少し空気読めてない感とか、直球すぎて反則気味なところがあります。
ですので、スレチだったりお目汚し甚だしかったらごめんなさい。
その場合はお手数ですが、スルーでお願いします。

自分の文章力とか、書きたかった事が実現できたかとか、全く自信がありません。
ですが、いつも楽しませてもらってるこのスレと投下して頂ける作者さまに
少しでも恩返しをしたいと思って頑張って書き上げました。(まだ未完成ですが)
色々とボロボロだとは思いますが、生暖かく見守って下さい。

あと、いきなりトリップはどうかなと思いましたが、
結構ボリュームがあり、数日に渡って投下予定なので付けてみました。

それでは、一人でも多くの人が楽しんでくれたら幸いです。

次レスから投下開始します。


189 :【 - midnight - 】 01 ◆askgvpoGB. :2009/05/31(日) 00:29:32 ID:6u8BF6D0

竜児の部屋の豆電球を見上げながら思う。
この部屋には竜児の匂いが染み付いてる。もちろん、この布団にも。
ここ以外で抱き合ったことなんかないけど、やっぱりここが一番だと思う。

ごめんね、やっちゃん。私ここがとっても好きなんだ。
今日は……ううん、今日もこっそり泊まらせてもらうね。

ちょっとした空白の時間。10秒とか20秒とか。
私と竜児の関係がもっと進めば、二度とは訪れない今だけの時間。
でも、今の私にはとても大事な時間。さっきまで散々こいつに苛められて
火照った身体と蕩けそうな脳みそをクールダウンするのに必要な時間なの。


視線を下に45度、私の膝の間に座ってる竜児を見る。
手元を見てないって事は終わったんだ、手先だけは器用なやつめ。

こちらを見下ろしてる竜児と見つめ合いながら、ふと思う。
普通の女の子じゃ、きっとこいつの視線に耐えられないんじゃないかな?
だって、こんなに暗いのに白目がギラギラ光って浮かび上がってる。
うわーと眉をひそめたのが分かったのか、不思議そうに話しかけて来た。

「大河?……どうした?」
「あんた、目だけ光ってロボットみたいよ? それ、レーザーか何か出してんの?」
「おう!? いきなり失礼な奴だな」
「やっぱり真っ暗にしない? 交わるならせめて人間を相手にしたいの」
「交わるとか言うなよな…………真っ暗はイヤだと言ったのはおまえだろう?」
「…………」

そう、真っ暗だと竜児が見えない。
愛しそうに見つめてくれる眼差しが見えない。
両の手が私を包んでくれてるのが見えない。
手入れの悪い唇も、薄い胸板も、一生懸命な顔も見えない。

それが不満なんだ。
でも、そんなこと言ったら恥ずかしくて死んじゃう。



190 :【 - midnight - 】 02 ◆askgvpoGB. :2009/05/31(日) 00:30:31 ID:6u8BF6D0


手を伸ばして竜児の頬を撫でる。目元を指先でなぞりながら、

「……なら、目を半分に細めながら頑張りなさい。なんなら閉じてもいいわ!」
「はぁ!?」
「そうすれば私も怖くない。竜児も大好きな私が見えて満足でしょう?」
「おまえなぁ……とか言って、単純に見られるのが恥ずかしいんだろ?」
「うるさいわね、当たり前じゃないの!」
「なぁ、大河……何度も言うようだが俺はおまえの……んっっ!?」

片手でがっちり首を掴んで無理やりに引き寄せる。

こんな時に恥ずかしい台詞なんか言わせない。
それに、今まさに合体☆って時に無駄口叩いてる暇なんかないでしょ?
あ、私が話を振ったんだっけ。……まぁいいや。


「んっ……」

ためらいがちに唇を割って竜児の熱い舌が入ってくる。
ふふん、絡める相手を探して右往左往してる時は可愛いのよね。
ちょんと舌先でつついて私はこっちよとアピール。

なんて、余裕ぶって見せてても、いったん捕まっちゃうと

「ん…ぁぁっ………」

あっという間に竜児のペースになっちゃう。
絡め取られて、弄ばれて、その後はもう抵抗なんかできない。
ま、そりゃね。私だって抵抗したいわけじゃない、むしろ……

竜児のキスに応じるまま、どんどん身体が熱くなっていく。
自分の心臓の音が鼓膜に響いてうるさいくらい。

あぁ、だめだ。やっぱりさっき言ったの無し。
ちっともクールダウンになってないじゃない!



……もう我慢……できない。

「ねぇ……竜児……」

「お?おぅ…」




◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇


191 :【 - midnight - 】 03 ◆askgvpoGB. :2009/05/31(日) 00:31:41 ID:6u8BF6D0


「んっ…………」

熱い。
熱くて火傷してしまいそうな塊が私を広げて入ってくる。
私を気遣いながら、私の反応を見守りながらゆっくりと竜児が入ってくる。
やっぱり最初はちょっとキツいし、たまに痛む時もある。
けど、声を出したりしたらすぐに竜児は止めちゃうから我慢しないと。

ずりっ…ずりっと中が擦られる度に、奥に進む度に首筋がゾクゾクする。
ぷるぷると身体が震える。自分ではどうしようもない。震えが止まらない。

「あぁ………ぁ…ぁぁあぁぁぁ……」

声が細く掠れる。もう、とっくの昔からトロトロに溶かされてる。
なのに更にこんなに熱いので……どうしちゃってくれるの?

体中の意識が竜児の塊に集中する。
竜児を包み込むようにしながらその形や硬さを感じる。
全身にぐっと力が入る、思わず目を閉じかけて……だめ、目を開けないと!

まだ全部入ってない。竜児がひといき付く前に一目見てやらねば。
ひくひくと震える身体に鞭打って無理やり目を開ける。


……あれ、なんかボヤけてて見えない。

「ぁ、あれ?……りゅ、りゅう…じ………」
「大河…泣くな、泣くなよ……痛かったのか?」
「ううん、痛くない。だいじょうぶ……」

そっと竜児が涙をぬぐってくれる。
こっそりと気持ちよさそうな顔を見ようとしたのに、気付かれちゃった。

あーあ、残念。でも、それでも満ち足りた気分になる。
嬉しい。幸せ。そんな言葉が頭をよぎる。



192 :【 - midnight - 】 04 ◆askgvpoGB. :2009/05/31(日) 00:32:32 ID:6u8BF6D0

「……大河。すっげーいいよ。大河のなか……熱い」
「…………っ!」

カッと頬が熱くなる。そんなあからさまなのは反則だ。

「……だ、黙れ……」

あちゃあ、声が高くなっちゃった。恥ずかしいったらないわ。
そんな私をじっと見てる竜児の視線から隠れるようにキスする。
挨拶のように軽く合わせた唇を離して首根っこにしがみ付く。

もうすぐ、もうすぐだよ。

「…………ちょうだい。……奥まで……」

耳元で囁くと、答えの代わりに腰を進めてくれる。
あぁもう、抱きしめちゃってるからまた竜児の顔が見えないじゃないのよ。

「う……っく!大河っ!」
「ああ……りゅ、う、じ。あぁああぁぁ!」

無意識のうちに両手で力いっぱいしがみ付いてしまう。
浮いていた両足で竜児の腰周りをぎゅううううと締め付けてしまう。

強靭な虎の筋肉がめいっぱい緊張して竜児を離すまいとする。
胸を合わせて密着してる体の間に空気すら入れさせまいとする。
なんて浅ましいんだろうと頭では考えても、この身はどうしようもなく竜児を求める。



一番奥に届いてるのにまだ足りないのか、私は――――




◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇


193 :【 - midnight - 】 05 ◆askgvpoGB. :2009/05/31(日) 00:33:23 ID:6u8BF6D0



ゆるゆると竜児が動く。
腰が、というより重なりながら身体をずらすような感じ。
竜児の匂いを胸いっぱいに吸い込みながらゆっくり深呼吸。

「はぁぁ…………」

あとは息遣いと衣擦れの音が微かに聞こえる。
自然と身体の力も抜けていき、竜児はゆっくりと上体を起こす。
僅かに照らす光が心許ないからか、竜児の唇が私の鼻先に触れた。

「ふふ……着陸失敗ってやつ?」
「ばーか、これから華麗に決めてやる」
「はいはい」

拗ねた言い方が可愛い。ついつい顔がほころんでしまう。

もう一度近づいて来た唇が唇に触れる。離して、触れて、何度もそれを繰り返す。
竜児の細い指先があごのラインをや首筋をゆっくりと這う。
その手をそっと握り、ゆるく指を絡める。

「そろそろ、平気かも」
「おう」
「…………んっ…………」

甘い刺激が送り込まれてくる。お腹の中が更に熱を帯びた気がする。
手と指よりも柔らかな部分で触れ合っても、全然足りない。
唇よりも柔らかいところで竜児と溶けあいたい。

だから、もっと、深くまで――


194 :【 - midnight - 】 06 ◆askgvpoGB. :2009/05/31(日) 00:34:37 ID:6u8BF6D0


きしきしと布団と畳が擦れる。いや、私と布団の立てる音かな?
私が声を出すのを我慢するとそんな音が聞こえてくる。

「はっ………はっ………はっ…………」

竜児の声は声と言うより呼吸を強くしたような細い呼気。

「あっ……んっ…………あぁっ……は…ぁん…」

私の声は口をふさがない限り途切れなく漏れてしまう。
……不公平よね。出したくなくても出ちゃうんだもの。

でもそれは私が途切れない快感に揺られているから。
竜児の指先、竜児の唇、竜児と擦れあうところ。
その全てが私の身体の内側に波紋を広げる。
それは共鳴し、波形を高く強く増幅していく。

竜児が水面を叩く。弱く、弱く。慈しむように。
「ん…あっ……ぁぁ……んぁ…」

竜児が水面を叩く。パシャンって強く。
「ああっ!!!」

竜児が水面を叩く。弱く、強く。リズミカルに叩く。
「あっ…あんっ!…んっ……ふ、あっ!!……ぁっ……ん…」


情けないくらいに、もう本当に、なすがまま。


竜児のいいようにやられちゃってる!
いっつもそう!いっっっっつもそうなの!!!
ほんっと遺憾だわ。




◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇


195 :【 - midnight - 】 07 ◆askgvpoGB. :2009/05/31(日) 00:35:47 ID:6u8BF6D0

竜児のギアはゆっくり上がっていく。
マニュアル車のようにガキン!ガコン!とかじゃない。
切り替えを感じさせないスムーズなギアチェンジを決めてくれる。

指先だけじゃなくて腰の動きまで繊細なんてね。
いったいぜんたい何の家事を頑張ればそんな風になるの?
私なんかまだまだ不器用だから、思うように喜ばせてあげることも……

「……なぁ、大河」
「ぁ……はぁ………はぁ……ん。なに?」
「その、なんだ……」
「…………?」
「あの、また胸を……さ。おまえの、ちっ、乳首を舐めてもいいかな?」

なんて台詞で私の奉仕の精神を打ち砕くのだ、この男は。


「そ、そそそそ、そぉんなことは黙ってすればいいじゃない!!」
「おう!? いや、だってホラ、おまえがビックリするかなって思って」
「はぁ? ビックリも何も、あんたさっきから色々触りまくってるじゃないの!」
「そ、そうだよな。普通はそう思うよな、うん……」

「……さっきのじゃ足りないってわけ? ちょっと控えめだとは思ってたけどさ」
「控えめっていうか、俺はほとんどそこには触ってない、というか……」
「だからって、ちったぁ言い方ってもんがあるでしょ? 考えなさいよね!」
「………………」

……そうだ! 呆れついでにちょっといじめてやろう。
くふふふ。やられっぱなしは性に合わないわ!


196 :【 - midnight - 】 08 ◆askgvpoGB. :2009/05/31(日) 00:37:19 ID:6u8BF6D0

「あんた、ほんっとデリカシーないわよね。ヘコヘコ腰振ってりゃいいってわけじゃないのよ?」
「ぐっ!…………」
「こういうのはね、ムードってものが大事なのよ? 教えなかったっけ?」
「……お、教えられてねぇよ」
「あらやだ。教えなきゃ何もできないの、このエロ犬は?」
「……………………」
「あーあ、マナーのなってない奴を相手にするのってほんっとに大変だわ!」
「お……おまえだって人のこと言えねぇだろうが!」
「な、なんだってのよ? いきなりキレて。タチ悪いわね、あんた」

「おまえは覚えてないかもしれないがな、俺だっておまえが言うデリカシーってのをしっかり考えて、
 苦労しながらも自然に顔を寄せて、その、ち、乳首にキスした事もあるんだよ!」
「あら、上出来じゃないの。なら忘れないようにその小さな頭に叩き込んでおきな!」
「なんてひどいことを言うんだ……っていうか、本当に覚えてないのか、大河?」
「何を?」
「その時の事をだよ!」
「そ、それは、そんな全部は覚えてられないわよ……」

「そうか、それなら俺が思い出させてやるぞ、大河! おまえはな、キスした瞬間に
 ひゃー!とか言いながら俺の横っつらを思いっきりぶん殴りやがったんだ!!」

「………………………………」

「すさまじいフックだった。俺は上半身まるごと布団の外までふっとばされた」

「…………………………………………………………」

「ったく。意識というか命が飛びかけたぞ? 違う意味で腹上死するところだった。
 あれ以来、俺はお前の乳首がトラウマになっちまったんだ、悲劇だと思わないか?」


ぐわっと顔をひねる。
そこに見えるコンポの時計を射殺す勢いで睨み付けた。



これはまずい。




◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇


197 : ◆askgvpoGB. :2009/05/31(日) 00:40:27 ID:6u8BF6D0
本日はここまでです。ありがとうございました。

ところで、連投規制って連続して10レスくらいでしょうか?
途中で切れるのはあまり好ましくないと思うので
どなたか教えて頂けるとありがたいですm(__)m

198 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 00:45:08 ID:c/gyEKaO
初投稿乙です

ギアの下りは雨上がりの夜にを思い出しました。
続き待ってます

199 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 01:40:54 ID:35pNQ4Vd ?2BP(250)
またスレ借ります、12レスほどありますのて行けるとこまで行きたいと思います。
では

200 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 01:44:03 ID:35pNQ4Vd ?2BP(250)
「逢坂さん俺と付き合って下さい。」
「…ありがとう。でもゴメンナサイ、私もう決まった人がいるの」

ハァ〜またか…この学校に転校して来て何人目だろう?
昔はいつもイライラして気に入らないものには全て立ち向かって行った、そのおかげで手乗りタイガーとあだ名まで付けられ、名は体を表すと言わんばりに暴れた。
そう、竜児と気持ちを一つにするまでは。

今は不思議とそんなにイライラする事はない、これが恋の魔法なのか心にはいつも余裕がある。だからクラスメイトと自然に会話が出来た、いつの間にか話せる友人も増え笑顔で過ごせる時間も増えていた。

最近気付いた事がある。
笑顔には人を引きつけるチカラがあるみたい、私が笑えば笑う程話し掛ける人が増える、そして私に好意を持ち告白する人も。

昔はよく告白されたが、あのあだ名が付いてからは殆どなかった、でもここにきて増えるとは思いもしなかった。これが笑顔のチカラなのか?
そして困るのが断り方、昔は一刀両断『イヤ』の一言で済んだが、私が竜児へ想いを伝えた時の事を思うと無下には出来ない。
この時が一番辛い、断るたびに優しい竜児の微笑みを思い出す… 逢いたいよ竜児

201 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 01:47:53 ID:35pNQ4Vd ?2BP(250)
「逢坂さん!また告白されたんでしょ?」
「えっ!いや…その…」
教室に戻るとクラスメートに囲まれ、聞かれた。
「さっき中庭で見たって言ってたよ」
自慢みたいでイヤだ、それに相手の事を思うと素直に返事は出来ない。
「告白されたんでしょ?ネェーネェーネェー」
「……うん」
「つきあうの?ネェ?」
「ううん、つきあわない」
「エェ〜 なんで〜?」
周りに至た男子聞いてきた
「逢坂って彼氏とか居るの?」
「あっ!それ私たちも気になるよね〜」
うゎ〜ドンドン人が集まって来たどうしょ〜
「ネェーその辺どうなの?逢坂さん!」
「うっ!うん…ぃる」
「エエエェェ〜〜」
キャ〜!!また人が増えてるし!これでフィアンセとか言ったら大変な事になりそうだし、黙っとこ。
「いつからつきあてるの?」
いつから?……そういえば、私と竜児ってつきあった期間ってあるのかしら?あの夜『嫁に来い』って言われて次の日はやっちゃんの実家でしょ、そして次の日には私はママの所へ…… う〜ん

「てっ…転校して来る1ヶ月前くらいからかな…」
「へ〜じゃあ休み日とかにデートとかするの?」
「ううん、逢ったりはしないメールとかだけ」
「エ〜!逢坂さん転校して来てもう4ヶ月近くなるよね、寂しくないの?」
「へ〜逢ったりしてないんだ、俺たちにもまだチャンスあるんじゃね〜」
アァァ〜!寂しいに決まってんだろ!!段々腹立って来たわね、それとあんたらにチャンスなどない!

「ううん、良いの。今はお互いに目標みたいなのがあるから、それまでは…」
「そうなんだ、遠恋って大変なんだね〜」
「でも素敵かも、それだけお互いを信じてるって事でしょ?憧れちゃうな〜」
「応援するよ、逢坂さん!がんばってね!」
「うん、ありがとう」

何だか嬉しくなってきちゃった。
竜児、私はこっちで頑張れそうだよ、だからまた一緒に過ごせる日が来るのを楽しみにしてるよ。

202 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 01:52:14 ID:35pNQ4Vd ?2BP(250)
「ったく、売り切れかよ」

あっちに買いに行くか。でも久しぶりだよな、3年なってからは初めてか?
思えばあの自販機にも色々な思い出が… まぁ主に川嶋か。
さあ、今度は売り切れてませんように。アァ?あの足?

「お前まだここに来てたのか?」
「高須君!?…だってここは亜美ちゃんの隙間だもん」
「そうだったな、でも久しぶりだな」
「そうだね、勉強の方は?」
「まぁついて行くのでやっと、ってとこだな」
「またまた〜謙遜しちゃって〜」
「謙遜なんか…」
「祐作も言ってたよ、『高須みたいなのが本当の努力家なんだ』って」

私は高須竜児に救われた、彼を見ていたら変われる気がした、彼と居たら自分が変わって行ける気がした……でも今は友人として
「だから私も高須竜児に期待してる、その努力の結果を、その先を、私にも見せて欲しい。」

「そうか、ありがとう。確かに俺は結果を出さなきゃいけないんだ……」

「逢坂大河の為に…っか、コノッ!ノロケてくれちゃって!!」
「うぉ!痛ってーな!」

「で?どうなの、ちびトラとは?」
「大河とは、たまにメールするくらいで…」
「もしかして、あれから一度も逢ってないの?」
「何と言うか…アイツもその…決意をして行ったから…簡単に逢いに行って良いものかと…それに何か良い友達とかも出来て頑張ってるみたいだし…」
「ハァ!?」
「イヤッ!だからその…俺は今自分に出来る事を頑張って…」
「アァ〜!もう!相変わらずね!!少し自分に正直になりなさいよ!!」
「そうは言っても!!逢ってしまったら……その後が怖いんだ、また逢いたいって気持ちが強くなって勉強が疎かになるとか……」
「ハァ〜自分に自信を持て高須竜児!!もしそうなったら…」
「そうなったら?」
「亜美ちゃんがミスコンの衣装で気合い入れてア・ゲ・ル」
「おまえな〜」


「で、どうなの?実際、逢いたいの?逢いたくないの?寂しいのは高須君だけじゃないよ」
「そりゃ逢いたいさ!」
「じゃあ、こうしない? ちびトラの学校まで行ってあいつが本当に友達なんかと笑ってたら今まで通り、もう辛そうだったり寂しそうだったら逢う、ドーヨ?」
「まぁ、それなら…」
「じゃあ決まりね!」
「でもよ、実際どうやって見るんだよ?外から見たぐらいじゃわかんねえぞ?」
「そこよね〜 ん〜 …そうだ!学祭よ!学祭!!」
「学祭か〜それなら俺達が入っても大丈夫だが、でも先に大河に見つかったら」
「変装すれば良いじゃん」
「変装っても、俺の服は大概バレてるぞ大河に」
「そっか、服ね〜 とりあえず今携帯で学祭の日時を調べてみるから」
「ああ」
「あった、2週間後だ、これなら高須君の服は亜美ちゃんの知り合いに頼めば間に合う、じゃあこの作戦で決まりね!」
「オゥ!」
「あっそうだ、高須君はタイガーが他の男から言い寄られてないかとか心配ないの?実際あいつ相当可愛いよ」
「まぁ多少は…」
「やっぱ心配なんだ〜、わかった」
「で、どんな服を用意するつもりなんだ?」
「それは〜 当日までの〜 ヒ・ミ・ツ!」

203 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 01:55:12 ID:35pNQ4Vd ?2BP(250)
「えーっと、川嶋はまだ来てないみたいだな。」

しかし、最後までどんな服か教えてくれなかったけど大丈夫なんだろうな?
何か大河に男が近づくのがとか言ってたのも気になる。頼むからコテコテの若頭ルックだけは勘弁してくれよ、入場すら危ぶまれるぞ。

「おはよー」
「オゥ!川嶋、おはようって…」
「どうしたのよ、高須君?」
「川嶋だよな?髪切ったのか?」
「ちーがうよ〜 高須君、ウィッグよ、ウィッグ、か・つ・ら」
「すげーな!、本物にしか見えないぞ」
川嶋の髪型は軽く耳が隠れる程度の長さになっていた、しかし服装は…
「…川嶋、上は完璧だがその服装はいつもと同じじゃねぇか?」
「だって〜 亜美ちゃんモデルさんだから〜 このカラダのラインは何着ても隠れないんだもん! ハァッハハ……」
…笑ってやがる。
「それにしても!その格好はアピールしすぎだろ!正直、目のやりばに困るぞ!」
「なぁに〜、高須君?この程度で」
「大体目立ってどうする!俺たちはコッソリ大河を見に行くんだろ!」
「だって高須君と居たらどのみち目立つでしょ!!」
「悪かったな、こんな眼で…」

「……ほら!謝るから、高須君の分の服!、早くトイレででも着替えてきて」
「すまなかった、川嶋」
「もう良いから、電車遅れちゃうよ!」
「すぐ着替えてくるから!」

結果から言おう、これは怖い……
しかし、これはこれで有りじゃないか?俺は正直気に入ってる。
丸襟シングルのライダース色は黒、左腕にはワンポイントで白のライン、インナーにシンプルな白のTシャツ、下は少しルーズなブーツカットのジーンズ、そして靴はスエードのエンジニアブーツ、頭にジャストサイズのハンチング、最後はスクエアタイプのサングラス。
う〜ん、怖い中にもオシャレっぽさがある、新境地だ。

「おまたせ!川嶋、どうだ?大丈夫か?」
「う〜ん、良いじゃない!見た目じゃ高須くんとはわからないし、悪くないよ!」
「そうか!」
俺はちょっと嬉しくなって、角度などを変えてガラスに写る自分の姿を見た。
「でも……」
「なんだ、川嶋」
「サングラスの隙間から見える目は怖いかも…」
「それを言うなよ…」

さあ落ち込んでもしょうがない、約半年振りに大河の顔を見に行くか。

204 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 01:59:49 ID:35pNQ4Vd ?2BP(250)
「逢坂さん、5番に3つお願い!」
「は〜い」

今日は学園祭だ、私のクラスは普通の喫茶店だ。衣装は至ってシンプル、男子はシャツの上にベストそしてネクタイ、数人の浮かれた奴は蝶ネクタイを着けてた、下は制服のズボン。
女子は白のシャツに棒タイ、下は制服のスカート、そしてクラス全員でお揃いの前掛けタイプのエプロン。
血迷って一部男子がコスプレ喫茶にしようと言ったが、『お前らにメイド服着せたろうか!』と言ったら大人しくなった。

私も竜児と離れて約半年、少しドジか治ってきたと思う、結構お客さんが来て忙しいけど、お冷係りをこぼすことなくこなしている。
大変な進歩だわ!竜児が見たら誉めてくれるかな?
なんかあのアホロン毛なら『タイガーすげーじゃん』とか言いそうね、アイツ間違い無く蝶ネクタイつけそうだし… でも、アイツ作ったプロレスショーも楽しかったな……

「…此処か」
「高須君、眼が怖いわよ…」
「すまん、つい緊張して」
「ほら、サングラス掛けて、私も掛けるから」
「オゥ!じゃあ行くか」

ハァ〜もう忙しいし、お腹はすいたし…
「逢坂さん、休憩に入って」
「は〜い、ふぅ!」
「大河お疲れ!」
「あ〜、お疲れ」
「お昼食べに行こっか?」
「うん!がっつり食べたいわ!そうね…カツカレー!」
「良し!行こ!」

それにしても凄い人ね、この学校にも北村君並みの敏腕生徒会長でも居るのかしら?

「ねぇ大河、噂聞いた?」
「えっ、なんの?」
「なんかね、凄いカップルが来てるらしいの」
「なにが、凄いの?」
「なんかね、女の人は美人で凄いスタイルが良いらしいのよ」
「へ〜」
「そして何といっても男の人! サングラス掛けてるんだけど、その隙間から見える眼がすっごい怖いんだって!何て言ったっけな〜あんな眼つき… 」
「…三白眼」
「そう!そう!見たもの全て殺すぞ!みたいな、もう男子とかビビリまくったって!……どうしたの大河?」
「ううん、なんでもない。…でもね、見た目だけ決めるのは私好きじゃないの、確かに目は口ほどにものを言うってあるけど、わたし目つきは少し悪いけど凄く優しい人知ってるから…」
「…そっか、ごめんね大河」
「ううん、良いの。こっちこそゴメンネ、なんか雰囲気悪くして…」
「気にするな!さぁ〜メシも食ったし、午後部もハリキッテ行こうか〜!」
「おぉー!」

205 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 02:03:20 ID:35pNQ4Vd ?2BP(250)
凄く周りの視線が気になるのは俺だけか?
「なぁ、川嶋」
「なぁ〜に竜児!」
「なんだそれ?」
「え〜?だって今日は謎のカップル役でしょ?」
「あぁ、確かに謎のカップルだ。すげー目だってないか俺たち…」
「やっぱり亜美ちゃんの美貌は隠しきれないから〜 ハァハハ……」
…また笑ってやがる
「高須君もさっき言ったじゃん!目のやり場に困るって!キャッ!」
「オイ!腕を組むな!色々当たってる!!」
「当ててんのよ!」
「ッツ!」
本当にコイツだけは毎回…
「ハァ〜……ホントお前は俺をからかうのが好きだな…」
「そんな…… 私は高須君だけだよ、こんな事するの……」
「川嶋…」
「…ぅう…ぅうっ」
「…川嶋?」
「うぅ…うっ…ハッハッハ〜ハハハ〜ハハッ、ハァハァ」
笑ってやがる…… それも豪快に…
「信じた?ねぇ高須君信じた?もう〜亜美ちゃん女優になれっかも〜」
「またお前は俺の純情を踏みにじりやがって…」
「アァー!もう腕はなせ!!大河にでも見られたら大変だ!」
「なぁに〜 照れてるの?顔、赤いよ!」
「アァッ!!」

俺はその時いつもの癖でハンチングから少し出た前髪を引っ張っていた。

206 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 02:07:20 ID:35pNQ4Vd ?2BP(250)
さっきの話しでまた竜児を思い出してしまった、随分と慣れたつもりだったんだけど…
ダメ弱気になっちゃ!
さぁ!午後の部行ってみよーか!

「だけどお昼時の喫茶店ってひまね、せっかく気合い入れたのに」
「ウチのクラスは飲み物だけたからね〜」
「そっか」
「ねぇ大河」
「うん?」
「また気分悪くしたらゴメンね、さっきの優しい人ってさ、もしかして前に話した大河の彼氏?」
「…うん、そうよ。少し目つきは悪いけどね、私はその目が微笑んだ時が一番好きなの」
「そっか… きっと本当に優しい人なんだね」


「ねぇ!ちょっと2人とも!こっち来て!!早く早く!」
「なに?」
「ほら!中庭!」
「なに、なんかあるの?」
「あのカップル、いま校内で噂になってる2人よ!」
「うわ〜本当にすごいスタイルだね!私と同じ人間とは思えないね〜 ねぇ大河?」
「…あぁ、うん」
あれっ?
「キャ〜腕組んだ!あれって絶対胸当ててるよね?うわっ今度は豪快に笑ってる?、何なの?」
ばかちー?
「あんな体じゃ、どんな男も落ちるよね〜」
ばかちー!! 一緒に居るのは?
「ハァッハハ!!男の人!ここからでもわかるぐらい動揺してるよね!なんか顔伏せて照れてるみたいだし!」
「!!!」
……りゅうじ?
「ねぇ、大河!?ちょっと大河!どうしたの?あんた!なんで泣いてんの?」
竜児!!!
「りゅーじー!!」
「ちょっと!あんたどこに行くのよ!?たいがー!!」

207 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 02:11:01 ID:35pNQ4Vd ?2BP(250)
まったく、コイツだけにはかなわねぇな、まったく。

「川嶋!」
「なに?高須君」
「そろそろ腕離してくれ、凄い見られてるぞ!」
「ハイハイわかりました」
「それじゃ行・こ……」
「高須君?」
「大河だ」
「なに高須君?」
「いま大河の声がした」
「えっ!ウソ?聞こえないよ?」
「いや!間違いない!間違えるはずがない!!大河だ!」
あの日誓ったんだ、もう二度と離さないって。だから間違えるはずがない!
「えっ!どこ?どこ?あっ!高須君後ろ!!」

「りゅーじー!!!」
「大河!!!」

あれまぁ… さっきまで人目ばっかり気にしてたのに、泣いて抱き合って…… 羨ましいじゃねぇか!コンチクショ!!


でも…… 今ちびトラが来たとゆう事は見られてたのかな〜?亜美ちゃんマズイな〜……
まぁとりあえず、人目の無さそうな所へ連れてくか、このバカップルを

「ちょっと!2人共!ちょっと静かな所でも行きましょう」
「オゥ、大河もう泣くな。」
「うぅっ、ぅっ、だって…だって竜児が居るだもん」
「わかったから、もう泣き止んでくれ」
「竜児も泣いてるじゃない…」
「そうだな、嬉しいと泣いちゃうよな」
「…うん」
「さあ、行こう」
「あっ!でも私クラスに」
「クラスってもしかしてあそこ?」
「あっ!」
「なんかすっげぇあんたに叫んで手降ってるけど」
「たいがー!、あとはー!まかせろー!!」
みんな…
「友達なのか?」
「うん」


う〜ん、あれが眼は怖いげ優しい人か…
「ちょっと!凄かったわね!まさか噂の男が大河の彼氏だなんてね〜 最後に一礼されちゃたわよ!」
「そうだねー、やっぱり人は見かけじゃないんだね〜 やっぱ男は中身よ!」

あの人は大河の手を引いて行く時すごい優しく微笑んでた。『運命の二人』私は2人を見て自然とそう思った

まぁこれで大河に手を出そうとするバカは消えるでしょ。

208 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 02:15:17 ID:35pNQ4Vd ?2BP(250)
「じゃあ、私はその辺見てくるから終わったら電話して」
「待って、ばかちー」

うわー 早速かよ。

「竜児、わたし泣いてのど乾いたからジュース買って来て」

大河のやつさっきの見てたんだろな、今回の功労者である川嶋を見殺しにするのもな……

「早く!竜児!」
「イヤ!その… ホラ!俺この学校初めてだし、どこに自販機があるか…」
「ハァ?、今日は学祭だからその辺で売ってるでしょ!なかったら外に行く!10分は帰ってこないで…」
すまん!川嶋!!
「わかった、じゃあ行ってくる、でも暴力はダメだぞ」
「ハァァ?!」

高須君… 行っちゃった
「ばかちー」
「はいぃ!」
「いいえ、川嶋さん」
「はい?」
「今日は本当にありがとう」
「はぁ」
「川嶋さんが焚きつけてくれたんでしょ?竜児の事」
「まぁ…」
「川嶋さんは私の気持ち、みのりんの気持ち、そして竜児の気持ち、全部最初からわかってたんだね」
「そんな…私は」
「ううん、今ならわかる。あなたが私たちを見守ってくれてたの… 私はあなたに対して感謝の言葉しかないわ」
「私は… 自分の気持ちもわからなかったし、そのせいでケンカもした、あんたがケガしたのも私のせいだし」
「私はあなたが居たから今があると思うは、ありがとう川嶋さん」
「…今は亜美で良いわよ、大河……ぅうっ…うっ…あんたどんだけ心配したと思ってんのよ!黙っていなくなって……」
「ごめんなさい、亜美……」
「ううん、もう良いよ… でも、みんな大河に会いたいと思ってる…」
「今はダメなの… でも卒業したら必ずみんなに会いに行く」
「絶対よ!約束だから」「うん!」
「じゃあ高須君と楽しんできなよ、あんまり時間ないでしょ?」
「でも…」
「私の事は良いから!帰る時に電話して」
「うん、ありがとう」

やっと大河と素直になれた…… これで本物の川嶋亜美の完成ね、回り道はしたけど今の気分は悪くないわ。
さぁ、もっと女に磨きをかけて私も前に進むか

209 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 02:19:43 ID:35pNQ4Vd ?2BP(250)
今日は川嶋のおかげで大河にも逢えた、これでお互いの決意は再確認できた。さぁ、あとは互いの目標に全力で向かうだけだ!

「今日は本当にありがとうな川嶋」
「ううん、私も大河に会えてよかった。これから大河と逢うの?」
「イヤ、卒業するまで逢わない」
「そう…まあ2人で決めたんだね」
「あぁ」
「うん、がんばりなよ」
「オゥ!」
「でもこれで身も心も綺麗になった亜美ちゃんはすっごい事になるわよ!高須君も後悔しないようにね!!」
「あぁ、川嶋は美人だからな将来が楽しみだ」
「彼女持ちの余裕かよ!!」
「痛ってー!!そんな彼女持ち…と……」
「なに?高須君」
「アァァー!!ぁぁーアァー!!!!」
「どうしたの!!」
「忘れた……」
「なにを!」
「大河にまだ好きって言ってネェェェエー!!!」

「……ハァ?!告白してないの? プロポーズしたのに?」
「あぁ…」

「高須君ってバカ?」
「多分…… バカです」

210 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 02:23:49 ID:35pNQ4Vd ?2BP(250)
今日で全てが終わる、いいえ今日が始まり、竜児と亜美に約束した日がやっと来た。

校長あんた話しが長いのよ!、あんた誰よ?市議?何それちゃっちゃと喋りなさいよ!も〜!あと何人?何分かかるの?
終わり?終わったの?
やったー!あとは担任を捕まえて〜! …… 居た!

「先生〜!」
「逢坂さん、何ですか?」
「それ卒業証書ですよね?」
「はい、そうですよ」
「私のどれですか?」
「逢坂さんは、え〜っとこっちの一番上ですね」
「じゃあ、いただきます!あと、ありがとうございました!」
「えっ!それ今から教室で」
「あっ大丈夫です!」
「あとアルバム」
「あ〜!」

みんなとの思い出も大事だし、竜児にも見せたいし…… ん〜
「あっ!ママ!アルバム貰っといて」
「なにを言ってるの …あなた大橋高校に行くんでしょ?送ってあげるから早く貰って来なさい」
「ありがとう、ママ!」
これで間に合いそうね。
「大河」
「なに、ママ?」
「今度家に高須君を連れて来なさい、もうパパに紹介して良い頃よ」
「うん」
「あとこれは女としての助言よ、男は犬と思いなさい!」
「いぬ!?」
「そうよ犬よ!犬は躾と美味しいエサよ!前の旦那は躾で失敗したの、なんとなくわかるでしょ?」
「…うん」
「だから第一に躾!そして美味しいエサ、これは言わなくても意味はわかるわね?大河あなたの努力次第よ。これさえ出来れば犬は尻尾を振って家に帰って来るわ」
「はい」
この人は間違えなく私のママだと思った。
確か…… けつみゃく?そう血脈!…少し怖いわね。竜児と私の子供もこんな事言うようになるのかしら?
やっちゃんの血も少し欲しいところね…

「じゃあ、しっかりね大河」
「ありがとう、ママ」

あぁー やっと来れた!みんなに会える。竜児、わたし帰って来たよ。

211 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 02:27:16 ID:35pNQ4Vd ?2BP(250)
まだ終わってないみたいね…… あっ!

「先生!」
「逢坂さん!!」
「先生、お久しぶりです」
「お久しぶりですね逢坂さん、今日は?」
「今日はみんなに会いに来ました!」
「そぅ… みんな逢坂さんの事心配してたから喜んでくるれると思いますよ」
「ありがとうございます……… 先生はまだ恋ヶ窪先生ですか?」
「………」
「………」
「…そうよ、先生はまだ『恋ヶ窪』ゆりです!」
「これからですね!頑張って下さい!」
「……ありがとね逢坂さん、中に入るんでしょ?来客者名簿に記入して下さい、あとは自由にして良いですから」
「はい」
「じゃあ、行きましょう」

うゎ〜 たった1年なのにすっごい懐かしく見えるな〜 わたし帰って来た!帰って来た!帰って来たんだ〜!!

「ここに名前書いて…… ハイこれでOKよ、あっ!最後のホームルームが終わったみたいね、先生はみんなを見送りに行くけど逢坂さんは?」

『私は2ーCの教室が見たいです』

やっと終わったか、本当にいろんな事が…… やっぱり大河との出逢い、あの教室の前で………!!!!

高須君何見上げてんだろ?教室……!?
「あれ〜 たかっちゃんなに走ってんだろ?」
そうか… 今度はちゃんと先に見つけたのね。大河、約束を守りに来てくれたのね……

「どうしたの亜美?」
「ううん!何でもない。それより実乃梨、あとで2−Cの教室に行ってみない?」
「イイネ〜! みんなで行って写真撮ろー!!善は急げだ!」
「あっ!ちょっと待ってあげて… いま大事なところだろうから……」

本当に最後までドタバタな2人ね…… 高須竜児、今度はしっかり決めるのよ!

……羨ましいぞコンチクショー!!!


ーおわりー

212 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 02:29:59 ID:/BIqaPlz
こんな夜遅くにお疲れ!!大河目線というのも真新しくていいな!

あとやっぱり亜美はいい女なんだと思う。

213 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 02:33:44 ID:35pNQ4Vd ?2BP(250)
以上です、何となくわかる方も居るかもしれませが、アニメの卒業式の場面で亜美と実乃梨が何か話してたシーンが書きたかっただけです。

前回レスをくれた方々この場を借りてありがとうございました。

では、みなさんありがとうございました。

214 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 02:36:01 ID:RQPR3V2F
読後にすごくすっきりした感がある
あーみんやっぱイイやつだな
よかったよーGJ!!

215 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 02:51:58 ID:3T4w8nl2
良い子は避妊をちゃんとしよう
生徒会長北村との約束だ!

>>197
ラブラブカップルの愛情えっちはいいなぁ
性欲が主じゃなくてあくまでお互いを慈しむ雰囲気がいい感じ
あと連投規制には三種類ほどありますが、
●持ちでないのなら主に発動するのはバイバイさるさんあたり
これはスレッドに一定時間に書き込んでるIP数で変わるので
一概に何レスで発動ってのは公開されていないし細く検証してるのも無いようです

割り込み自重して誰も書かない場合だと発動する確率が上がることだけ分かってます

●を買うかBeログインすれば回避出来るっぽいですよ

216 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 03:02:18 ID:T1+Kxi0E
大河ってマンコ舐めてあげるだけでイッちゃいそうだよね

217 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 03:04:50 ID:3T4w8nl2
>>213
いい感じにアニメのラストにつながってて良かった
大河ママナイスw
やっぱ若い書き手さんもいいなあ

218 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 03:07:01 ID:3T4w8nl2
>>216
それは相手が大大大大大好きな竜児だからだよ
しかも優しく慈しみながらデリケートに愛する男だぜ


あれもしかして俺ものすごいクサいこと書いてね?

219 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 03:39:21 ID:z95XU0yK
クサ過ぎてツライよぉ〜
背中がゾクゾクするよぉ〜

220 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 05:06:29 ID:Gfj78JTo
>>219
あーみん乙

221 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 08:41:35 ID:0dH8azDD
>>197
GJ!
朝からフル勃起した。
連投規制はJane使ってたら大丈夫だと思ってたけど
よく考えたら俺は壺(●)持ちだったのかなと思う今日この頃。

>>213
GJ!
よく読んだら亜美主観っぽいね。
大河が川嶋の事を亜美って呼ぶのは意外だった。


朝から良作を2本も読めるなんてなんて幸せなんだ。
日本に生まれてよかったよ。

222 :まとめ人 ◆SRBwYxZ8yY :2009/05/31(日) 10:20:54 ID:z95XU0yK
まとめ更新しました(キリッ)

色々とページ構成をいじった(つもり)なので、見れないページとかあればご指摘ください。

あと、作品の修正について可能な限り行ったつもりなのですが
もし抜けている部分がありましたら、ご指摘をよろしくお願いいたします。

>>123
iPhoneなんてもってねーよヽ(`Д´)ノ ウワァァァン
調べたところ、METAタグで文字コードを指定すれば大丈夫なんじゃね?つーか亜美ちゃん最高なんじゃね?
ということらしいので、トップページやいくつかの作品にMETAタグを入れてみました。
トップページとかで文字化けしていないか確認をお願いいたします。

全ての作品にタグを入れるのは…かなりきついので…ゆっくりまっていてね!




容量が200KBを超えている竜虎妄想スレVol9に驚愕の事実!!
ギシアンが>>180しかねえッ!!
まとめててびっくりダヨ。

223 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 10:23:33 ID:/BIqaPlz
>>222
いつもながらお疲れ!今から見てくる!

そういやギシアン書いてないな……なんか他の長編に圧倒されて書く気がそがれてしまっていたww

224 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 10:27:03 ID:/BIqaPlz
>>223から連投済まない
今ざっと見てきたが…ページ構成素晴らしいです!!携帯でも何の問題無く見れるのでこの感じで継続してもらえたら嬉しいっす

225 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 11:20:29 ID:Y7riw09E
いつもお疲れ様。というか、お世話になってます。_ノ乙(、ン、)_  >> 222

> 全ての作品にタグを入れるのは…かなりきついので…ゆっくりまっていてね!

◇ ◇ ◇ ◇ 

「やってられなくね?亜美ちゃん、やってられなくね?てか、だるいんですけど。日曜日か・え・せ・って気分なんですけど」
「ばかちーどうしたの?また発情期?」
「は?カンケーネーYo!引っ込んでろチビ虎。ねぇ、高須くーん、手伝って?」
「ちょっとあんた、なに人の犬っころ勝手に呼びつけてんのよ」
「誰が犬だ。川嶋、どうしたんだ?」
「あ〜ん、高須君、タイガーがいじめるの。じゃなくて、100くらいあるHTMLファイルのHEADにMETAタグ入れてるの」
「…なにやってんだお前…」
「祐作が悪いのよ。生徒会長に押しつけられたとか言って、私にそのまま押しつけるんだもん」
「え、何?北村君が性悪生徒会長にいじめられてるの?!竜児、活躍のチャンスよ。あんたが砂糖なめくじ犬じゃないことを主人に私に見せてご覧なさい!」
「はいはい。で、どうやってんだ?…おう、いちいち手作業かよ!」
「だって祐作がそうしろって…ねぇ、高須く〜ん、亜美ちゃん忙しいんだけど、これ高須君にお願いしていい?てか、あと、よろしく。つーか、明日までにやっとかないとコ・ロ・スよ♪。あは〜ん、おねが〜い」
「離れろ離れろ!大河、帰るぞ」
「うん…そうね。北村君には悪いけど、本当に悪いのは悪ちーだから」
「ちょちょちょちょ待ってよ待ちなよ置いてかないでよ!も〜、冗談通じないんだから。い・じ・わ・る。ね、高須く〜ん、どうすればいいか亜美ちゃんにおしえて?」
「ったく最初から素直にそう言えよな。複数ファイルに定型変換するなら高機能エディタを使えよ」
「高機能エディタ?」
「秀丸とかemとかPeggyとか聞いたことあるだろう」
「亜美ちゃんわかんな〜い」
「大河、帰るぞ」
「嘘嘘嘘、聞いたことある!」
「そういうエディタはたいていディレクトリ内のファイルに一括置換する能力があるんだよ」
「竜児…痴漢って、あんた…」
「チビ虎は黙ってろ!高須君、置換よね」
「おう。だからそれ使えよ。ディレクトリを指定して、内部の全HTMLファイルの</title>を< /title><meta http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=Shift_JIS">に置換すればおしまいだ」
「亜美ちゃん、もう手で置き換えたファイルがあるんだけど」
「一括変換前にそのファイルだけ余所のディレクトリに避難させとけよ。エクスプローラーで出来るだろ」
「どのファイル変更したかな…」
「変更日付で並び替えればわかるんじゃないのか?」
「ほんとだ…どのエディタがいいと思う?」
「さぁな。俺は使ったことない。これ書いてる奴はPeggyを使ってる」
「え?何?何の話?てか、Peggyって有料じゃん」
「お試し版使えよ」
「ふーん、そんなのもあるの…」
「ね、竜児。もういいでしょ?行きましょ。帰りスドバ寄ってかない?」
「そうするか。じゃ、川嶋、あと一人でやれるだろ」
「あーん、置いてかないで。てか、高須君、なんでこんなに詳しいの?」
「おう、『Linux クックブック』って本を買ったら、料理の本じゃなかったんだ。で、MOTTAINAIからコンピュータの勉強をしてたらいろいろ詳しくなってな。パソコンは持ってないんだけどな」
「…」
「…竜児、スドバいきましょう」
「おう…じゃなぁな、川嶋!」

226 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 11:24:05 ID:0dH8azDD
まとめ人お疲れ様!
こっちのまとめ人さんはいろいろ工夫してくれて
すっごい感謝してます。ありがとう。
ギシアンが少ない?なら投下するしかないじゃないか。


「ふっざけんなぁぁ!!」
「どうした大河?」
「これよこれ!この記事!私に対する冒涜よ!」
「何何…?『17歳の美少女テニスプレイヤー「巨乳を小さくする手術します」」
「せっかくあるものを小さくするなんてバカじゃないの?小さすぎて困ってる少女もいるってのに!」
「おう…でもまぁ、テニスをする上では邪魔なんじゃないか?デカすぎて跳ねるというか」
「うー」
「まあなんだ、別に困る事はないだろう?」
「なんでよ。あんたはみのりんやばかちーのを散々見てるんだから私のじゃ満足できないでしょ?」
「いや。俺はどっちかというとお前みたいなのが好きだぞ?逆に来るものがある」
「竜児……」
「大河……」

ギシギシアンアン

227 :HOTEL Heart Arta:2009/05/31(日) 11:42:51 ID:/BIqaPlz
ギシアンを書こうと思っていたら気づけば初の長編作品になりそうなんだ……


「なぁ……ホントにココに泊まるのか……?」
「他にどこがあるってのよ」
「……いや、でもやっぱ」
「うるさいわねこのヘタレ犬!あんたも男だったら覚悟決めなさい!ホラ、行くわよ」
「あ、おい!……わーったよ……」

二人の前には『HOTEL Heart Arta』というネオンが煌々と光っていた

228 :HOTEL Heart Arta:2009/05/31(日) 11:44:29 ID:/BIqaPlz
時間を遡ろう。

「りゅーじ!」
「た……大河!」

ことの発端は今朝のこと。久しぶりに大河がウチに遊びに来た。何の連絡も無しに、突然だ。
しかし大河は今は遠い所に転校中だ。ウチに来て、日帰りできる距離ではない。
ご家族の方はいいのかと聞くと、なんでも『友達』の家に泊まりに行くと大河のご家族には伝えてあるそうで。
聞いたか?あの手乗りタイガがー友達の家にお泊りだってよ!――大橋高校の人間なら誰しもそう思ったんじゃないだろうか。
それはともかく、じゃあ今日はトコトン遊んでみるか、という話になり……結論を言うとだな、遊びすぎたんだ……。
何をしていたかって?俺に大したお金は無いからな。
電車で近くの繁華街に出て、ウインドウショッピングしたり道すがらにあった神社覗いたり……
晩飯にファミレスで飯を食ったときはまだ8時ぐらいだったはずなんだ。
……だがファミレスを出たときにはもう12時手前になっていた……俺にも何が起きたのかさっぱり分からねぇ。
だが俺達も久しぶりに会ったんだ。積もる話もあるんだよ……。

229 :HOTEL Heart Arta:2009/05/31(日) 11:46:35 ID:/BIqaPlz
「おい……大河……」
「……遺憾だわ」

そして二人はただ呆然と、発車する最終電車の背中を眺めていた。

「……なぁ、大河」
「ちょっとは自分の頭で考えなさいこのバカ犬」
「うっ……とは言ってもなぁ……」
「仕方ないわね……竜児、行くわよ」
「行くって……何処へだよ!?」
「繁華街の方よ。ココに居たって何にも変わんないでしょ?それもともなに?あんたまさかホームで寝たいの?」
「いやそれは……」
「わかったらちゃっちゃと動く!行くわよ!」

そこから色々探して回った。ネットカフェはタバコ臭いから嫌だと大河が言い、
じゃあ24時間営業の何処かに行くかというとあんな固い椅子に何時間も座ってたらお尻が破けると大河が言い、
いっそ歩いて帰るかと聞くと無言の大河ーアッパーカットを喰らい……

気づけばここに居たと。そういうわけだ。

しかし竜児も大河もまだ高校を卒業したばかり。ラブホテルなんて知っている訳も無い。

――今ここに、未知との遭遇が、始まろうとしていた。

230 :HOTEL Heart Arta:2009/05/31(日) 11:50:57 ID:/BIqaPlz
「……行くわよ」
「……おう」

ウィーン
♪ピンポンパンポーン いらっしゃいませ!明かりのついているお部屋のボタンを押してください!

「……誰もいねぇぞ」
「……フロントとか、そういうの無いの?」
「えっと……どうすれば良いんだ……」

などと右往左往していると

「あれー?たかっちゃんにたいがーじゃん。こーんなところでなにしてるのー??」

「!!はっ……春田!?!?」
「あああああんたここここんなっとこっろで!?!?」

訳が分からない。どうしてお前がここにいる。目的はなんだ。望みは?金なら無いぞ……。

「だーってここおれのおじさんがやーってるんだもーん。あるばいと、ってやつー?ホラ、店の名前みてみなよー」

店の名前……Heart Arta…ハートアルタ…はるた

「「春田!!??」」
「ご明答〜!けっこー給料いーんだぜぇ〜??」
「なんてこと……こんなとこ……見られた……こっ……殺……」
「おっおい落ち着け大河!!春田。実はだな……」
「フムフム……そっかーたいがーいまはこっちじゃないんだもんねー……そうだ!たかっちゃんちょっとまっててよー」
「ん?おっおう」

そういって春田は奥の方へと消えていった。
……しかし、偉いことになってしまった。横で大河は余りのことに心神喪失だ。
……あとこうしてる間にも何組かのカップルが俺らの横を通っていったんだが……
その、何て言うか……年齢差がおかしいというか、なんというか……
いや、何も言うまい。おそらく異分子は俺達の方なんだろう。

231 :HOTEL Heart Arta:2009/05/31(日) 11:56:25 ID:/BIqaPlz
「おまたせーたかっちゃんにたいがー!いまおじさんに聞いてきたんだけど、あんまりおっきい部屋じゃなくていーならタダで使っていいよってさー」
「……なに!?TADA!?……それは本当か!?」
「ほんとだよー。えーっと……ぽちっとなー。ほいこれ部屋のレシート。ここに書いてある部屋に行っておくれよーあとでなんか飲み物とか持ってくからさー。ほいじゃあね!ごゆっくりー」
「お……おう……おい!大河!春田が気を聞かせてTADAで一部屋空けてくれたぞ」
「殺す……木刀……果物ナイフ……ハッ!えっ!なに!?」
「……お前って奴は……ホラ、行こうぜ」
「えっちょっまってりゅーじ!」

こうして俺達は初のラブホテルとやらを経験することになった。



とりあえずここまでにします。続きはまた後ほど〜。

あと、長編としては初なのでベテランの方々、目の肥えておられる方々には見苦しい点数々あることと思いますが、ご容赦くだせぇ。

232 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 13:08:56 ID:/BIqaPlz
申し訳ない。>>228の『転校中』はおかしいな。

『しかし大河は今、ここからは随分遠いところで生活しているはずだ。』

に修正してくだせぇ。

アニメ版のアフターで、二人は卒業したあともまだお互い離れた所で生活してるんだろうなぁ、ぐらいのイメージで書いてます。申し訳ない。

233 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 13:38:42 ID:sQAwAK20
>>231
いいところで終わり過ぎw
続きまってます(><;)

234 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 15:33:53 ID:EqerE1WP
>>226
17歳の美少女テニスプレイヤー「巨乳を小さくする手術します」
http://tsushima.2ch.net/test/read.cgi/news/1243489306/

これれすね

235 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 15:43:31 ID:EqerE1WP
あれ?
俺このスレ立てたの水曜日の真夜中だったのにもう237KB?
もう最大容量半分近く消費?
しかも雑談よりも作品が多くを占めてる?
なんというか神の領域にわれわれは突入してるってやつじゃね?
亜美ちゃんすごくね?いや亜美ちゃん関係無いけど

ということで折り返し地点直前 次スレタイトル案候補ストック

【とらドラ!】大河×竜児【ワクワク妄想】Vol10
【とらドラ!】大河×竜児【ゴロゴロ妄想】Vol10
【とらドラ!】大河×竜児【ユラユラ妄想】Vol10
【とらドラ!】大河×竜児【ニコニコ妄想】Vol10

てかもう次で10スレ目なんだな…

236 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 15:49:24 ID:Y7riw09E
>>235
フニャフニャとか、モジモジとかクネクネとか、クスクスとかよかったら使ってくれ。

モグモグもありか。とんかつネタ多かったな。

237 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 15:55:25 ID:46sE+jzc
ふにゃふにゃ大河w

238 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 16:02:03 ID:0dH8azDD
ハフハフ妄想とかもええぞー。


「竜児、妄想ばっか考えて現実から逃げてる人ってどう思う?」
「いいんじゃないか?うまく生きれない人がちょっといい気分に浸りたいだけだろ」
「でもそういうのってセコいよね。自分の考えだけで相手を辱めたりさ」
「いいだろ!別に妄想くらい!お前だって北村の事で妄想してたんじゃないのか!?」
「な、なんで切れるのよ?あ、そっか。そういやあんた妄想ノートなんて持ってたよね」
「し、知らん。それに怒ってなどいない」
「うそ。だってあんたの妄想ノート全部読んじゃったもん」
「…うそだろ?」
「フィアンセの事はよく知っておかないとね。…で、竜児」
「…なんだよ」
「えっと…したくないの?SMプレイとか。股縛りとか。後手縛りとか」
「…いいのか?」
「……」コクッ

ビシビシアンアン



239 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 16:06:45 ID:djxMgZeW
>>238
噴いたwww


初めて原作を読んだ。
活字なんて新聞しか読まない俺だが、半日で1巻読み終えてしまった。
なぁ、2巻を今から買いに行くべきかな?

240 :まとめ人 ◆SRBwYxZ8yY :2009/05/31(日) 16:07:04 ID:z95XU0yK
すべてのファイルにMETAタグをいれました。

おおお、神様仏様亜美様竜児様>>225様!!!
ありがたやーナムナム
こんなツールがあったなんて知らなかったよ…


>>235
ときめき妄想とか、ひらがな系はどうよ?


241 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 16:07:46 ID:m1UT4cTL
どもー、このスレタイ案出した者だす〜。
では、今回の候補は・・・
【とらドラ!】大河×竜児【モフモフ妄想】Vol10
【とらドラ!】大河×竜児【ハラハラ妄想】Vol10
なんて、どうでしょう!?

俺・・・次も選ばれたら・・・名前書いてカキコするんだ・・・

242 : ◆askgvpoGB. :2009/05/31(日) 16:25:40 ID:6u8BF6D0

>>215 >>221
連投の件と感想ありがとうございます。

>>まとめの人
投下即日にリストに入っててビックリしました。
更新とかメンテとか、いつもおつかれさまです。重ねて、本当にどうもありがとう。

>>198さんはじめ、感想を頂いた方ありがとうございます。すごい励みになります。

割と長い間、直球ネタということで躊躇してたんですが、
引き続きなるべく途切れないように投下させて頂きます。

今日は時間が取れたので2セット投下行けそうです。
続きは日が変わる頃だと思いますが。

では次レスより投下します


243 :【 - midnight - 】 09 ◆askgvpoGB. :2009/05/31(日) 16:26:53 ID:6u8BF6D0


繋がってる場所を探る。うん、ちゃんと硬いな。……じゃなくって!
馬鹿な事を意識したからか頬が熱い。その頬に刺さる視線も痛い。
だから、最近いつもそこは控えめだったのか。悪い事をした……かも。

「黙秘か? 大河、なぁ大河、おーい大河ー?」

眼力で爆破できるのであれば、今こそその時!さぁ爆ぜよ!
しかしそんな都合よくごまかせやしない。……ちっ、お前も敵か、おんぼろコンポ。

「…………何よ?」
「マナーのなってない奴はどっちだろうなぁ?」
「…………っ!」
竜児をキッと睨み付ける。

「ちっ、ニヤニヤしてんじゃないよ!」
「へーへー。何でも構いませんよーっと」
「あんたさ…………最近、動じなくなったわよね?」
「自分が悪い時は素直に謝るからな、大河は。今のは単なる負け惜しみだろ?」
「…………フンッ」

白旗を掲げよう。悔しいけど、こればっかりは負けだ。


「そ、その事については、あの……謝って、あげても、いいわ」
「おう。分かってくれて嬉しいよ、大河」

と、胸元を隠してる私の手首をグッと竜児が掴む。

「あぁ、あのあの、もう殴ったりしないから、ね?」

その力強さに反射的に言ってしまう。

「あぁ、俺もさすがにもう一回は御免だな」
「…………悪かったわよ………」

掴んだ両手を持ち上げられる。顔の横、布団にポンと置く。
それから全部の指を絡めてくれる。これ好き。
もう繋がってるのに手を繋ぐのがこんなに嬉しいだなんてね。
どこもかしこも繋がってたいの。それって変かな?

竜児の顔が近づいてくる。
優しく微笑んでいる竜児の顔を閉じるまぶたに映して口付ける。
止まっていた腰もゆっくりと動き始める。
よかった、そんなに気にしてないみたいでよかった。


244 :【 - midnight - 】 10 ◆askgvpoGB. :2009/05/31(日) 16:28:02 ID:6u8BF6D0

止まっていた時間を取り返そうとでも言うのか。
竜児の動きがさっきよりもずっと心地よい。
入れられつつも動かさないなんて事を続けられてたもんだから、
さっきよりずっと敏感になってるみたい。

「ふ……んぁ………んっ……」

竜児はキスを続けてくれる。優しい感じ。
そのまま、指を絡めたまま頭の上の方に持っていかれる。
やる気のないバンザイみたいな格好。

「んんっ!……」

ぐっと奥まで突き入れてきた。と思ったらゆっくり腰を回し始める。
これも好き。ずっと竜児が奥まで入ったままだから、好き。
ゆっくり回すのは疲れるんじゃないかとも思うけど、そうでもないのかな?
ずりずりと内側を擦られると、ふにゃふにゃと力が抜けちゃう。

もう乱暴しないからそんなにいじめないでよ、竜児――



「ぷあっ……はぁ……ん…………」
「はぁ……はぁ……大河、さっきの、いいよな?」

なんて、まっすぐ見つめてくる。腰の動きも抜かりがない。

「ぁ……ぁん…………うん。い、いいよ」

こんな風に言われて、どうやったら断れるんだろう?

唇から頬、首筋にキスを降らせる竜児。
こいつの熱い唇が、舌の粘膜が私の肌に触れるたびに微かに震える。
両手はそのままに顔だけ動かして左の首筋から二の腕へ。

「や、やぁ…………汗、かいてる……かも」

そのまま下に動くのを察知して声を発する。

「ん? おう、シャワー浴びたんだから全然平気だぞ。それに俺はそんなの気にしない」

あんたじゃなくて私が気にするのよ!と、心の中でだけ毒づく。


唇を這わせていた感触が変わる。ヌルっとした粘膜を腋の下に感じる。

「ひゃっ!……ちょ、そこは腋じゃないのよ……」
「いいんだよ、ここから始めるんだ」

……何をだろう?
そんなことより、こいつは腋の下フェチだったのか。


245 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 16:29:25 ID:EqerE1WP
>>236>>238
追加しますた

【とらドラ!】大河×竜児【ワクワク妄想】Vol10
【とらドラ!】大河×竜児【ゴロゴロ妄想】Vol10
【とらドラ!】大河×竜児【ユラユラ妄想】Vol10
【とらドラ!】大河×竜児【ニコニコ妄想】Vol10
【とらドラ!】大河×竜児【フニャフニャ妄想】Vol10
【とらドラ!】大河×竜児【モジモジ妄想】Vol10
【とらドラ!】大河×竜児【クネクネ妄想】Vol10
【とらドラ!】大河×竜児【クスクス妄想】Vol10
【とらドラ!】大河×竜児【モグモグ妄想】Vol10
【とらドラ!】大河×竜児【ハフハフ妄想】Vol10
【とらドラ!】大河×竜児【モフモフ妄想】Vol10
【とらドラ!】大河×竜児【ハラハラ妄想】Vol10

こんだけあればあと二ヶ月は大丈夫だな

>>238
ギシアンはこのスレのラウンジ的なものだな
初心者もお気軽に書いてくださいなって感じの

>>239
ウッと思ったらパッと買うのがスタパ齋藤流衝動買いだ

>>240
おつかれちん
ネタに詰まったら候補にしてみます

>>241
どうもども
おいらの得意技は旗をへし折ることですw

246 :【 - midnight - 】 11 ◆askgvpoGB. :2009/05/31(日) 16:30:08 ID:6u8BF6D0

なんて思ってると舌先が更に下に降りてくる。
わき腹?ちょっとだけある私のふくらみの下辺あたりまで……

「んっ!…………ひゃあああぁ!?」

ビクビクと身体が震える。今のなに?
もう一度と言わんばかりに同じ位置に頭を戻すのが見える。
今度は舌を大きく広げてゆっくりと舐め上げてくる。
下から上に、脇腹のあたりから腋の下まで一直線に。

「んあっ!…………ぁぁっ!」

ヌルヌルの唾液とザラザラな舌の感触が気持ちいい。
ちょっとだけくすぐったいけど、それすらも快感に変わるよう。
おまけに舐めるラインがだんだん心臓の方に近づいてくる。

「そんなとこ……なんか変態っぽいよ……っ」

悲鳴をあげる。なんかこれおかしくなりそう。

「どほらへんが? ふぇんふぇんふぇいきだろ?」
「でっ、でもっ!……何でそんなところ舐めんのよ?」
「んっ。……おう、つまり、だ。この前はいきなり舐めてビックリされたから失敗したんだ」

と顔を上げて言う。

「だから今度は失敗しないように、刺激が弱いところからって思ってな」
「そう……なのかな? 適当にそんな理屈付けてんじゃないの?」
「まぁ、現時点で俺が無事なだけ大きな進歩だ。あながち間違いとも言えないだろう?」
「だっ! だから……もう、殴らないって言ってん、のに……ひゃっ!」

肋骨の出っ張ってる辺りに唇を押し当てる竜児。
それから、ゆっくりゆっくり、毛穴を全て塞ぐかのように舌がじわじわ進んでいく。
皮膚の下の肉を押しのけて肋骨の表面まで舐められてるみたい。
熱い粘膜と触れ合っている肌はぴりぴりした刺激と肉が溶けてしまいそうな錯覚を起こす。

「やっ!………あっ!…ああっ!!」

何度も繰り返されて、どんどん滑りも良くなって、熱くなって。

「やあっ!…………やっ!…あっ!…………だめっ!」

首筋には鳥肌が立ちっぱなしで、竜児の腰も回ってて、なんかもう……っ

「りゅ、竜児、それ……だめ……なんか変になっちゃう」
「変って、いやな感じか?」
「いや、じゃ……ないけど…………」
「なら、続けるな、大河」


247 :【 - midnight - 】 12 ◆askgvpoGB. :2009/05/31(日) 16:32:04 ID:6u8BF6D0

段々と中心に近づいてくる竜児の舌がふくらみのはしっこを通過する。

「あんっ!!!」

じわじわと周りから敏感にされてたからだろうか。
今日は竜児の舌の感触がダイレクトに伝わってくる。
もう、くすぐったさなんかどこにもない。
なぞったところから甘い毒が広がっていくように私を虜にしてく。
私の意志とは関係なく、竜児の舌の動きに合わせて身体をくねらせる。

「あっ………あぁっ…やっ!…あっ!………」

水着の圧力にすら負ける私の柔肉は、竜児の舌に押されてぷにぷにと揺れる。
声が抑えられない。口を塞ぎたくても両手の自由は奪われたまま。
と、不意にペロッと。ここにきて動きが変わった。

「ふ………っ……」

舌先で柔肉を弾かれる感触に、ビクンと腰が浮き上がるように跳ねた。
と、その時に竜児の顔も一緒に跳ね上げて、偶然にも鼻先が胸の突起を。

「あぁぁああああ!!」

大きな声を出しながら首が仰け反る。鋭く電流が走った。
白い光が確かに脳を駆け巡った。全身がぎゅうううっと縮こまる。
サッとかすっただけ、それだけなのに。
なにこれ!? やばい、やばいやばい!



こんなに敏感になってたんだと自覚する。
同時にさっきから感じていた物足りなさを理解する。
だから……いつまでも周りばっかり舐めてないでよって思うのか。
でも竜児はそんな私の気持ちはお構い無しに舐め上げてる。

「っ………あっ……あっ!………」

もちろんそっちも気持ちいいの。
けれど、一度刺激されてしまった先端に意識が向いてしまう。
さっきはかすかに触れただけなのに……これで舐められたらどうなっちゃうの?

――そして、冷静に今の自分の状態を把握する。
両足の間には竜児の楔が打ち込まれてる。
竜児の体重のほとんどを使って縫いとめられてる。
そして両手は頭の上で10本の指に繋ぎとめられてる。

そう、私は、全く動けない。


248 :【 - midnight - 】 13 ◆askgvpoGB. :2009/05/31(日) 16:33:11 ID:6u8BF6D0


「あ…………」

そんなポーズで敏感な胸やお腹を竜児の前にさらけ出してる。
自由に動く竜児の舌に翻弄されて、いやらしく身体をくねらせてる。
こんな、こんな――まな板の鯉そのまんまで何も抵抗できないってこと?

そこに追い打ちのようにピンク色の脳みそが余計な映像を送り込んでくる。

天井から見下ろす視線。

その先にはピチピチと活きが良い私を生きたまま食べようとする凶悪面が。
そいつが、ぱく!ぱく!と食いつく度に私の身体は大きく跳ねて汗の雫が飛び散る。
これじゃ、まな板の鯉どころか、踊り食いされてるみたいじゃない!?
でも……そこに見える私はとけそうな表情で甘い声を出して喜んでて。

――そんな数刻先の未来が再生された瞬間。
ゾゾゾっと背筋から首筋、頭の後ろまで一気に寒気が突き抜けた。

「―――――――――っ!」

だ、だめだだめだ、このまま続けたらおかしくなっちゃう。逃げないと。


「だ、だめっ!」

ぐっと腕に力を入れて押しのけようとする。
……が、竜児と絡めた指が外れない。

「んんっ!?……ねぇ竜児、手を……離して」
「ん? おう。離さないぜ、大河?」
「はぁ? なんで、なんでよ? なんで離してくんないの?」
「んー。分からないかな?」

え、なになに? どういうこと? ちょっと混乱して竜児の顔をまじまじと見る。



「逃がさねぇって言ってるんだよ」

と言って顔を上げる。ニヤリと唇の端を歪める。

「っっっっっっ!」

瞬時に顔が茹で上がる。
こいつは…………こいつは始めっからそのつもりで!

「な、何よなによなによ! そそそそんなのずるいわよ!」

竜児は答えずにまた私の胸にしゃぶり付く。

「だめっ……竜児、それだめ……あっ!あああああっ!」

力が入らない私をがっちり押さえ付けて、竜児が本気になる。
袋から出したアイスキャンディーを下から上まで舐めるみたいに
スピードを上げて何度も何度も私のふくらみを刺激していく。

「ああっ……だ、めええぇ……んんんっ――!」


249 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 16:35:33 ID:EqerE1WP
ノノl∩д∩'ル<えっちだぁあああ♥

セックスって好きな男女が零距離になれる儀式なんだなあと感動しました
でも下半身はこんなになってまつ(AA略)

250 :【 - midnight - 】 14 ◆askgvpoGB. :2009/05/31(日) 16:35:40 ID:6u8BF6D0

私の言葉を聞いてくれない。
竜児がそれを執拗に繰り返す度に、ぞわわ、ぞわわと粟立つ。
痺れるような刺激が止めどなく脳みそに叩き込まれる。
焦らすように何度も何度も舌先でねぶりながら、それでも着実に先端に近づいてくる。

ゴクリと喉が鳴る。これは恐怖か、それとも期待か……



真っ赤にした顔をいやいやと振ってみても、私の上半身は全く動かない。
見なくても分かる。痛いくらいに先端が尖ってて期待に震えてる。
見られたくないのに、とうとう竜児はその先端と周囲の桜色に到達する。

「あんっ!……」

色が変わる境界線をかすめるように舐められる。
舌の熱さを、湿気を、竜児の吐息を感じる。
鳥肌が全身にぶわーっと広がる。
だめだ、もう逃げられない!――と観念し、ぎゅっと目を瞑る。

心臓が破裂しそうで、もう…………

でも、竜児は決して中心には触れないように周りだけを舌先でねぶる。
しわを伸ばすように丹念に丹念に乳首の周りをくるくる回る。

「あっ!……ん――――――っ!――――――!」

声が……出ない。呼吸を忘れたように息を詰める。
抑えようとしても身体がビクビク震えて止まらない。

…………なのに、本当に欲しい刺激が来ない。
そこだけはどうしても触れてもらえない。
いつまでたっても満たされないもどかしさで胸が張り裂けそうになる。
飛び出したいのに飛び出せない快感が喉の奥に留まって焼けるようだ。

あああああもうだめ。お願い、お願い。
もうそれ以上焦らさないでよ、ねぇ竜児。
だめ、だめなの、だめだめもうお願いお願いだから触って!
その熱い舌でめちゃくちゃに舐めてほしいの!もう我慢できないの!
やだよ、やだやだやだ!周りだけなんて「やああああだあああああああ!!!!!」



あ……………………声が……出ちゃった。




◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

続きは出来れば今晩中に。出来なかったらごめんなさい。


251 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 16:41:56 ID:EqerE1WP
おつんつん
ラブラブセックスって世界が隠したものだと思うんだ

あとバイバイさるさん発動について調べてみた
http://tail.s170.xrea.com/wiki/st/index.php?%CD%D1%B8%EC%BD%B8%2F%A4%CF%B9%D4

詳細はリンク先読んでもらうとして
Beログイン状態でも株持って無いとあかんみたいね

252 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 18:00:20 ID:BTFpZuaT
>>245
アマアマ妄想。
これしか思い浮かばないorz

253 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 18:01:15 ID:EqerE1WP
【とらドラ!】大河×竜児【アマアマ妄想】Vol10

いいね

254 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 18:30:24 ID:35pNQ4Vd
管理人さんお疲れ様です>>200を書いた者ですが、素晴らしいタイトルをありがとうございます。

みなさんに質問ですが、今回と前回の泰子のを書いてて、竜児の描写を書くと「あれ?これってキョン?」ってなるんですが自分だけでしょうか?
遅くなりましたがGJくれたみなさん、ありがとうございます。

255 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 18:42:15 ID:EqerE1WP
ポジション的にはキョンですが録画したハルヒをまだ一度も見てねえのれす
とらドラは何度も見返してるのにぬ

256 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 18:54:16 ID:35pNQ4Vd
>>255 いつもお疲れ様です!
管理人さん直々に返事を頂けるとはありがとうございます。
このスレは良い感じに育ってますね、これからも無理しない程度に頑張って下さい。

では、ありがとうございました。

257 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 20:40:40 ID:Y7riw09E
>>239
5巻までまとめ買いすることをお奨め。さすがに腰が引けるというなら、3巻まで。[2,3]が続きでワンセットになっているのでまとめ買いした方がいい。

4巻で一回切れるんだが、5巻読んだらもう止まらないから(w

258 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 20:41:51 ID:Y7riw09E
>>240
乙です。マジ乙。

> ありがたやーナムナム
とんでもないです。いつもお世話になってますので。

259 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 20:57:15 ID:dMajyjTp
>>256
俺まとめ管理人じゃねーよww
ID参照

260 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 21:13:00 ID:xpOMjk2W
>>200
そういう感じ大好きです。
乙女な大河可愛いよ大河

>>225
面白かった!
そういう手もアリなんですね〜

>>227
wktk

>>243
えっちなのは……あると思います!
なんか理想の合体って感じ(*´∀`)


>>257
3巻まで続きもんだとは知りませんでした。
次買いに行くときは5巻まで頑張って買ってみますね。


「竜児早く!続きが気になって仕方ないんだから!」
「わかったわかった。落ち着けって。」
「漫画しか読まない私がハマッたんだからコレは名作よ!間違いなくノーベル賞ものだわ!」
「はいはい。ほら、ちゃんと巻数確認したか?いきなり飛ばしたらわけわからなくなるぞ。」
「あったりまえでしょ。私を誰だと思ってんのよ。」
「……お前だから心配なんだぞ、大河。」
「し、失礼ね。このくらいでドジったりしないわよ。さ、お会計〜。」
「おいおい、本屋で走るなよ。……ん?どうした、戻ってきて。やっぱり巻が間違ってたのか?」
「りゅうぅじぃ……。」
「なっ、おい、何急に泣いてるんだよ!?」
「お財布……忘れてきちゃったの……」
「わかったわかった。立て替えてやるからそんなことで泣くなよ。」

独りで買いに行って財布忘れたら悲惨だよ☆<本日の実話

ROM専だったけど、寝ぼけて初めて書いたギシアンがまとめに載ってて嬉しかった!
まとめ人さんありがとう!

261 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 21:18:15 ID:dMajyjTp
>>260
全俺が泣いた(;´д⊂ヽヒックヒック

262 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 21:21:51 ID:yuuRq4CI
竜児「た・い・がぁーーー!」
大河「うるさいよ朝っぱらから。何」
竜児「ここ(ベランダのプランター)になってた、俺の、俺の丹精込めたプチトマト……」
大河「……うっ!」
竜児「やっぱりおまえか!」
大河「だぁって〜おいしそうだったんだもん……」
竜児「ったく。どんな食い意地だよ……こっそりつまむな、とまでは言わねぇが、一気に全部食いつくすなよ……」
大河「悪かったわ。お返しに私がご馳走してあげるから」
竜児「……ま、まさか何か作ろうとか……そ、それだけは」
大河「何よ……いらないっての?」
竜児「う、うーん……」
大河「食べたくないの?」
竜児「だ、だから何を……」
大河「……わ・た・し」
竜児「!!」

ギシギシアンアン

竜児「……つーか、どっちがご馳走してるんだか」
大河「えぇ?」
竜児「結局、大河が食ってるよな。下の口で」
大河「もうっ……エッチ」

ギシギシアンアン




263 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 21:28:27 ID:2mzMQg97
「…大河…俺、もうお前と一緒にはいられないかもしれない」
「…どういうことよ?別れようってんじゃないでしょうね?」
「………」
「ちょっとぉ…何か、ぐすっ、言いなさいよぉ…」
「…悪い。いろいろ考えたんだが、もうこのままで居られる自信がない」
「やだ!竜児と別れるなんで、うう、絶対ありえないから!捨てないでよ、うえええええええん!!」
「だー!一体何十分お前と一つになってんだよ、いい加減抜かせろ!」
「ダメだっていってるでしょ!折角ポリネシアンセックス試してるのに!」
「もう無理!動くからな!」ギシギシ
「ん!んああ、あぁぁああ!」

ギシギシアンアン

264 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 21:34:38 ID:dMajyjTp
>>262-263
全俺がニコニコした

265 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 21:38:42 ID:xpOMjk2W
>>262-263
(・∀・)ニヤニヤ
なんか急にみんな盛ってきたな

266 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 21:50:21 ID:dMajyjTp
それは明日から透けブラの季節だからテンション上がってんだよきっと

267 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 22:06:45 ID:2mzMQg97
「おい大河、>>266が変態チックな事を言ってるぞ」
「そうね。でも案外あんたも考えてそうよね」
「ばっばかな事を言うんじゃない!俺は着けても着けなくても変わらない
お前のが好きなんだ!」
「竜児…」
「大河…」
「今さらっとひどい事言ったよね」
「気にすんな、それより…」

ギシギシアンアン

268 :HOTEL Heart Arta:2009/05/31(日) 22:07:12 ID:/BIqaPlz
こんばんわ。やっぱりギシアンが増えると非常に嬉しいな。少なくなるとここも過疎り始めたか……と弱気になってしまう。この話が終わったら俺もギシアン製作に戻るんだ……

さて、>>227-231を続けます。


「……部屋は何号室なの?」
「んーと……606号室だってよ。このエレベーターに乗るんだろ」
「そうみたいね……あ」
「ん?どうし……おう」

二人がエレベーターの前で待っていると、きっと俺達のあとから入ってきた客なんだろう。見知らぬカップルと出くわしてしまった。
……しかしこの二人ともいったい何歳なんだろう……きっと泰子より年上だよな……いや、何も触れるまい。
気まずい空気が辺りを包んでいた。

チーン

「あ、エレベーター来たみたい」
「お、おう……また随分と小さいエレベーターなんだな。二人でギリギリじゃねぇか」
「その方が良いわよ」
「……確かに」

さっきの人らと同じエレベーターに乗る気まずさを想像してすぐに合点が行く。

269 :HOTEL Heart Arta:2009/05/31(日) 22:10:22 ID:/BIqaPlz
「ねぇ、竜児……」
「ん?なんだ大河?」
「やっぱりここって……そういうとこなんだよね」
「!!っっ……」

そう言った大河の表情は分からないが、美しいふわふわの髪の毛から除くかわいらしい耳は赤く染まっている。
……そうだよな。ここ、ラブホテルだもんな。いちゃいちゃするだけじゃこんなとこ来ないよな。
なるべく考え無いようにしていたことが頭を駆け巡りはじめる。竜児の脳内では妄想電波が無料ストリーミングライブ中だ。
いや!でも俺達はまだそんな……まてよ、今日?今日なのか??据え膳食わぬは男の……いやいや何を言っている高須竜児!落ち着け、そうだ、素数を数えよう……。4、6、8、9……ん?
そこに『コスプレ衣装無料貸出キャンペーン実施中!』とかかれたチラシが目に飛び込んで来る。
……なんだって?バニー?制服?ち、チャイナドレス……だと……
その一枚一枚が頭に妄想の像を結ぶ。俺はどうしたら良いんだ。しかもTADAだって?いやいや、ただでさえ泊まるのまでTADAなんだ。これ以上……

ガッッ

「いてぇぇ!!」
「あんたすごい顔になってるわよこのエロ犬!いったい何見て……」
「すっすまねぇ大河って……おい!しっかりしろ!大河!大河ーーー!!」

様々な服装に見を包んだ綺麗なおねえさん達を目にした大河の意識が戻ったのは、部屋に入ってからのことだった。

270 :HOTEL Heart Arta:2009/05/31(日) 22:14:03 ID:/BIqaPlz


ガチャ

「よいしょっと……ふう……さっきは危うく……」

♪ピンポンパンポーン いらっしゃいませ!当ホテルでは、自動会計システムを導入しております。メンバーズカードをお持ちの……

なんだ?壁がしゃべっているぞ……この怪しげな箱に金を入れるのか?さっき春田はTADAだと言っていたが……

トゥルルルルルルトゥルルルルルル

何やら奥で電話が鳴り始めた。春田か?とりあえず急ごう。
そう思って奥へと続くドアを開けると……

なんだ。案外普通じゃねぇか!俺はもっとこう……全面鏡張りだとか、丸い形のグルグル回るベッドだとか、さ、三角形のお馬さんだとか……そこで大河と……大河と……!!
いやいや待つんだ高須竜児!これじゃさっきと同じじゃねぇか!進歩するんだ!……進歩……進歩……ちん……ちがーう!!

「はいもしもし。あーアホロン毛?うん……うん。わかった。はーい」ガチャ
「ハッ……お前、気がついたのか?」
「あんたが入口でなんかブツブツ言ってる間に電話の音で目が覚めたわ。玄関の機械が言ってることはべつに無視してていいんだってさ。あと、なんか持ってきてくれるそうよ」
「お……おう……すまん」
「それにしても思ってたより綺麗ね。なんかもっと、鏡張りとか、回転ベッドとかそういう……」
「俺も同じこと考えてたよ。そんな部屋だったら俺達は……」
「……私達は……?」

何を言ってるんだ俺は!大河も言いながら顔が真っ赤だ。えっと……こういうときはどうしたら……

271 :HOTEL Heart Arta:2009/05/31(日) 22:17:46 ID:/BIqaPlz
「あ、あら、なななにかしらこのボタン。照明?音響?」
「おおおう。押してみたらわ、分かるんじゃないかな……」
「そそそうね……」

ピッ

その瞬間、さっきまで白々と俺達を照らしていた蛍光灯は消え、ベッド周りだけが赤く照らし出された。

「ひっ」

ベッドの上にはいわゆる女の子座りでパネルを眺める大河。顔は半笑いだ。可愛い。
赤く照らされたその横顔は、その顎のラインは、その腰のくびれは……

「わわわわざとじゃ無いんだからね!ホントよ竜児!」
「……綺麗だ。大河。」
「竜児……?」

こんな色っぽい大河を見たのは始めてだ。素直な言葉が口をついて出る。
俺は気づけば大河に向かって歩きだしていた。

「ホントに綺麗だ。……大河」
「ちょっと竜児……りゅう……」

俺は大河の肩に手をかけ、そっとピンポーン「たかっちゃーん!たいがー!飲み物もってきたよー!」

「あ、はーい!りゅうじ、はは早くいきましょ」
「お……おぅ……」

春田。あいつには何かがついている。絶対に。

272 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 22:20:54 ID:lf3KjBOl
>>245
乙!
10スレ目の記念としてダイレクトに、
【とらドラ!】大河×竜児【ギシアン妄想】Vol10
で良いのでは?
当然、ギシアンねたオンリーで!!

273 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 22:24:10 ID:/BIqaPlz
申し訳ない。もう少し進めたかったがここまでなのです。筆が遅くて本当に申し訳ない。



ところで不躾なお願い非常に悪いんだが、まとめ人さんよかったら各スレ毎にSSを分類してるトップページのところにギシアンコーナーを出してもらえないだろうか?
今1スレ目の中に入っていると思うんだが毎スレにまたがる伝統文芸となった今頭に出すのが良いと思うんだ。

この週末だけでも凄まじい改革を進めているまとめ人さんには頭が上がりません。面倒なようなら流してもらって全然構わないです。

274 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 22:31:02 ID:xpOMjk2W
>>273
乙!
なんか筆者にへんなフラグが立ってるww
マイペースで行きましょう。



275 :まとめ人 ◆SRBwYxZ8yY :2009/05/31(日) 22:33:43 ID:z95XU0yK
>>272
もうやめて!竜児のHPはゼロよッ!

276 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 22:34:51 ID:z95XU0yK
遺憾な事故だわ…

277 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 23:02:14 ID:lf3KjBOl
>>273
割り込み失礼しました。
伝統文芸wwwww
ギシアンコーナー案賛成です。まとめ人様お手数ですが、どうぞよろしくお願いします。

>>275>>276
ギシギシアンアン
竜児「!!」
竜児のHPはゼロになった。竜児は力尽きた・・・。
大河「遺憾な事故だわ… 」
大河はザオリクを唱えた。
竜児は復活した。
ギシギシアンアン

誰か止めてくれ・・・

278 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 23:44:14 ID:dczSLRJg
そこまでお願いするのってどうなんだ?厚かましい気がするのは俺だけか?

279 : ◆QHsKY7H.TY :2009/05/31(日) 23:51:47 ID:ilGqR8qJ
>>132だが、いろんなジャンルのが投下されてるな。
どれも良作揃いだし。
まとめ人さん乙!お願い聞いて下さりありがとう!ホントいつも感謝してます!
裸待機の人、スマナイ。
他の人もありがとう。
そして幼児化竜児ktkr!
ラブホこんな事になっていくとは……。

さて次より>>132If続き

280 : ◆QHsKY7H.TY :2009/05/31(日) 23:53:38 ID:ilGqR8qJ
「……ん」
目を覚ます。
「……あれ?私寝ちゃったんだ」
昨日は確か……。
思い出して隣を見ると、私を支えにして眠っている竜児が居た。
私も竜児の肩を支えにして寝ていた。
そう、いわば『人』という字の指し示すように、お互いに支えあうことでバランスを保っていたのだ。
それが嬉しく、しかし気付くには遅かった。
片方がバランスを崩せば、もう片方もなし崩し的に倒れる。
私が目を覚まし、竜児の肩から離れた事で均衡は崩れた。
竜児が、フラッと私の方へと倒れてくる。
「へっ!?ふにゃぁ……!!」
ギシッ!!
ベッドが一際大きく軋む。
……例えて言うなら、こんなのも押し倒されると言うのだろうか。
眠っている竜児はそのまま倒れただけ、私の方に。
しかし、急な事と体勢もあって、私は竜児を支えられず一緒に倒れた。
私は今天井を見ている。
「……すぅ……すぅ」
寝息が聞こえる竜児は、私の顔の隣でシーツに顔を埋めている。
体が体で抑えられて身動きできない。
「あ、あ、あ、りゅ、りゅ、りゅ……」
言葉にならない。
昨晩は結局あれから二人して眠ってしまったようだが、なんなら今からでも、とも思ってしまう。
しかし、カーテンの隙間から入る日差しは、否応無くすでに日が昇っていることを指し示している。
「……すぅ……たいがぁ……」
「ひゃあ!?」
ぶるるっと震えて脱力。
耳元でそんな「たいがぁ」なんて……夢でも私を見ているなんて……うふふ。
これが喜ばずにいられようか。
なんかもう、竜児がいれば何もいらない、とか思ってしまいそうになる。
ご飯?トイレ?ナニソレ?みたいなカンジ。
「ん……あ、あぁ……アレ?俺……」
あ、竜児が起きちゃった。
「ふわぁ……よいしょ……!?!?!?」
竜児が両手を使って起き上がって固まる。
今まさに私は馬なりにされてる感じ。
その目つきだけは異常に鋭い瞳がぱちくりと何度も瞬きし、私と視線が絡み合う。
「……た、いが?」
「おはよう」
「……あ、れ?」
「おはよう馬鹿犬、ついでに強姦未遂」
「うぉわぁあああああ!?」
竜児は飛びのいた。何か可愛い。
「わ、悪い!!って俺何もしてないよな?な?な?」
「さぁ、どうかしら?っていうかアレ、覚えて無いっての?」
可愛いから少しからかってやれ。
「ア、アレ?アレって何だ!?一体俺は何をしたんだ?」
「酷いわ、もう私お嫁にいけない」
「うわぁぁぁぁ!?俺は取り返しのつかないことをしてしまったのか!?」
竜児は顔面蒼白になって今にも倒れそうだ。
ちょっと可哀想になってきた。
「冗談よ。『まだ』未遂って言ったでしょ、」
「なんていう事を……へ?冗談?」
「アンタは私の耳元で「たいがぁ」って囁いただけ」
私はそう言いながらギシッと軋むベッドから降りて、竜児に背を向け扉に手をかけて、
「……熱かったわ」
そう、言い残して部屋を後にする。
「〜〜〜っ!?」
竜児の声にならない声が聞こえた気がした。

281 : ◆QHsKY7H.TY :2009/05/31(日) 23:54:49 ID:ilGqR8qJ
***

俺って奴は何ていう事をしてしまったんだ、という自責の念は数秒、しかし、結局勘違いだっと安堵し、やっぱり凍りつく。
俺が耳元で「たいがぁ」と囁いただと?
大河は気にしていないようだが、それは実は大問題だ。
俺は今、借り物のキッチンで朝食兼昼食を作っている。
大河は同じフロアにあるテーブルに座って先に朝食を食べていた。
大河の分だけ少しスペシャルな朝食。
罪滅ぼしというわけではないが、これがせめてもの俺なりのけじめだ。
今朝は卵焼きに焼鮭と持ってきた漬物、あとは味噌汁と白米。
しかし大河にだけ豚の生姜焼きを用意した。
「みんなには内緒だぞ」
そう言って出したあいつの好物を、大河は目を輝かせて喜んだ。
その純真な姿を見れば見るほど胸が締め付けられる。
大河の聞いた声。
俺の見た夢。
「はぁ……」
溜息が出る。
俺は夢で大河見ていた。
その、何も纏っていない大河を。
小さいなりにも体つきはふっくらとしていて、胸の先ピンクに染まり、もじもじしながら俺を見つめる大河。
俺は耐え切れず大河をベッドに押し倒した。
『竜児、欲しいの』
大河がおねだりするように俺の頭を抱きしめ、つい、
『たいがぁ』
とだらしない声を出してしまったのだ。
今だに頭から「竜児、……欲しいの」が離れな……え?
「竜児、おかわり欲しいの」
「あ、おぅ」
いかん、現実と回想がごっちゃになりそうだった。
大河にご飯を盛ってやると、みんなが起き始めてきた。
「おはよう高須に逢坂、早いな」「ありゃ?朝ごはん私が作ろうと思ったら出遅れた」「亜美ちゃんまだねむーい」
丁度昼食用の弁当も出来た所だ。
卵サンドにツナサンド、カレーの残りを使ってポタージュ。
うん、まぁいいだろ。今日はみんな朝から海だって言ってたし。

***

282 : ◆QHsKY7H.TY :2009/05/31(日) 23:55:53 ID:ilGqR8qJ
照りつける日差し、白い砂浜、そして青い海。
「いえーい、大河、かかってきんしゃい!!」
みのりんはそう言って海の中で私を待つ。
「う、うう……冷たっ」
足をちょこん、と入れて逃げた。
やっぱダメ。恐いし。
学校用のとは違う、ひまわりの柄の入ったワンピース型の水着を着たけど、やっぱあんまり海には入りたくない。
でも、竜児には見てもらいたかったし。
その竜児はパラソルを北村君と一緒に立てている。
と、竜児にばかちーが近づいていった。
ムッ!!
なにあのビキニ。
何か、誘ってるようにも見える。
「ごめんみのりん」
私は竜児の方へと向かった。

***

「ねぇ高須く〜ん」
「おぅ川嶋……ってなんだその水着!!」
ようやくパラソルを立て終わった頃、川嶋が来た、と思ったらその川嶋は真っ白の表面積の少ないビキニ姿だった。
「ねぇ入り江の方にとっても綺麗な洞窟があるんだけど私のとっておきの場所、後で行ってみなぁい?」
「くぉらばかちー!!やっぱアンタきょうりょ……」
「あら、丁度良かった。逢坂さんも一緒にいかなぁい?」
「……くって、……へ?」
大河が意外そうな顔をしている。
午後からは洞窟探検になりそうだった。

***

「へぇ、ここが川嶋とっておき、の……どうくつ……」
そこは一言で言っておどろおどろしい。
いかにも何か出そうなほど中は暗く、昨日あんなことがあった身としては遠慮したいような場所だった。
「こ、ここ、こんなとこに入るの?」
大河も同じようだ。
しかし、
「おお、おお、おおーっ!?いいねいいね雰囲気あるね!!」
櫛枝は乗り気のようだ。
でもここって大丈夫なのか?なんかさっき赤字に危険って書いてる札がその辺に落ちていた気がするんだが。
「さぁ、行こうじゃないか!!」
北村も乗り気だ。
「な、なぁ止めておかないか?」
一応進言してみる。
「何?高須君恐いの?」
「い、いや昨日の晩なんかおかしなことがって……もしかしたら何かこの辺にはいるんじゃ……」
「おかしなこと?」
「あ、あ、あれはオバケよ!!」
大河も強く言うが、
「ぷぷぷ……あーはっはっはっ!!」
川嶋が笑い出す。
「あれはオバケ!!だって!!あーはっはっはっ!!」
川嶋が大笑いする。
「亜美、やっぱりやりすぎたんじゃないのか?」
「「へ?」」
つまりは、そういうことらしい。

***

283 : ◆QHsKY7H.TY :2009/05/31(日) 23:58:20 ID:ilGqR8qJ
結局洞窟には入らず、別荘に戻ってすぐ川嶋からの説明が入った。
「主犯はわ・た・し♪」
川嶋が大河の怯えた「オバケよ!!」に笑いながら言う。
「そして共犯は私」
櫛枝はツヤツヤしながら楽しそうにネタばらしする。
「俺はまぁ、途中参加なんだが」
北村は急遽入ったそっち側、ってとこのようだ。
「いやぁ、あーみんがちょっと大河を恐がらせたいって言うから最初は反対してたんだけど、オバケ騒ぎときちゃ話は別さね」
「オバケよ!!くふふふふ……もうサイコー!!」
川嶋はよっぽど作戦の成功が嬉しいのか、それとも大河の態度が嬉しかったのか、笑いっぱなしだ。
「つまり、あれはばかちーたちの仕業なわけね?」
「そうよぉ♪何?言いたい事は一応聞いてあげるわよぉ♪」
「いいえ、別に何もないわね」
「……へ?」
川嶋が意外そうな声をだす。
あれ?ここだけ予定と違う、みたいな。
「私は別に怒っていないし、咎めるつもりも無いわ。まぁアレよね。みんなでの旅行を盛り上げるためのスライスよね」
「それを言うならスパイスだろ……」
「そう、それよ。まぁこの際どっちでもいいわ。とにかく、今夜は楽しく花火でもして綺麗に締めましょ」
「え?あれ……?」
川嶋は今だポカンとして大河を見つめたままだ。
こんなはずじゃ……とか呟きながら。
「おうよ!!じゃあ大河、花火で何やりたいか見繕おうぜぇい!!」
「うん!!」
大河は櫛枝と二人並んで駆け出す。外は随分と暗くなってきていた。

***

「とんでもなかったな、今日は」
そう呟きながら花火を手に持つ。
バチチと音を立てて色鮮やかに火花を散らすその様は、一時のものといえどやはり綺麗。
遠くでは大河と櫛枝が両手に花火を持って遊んでいる。
あれは危ないだろ……。
どんどんと派手な花火は持っていかれる。
俺はまだ売れ残っている線香花火を手にとって火をつけた。
「む、潮風に当たるな」
少し、みんなと離れてパチパチと球状に輝く花火を見つめる。
夏の風物詩。同時に、旅行の終わりを示すちょっと寂しい花火。
花火が落ちるまでに、今回の旅行のことを考えてみる。
まぁ、結局は川嶋の嫌がらせのために計画されたようなものだったが、それなりに楽しめた。
それに、良い思いもした。一日中、大河と居るという良い思い。
一緒に寝るなんて、そうは無い経験。いや前にもあったにはあったけど。
気付けば、大河のことを考えるのが当たり前で、大河が一緒にいるのが当たり前の日々。
線香花火を見ていると、何故か大河のことばかり考えてしまう。
火花が出ている時は綺麗なのに、消えると途端に寂しくなる。
大河も、いると騒がしいが、いないと寂しい。俺は、もう随分前からそう思うようになっていた。
これはまさか、俺は大河のことを必要以上に意識、しているのだろうか。
そして、これまでの行動から、もしかしたら大河も俺の事を……。
「しっかし、いくらなんでも……」
突飛過ぎで、我田引水過ぎると思う。でも、この線香花火を見ていると、自然とそう思いたくなったのだ。

***

あれ?竜児?竜児が一人で離れたところで花火をしてる。
何であんな所で一人でやっているんだろう?
「りゅ……」
近づこうとして、足が止まった。
「……かし、い……でも……」
かし、い……香椎。またあの子の名前。
私は、いつの間にか手に持つ花火を落としていた。

284 : ◆QHsKY7H.TY :2009/05/31(日) 23:59:49 ID:ilGqR8qJ
***

駅のホーム。
「家に着くまでが旅行だぞ、みんな気を抜くなよ!」
「このまま実家帰ろっかな……」
「まったねー」
ようやく帰ってきた俺達は口々に別れの言葉で解散する。
「ふぅ、帰ってきたな」
「………………」
「スーパー寄って買い物していくか」
「……疲れてるんだから主婦臭い用事で話しかけないで」
あれ?大河の様子がなんか変じゃないか?
「……何よ」
「いや、何か冷たくなったというか、少し前に戻ったというか……」
「………………」
……どうしたんだ?
「……なぁ、今日特売あんだよ」
「……うるさいっての」
?やっぱり、何か少しおかしい。
最近の大河は買い物にも喜んで着いて来てたのに。
「……行ってあげるわよ」
「お?サンキュ」
?なんだ、気にしすぎだったろうか。
「せいぜい私のためにおいしい夕飯を作りなさいよね」
やっぱりいつもの大河だ。
気にしすぎてただけか。
俺はそう結論付けて歩き出す。
しかし、数歩進んで気付いた。
大河が着いて来ていない。
俺の背中をじっと見ていたようだ。
「……どうした?」
「……なんでもない」
そう言って駆け足で俺に近寄ろうとして、急に足を止めた。
どうやら、大河の携帯が鳴っているようだ。
「……!!ちっ!!」
しかし、大河は携帯の液晶を見て、すぐに鳴っていた電話を切る。
「おい?いいのか?」
「……うるさい、買い物に行くんでしょ」
「お、おぅ」
釈然としないが、しかし特売は大事。
さぁ早く行こう、として、

――――ピキッ――――

背中に違和感……痛みを感じた。
「……?」
何だろう?と思って少し背中を意識したところで、
「何してんの、駄犬。さっさと行くわよ」
大河が俺の前方で俺を急かすように待っている。
「……悪い」
俺はすぐに大河の元へと走り、夕飯の献立に思考を切り替える。
今日特売で何が手に入るかが鍵だが、今日の夕飯は何にしよう。
そう別やってな事を考え始めたせいで、既に痛みが無いのも相まって、先程の背中の事など既に気にも止めていなかった。

***

285 : ◆QHsKY7H.TY :2009/06/01(月) 00:03:27 ID:ilGqR8qJ
今日はとりあえずここまで。

286 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 00:28:30 ID:REa2iZw1
スレがいやらしい流れだと聞いて。

----------

「…ん…あ…っ、んぅ……はあ…

…なめ回しすぎ、エロ犬……あっ…ん…」

「……」

「あっ…!やっ…くぅ…ぁ…」

「……」

「…ん…っ!…

…い…いつまで吸い付いてんのよ…っ!」

「…無理。我慢できねぇ。」

「…この幼児犬……やぁっ…あっ!…ん…」


http://imepita.jp/20090531/651550

----------


ネタでも何でもなくストレートでサーセン。遺憾です。

>>24に何人もレス下さって、本当にありがとうございます。
クオリティ落差がひどくてこれこそマジすみません。フヒ…
自分まだ前スレの水曜あたりの作品読んでるよ。全然追いつかねーw

この勢いがいつまでも、いや10年、いえ5年位続きますように…

287 : ◆askgvpoGB. :2009/06/01(月) 00:34:45 ID:QX6PcDfO

>>249>>251
バイバイさるさん読みました。ありがとうございます。
下半身を直撃されてもらえると頑張った甲斐がありますw

というわけで、次レスより投下します。

288 :【 - midnight - 】 15 ◆askgvpoGB. :2009/06/01(月) 00:36:53 ID:QX6PcDfO


竜児がビックリした表情でこちらに顔を寄せてくる。心配そうな視線がぶつかる。
そりゃそうだろう、いきなり『やだああああああああ!』なんて絶叫したんだし。
もう…………ほんとにもう! 自分のドジさ加減がいやになる。
あのまま我慢してれば、舐めてくれたかもしれないのに……

そんな後悔もすぐ掻き消えるくらい、先端がじんじんと痺れて刺激を求めてる。
寂しい。辛い。…………他の事なんか考えられない!!!
キッと竜児を睨みつける。

「た、大河? その、そんなにが………………ぐっ!?」

口を塞ぐ。
いや、そんな生易しいもんじゃない。
自由になる首だけを渾身の力で突き出して唇に噛み付いた。
だまれだまれだまれ!そんな言葉なんか聞いてらんない!

竜児の下側の唇を引っ張って顎の力で引き寄せる。

「痛っ……お、おまへはぁっ!?」

バランスを崩した竜児の大きく開いた口に私の唇をねじ込む。
みっともなく思い切り舌を伸ばし、竜児の舌を絡め取る。
たっぷり唾液で潤した私の舌全部を使って巻き込むように締め上げる。

あんたが、どうしようもなく鈍感なんだとしても……
分かっていて焦らしているんだとしても……そんなの関係ない!

「んんっ!………んっ……」

もし……どうしてもしたくないって言ったって、私と同じように燃え上がらせてやるだけ。
ほら、あんたの脳みそも溶かしてやるから、こっちに来なさい?

と、引き寄せた竜児の舌を唇で捕まえておもいきり吸い込む。
舌先で細かくなぞりながらくすぐる。
唾液をたっぷりまぶした表面同士を擦り合わせる。
この熱くてぬめったので舐めてほしいの!と満たされない感情をぶつける。
ちゅく、ちゅぷと唾液の音が頭の中に響いてくる。

「……おっ、ら、らい、ぐむっっ!」

私の唇から逃れて引っ込んでいく竜児の舌をすぐさま追いかける。
話す事なんかないでしょぉ!?……逃がさない。ぜったいに!

沸騰したような感情のまま、竜児の口腔に飛び込んで舌先で荒らし回る。
閉じてる歯と、歯茎に舌全体を押し付けて無理やりこじ開ける。
口腔の下に留まっている竜児の舌をすくい上げて絡め取る。
そのまま、唇を唇で塞ぎ、深く、深く絡めあって……


そして私は溺れていく。

「――――ぶはあっ!!」
「ぁ………ん……」
「こ、の…………窒息しちまうだろうが!」

それには答えないで睨み付ける。
どんな感情か、なんて、今はそんなの分からない――


289 :【 - midnight - 】 16 ◆askgvpoGB. :2009/06/01(月) 00:38:39 ID:QX6PcDfO

「ねぇ、竜児……こんな事を言うのは反則かもしれないって思うの。でもだめなの。もうだめなのよ!」

はぁはぁと酸素を求める吐息の合間で話し掛ける。興奮、もしてる、してるに決まってる。

「恥ずかしいんだけど、本当にもうおかしくなっちゃいそうなの。だからお願い!」
「あ、あぁ。そんなに何度も言わなくても、もう分かったから」
「う……ん。…………ん、何度も? ――――へっ?」
「さっき叫んでただろ、竜児の舌でめちゃくちゃにして欲しいとかなんとか」
「ひぅ?!?!」

心臓がドクンと痛いくらい脈打つ。竜児は今なんて言った??

「……って、うそ、あれあれ? ななな、ななんで? 私そんなこといった?」
「ああ、だからそんなに我慢させて悪かったなって言おうとしたら、おまえが噛み付いてきたんだ」
「………………」

なんてこと。ほとんど全部聞かれちゃってるじゃない。
恥ずかしすぎる……と俯いてる私に、

「だから、おまえの気持ちはよく分かった。もう心配するな」
「な、何よ、これ以上辱められるくらいならあんたを殺した方がましよ……」
「暴力的な事を言うんじゃありません」

聞き慣れた、いつものため息を付かれる。

「……だったら…………ちゃんとしてよ、これ以上焦らさないでよ…………っ」

なんだろう、いつの間にか涙が溢れて止まらなくなってる。
さっきのキスでどっか焼き切れちゃったのかもしれない。

「…………っ」

竜児から目を逸らして窓の外を見る。涙はポロポロとこぼれるがまま。
目の内側に白い光が走る。いつの間にか月明かりが窓辺に差し込んできてる。
そうね、お月様の柔らかい光ならここにも届くのよね、白いマンションのおかげかな――


290 :【 - midnight - 】 17 ◆askgvpoGB. :2009/06/01(月) 00:39:43 ID:QX6PcDfO


「ごめんな、大河」

反省でもしたのだろうか? 竜児は私の両手を解放し、指先で涙を拭ってくれる。
それから顔を寄せてきて包み込むように優しくキスしてくれる。
さっきと違ってトーンダウン。舌の感触を確かめ合うように。
ゆっくりと竜児の指先が胸元を滑る。マッサージするように円を描く。

「ふっ……ふあっ…………」

今度は迷いなく、その円を小さくしていく。3本くらいの指で先端に近づく。

「あぁっ……っあぁ…………ん……」

名残惜しそうに竜児の唇が離れる。伸ばした互いの舌先に糸が引いて、
そして、きゅっ――――とほんの僅かの力で竜児の指先が先端をつまんだ。

「んあぁぁああぁあぁぁぁあ…………」

ため息と共に肺の空気が全部出て行くような気がした。
じわわぁっと快感の波が広がる。痺れるような波が胸全体を包み込むよう。
竜児の唇は私の顎とか、鎖骨とか、心臓あたりにキスを降らせる。

それが心地よくて、両手で竜児の頭をさらさらと撫でてやる。
胸の肉を唇で吸い上げるようにちゅばっ。ちゅばってしてる。
もちろん、それも気持ちいいんだけど、なんか可愛くってニヤけちゃう。

「んっ……竜児、気持ち、いいよ……んん、もっと…………」

その瞬間、ぱく!と食われた。
先端を。大きな口を開けて。


291 :【 - midnight - 】 18 ◆askgvpoGB. :2009/06/01(月) 00:42:17 ID:QX6PcDfO

「んああっ!!!!!」

唇の熱さと粘膜の感触に背筋が、いや全身がぷるぷる小刻みに震える。
でも、口の中のあたたかさは感じても、まだ触れてはくれない。
思わず、竜児の頭を掴む。無意識に押さえつけちゃう。

「や…………だぁ――――――――――お願い。おねが……いぃ」

声が掠れる。とびきり甘くて高い声が口をついて出る。



ちゅるんっ!と舌先で乳首が弾かれた。

「あああああああああっ!!!!」

口を窄めて周りの肉と一緒に吸い上げられて転がされる。

「あ、ぁあんっ!ん……あ!…………あ!………あっ!」

ちゅるちゅると唾液をたっぷり含んだ舌先が押し付けられる。
押しつぶされたと思ったら舌のザラザラでこすり付けてくる。
その刺激があまりにも強すぎて、とろけちゃいそうで。

「だっ、だめっ!りゅ、りゅうじっ!あっ!んあっ!…あっ!」

竜児の頭を掻き抱きながら叫ぶ。腰が何度も跳ねる。



そして跳ねると。そう、竜児の熱い塊がお腹の奥を擦るのだ。
竜児はゆるゆると動いてるだけなのに、自分で自分をいたぶってるみたい。
ゴリ……ズリ……なんて効果音が出そうなほど擦れてしまう。

「ひっ、あ!ぁんっ!やあっ!あっ!」

自分で動いて自分で喘いでるなんて、いやらしい。
でも竜児はしゃぶり付いたまま、先端に刺激を与え続けてくる。
自分の乳首がどうなってるかなんて分からないくらい熱くて……
溶けてなくなっちゃったの ?ああぁ、もうだめ、考えられない!

「あっ!…あっ!…あ!あ!あんっ!あっ!」

頭の中に何度も何度も電流が走る。ビクビクして震えが全然止まらない。
胸からもあそこからも絶え間なく信号が走ってどうしようもなく気持ちいい。


292 :【 - midnight - 】 19 ◆askgvpoGB. :2009/06/01(月) 00:43:15 ID:QX6PcDfO

…………それなのに。


竜児は乳首を吸いながら器用に、でも力強く私を突き始めるのだ。
まるで、『休憩はこのくらいでいいかな?』と言わんばかりに。

「!?りゅう、じっ!竜児、ああんりゅうじぃぃっ!今はだめ!今はだめだめだめぇえぇっ!」

るろっ……と先端からようやく口を離して言い放つ。




「だめ?……いいや、大河。俺は止めない」

その瞬間、ゾクゾクゾク―――――っ!と背筋が震えた。
また、ちゅるんと竜児がしゃぶり付く。
今は、今はだめなの、にぃっ!

「あっ!……だ、だめ!………やっ!………あっ!」

そう、か。竜児は止めてくれないんだ。それじゃ私は、
と考えたところでお腹の奥が勝手に竜児を締め上げる。
うねうねと絡み付いて、もう二度と離すまいと蠢くのを感じる。

なんて貪欲なんだろう。
こんなに怖いのに。これから先の自分が分からなくて怖いのに。

けれど繋がってる私自身は必死に竜児を飲み込むように動く。
破裂しそうな心臓で。目の前にある竜児の頭を必死で押さえつけて。

もっと…………もっとして!もっと舐めてよ!
ああああ、いや、いやいやいや怖い怖いよりゅうじ!
でも止めないでお願いだから止めないでもっともっとぉ!

「ああんっ! あ……あああああああああああああああああ!」

何かが身体の中で破裂する。頭の中が真っ白にスパークしてる。
なんだこれ!?こんなのは知らない。こんな気持ちいいのは知らない。

「んあぁああぁ! ふあああんあぁんあぁぁ!」

声を出し続けてないと壊れてしまいそう。嵐のような快感が吹き荒れる。

「おうっ!? う、おおぅ……たい、が、きつ……っ」

竜児の形が手に取るように分かる。脈打つ血管もその中を通る血液すら感じる。

「ぁああぁ……あぁ、ん…………あぁぁぁ」
「大河? いっちまったのか? おぅ、これがイクってやつか……?」

ビクビクと腰が、お腹が震えてる。
お腹の奥は痙攣するように細かく振動を伝えてくる。

これがそうなの?まだよく分からない。


293 :【 - midnight - 】 20 ◆askgvpoGB. :2009/06/01(月) 00:44:22 ID:QX6PcDfO


「あぁ、りゅ、う、じ。……ん…………気持ちいい……っ」
「おう。おまえ今すごかったぞ? そんなに、その、気持ちいいものなのか?」
「んぁ………はぁ………ぁぁ………………ばか……今の今で聞かないでよ」
「わ、わりい」
「気持ち……よかったよ?……竜児。…………すごく、ね」
「…………」

きまりの悪い顔をして目を逸らす。頬に添えてる私の掌がほんのり熱い。
ふふ、可愛い。でも馬鹿。ばかばかばか。

「これが、その、そうなのかな?」

嵐が過ぎ去るのを感じながら竜児に問いかける。

「おう、おまえが感じてるところは色々見てきたけど、今のは何か違った」
「……そうなの、かもね。――――って何を言ってんのよ!」
「いやいやいや! 聞いてきたのはおまえだし、俺も必死で、その、こらえて……」
「…………?」
「うわあああああ! 何を言ってるんだ俺はあああぁぁ!」

身悶える竜児を見て気付く。
目尻もほっぺたもとろけ落ちちゃいそうで、ふにゃふにゃと笑っちゃう。
そうか……あんたも気持ちよくなってくれたんだね、と。




◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇


294 : ◆askgvpoGB. :2009/06/01(月) 00:47:51 ID:QX6PcDfO

続きます。というか、まだまだ終わりません。
読んで頂いた方、ありがとうございました。

次回は24時間後あたりを予定してます。

今日、というか昨日は自分も大好きなギシアンも多くて嬉しい限りです。
他の作品も良作揃いで、自分もとても楽しませてもらっています。

そんな中、ひたすらガチエロを突っ走ってるのはどうなんだ?と思ったりもします。

ですが、「ファンは絶対いる」というありがたい言葉を信じて頑張ろうと思います。


295 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 00:52:55 ID:QX6PcDfO
見逃していました。すみません。
>>260
ありがとうございます、そういうの目指します。

>>286
素晴らしい!大河の視線が最高です!

296 :257:2009/06/01(月) 01:12:52 ID:EHzRKL2i
>>260
ひょっとして、説明がまずかったかもしれないので、一応補足しておく。

とらドラ!は、第1巻が読み切りになっているので、その1巻だけでも楽しめる(ラノベはたいていそうなっているらしい)。
で、2巻の終わりがそのまま3巻に直結しているので2巻を買うなら3巻も買っといた方がいいってこと。2巻は大河の
影が薄いけど、その分3巻は存分に楽しめるよ。

4巻は3巻からの流れだけど、独立した話になっている。

4巻の終わりにフォッサ・マグナがあって、この前後でとらドラ!は違う雰囲気になっている。4巻までがラブコメ。
5巻以降は恋愛小説の色が強い。このギャップはものすごく大きくて、雰囲気だけではなく、小説としてのの構造が
違う。

で、5,6,7巻と、(特に竜×虎派には)悲鳴ものの展開になってるので、5巻まで読めば、あとはもう止まらない。
あなたも立派なとらドラ!中毒患者になること請け合いだ。

そういうことで、「5巻まで読みなよ」と、海の底から、おいで〜おいで〜してみた。

ちなみに、とらドラ!は通して読んだ後、読み返すと一回目よりずっと面白い。ほんとにお得な作品。


じゃ、次回は財布を忘れないよう健闘を祈る!じゃなくて、おいで〜おいで〜。

297 :HOTEL Heart Arta:2009/06/01(月) 01:24:29 ID:U9Wt7hBs
こんばんわ。使いたかった妄想をミサイルのように発射しまくっている私ですが一応の方向性はありますのでギシアン読むぐらいのノリで見ていただければと思います。

>>268-271の続きです。


春田が持ってきてくれたのはオレンジジュースとコーヒー、それにサンドイッチだった。……なんで全部にラップがかかっているんだ?MOTTAINAIじゃないか!

「どしたのりゅうじ?食べないの?」
「お、おう。……けっこううまいな」
「……わたしは竜児が作ってくれるサンドイッチの方が好きだけど!」
「大河……」

……嬉しいことを言ってくれるじゃねぇか。思わず抱きしめたくなるがさっきの余韻がまだ覚めていない。いまそんなことしたら今度こそOUTだ。いや、INか?……何を言っているんだ俺は。

そしてもう一点。今俺は重大な懸案事項を抱えていた。
実はさっき、春田が色々と持ってきてくれた時、最後にある紙袋を渡されていたのだ。

298 :HOTEL Heart Arta:2009/06/01(月) 01:27:28 ID:U9Wt7hBs
「たかっちゃーんちょっとー」
「ん?まだあるのか?すまんなぁ……なんだニヤニヤして?」
「んふー。実はびっぐぷれぜんとがあるのだ〜!」
「……なんだ?」
「ぱんぱかぱーんっ!ちゃいなどれす〜!これしかたいがーに合いそうなサイズの奴なくってさ〜。でもでも!似合いそうじゃーん??」
「春田……お前って奴は……」
「なんだよたかっちゃーん泣くことねーじゃーん!せっかく来たんだから楽しんでおいでよー。ほいじゃあねー」

……春田。心の友よ。いつかお前とは上手い酒を飲みに行きたいぜ。

赤いシルクの様な生地に金で見事な虎の詩集が腰本から胸にかけて見事な刺繍が施されている。
丈は当然ロング。足首までだ。しかしスリットは腰骨のところまで伸びている。肩はシンプルにノースリーブだ。
考えてみてほしい。それを大河が着ているんだ。髪型はそうだな……水泳の時のボンボンなんてどうだ?……Perfect。素晴らしい。

問題はこれをどうやって着てもらうか、だ。普通に頼んだら死ぬ。普通じゃなくても死ぬ。このウルトラCを乗り切らねばなるまい。

俺の懸案事項は分かってもらえただろうか。この足元にある紙袋の中身は簡単に大河「そういやその紙袋なんなの?ちょっと見せなさいよ」わけにはいかないのだ。

……いま、なんて?

299 :HOTEL Heart Arta:2009/06/01(月) 01:29:24 ID:U9Wt7hBs
「しっかしあのアホロン毛もけっこー気が利くのね。これはなんなのかしら?」
「あっっちょっっ大河それは!」
「ん〜?どうしたのよいきなりなんかビックリ箱でもはいって……」

……THE END。好きなようにするが良いさ。もはや申し開きをするつもりなんてねぇよ。

「あ……あんた……これ、さっきの……」
「……そうだ。春田がさっき気を効かせて持ってきてくれたんだ」
「……そう」

気まずい沈黙。いっそ暴れるなりなんなりしてくれたらどれだけ俺は幸福なんだろう。

「……しいの?」
「え……なんて?」
「竜児はその……着て……欲しいの?」
「大河……?」
「……竜児がどーしても見たいっていうなら……着てあげても……いいわよ」
「大河……」

300 :HOTEL Heart Arta:2009/06/01(月) 01:31:36 ID:U9Wt7hBs
「大河、俺はだな、その……」
「……」
「別に、なんだ、あの……」
「……」
「特別な、あれだ、えっと……」
「だああっっ!YesならYes!NoならNo!はっきり言いやがれってんだ!」
「!!……Yes……です」

……これがラブホテルの力なのか……。ありがとう。神様。ありがとう。春田。

「でででも、こんな綺麗なドレス、今すぐ着たら汚れちゃうから、……お風呂入ってからね?」
「……いま、なんて?」
「お風呂入りたいって言ったの!」

……忘れていた。そのことを完全に忘れていた。いつかは来るだろうこの時間が、目前にまで迫ってきていた。

「ど、どどどっちから先に入る?」
「えっと、わたしは別にどっちでも良いけど……竜児は?」
「おお俺か?俺はだな……」

ここで「一緒に入りたい」なんて死んでも言えない。体が発火する。閻魔相手に国盗りをするのはまだ早い。
ならば……ある閃きが頭を過ぎる。
高須竜児妄想ノート 第四分冊 宿泊編 32頁にそれは記されている。今こそ使い時!勇気を振り絞ってこの言葉を口にする。

「さっ……先にシャワー浴びて来いよ……」

言えた!どうだ大河!これならお前も文句無いだろう??

「プッ……アハハハハッッ!!なによそれー」
「ちょ……笑うとこじゃねぇよ」
「だって三流ドラマみたい。あー可笑しい」
「じゃ、じゃあ一緒にはは入るか?」
「あら。別にいいわよー?飼い犬を洗ってあげるのは飼い主の務めだわ」
「……お、お前、本気で言って」
「冗談よ。そんなことしたら恥ずかしくて死んじゃうわ。先に入ってくるね。竜児」
「お、おう……」

……なぜだろう。今、川嶋にからかわれてるみたいな気がしたんだが……。
ひょっとして、ちょっとノッてきてるのか?大河?

「えっと、お風呂は……あ、この扉かな?わー広ーい!ひょっとしてウチより……」

美しい髪から時折覗く真っ赤になった耳が、何とも可愛らしかった。

301 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 01:35:24 ID:Coq5Y9Qk
>>286
エロスなはずなのに美しいとは何事!
ナイス仕事です

302 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 01:39:02 ID:U9Wt7hBs
ふぅ……相も変わらず遅筆で申し訳ないです。今日はここまでです。申し訳ない。

感想くれる方本当にありがとうございます!スゲー嬉しいです!

長編書くってのは孤独との戦いなんだなぁと知りました。改めて他の長編作家の方々を尊敬します。ギシアンは失敗してスベっても1レスだからなぁ……ww
そしてそれさえもしっかりまとめサイトに載せてくださる管理人様には驚嘆するばかりです。ご苦労さまです。

では、おやすみなさい。

303 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 01:45:11 ID:Coq5Y9Qk
>>294
ガチエロだしいやらしいはずなのにすごく甘々で
こんなえっちが出来て大河が幸せだなぁとほっこりした気分になります
そしておいらのフジヤマヴォルケイノもほっこりしちゃいました
この竜児みたいな男性ばかりだと世の中の女の子も幸せいっぱいになるんだろうなぁ

304 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 01:54:04 ID:Coq5Y9Qk
長続きしているカップルが付き合ってセックスするまでは
だいたい三か月が目安だとかいう話を見たことがある
ここに来て竜虎が結ばれる話が続いてるのはそういうことなのかもしれぬ
ちょうど小説最終巻もアヌメも終了して三か月目だしな

>>302
お疲れさぁ
この竜児むっつりすけべだねw

305 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 02:01:16 ID:Coq5Y9Qk
>>296
拙者はアヌメから入ったので10巻を最初に買うたでござる
わかりやすい各巻の構成解説ありがたし
実は2・3巻を注文したのだがこれって1巻が品切れ中だったことと、
2・3巻はちょうど亜美ちゃん登場から夏の別荘での話だからってことで買うたのよね
原作はアニメより詳細かつ回りくどいから濃度が半端無いですねー
ラノベにはよくあることですが


あとラブコメから恋愛小説へのシフトってのも納得
文化祭あたりが分岐点ですね

アニメが4クールだったらいい感じに盛り込めたんだろうなあ
2クールでも要点は押さえていたからいいんだけどね

306 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 02:15:57 ID:U3aWqsT/
ムッハー!!皆さん凄すぎて胸キュンはするわ心の○○勃つわ…いや、リアルも勃ったんですがね
こういうこと言うと急かしているようで悪いんですが、期待大です。楽しみにしています


後、まとめの人にお願いしたいのですが、ジグソーでマリヴォーのヴの部分が携帯依存の書きなので濁点で一文字分使ってるのを修正頼みたいです。正直、小さいことなので面倒であれば放置でも構いません



それでは、USAでのお話の続きです。長らくお待たせいたしました

307 :異国の地で逢いましょう:2009/06/01(月) 02:16:49 ID:U3aWqsT/
顔を絶望に歪ませ、モウダメダーの舞を踊る二人を尻目に、北村と警察官の二人
の顔はどんどん綻んでゆく。
そして、最初に我慢の限界が来たのは北村だった。
「HAHAHA!!Oh my, Muc!You surprised me!(あぁもうマック!驚くじゃないか!
)」
「は?」
これに二人の動きが止まる。
二人とも頭脳の方は比較的優秀なので、この旅行に行く前に軽く日常英会話ぐら
いは身につけていたのだ。特に、大河については外国語学に対して天性のものが
有り、その枠は日常会話を越えてお喋りの地へと広がっていた。
つまり、二人とも今の発言はばっちり判る。もし判らなくても、北村の雰囲気か
らして知り合いに会ったぐらいは判るだろう。
「HAHA.Sorry, sorry.But, loug time no see.(悪い悪い。しっかし、久しぶり
だな)」
「Yeah, how have you been?(そうだね、元気にしてたかい?)」
「Sure.Why then, who are they?(勿論さ。ところで、彼等は誰だい?)」
「Oh, I got behind with introduction.Man's name is Ryuji.The woman is
Aisaka.They are my best friends.
(おっと、紹介が遅れたね。男の方はリュウジで女性の方はアイサカ。僕の親友
達さ)」
「Are they your best friends?Than me?(親友だって?僕よりもか?)」
「HAHAHAHA!!Yes, yes!!」
「Oh no!HAHAHA!!」
困惑と困惑が二人を包む。まず、状況が判らない。そして、笑えるポイントが判
らない。
「HAHA…あー、二人ともすまんな。いい加減紹介しよう。彼はマック。こう見え
て警察官の職に就いているんだぞ」
「「見れば判る」」
ボケか本気かの判定がしづらい言い方に竜虎が息の合ったツッコミを入れる。そ
の様子を見ていたマックが指を鳴らす。
「Great!You are a good match as it is rumor.You are worthy of being married
couple.
(良いね!噂通り、君達は息がぴったりじゃないか。流石夫婦だ)」
これにまた息の合ったタイミングで二人の顔が赤くなる。それに北村とマックが
顔を見合わせて笑う。
この警察官は二人の関係を知っている。そのうえでからかっているのだと、二人
が察するには容易だ。からかわれているのなら、無駄な争いを避ける為に軽く相
槌を打つぐらいで済ませれば良い。
「Sun of a bitch!Do you want to be thrown a punch?(クソが!殴ってやろう
か!)」
だが、気性の荒い大河は相手が警察官だというのも忘れて、その虎の牙を剥き出
しにした。

308 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 02:17:04 ID:Coq5Y9Qk
( ´ω`)。o0(久光と麻耶も頑張ってるお…みんなもこっそり覗いてみるお)

309 :異国の地で逢いましょう:2009/06/01(月) 02:17:30 ID:U3aWqsT/
「Oh, You are scary.Now, I'll come back my job.Good bye!(おぉ、怖い。そ
れじゃ、俺はそろそろ仕事に戻るわ。グッバーイ)」
「Never come again!(二度とくんな!)」
しかし、その貪欲な牙も屈強な四肢も炯々と輝く狩人の如き眼もマックを竦み上
がらせる事は出来なかった。
やはり、素手か刀で虎に向かう事になる日本人より、銃を片手に対面するアメリ
カ人は違うということだろうか。それとも、ただマックという人物が飄々として
いるからか。真相は判らない。
「落ち着け大河」
放っておいたら、背を向けて去る獲物に本当に飛び掛かりそうな大河を竜児が抱
っこする。
「ふにゅ」
虎を抱っことは是れ如何に。きゃつは自殺願望が有るのか?と思うだろう。だが
、大丈夫。大河は虎とての名さえなければ、唯の一人の女の子である。愛する人
に抱っこされるとは、衆論違わず幸せな事なのだ。
今や大河は顔を嬉しさと恥ずかしさで桃色に染め、いらない力を抜けるところま
で抜いた穏やかな状態となっている。
「Good bye!(じゃぁな!)」
北村がマックに別れを告げたところで、竜児は大河を地面に降ろした。その時、
大河が少し寂しそうにしたのには気付いたが、友の面前だとして、いちゃつきた
い欲望を押し殺した。
「さて、じゃぁ久しぶりに会った訳だし、お互い積もる話も有るだろ。ちょっと
アフターヌーンティーとでもいこうじゃないか」
「そうだな。だが、その恰好は目立つからまず着替えてこい」
竜児と大河の幸せオーラ全開の組み合わせだけでも、充分目立っている事には目
を伏せておこう。
裏の話をすると、北村がかような出で立ちをしているのは友と会う為の彼なりの
正装という訳ではない。北村がアメリカの地に足を着けた時、余りにオープンな
大衆の様子を目の当たりにし、負けてたまるかと駄目な対抗心を燃やして出来た
産物である。
勿論、阿呆のように目立ちまくり、色々な人に声を掛けられた。それ故、今では
警察も含めて、皆知り合い状態となっているのである。だから、実際に目立って
いるのは日本から来た熱々甘々カップルだけなのだ。

310 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 02:21:44 ID:U3aWqsT/
>>309
とりあえずここまで。多分続きます

英語力2の莫迦なので、随所随所に間違いが在ると思います。いや、絶対在ります
間違いにかちんときたら迷わずSon of a bitch!!とお声を掛けて下さい

311 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 02:45:34 ID:D/vYpogt
英語の会話文にリアルさを求めるなら参考http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1211871377とか
でも普通に読むぶんには問題ない感じですgj!

大河はbastard!(クソ犬野郎!)とか好んで使いそうだ。あんまり女の子が使う表現ではないが…

312 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 07:20:35 ID:njEdPetl
>>294
GJ
エロすぎて俺の高須棒も昇り竜だぜ

>>302
チャイナ変楽しみにしてる。春田wwGJ!

>>309
おぉ、前スレくらいに途中まであって気になってたんだ。
英語はもーまんたいです。続き楽しみにしてる。GJ!

313 : ◆fDszcniTtk :2009/06/01(月) 07:28:00 ID:EHzRKL2i
>>222

作品間のリンクを張っていただき、ありがとうございます!!!
思っていたよりずっと細かいリンクだったので、感謝感激です。

わがまま言って済みませんでした。

314 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 11:52:57 ID:REa2iZw1
メガネとみつあみ

ttp://imepita.jp/20090601/424760
ttp://imepita.jp/20090601/425800


315 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 12:52:56 ID:GPfIhhzj
>>314
これは首が痛くなるな
なんちて

316 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 12:54:29 ID:TXwlzZqa
かわえええあああ

317 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 13:38:45 ID:747Zxbml
サノバビッチなんていったら殺されるぞ大河・・・w

318 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 16:51:11 ID:njEdPetl
ギシギシアンアン

ガチャリ

「ねぇお母さん、英語の…わか、ら…」
「はっ!?」
「ひゃー!?」
「し、失礼しましたー!」

バタン

「「……」」

ギシギシアンアン

正直すまなかった。
透けブラでテンションあがってたんだ…。

319 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 17:45:05 ID:9jVVBWpr
「あらあらかわいいわね透けブラごときでテンションがあがるなんて。
 竜児なんて下着姿で添い寝したってピクリともしないのよ」
「大河、おまっ!」

ギシギシアンアン


320 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 18:06:10 ID:njEdPetl
「それは色気の問題じゃねぇのか?」
「何言ってんの?いつもペロペロ嘗め回してくるくせに」
「そりゃ毎日せがまれてたら動じなくなるに決まってるだろう」

ギシギシアンアン

321 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 18:32:05 ID:0BRaVu2z
>>320
竜児「(ペロペロ)」
大河「この…バ、バター犬めっ///」
竜児「……そんなの、よく知ってるなぁ」
大河「……も、もぅいいから……はやくぅ」
竜児「……へいへい」

ギシギシアンアン

322 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 19:21:34 ID:RIqxfjEI
>>319
「というか、ピクリともしなかったのは散々搾り取られた後だったからだろうが」
「あら、そうだったかしら?遺憾だわ」
「その証拠に見ろ、ちょっと想像しただけでこうだ」
「……やっぱり竜児はエロ犬ね」

ギシギシアンアン

323 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 19:26:46 ID:IkpzEH+X
なんだこれ?いつの間にエロパロ板になったんだ?w

324 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 19:29:33 ID:tB7On1tZ
>>322
連続ギシアン吹いたwww
俺の息子も(ry

325 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 20:16:22 ID:s7oBvvZx
ここに来てのギシアンラッシュw
やっぱり、ここは天国や・・・。

326 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 20:27:12 ID:kcTSF65M
>>315

モニターを倒すんだ!

327 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 21:27:55 ID:EHzRKL2i
電波受信しました >>314

◇ ◇ ◇ ◇ 

「まったく何がイメージチェンジよ。犬のくせに生意気だわ。そもそも普段からMOTTAINAIとかうるさいくせに、伊達メガネなんて必要ないものの象徴じゃない」
「うるさいな、人はパンのみにて生きるにあらずだ。給付金いっぱい出たんだから、たまにはいいじゃないか。そもそも、金に物を言わせて服を買いまくってるお前に言われたくない」
「あらあら、言い訳だけは上手なんだから。とにかく、イメージチェンジで伊達メガネってのが発想が貧相な証拠よね。あんたの場合、必要なのはサングラスでしょ。目つき隠すだけで善人の振りできるんだから」
「はいはい、わかりましたよ」
「ねぇ、竜児、そんなことよりこのメガネ似あうかしら」
「イメチェンは無駄じゃなかったのかよ」
「あんただけお勉強できますみたいな顔されても悔しいじゃない」
「変な対抗心燃やすなよ。てか、早く返してやれ。能登が泣いてるぞ」

328 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 21:39:54 ID:alPhYtH1
>>326
ビューアで開いて右回転で解決余裕でしたwwww

329 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 23:04:30 ID:4v+tMbKy
>>328
Firefox Addon の Rotate Image が便利だよ。
ttps://addons.mozilla.org/ja/firefox/addon/7113

330 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 23:27:37 ID:Coq5Y9Qk
>>329
Styleなんで
ウェブブラウザはLunascape
Firefoxも気分転換に使うけどブックマーク開くときに
新規タブで開く設定に出来ないのが唯一にして最大の欠点なりね
bbs2chreaderもなぜか書き込み出来ない

331 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 23:39:49 ID:Y0Td0tZw
『最低な竜の神 竜心様』

深夜の襲撃編

大河「脳天ぶっ叩きゃ、記憶も消えだろ!」

竜児「やっ!止めてくれ!」
【竜児の心、略して】
竜心(ワァ〜ォ!フリフリパジャマだとぉ〜!!透けてネ!パンツ透けてネ!)

◆◆◆

大河「まぁ、美味しかったわ、ご馳走様」

竜児「どう致しまして」
竜心(透けパン!ゲエェェツ!!こちらこそ〜♪ご馳走さま〜!)

◆◆◆

竜児「ある意味病気の母が帰って来るんです、帰って下さい!」
竜心(泰子が帰って来る前に一回! 一回だけでもヌキたいんです!!)

大河「じゃあ、私の為に犬の様にしてくれる?」

竜児「する!するから、約束する!」
竜心(帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ)


初朝食後の登校編

竜児「おまえ夜もコンビニとかだろ?学校終わったらそのまま飯に来いよ」
竜心(ミニスカ!パンチラ!見・放・題ィィィィ!!……逢坂さん谷間はありますか?)

大河「……うん、ありがとう///」


貧乳スク水披露編

大河「ドッ!ドーヨ……へっ!へこんでるでしょ……」

竜心(すぅーきぃーまぁー!!隙間から見えソー!!!みぃてぇぇぇ!!!)

竜児「なんか羽織れ… 風邪ひくぞ」
竜心(ウオォォー!これじゃダメ、これじゃダメ、これじゃダメ、考えろ!考えろ!)

大河「北村君にこんな姿見せたくないよ〜」

竜心(膝を抱えて前屈み・だ・と……… チャァ〜ンス!!!)

そして竜児は大河の後ろに回り込み、優しく肩に手を乗せ……

竜児「俺が何とかしてやる!」
竜心(ィイィィヤッホ〜!!!モロ乳首!!ゲエェェトォォ!!!)

大河「……竜児///」

332 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 23:43:27 ID:R8cnOEou
>>331
まさに「こんな竜児は嫌だ」だなw

333 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 23:46:54 ID:u8LLVRzY
vipな高校生だww
リアルにしちゃうと、やっぱ駄目だねーw

334 : ◆askgvpoGB. :2009/06/02(火) 00:24:40 ID:1EsxoiH9

こんばんは。今日も次レスより投下させて頂きます。



335 :【 - midnight - 】 21 ◆askgvpoGB. :2009/06/02(火) 00:26:11 ID:1EsxoiH9


「まだ、ちょっと敏感すぎて、お腹が変な感じなの。腕にも力が入らないし……」
「そうか。ま、まあ始めての事だからな。落ち着くまでこうしてよう」
「うん。…………ね、竜児、聞いてもいい?」
「おう、なんだ?」
「ずっと硬いわよね? そそそ、その、その竜児のコレ……」
「おう!?……って、おまえの好奇心は恥じらいってやつを丸ごと消しちまうんだな……」
「うっさい! いいの! それとも普通にご飯時とかに聞いてやろうか?」
「ごめんなさい。何でも答えます。いや答えさせて下さい」

「フン! …………で、これってさ、疲れないの?
 そ、その、ずっと血液が流れてるわけでしょ? なんか、心臓に悪そうっていうか……」
「あーなるほどな。でも、そんな何時間も動きっぱってわけでもないし、まだまだ平気だ」
「そそそそっそそ、それにずっと動いてて、あの、そ、その、終わっちゃったりしないわけ?」
「あぁ、コツは大体掴んだからな。自分のペースならある程度コントロールできるぞ?」
「………………………………」
いま、さらりとすごい事を言った。
私のコンプレックスを刺激するのは得意のようね、竜児!?


「な、何たるハイスペックなのかしら!? 憎たらしいったらないわね!!」
「なんなんだよ、いきなり!?」
「そう、あんたはまるで地上に打ち捨てられた報われないエコの怨念が乗り移ったエコカーのようね!」
「…………よくもまあ、そういう悪口がポンポン飛び出すよな、大河……」
「ケッ! なんなのよ! ハイブリッドだと思っていい気になってんじゃないわよ!」
「お、おまえ! もはや意味不明だぞ!?」
「うう、うううるうるさい! 何よその低燃費は! しかも、高性能で、その、乗り心地がいいっていうか……」
「おう!? そ、それは微妙に、というか、かなり褒めてくれてるのか?」
「そ、そそそんなわけないじゃないばかじゃないの?」
顔が火照ってしょうがない。ちっ、言わなきゃ良かった…………

「だ、大体、ご主人様を乗せてるってのに勝手に暴走するバカエコカーなんか最悪なのよ?」
「なんだよ、俺がいつ暴走したよ?」
「いまよ、今、たった今! あんた分からないの? あんたは私の運転通りに動かなきゃいけないのよ!」
「そ、そうなのか? …………最近の男女はそうなのか?」
「そうなの! それがエコカーってもんでしょ、少しは足りない脳みそで考えなさいよね!」
「エコは全然関係ねえよ…………」


336 :【 - midnight - 】 22 ◆askgvpoGB. :2009/06/02(火) 00:27:03 ID:1EsxoiH9

「それなのに、あんたときたら私の気持ちとかお願いとか全部ぶっちぎってくれちゃって」
「う……お、おう、それは……」
「ほんっとスクラップにして丸めて捨ててやろうかと思うわ。……というか今から潰すから」
「わ、悪かったって……頼むから潰すのはやめてくれ!」
「……ったく。……悪いと思ったらあやまりなさいよね?」
「おう、まぁ、なんだ。済まなかったな。ちょっと調子に乗り過ぎた……」
「ちょっとだぁ!?!?」

ギラリと殺気を乗せて睨み付ける。
そう、怒ってる部分も、あるんだから。


「聞いて、竜児。私だけ良くしてくれちゃっても意味ないのよ?」
「そ、そうか? でも、俺はおまえに感じて欲しくて、それはそれで俺も嬉しいし……」
「二人で一緒に……二人で同じくらい感じ合って、抱き合っていたいの。傍らにって言ったでしょ?」
「それは……まぁ、分かる」
「私だけ先に突っ走ってっちゃったら、一人になっちゃうでしょ? その逆でも同じことなのよ?」
「…………おう」
「だから、今度は、私が気持ちよくしてあげるからね? さぁ喜びなさいエコカー野郎!」
「お、おう? いいのか? それは嬉しいな。それじゃ頼む」
パァァと花が咲くように竜児の顔が明るくなる。まるで子供みたい。

「あ、今日はだめ。無理。だって苛められすぎて力が入んないんだもん」
「そ………そうか、ま、まぁ俺がしたことだしな…………」

ガックリと肩を落として沈み込む竜児。
あらあら、そんなに残念だったのかしら?
ふふん、あー愉快ね! すぐ調子に乗るからね、こいつは!


337 :【 - midnight - 】 23 ◆askgvpoGB. :2009/06/02(火) 00:28:18 ID:1EsxoiH9

ふっと竜児が顔を上げる。なにかしらの決意を感じる。そして嫌な予感も感じる。

「それじゃ、罪ほろぼしの意味も込めて、反対側の胸もきっちりしてあげるからな」
「ほえ???」
「こっちの胸も同じようにたくさん感じさせてやるぞ、って言ってるんだ」
「ぇ……えええええぇ!? なんでそうなるのよ? もう十分舐めたでしょ、あんた!?」
「おう? 別に変な事じゃないだろ、こっち側だけしないなんてかわいそうじゃないか」

なぁ〜右胸ちゃん♪ とか言いながらうっとりした顔で(キモい)右胸を撫でられる。


「いいいいいいやいやいや、いい、いい、いいわ、いいよいいわよいいです!」
「遠慮するなって、今度はおまえを置いていかない。しっかり一緒に気持ちよくなろうな」

だめ、だめだめだめ、絶対だめ! 止めないと止めないと!
あんな……変態偏執認定証が出せそうなさっきの行為をもう一回やる?は?

「むむむむ、無理むりむり。あ、そうだ、私が竜児のことしてあげるね! ね、ね、ね、そうしよう、ね?」
「いや。おまえ、今日はもう無理だって言ったじゃねえか、だから今日は俺の番だろ?」
「そ、そそそそれは、そうだけど、そうじゃなくて! ああああ! あの、ええと……」
「よし決まりな。おう、そうだ大河! 俺の事は心配しなくてもまだまだ平気だからな、フフフ……」

いや、あんたのことなんかこれっっっぽっちも心配してないって!



「何せハイブリッドだからな〜♪」

ご機嫌である。
その禍々しく見えて一点の曇りもない笑顔を目の当たりにする。
なんて単純なのかしら……そう、これね? これが竜児の手綱の握り方なのね?


338 :【 - midnight - 】 24 ◆askgvpoGB. :2009/06/02(火) 00:29:23 ID:1EsxoiH9

そして竜児はさっきと逆の方に顔を動かして、右の腋の下に、ちゅ、と唇を押し当ててきた。
その感触で我に返る。やばい、やばいやばい始まっちゃう!
どうする? どうするどうする? いっそこの際、絞め落としてしまおうか…………


そうだ!!


両手はもう自由なんだ、押しのけようと思えば…………って、あれ?力が入らない。
竜児の頭を軽く押すのが精一杯。あれ、あれあれ?全然力が入らないよ?


「このまま可愛がるだけじゃ芸が無いな……よし! 君のために歌おう、聞いてくれ右胸ちゃん!」

なんて、真剣すぎる眼差しで右胸を凝視してる。いや、正確には右乳首を、か。

「ちょっ! ちょちょちょっとあんた、さすがにキモイわよっ!?」

私の言葉なんてお構いなしに竜児の指が乳房の上でタップを踊る。
上半身が左右にリズミカルに揺れ始めたのは、オーケストラの指揮者気取りだろうか?


「ラーラーラーラー♪ ルーラーラーラー♪ トゥールーツーツー♪ トゥートゥトゥー♪」

だ、第九!?!?!? 

私ですら知ってる。よく年末に歌うやつだ。下手なビブラートまで付いてる。
乳房の上で指先がタクトを振るかのよう。動きは荘厳。眼差しは真摯。だが見つめる先は乳首…………
唖然とする私の眼下で、もはや誰も触れられない領域に達する竜児。


「こ、これは……K・T・フィールド!? うかつだったわ……」
「ん? けーてぃー……ふぃーるど? 何だそれ? あぁ、夕方やってた再放送のやつか?」

「キモイ・高須・フィールドよっ!!!!! あ、キモ犬でもいいわ! キモすぎて近寄れないのよっ!!」

「どっちもキモイのは変わらないんだな。……まぁいいか。
 ……そんなことより、お待たせしてすまなかったね、右胸さん。構ってあげなくてごめんよ。
 もう寂しくないからね。さぁ、このサバンナにある高須竜児のテーブルに座ってくれ。
 君のためのごちそうも用意してあるんだ。とびきり腕を振るってあげるからね♪」



「…………あ、圧倒的ね…………」


339 :【 - midnight - 】 25 ◆askgvpoGB. :2009/06/02(火) 00:31:00 ID:1EsxoiH9


「そうだ大河!」

と、歌を中断した竜児が顔を上げて覗き込む。
ビックゥ!と身体が揺れる。もはや竜児の言葉は不幸の前兆ですらない。

「今度は下も一緒にしてあげるからな、こっちも放っておいたらかわいそうだしな〜ラーラー♪」

その言葉通りに空いている片腕がつつーっと私の上半身をすべっていく。

――――分かってない。竜児はさっきの話を全く、これっぽっちも分かってない。
そして私はその腕を捕まえられない。力が入らない以上、抵抗できない。何もできない。

やばいやばい。これは止められない!必死に呼び掛ける。

「ね、ねぇ、竜児? まままままずは胸だけにしない? ねぇ、ねぇってば! 竜児ってばぁ!」

ルールー歌いながらくるくると竜児の指が踊る。
指先をおへその周りでターンしながら下腹部へ

「あんっ……くすぐったっ。……ちょ、やめ……」
「タンタンタンタン♪ タータータッタンタン♪ ラーララ ラッラ♪ ルーラーラッ♪」

……掃除してる時に垣間見える、あの顔がそこにあった。
止まらない。竜児は止まらない。この竜児は誰にも止められない。
未来を悟った私はあうあうと顎を動かすだけで声も出せない。

いや、いや。いや……ぁ。とふるふる頭を揺らす。
そんなのだめ、おかしくなっちゃう…………
脳みそつるつるのお馬鹿さんになっちゃう…………


「ターラーラーラー♪ ルーラーラーラー♪ トゥールーツーツー♪ 土〜手ちゃ〜ん♪」

……土手って何だ?



そして竜児の指が密かな盛り上がりを越えて辿り着く――――

「いっ、いやあああぁぁあああああ――――――――――っ!!!!!!」




◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇


340 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 00:31:03 ID:JG7DPbpg
>>331
いい感じにわろた
気が滅入ることがあったから余計にな

341 : ◆askgvpoGB. :2009/06/02(火) 00:31:47 ID:1EsxoiH9

今日は以上です。明日もこのくらいの時間を予定してます。

感想を頂いた皆さま、本当にありがとうございます。
今日は少なめでしたが、明日か明後日は多めに投下出来るかもしれません。
それでは。

342 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 00:44:50 ID:JG7DPbpg
>>341
いいよいいよ今夜もいいよー
なんかおかしなことになってる気もするけど男は黙って高須竜児だ!
てか主従関係逆転w

343 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 02:02:20 ID:JG7DPbpg
今まとめサイト見たらこっそりと>>273の要望通ってた!


344 :まとめ人 ◆SRBwYxZ8yY :2009/06/02(火) 02:04:24 ID:cU2VSW78
壁|ω・)コソーリ 

壁| д゚)< ギシアンをスレごとに分割しました。

壁|彡サッ



345 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 02:06:39 ID:FAsJVQR7
>>341


竜児壊れたwwwww

346 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 02:23:40 ID:ZZ/FLmCr
竜児が…
でも悶える大河かわいいw

347 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 02:48:46 ID:/BrHdHjb
「ねえ竜児、さっきからチマチマと何してるのよ?」
「見りゃわかるだろ、梅の実のヘタを取ってるんだよ。
 どうせ暇なんだし、手伝ってくれないか?」
「めんどくさいから嫌。
 そうじゃなくて、何でそんなことしてるのかってこと」
「何でって……梅干しに梅酒に梅シロップ、この時期の常識じゃねえか」
「少なくとも普通の高校生の常識じゃないことは確かね。
 大体梅干しなんてわざわざ作らなくても、そこらへんで売ってるじゃない」
「売ってるのは変に調味料で味付けされたり減塩だったりするから嫌なんだよ。
 やっぱり梅干しってのは昔ながらの塩と赤紫蘇だけで漬けたやつじゃねえとな」
「ふ〜ん……そんなもんなんだ」
「おう。ところで大河、そのことでちょっと頼みがあるんだが……」
「何よ、あくまでご主人様に手伝わせようっての?この駄犬」
「そうじゃなくてだな……梅干しを天日干しするときに、おまえんちのベランダを貸してほしいんだよ。
 うちはこの通りまともに日が差さなくなっちまったから」
「梅干しって……干すものなの?」
「だから『梅干し』っていうんだろうが」



348 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 02:49:50 ID:/BrHdHjb
  〜一年後〜


「ねえ竜児、今年も梅干しとか作るんでしょ?手伝うわよ」
「おう、助かるが……やけに積極的だな?」
「そ、そんなことないわよ」
「まあいいか。それじゃ今年は大河の好きな梅シロップを多めに作るかな」

「……しまった」
「何よ、突然」
「いや、いつもの感覚で梅干し漬けちまったが……考えたら今年は天日干しできる場所がねえ。
 しかたがねえから梅漬けだけで我慢するしかないか……」
「それなら、うちのベランダ使う?こんどのマンションも日当たりいいわよ」
「いや、いくら恋人の家でもいきなり『梅干し干させて下さい』とか頼むわけにはいかねえだろ、常識的に」
「それなら、干すまでにはまだ時間あるんだし、それまでに竜児が頼めるぐらいまでママ達と仲良くなればいいのよ!
 上手くすれば、それで早く結婚できるようになるかもしれないし……」
「まさか……最初からそれが狙いか?」
「な、なんのことかしら?」


349 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 09:18:30 ID:qXKjyVyj
>>347-348
ほのぼのしててなんか良いな

350 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 11:18:59 ID:DyoQs0QE
>>341
竜児はサバンナテーブルといい他人の理解できない領域に入ることがあったが
これはひどいwいいぞもっとやれ

>>347-348
GJ、なごんだ(´Д`*)

351 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 11:57:26 ID:ozPdFSVd
>>348
亜美にも引けを取らない策士だな大河はwGJ

352 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 13:16:04 ID:qXKjyVyj
「ねぇ高須くぅん、一緒に購買行かなぁい?」
「お、おい川嶋あんまりくっつくなって!」

ドドドドドド…

「ごるぁばかちー!私の竜児に何ベタベタしとんじゃあぁぁぁぁぁぁぁ!」
「あーら別にいいじゃない減るもんじゃないし♥」
「そういう問題じゃない!竜児も竜児よ!ばかちーなんかにデレデレしちゃって!」
「あいや待たれい大河」
「あら、みのりちゃん」「櫛枝…」

「高須くんがデレデレするのは大河の前だけですぜダンナ」
「えっ…//////」
「櫛枝っおまっ/////」
「あーなんかもう亜美ちゃん冷めちゃったかも〜。あとは二人で仲良くすれば〜?」

「竜児…私の前で…デレデレだって…エヘヘヘ♥」
「お、おい大河…/////」
「仲良きことは美しきことだねっお二人さん♪」

353 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 13:41:35 ID:kueejfpS
>>344 相変わらず仕事が速いwwwありがとう!!無理言って申し訳なかった!!

354 :名無し募集中。。。:2009/06/02(火) 14:08:34 ID:qXKjyVyj
「…………………」
「………………‥」
じーっ

「…………………」
「………………‥」
じーっ

「…………………//////」
「…………!はい私の勝ちね!/////」


「高須くんとタイガー、何やってるの?にらめっこ?」
「先に顔が赤くなった方が負けなんだって」
「ふ〜ん…でもタイガーも真っ赤になってるよ?」
「あの二人じゃ勝負にならないよね」


続かない

355 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 14:28:19 ID:ozPdFSVd
「………………」
「………………」
じぃーっ

「………………」
「………………」
じぃーっ

「………………」
「…催してきた」
「ちょっとここ学校!」
「俺は構わないぞ」
「…私も」

ギシギシアンアン

すぐギシアンに持ってく俺の脳みそは末期

356 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 14:50:49 ID:Y1uVCBxD

「………………」
「………………」
じぃーっ

「………………」
「………………」
じぃーっ

「………………」
「…催してきた」
「行っちゃ嫌」
「俺は一緒でも構わないぞ」
「…私も」

お手洗いはあちら →

357 :名無し募集中。。。:2009/06/02(火) 15:00:32 ID:qXKjyVyj
>>355
むしろ正常な思考です

>>356
良いひねり方です

358 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 15:13:17 ID:/BrHdHjb
>>352
「ねえ、タイガーはいわゆるツンデレだけどさ」
「ツンデレいうな腹黒」
「ツ・ン・デ・レだけど、高須君って何デレになるのかな?
 『ヤンキー高須』だからヤンデレとか?」
「いやあーみん、それだと意味が違ってきちまうぜ。
 眼力あるからガンデレってのはどーよ?」
「……俺、泣いていいか?」
「りゅ、竜児はいつも優しいし、ヤサ……」
「それはあんた相手のデレだから却下」

359 :名無し募集中。。。:2009/06/02(火) 15:50:02 ID:qXKjyVyj
>>358
「だいたいなんで川嶋は俺に引っ付いてくるんだよ」
「それはもちろん高須くんがダ・イ・ス・キ♥だからよ」
「ふんっ残念ねバカチワワ。竜児の心は100%私への愛情で占められてるのよ」
「おおーっと二人とも、おいらも高須くんが大好きだぜーっ」
「だ、だめーっ!」
「ど、どうした大河!?」
「みのりんはだめーっ!だって…だって…」
「おっと安心したまえ大河。私が好きなのは『大河のことが好きな高須くん』なんだぜ」
「ふぇ?」
「私はそんな二人を見守るだけで充分さぁ」
「じゃああたしは高須くんの好意をこっちに向けさせるように…」
「いい加減にしろバカチワワ!だいたいそうやってサラッと好きだなんて言えるのは…」
「何よ」
「気になる人が他にいるってことだよね、あーみん♪」
「えっ…/////ちょっ、そんなわけないじゃない!」
「何っそれは本当か川嶋!?」
「ちょっと高須くん!なんでそんなに嬉しそうなわけ!?」
「誰だって好意を受けて嫌だってことは無い。だが俺にはもう大河がいるんだ」
「そ、それが何よ!」
「まあ聞け。だから俺は川嶋の気持ちに応えてやることは出来ない
そのことは申し訳なく思っている」
「別にそんなの気にしなくていいわよ」
「けどお前には本気で好きになれるやつがきっと必ずいるはずなんだよ
だからそれが現われたということは、友人として、こんなに嬉しそうなことはない」
「高須くん…」
「大方、同級生の誰かなんだろ?
でなきゃあんなあからさまに気を引くような真似をするわけがない」
「なるほど…バカチワワの考えそうなことね」
「何よ、文句あんの!?」
「まあまあ。ところで相手は誰なんだい?私たちの知ってる男の子なのかい?」
「さあね〜亜美ちゃんモデルだしカリスマだしそういうことは内緒にしたいっていうか〜」
「まあいいだろ。川嶋に好きなやつが出来たって分かっただけでも収穫だ」
「そうねばかちー。応援してあげるわよ」
「ふんっ!べ、別にあんたらに応援されても嬉しくなんか無いんだから!」
「あーみん…ツンデレはあんたの方だったよ…」

360 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 15:51:38 ID:FUhHuNVe
朝一緒に起きて、一緒のご飯食べて、手を繋いで学校行って、
同じ席で竜児と授業受けて、一緒にトイレに行って、一緒のお弁当食べて、
一緒に体育やって一緒に帰って一緒にえっちして一緒にご飯食べて一緒に風呂入って、
一緒にえっちして一緒にゲームして一緒にえっちして一緒に寝る。
休日はずっとえっちしてる。羨ましいぞこんちくしょう。バカップルってレベルじゃねぇぞ!

361 :名無し募集中。。。:2009/06/02(火) 15:58:18 ID:qXKjyVyj
>>359
「んで結局川嶋の好きな人って誰なんだ?まさか北村か?幼馴染みだし…」
「違うわよ」
「まさか…能登か?」
「全然違うし」
「まさかまさか…春田か!?」
「それは絶対無い。てかバカロン毛には年上の彼女がいるじゃない」
「となると思い当たる節が無い…」
「あんたねえ…男子生徒Aくんとか男子生徒Σくんとか男子生徒Лくんとか思い浮かばないのかしら」
「おぅ、その発想は無かったぜ」

362 :名無し募集中。。。:2009/06/02(火) 16:10:06 ID:qXKjyVyj
>>360
これは竜児がレバーやカキやニラなど精のつく食材の料理ばかりを作ってるとしか思えないスケジュール

363 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 17:19:56 ID:1TtN1rlO
携帯で書くと妄想に歯止めが効かなくなることが判明した件

364 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 17:26:38 ID:w/FLF3O0
>>361
「で?結局誰なんだよ?」
「ゆりちゃん先生」
「な!?」×3
「え?おかしい?」
「おかしい・・・が」
「・・・おかしくないね」
「だって独神の名前がね・・・」


365 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 17:52:12 ID:FUhHuNVe
目を覚ますと、目の前には竜児の寝顔があった。いかつい視線を振りまく三白眼はすっかり瞼によって封印されている。
目を瞑ると意外と顔立ちのいい竜児の口元から、スウスウと寝息が零れている。
なんだか面白くないな。そう思い、起こそうと思ったが、やめた。もう少しこの安らかに眠る竜児の寝顔を眺めていたいから。
小さな机の上で組んでいる腕を組みなおそうと顔をあげると、小さな揺れで机がグラグラと揺れた。こんなに脆かっただろうか。
その小さな振動で、眠っていた竜児の瞼がパチリと開いた。まだ寝足りないのだろう、覇気のない声で

「…おう、おはよう大河」
「おはよ。…ん」

その距離わずか10cm。おはようのキスをするには最適な距離だ。朝起こされると、当然のように唇を重ねる二人は
なんのためらいもなく目を瞑り唇をせがむ大河の唇にそれを押し当てる。もちろんこちらも目を瞑る。
時間にするとわずか6秒。そろそろ離そうかと頭を動かすと、大河の手によりそれを阻止される。
頬を両手で覆うように被せ、このまま溶かして一つにしようとするかのような甘いマウストゥーマウス。
不意に大河の舌が自分の唇をなぞり、上唇をトントンとノックする。ヘビの舌ような小さいそれは、さらに快感を得ようともがく。
それに答えようとするが、唇を少し開けて舌を唇ではさむ。一瞬自分の顔を覆う手がビクッと震えるが、すぐにおとなしくなる。
竜児の舌を捕まえようとする舌が上下のしめった唇をこじあけようと暴れる。敢えてそれには答えず、唇で小さな舌を弄ぶ。
すると、小さい手がするすると耳を通り過ぎ、力をこめると折れてしまいそうに頼りない腕が首をひったくる。
さらに快感を。さらに幸福を。腕の動きでそれが全て手に取るようにわかるくらい優しい抱擁。
その動作で焦らすのをやめ、唇をかき回す舌に自分のそれを押し当てる。
長年会ってなかったように互いを求め合い、絡まりあう。互いの唾液を舌を通じて混ざり合い、甘い唾液が口内を巡る。
もう離さない。私だって。言葉を発することもできないのに、互いを求め合う姿を見ると聞こえないものまで聞こえてくる。
決して離れようとしない舌は、どちらかが遠のくと追いかけ、縮めると追いかけてくる。
ひときしり竜児の口内で暴れまわったそれは不意に離れ、竜児の舌をクイクイと自分の中へとご招待。
大河の中へ自分の一部が進入する。ずっと舌を伸ばしっぱなしで疲れたのか、先ほどよりは幾分動きが少ない。
大河の歯並びを確認するかのように口内を駆け巡り、下で縮まっている舌を掬い上げる。
ここまでの動作でざっと10分。永久に続くかと思われた至福の時間もタイムオーバー。一気に現実を叩きつけられる。
そういえばここはどこだろう。腕を解き、絡まりあった舌を離す。唾液の糸をだらしなく滴らせながら閉じていた目を開け、辺りを確認する。
周りには信じられないような光景が広がっていた。いやだ、考えたくない。ありえない。

366 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 17:52:27 ID:FUhHuNVe
数秒の時間をかけて状況を確認し、大河の方を見ると、羞恥で顔を真っ赤にしたまま金魚のように口をパクパクさせている。
それもそうだろう、周りには見知った面々があるのだから。隣のクラスから遊びに来ていた櫛枝と北村に加え、春田に能登。
遠くでニヤニヤしながらこちらを眺める川嶋の姿もある。その他に、噂を嗅ぎつけた別クラスの面々。
つまり、1クラス分の生徒が自分達を眺めていたというわけだ。途中でいやらしいうめき声を上げ、好きなどと呟いたのは
キスを始めて後半部分。全員が聞いていた事になる。

「…へ」
「……皆さん、いつからこちらへ?」
「恥ずかしがる事ないぜお二人さん!ちなみに私は大河が起きる所から見ていたのだ!」
「櫛枝、鼻血が出てるぞ。まぁそれはおいといてだ、とりあえず二人とも。学校で少しばかりイチャつくのは構わんが、
 百歩譲ってそんな大人のキスはダメだぞ?スキンシップで抱っこくらいにしておいて貰わんとこっちが持たん」
「てゆうか二人とも、写真撮ったり動画撮影したのに全然気づかないとはどういう事だい?キスをすると耳が塞がるなんて
 習った覚えはないし、それにここはあんたらのサンクチュアリがないのだよ、学問の場という事をわきまえて貰いたい!」

二人の話す事は何も頭に入ってこない。こういう時はやけに冷静になれるもんだ。これから起こるであろう惨劇が映画をみるより
鮮明に映像として脳内で再生された。虎の咆哮をあげ、人を投げこの教室を一瞬で地獄絵図に変えるその瞬間を。
ひそひそと笑いあう生徒、ニヤニヤしている生徒、撮影をした動画を確認する生徒、頭がショートして茶色の髪が一瞬で
某無免許医よろしく白髪に生え変わった独神。それら全てが少なくとも一箇所は打撲する大事件の映像が。
この世の終わりに絶望した者のように暴れ狂う猛虎を取り押さえようとするが、狩野先輩を捕まえた時振りほどこうともがいた
力とは比べ物にならないほどに強く、あっけなく他の生徒と同じように投げ飛ばされた。その惨劇は、
蘇りし写真部の部長の手によってニュータイプ並みの鋭さで眠る二人の所から暴れて取り押さえられるまでの映像を撮影されていた。
もちろんそれは大河の手によってディスクが原型を留めていないくらいにまで砕いた。しかしそれは大量のコピーが出回っていた。
その事を知らなかった二人は、結婚式でのサプライズとして亜美の手で映像を60人の観客の前で公開された。

余談だが、蘇りし写真部は大河が哀れ乳事件のように撮られてはいまいかという理由で再び廃部となった。

おしまい

367 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 17:54:38 ID:FUhHuNVe
ニヤニヤはうまく書けないお(´;ω;`)ブワッ


368 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 18:21:08 ID:r/KnxA89
気持ち悪いスレ

369 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 18:38:43 ID:mj6QXyHM
>367
いいんじゃね〜?

370 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 19:10:32 ID:w/FLF3O0
>>368
はい。なら回れ右。

371 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 19:16:16 ID:/BrHdHjb
>>367
いやいや、なかなか良い2828でw

372 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 19:19:57 ID:NIB96F4R
やたーとらドラ2&3が届いたお
おらドラの女たちワロタ

373 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 19:21:08 ID:UPTs7fzU
>>331の続き『最低な竜の神 竜心様2』

偽乳パット完成編

竜児「もう良いから、帰って寝てろよ……」
竜心(う〜ん!もぅ〜もぅ〜もぅ〜もぅ!! )

大河「うぅん、出来るまで待ってる」
竜心(チェ〜ッ!ぶっちゃけ、さっきのビーチクでずっと立ちっぱなんですけどー!!)

大河「……なんか意地はって変なふうになって、悪かったわ…」

竜児「フッ………」
竜心 (ありがとよ…気にするな………今のノースリ白ワンピも最高だ!! 大河、ゴチ!!!)


キャミでショーパンな川嶋編

竜心(…………………)

亜美「あの子は良いよね、まったく取り繕わないで………」
竜心(…………………)

亜美「私が本当の……」
竜心(…………………)
亜美「……好きになる?」
竜心(…………………)
竜児「かっ!川嶋」
竜心(…………………)

バサッ
大河「!!………」

竜心(キター!雨で濡れてるぅー!!透けてネ?チエェ〜ック!Look at 大河ちゃん!!……でもジャージかぁ)

《たいがー! 高須君たち居たー?たいがー!

大河「みのりーん!居ないみたいー!」
亜美「あれ〜?何でごまかすのかな〜………」
竜心(うるさい!、近い!、見えないぃぃぃー!!)

亜美「認めたくないの〜?逢坂さん以外の女を部屋に入れた事!」

竜児「バッ!お前!妙な言い方すんな!」
竜心(ハァ…もうダメだ、チャンスなのに……俺の心日記『今日の大河ちゃん』が………)

竜児「バカ、お前!本当のことを!」
亜美「本当のことって〜、やだぁ〜高須君たら〜!」
竜心(なんだぁ〜!人ん家で薄着なんて礼儀知らず女!俺の『今日の大河ちゃん』返せ!!)

竜児「たっ大河!……」
竜心(…………ハッ!せ・め・て!濡れ大河ちゃんの貴重な……!BACK SHOT!!)

竜児「大河!」
竜心(……………お尻もダメだったかぁ〜、行っちゃった………空気読め!川嶋!!)

つづく?………訳ありませんね〜
皆さん、ごめんなさい。

374 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 19:38:06 ID:/BrHdHjb
あくまで大河にしか反応しないのかw

375 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 20:03:23 ID:NIB96F4R
いいぞ竜心さまww

376 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 20:04:52 ID:NIB96F4R
>>374
たぶん竜心様はペドフィリア

377 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 20:23:47 ID:BGRPFVje
何とぉっ!? 竜心様の中には既に、みのりんへの思いは欠片も無いんかぃ・・・・・・w

ってか、>>376 そんなこと言ってると・・・・・・ ヲヒッ! 後ろっ!! 後ろ〜っ!!!!

378 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 20:28:31 ID:mj6QXyHM
>竜神
なんか違うような気がするのは俺だけなんだろうか…?

379 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 20:39:48 ID:UPTs7fzU
>>378
すまん、あなたが正しい!
勉強して出直して来る

380 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 21:34:07 ID:BzvWQCqt
「ねぇ竜児〜」

「おぅなんだ?」

「ギシアンって何?」

「それはだな」ヒョイ

「なななななにすんのよ」


ギシギシアンアン

「い遺憾だわ////」

381 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 22:01:19 ID:ozPdFSVd
「でもいくら妄想の中とはいえ、やりすぎよね?」

「そうだよな、夕食の話題からギシアンに行くとか発想がすげえよ」

「人間性を疑うわ…ね、竜児」

「…へいへい」

ギシギシアンアン


382 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 23:18:14 ID:UPTs7fzU
出直して来た

雪山if

「…りゅうじ? ……きたむらくん?」
「しっかりしろ!大河!!もう、大丈夫だからな!」
「……りゅうじ? やっぱりこんな時、助けに来るのは竜児だ…… ありがとう」
「あぁ、もう良いから、今は喋らずにしっかり捕まってろ」
「うん……」

大河のケガは大した事なく、母親が迎えに来たと担任から聞いた。

「すみませんでした」
「そうですね、先生としては今回の事は感心しません。もし、高須君までケガでもしたら、みんなに迷惑を掛けますかね。」
「……すみませんでした」
「はい、もう良いです。……でも、仲良しの逢坂さんが大した事なくて良かったですね」
「……はい」
「ほら、元気出して!大切な恋人を助けたんでしょ!」
「恋人? 俺と大河はそんな関係じゃありません…… 家族みたいと言うか…… ほっとけないと言うか…」
「そうなの?先生てっきりそうだとばっかり……」

えぇっ!普段あんなに一緒に居るに!最近の若い子の恋愛観はわからないわね〜 それとも私の恋愛観が鈍ってるのかしら………
「とにかく、高須君にとって大切な人が無事で良かったですね」
「大切な人?」
「そう、高須君にとって逢坂さんは何と言うか…家族みたいに大切な人なんでしょ?」
「……先生、好きな人と大切な人って…… どう違うんですか?」

383 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 23:20:24 ID:UPTs7fzU
ハァ… 高須君、悩んでるみたいね。この雰囲気はマイナス方向に向いてるみたいだし…… 私の恋愛経験だって伊達じゃない!ここは人生の先輩として話してみますか!

「……じゃあ、今からは先生としてではなく、恋ヶ窪ゆりとして話します。この話しは私と高須君だけの秘密ね」
「ハイ……」
「高須君が話し難いでしょうから、あえて名前は出しません。高須君には好きな人と大切にしたい人が居るんですね?」
「……ハイ」
「その人を好きになってどれくらい経つの?」
「……1年位です」
「告白はしたの?」
「………しようとしたんですけど、言う前に拒否されましたし、今は無かった事みたいにされてます」
「そう…… じゃあ高須君、家族ってどんなものかしら?」
「……家族とは、協力し合って……支え合って生きてゆく、そしてそれは意識してとかではなくて、自然にそれが出来る事だと思います。」
「そうですね、いろいろと世間には答えがあると思いますが、先生もそれで正解だと思います。そこで高須君が質問した好きな人と大切な人です」
「はい」
「高須君は好きな人が困ってたら助けたくなるでしょ?」
「はい」
「まぁ、世の中には計算して行動する人もいるけど、殆どは自然に動いちゃうんじゃない?」
「そうですね」
「さっき、高須君は家族は自然に支え合うって言ったじゃない?だから一緒、好きな人も大切な人も一緒だと思うの、私はそんな人を愛する人だと思います」
「愛する人……」
「そう、恋人を見つけるのなんて家族を見つけるのと一緒じゃない?いつかは結婚して2人で家庭を作って家族になるんだから」
「………」
「では最後に高須君に質問です。何故、この吹雪の中を助けに行ったのでしょう?」
「………愛する人だからです」
「ハイ、正解!私の話しなんかで理解出来たかは疑問ですが、あとは高須君次第です。焦らずに答えを見つけ下さい」
「はい、ありがとうございました。」

俺はあの時櫛枝を止めて 行った。櫛枝を心配してではなく、大河のことを助けたくて………

俺の愛する人は大河で良いのか?

次回 告白編に続くかも?

384 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/02(火) 23:31:30 ID:QXaNjm/j
>>383
楽しみにまってます。


385 : ◆askgvpoGB. :2009/06/03(水) 00:14:30 ID:A+kNSclW

>>342,345,346,350
感想ありがとうございます。楽しんで頂けたみたいで何よりです。

それでは、本日も次レスより投下させて頂きます。

386 :【 - midnight - 】 26 ◆askgvpoGB. :2009/06/03(水) 00:15:47 ID:A+kNSclW



「…が………ぃが……」
「ん……っぅぅ……」

「いが………たいが………大河!」
「んぁ……あ………りゅ、りゅう、じ?」

「おう! やっと返事しやがった。大丈夫か?」
「んんん。……だ、だいじょうぶな、わけ……ない、じゃない……」
「お、おぅ、また俺は調子に乗っちまった……か?」

ボンヤリとした頭で竜児を見上げる。
ぐったりした私の上から心配そうにのぞきこんで来る。

いまだ繋がってるところがずしりと重く湿ってる感じがする。
身体を動かすと快感の名残で内臓がかき回されてるみたい。
と、同時にさっきまでの痴態がフラッシュバックしてくる。

「そ……うね。あんたはあんたの世界に行っちゃったのよ。私の声が届かないところに」
「そ、それは悪かった。でもな、大河も『いいの!』とか『もっとぉ!』とかたくさん言ってたぞ?」
「……………っ!」

ボボン!と顔面が沸騰する。
こ、の……ばかばかばかばか! 絶対わざとだ、このばか竜児!


387 :【 - midnight - 】 27 ◆askgvpoGB. :2009/06/03(水) 00:17:48 ID:A+kNSclW

「あ、ぁぅぁぅぁ………しょしょしょしょ、しょりるれりょわ!?」

あああ、思ってる以上に舌がまわらない……
やっぱり脳みそつるつるになっちゃったじゃない!

「そそそそれは、あああ、あんたが、あん、たが好き放題にしてくれひゃったからでしょるぁ、ぎっ!」

痛ぁ!舌かんだ!

「おっ、おいおい……大河、さすがに焦りすぎだし、どもりすぎだぞ? 落ち着けって、な」
「うう、うううううううるひゃいっ!!!」

ぎゅううっ!!!

「いってええぇえええ!?!?」

うわわわわわわわ!? 何とち狂ってるの、私の右手はっ!
とっさに乳首をつまんじゃった! も、もうこのままいくしかないわよね!?

「かかかかかんかんちがいしししないでよね?」
「何をだ? 何をだよ!? ……っつぅ!」
「私はね、ああ、あんたなんかに屈したわけじゃないわ! このゴミレーズンがいけないのよ!」
「はぁ!? 何言ってるんだよ? 別に恥ずかしい事じゃないだろ、素直になっ! いたたたた!!」
「あんたが私の目の前でハァハァ動くから、この真っ黒いゴミが視界に入るのよ!」
「ま、真っ黒いゴミ……って、あんまりだろ…………ずっと気にしてるのに…………」

「いーい? 考えても見なさい。このゴミが目の前であっちへふらふら、こっちへふらふら。
 もう目障りったらないわ! 気になって気になって、目で追いかけたくなくても追っちゃうの!
 それでぐるぐる目が回るの! 車酔いみたくなっちゃうのよ! だから悪いのはあんたよっ!!!!!
 もっと言えば、この乳首が人とは思えないほど黒ずんでるのがいけないのよっ!!」

なぜ、罵倒はスラスラ出てくるんだろう?
なんて思いながら、ぐりぐりと黒乳首を捻りあげる。


「そ、そんな馬鹿な話があるかよ!!! いた! いたいいたいいたい、捻るなって!」
「分かったらうううなずきなさい、竜児? ……私がまだ優しいうちにね?」
「おう!? ……わ、わかったから、だから離してくれ!」

高須レーズンを摘む力を緩める。けどまだ離さない。

「じゃ、じゃあ……起こして、ちょうだい。このまま、竜児の上に座る……」
「分かったよ、っと。おぉいてぇ……」

拗ねる私を腰にまわした手で引っ張り上げてくれる。



388 :【 - midnight - 】 28 ◆askgvpoGB. :2009/06/03(水) 00:18:45 ID:A+kNSclW

――――でも忘れてたの。

あんまりこの体勢になったことは無かったから。
上になると、竜児のが突き刺さるみたいに奥……にっ!

「んん……あああぁぁっ!!!」
「おう!? すっ、すまん! 支えるのが難しいな、この体勢は……」

せっかく、せっかく私のペースになったと思ったのに……
ガクガク腰が震える。背筋がふにゃふにゃ崩れちゃう。黒乳首も思わず離してしまった。
竜児の手が無かったら姿勢を維持できない。というか、すっかり全体重を預けてる。

貫かれたような衝撃がだんだん弱まってきて。
そうして気付く。少しだけ光るものが竜児の目の端に見えた。



「あ…………ごめん」

自分でやっておきながら、痛そう……とか思う。
こんな……自分で起き上がれないほどぐちゃぐちゃにさせられて、
それでも負けてない。なんて強がりもいいところだね、ホント。

いつもいつもこんな事の繰り返しだ。
こういう時くらい素直になりたいのに、思うようにできない。

「ごめん、ごめんね、竜児。痛かったよね?」
「ん、大丈夫だぞ。おまえこそ、この体勢はつらいんじゃないか?」
「平気。……竜児が支えてくれてるから、平気……」
「……おう」

ぽふんと、竜児の胸元に顔を埋める。
鼓動が伝わってくるくらいピッタリとくっつく。
背中に手を回して抱きつくと、ひとつため息を付きながら腕を回して抱いてくれる。


あれだけ痛めつけたのに。
どうしてこんなにこいつは優しいんだろう?
どうしてこんなにあったかく包んでくれるんだろう?

竜児が目の前からいなくなるなんてありえない。
ずっと傍らにいるんだって信じてる。――そう、心の底から。

でも、それに甘えてばかりじゃだめだって思うの。
不器用ながらも、やっぱり、竜児にも喜んでもらいたい。
じゃないと対等じゃないって思うから。
私がもらってる気持ちよさを竜児にも同じだけ返してあげたいの。




◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇


389 :【 - midnight - 】 29 ◆askgvpoGB. :2009/06/03(水) 00:20:23 ID:A+kNSclW


手の平で胸のあたりを撫でながら竜児の心臓を探る。
トクトク動いてるのを感じつつ、さっきの黒乳首に触れる。

「ね……もう痛くない?」
「おう、ちょっとヒリヒリするけどな。ったく、それより俺は言葉の方が痛かったぞ?」
「そ、それは……悲しいけど事実よ。謝る事はできないわ」
「目が回って酔うってのは本当なのか? さすがにそれは俺としても罪悪感が……」
「うそよ、ばか。……でも目立つのは本当ね」
「そうなのか。ある程度覚悟はしてたが、やっぱり少しだけショックだな」
「でも、竜児のだもん。嫌いじゃない……わよ?」


そう言いながら、そっと竜児の乳首を指先で撫でる。

「おうっ!?」
「痛いの、治してあげる……」

と、顔を寄せる。唇を押し付けてついばむ。ちっこいな、こいつは…………
毛づくろいしてる猫みたいに、舌先で優しく舐めてやる。
ピクっと、私のお腹の中で大人しくしてる竜児の塊が震えた気がした。


もしかして? と思いながらさっきの竜児の舌使いを思い出す。
唾液をたっぷり補給して、くるくると乳首の周りをなぞる。

「んっ……お、おい大河?」

無視する。
舌の表面で擦り付けてから唇でちゅるって吸ってやる。
今度ははっきりと、あそこがピクピクって動くのを感じた。

「おうっ!?……っ………そ、それ、くすぐったい……」
「くすぐったいだけ?……感じてるんじゃないの?」

うつむく竜児の顔を斜め下から睨んでやる。
それから逃げるようにそっぽを向いて口を尖らしてる。

照れてるんだろうか?

そう思うと、やたらとくすぐったい気持ちがして胸が熱くなって


…………それで、なんかたまらなくなったの!!


390 :【 - midnight - 】 30 ◆askgvpoGB. :2009/06/03(水) 00:21:40 ID:A+kNSclW

「竜児っ!」
「な、なんだよ?」
「うおおおおりゃあああああああ!」

どーん。と全体重を乗せて竜児を押し倒してやった。


「おわああああ!?」
「やっ!……ちょっ!?……あぁんっ!」

そうね、入れられてる時に無理やり相手を倒すのはよくないわね。
なぜなら、急にあそこの角度が変わって大変なことになるから!


せっかく落ち着いてきたのに、また火が付いちゃう。
でも、これからする事を思えば、このくらいがちょうどいいよね。

「お、おまえ! いきなり危ないだろ?」
「何よ、布団の上なんだから問題ないでしょ?」

そう言いながら、竜児を見下ろして足の位置を調整する。


「今度は、私がしてあげるね!」
「おう!? そ、それは嬉しい限りだが、その、お前はそれでいいのか?」
「うん。いつもあんたばっかじゃ悪いじゃない? だから私の本気ってのを見せてやるわ!」
「なんか、悪い予感しかしないんだが…………」
「うっさい! あんたはそこから動いちゃだめだからね? 私だけ動くから」
「おう。まぁ、善処してみるよ……約束は、できないけど……」
「動いたら黒レーズンを両方ともむしり取っちゃおうかしらねー」
「…………」

とびきり優しげに、天使の笑顔で笑いかけてやる。
竜児の唇の端だけがヒクヒク動いてる。つまり、了解ってことよね?



――さっきの竜児の顔が、声が、忘れられない。
なんだろう、とっても胸が熱くなったの。心臓を鷲掴みされたみたい。
きっと私が感じさせてあげたってはっきり分かったからなんだと思う。

それに、さっきからずっと急かされるように心臓のドキドキが止まらない。
竜児を包んでるとこから、早く動けって命令がぎゅんぎゅん飛んでくる。


391 :【 - midnight - 】 31 ◆askgvpoGB. :2009/06/03(水) 00:22:58 ID:A+kNSclW

月明かりの優しい影が、竜児の表情と筋肉の隆起を浮かび上がらせる。
窓辺の方に倒れた私たちは、青白い光の中で見つめ合ってる。

竜児の胸に手を置く。視線は絡まりあったまま。
お互い見つめあいながらも言葉は無い。
――あんたも私と同じように期待してるの?
筋肉の感触を指先でなぞりながらゆっくりと腰を沈めていく。

「んっ……ふぁぁ……」
「う……おっ!」

自分で動くとなんか変な感じがする。
いつもはあっちのペースで好き放題されてるのに、今止めようと思えば止められる。
天井に向かって直立してる竜児の分身を、一番奥まで呑み込んで深呼吸する。
感じすぎて動けなくならないようにしないと…………なんて思う。

今度はゆっくりと腰を上げる。出っ張ったところが擦れてゾクゾクする。
唇を少し噛み締めながら引き抜いていく。そして、もう少しで抜ける手前で止める。

「はぁ……っ!……」

結構難しい……いや、慣れてないからよね!
竜児にできて私にできないはずがないじゃない!
とは言え、どうにも動きにくい。どうしようか……?

「大河? 大丈夫か? あんまり無理しないでもいいぞ」
「う、うう、うるさいわね! ちょっと待ちなさいよ、今考えてるんだから!」

うーーん??? 
と考えてるとちょっとずつ腰が沈んでいく。
その刺激も気持ちいい。なんか入り口がヒク付くような感じで――――



そしてひらめいた! いいこと考えたわ!


392 : ◆askgvpoGB. :2009/06/03(水) 00:24:23 ID:A+kNSclW

本日はここまでです。ありがとうございました。

次はまとめての方が良いと思うので、明日もしくは明後日に投下予定です。

393 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 00:34:18 ID:xf/U7yty
>>392
楽しみにしてました!
ポワワ(*´д`*)

394 :HOTEL Heart Arta:2009/06/03(水) 00:39:28 ID:kZJ6NQdt
こんばんわ。昨日投下したかったのですが出来なかったので今日まとめて出し切ってしまおうと思います。

実はエンドが2通りになってしまいました。遺憾なことにどっちも気に入ってしまい、甲乙つけがたいのでどっちも投下してみようと思います。
まず片方のエンドでやり切って、没ネタの形でもう一つのエンドに行こうかと思っています。

前置きが長くなりましたが、>>297-300の続きです。



シャアアアアアア……キュ

シャワーの音が止まる。続いてわしゃわしゃと何かを擦る音。
そう。この壁一枚隔てた向こうでは、今、まさに、大河が入浴中だ。

竜児の耳はこれまでにないほど研ぎ澄まされていた。理性なんて言葉は遠く幻のように揺らめくのみ。
竜児の脳内では、「見たら殺すわよ、このエロ犬!」という悪魔の恰好をした小さな大河と、「一緒に入ってあげてもいいのよ?このエロ犬ぅ」という天使の恰好をした小さな大河がグルグルと飛び回っている。……どっちも可愛いな。
しかし今ここで軽率な動きを見せてはならぬ。二兎を追うものは一兎をも得ず、というではないか。まずは目先のターゲットに狙いを絞るのだ。すなわち、チャイナドレスに。

今日を逃せばチャイナドレスを着た大河を見ることはもはや叶わないだろう。
それに対して、こう言っちゃなんだが、大河の裸はいつの日にか見ることが出来るはず。
竜児の計算はすでに出来上がっていた。

395 :HOTEL Heart Arta:2009/06/03(水) 00:41:26 ID:kZJ6NQdt

カチャ ガチャン ワサワサ……

来た!いよいよだ。オーケー心の準備は出来ている。大河、いつでも出てきて「りゅうじーお風呂空いたわよ」

……なにか、今、肌色のモノが見え「ふう〜。あーすっきりした!竜児も早く入んなよ?」

……バスローブ……だと……?

何という予想GUY!しかしこれはこれで……
ゆったりとしたバスローブは大河にはかなり大きいのだろうう。袖を持て余し、裾は床を引きずっている。それを無理矢理帯で留めている。
髪はあとで乾かすのだろう。適当に束ねられ、まとめてちょうちょ型の髪留めではさんである。
湯上がりの上気した肌が何とも言えない艶っぽさを醸し出している。

気が付けば、大河はいつのまに見つけたのか備え付けの冷蔵庫から牛乳を取り出して風呂上がりの一杯をやりながら、不思議そうにこちらを見ていた。

「どしたの?竜児?」
「おう!?あぁ……いや……なんでもない」
「??へんなの。早くお風呂いっといで」
「お、おう」

……いかんいかん。少々妄想が過ぎたな。こんなことじゃ今日一晩乗り切れねぇぜ……。

だが、大河のバスローブ姿は深く心に刻み込んでおこう。

396 :HOTEL Heart Arta:2009/06/03(水) 00:43:21 ID:kZJ6NQdt

「……ふぅ。あーすっきりした」

しかしここのホテルは見た目とは裏腹に非常に掃除が行き届いている。さっきまで大河に夢中でよく見ることは無かったが、細かなところに至るまで、しっかりと掃除がなされていた。
別に掃除しに来たわけじゃ無いけど、何故か悔しい気分に襲われた。

「さて、早く戻らないと大河に怒られちまうぜ」

ガチャ

「わっきゃっっちょっ待っっっ」

……神様。俺はどうしたら善いのでしょうか。
子犬が自分の尻尾を追い掛けてクルクル回るのを想像してほしい。

目の前には背中のチャック全開で同じくクルクル回っているチャイナドレス姿の大河があった。



「……だって届かなかったんだもん」
「……」
「髪乾かすのにも時間かかったし」
「……」
「おだんご一人で作るのも大変だったし」
「……」
「竜児は出てくるの早いし」
「……」
「……なんとか言いなさいよ」
「……お、おう」

ベットのど真ん中でちょこんと正座しながら大河は恥ずかしそうにしている。

その後竜児は半パニックの大河を落ち着かせ、なるべく直視しないように背中のチャックを上げてあげた。
しかし直視しないとはいうものの全く見ないわけにはいかなかった。透き通るような肌と、背中を中心を横切るブラジャーのホックが真っ赤な布地の間から覗いていた。
それが竜児の頭の中でこびりついて離れない。

今日は刺激が多すぎるぜ……。

397 :HOTEL Heart Arta:2009/06/03(水) 00:46:11 ID:kZJ6NQdt

まあ、それはそれとして、だ。改めて大河の方に目をやる。
サイズはこれ以上ないくらいピッタリだ。体のラインに沿うように赤い布が大河を覆っている。
大河らしいささやかな胸もチャイナドレスが持つ独特の風合いの中で見事にマッチしている。下手に大きいよりこのくらいの方が良い。絶対良い。

そしてなにより……だめだ、眩しすぎる。腰本まで伸びるスリットの隙間から僅かに覗く大河の太ももは白く美しく、なのにブラックホールのように見るものを吸い寄せる。
大河が僅かに動く度、その妖艶な輝きは角度を変え、こちらへおいでと引き寄せる。紅いシルクの布は絶妙なコントラストを産み、金の刺繍はスポットライトの如くスリットの間を引き立てている。
なぜ神はこのようなものを私の目の前に与え給うたのか。よもや春田は神の使いなのか。すべてがこの小さな少女を中心に動いているのではないか……

気がつけば、竜児は大河を抱き寄せていた。

「ちょ、ちょっと竜児」
「ハッ!……す、すまん!」
「ううん。良いんだけど……びっくりしちゃって」
「そのかっこ……凄く似合ってる。何て言うか……綺麗だ」
「!!」

大河の顔がみるみる赤く染まる。その色はチャイナドレスの鮮やかな赤とは異なり、優しく、ほんのりと、美しい桃色だ。そのうちその表情は栗色の髪の影に隠れて見えなくなる。
本当に綺麗だと思う。

「大河」
ピクッと大河の小さな体が動く
「好きだ」
ビクッ……もっと大きな反応が返ってくる
「大河の大きな目も、ふわふわの髪も、体型も。それだけじゃない。凶暴なとこも、そのくせ寂しがりなとこも……全部だ」
今度は大河の反応が無い。
「……大河?」



「りゅうじぃ……」

しばらくの間をおいて大河が顔を上げる。

その瞳には、うっすらと涙が浮かんでいた。

「わたし……幸せだぁ……」

……なんと美しいのだろう。他の誰にも見せない、竜児のためだけの笑顔だった。

「……俺もだ。大河」

398 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 00:47:07 ID:ED9leGMY
大河と竜児の愛情満載生殖行為きたー
乙です

399 :HOTEL Heart Arta:2009/06/03(水) 00:48:00 ID:kZJ6NQdt

「アハ……こんなかっこで話すことじゃないよね」
「そうか?」
「そうだよ」

「ね、りゅうじ」
「ん?」

「……どんなかっこだったらこういう話できるかな」
「そうだな……」


虎と竜は並び立つ存在だ。
虎が右を向けば竜は左を向き、虎の見えない世界を伝える。
虎が下を向けば竜は上を向き、透き通る青空の美しさを伝える。
そして、虎が竜を向けば竜もまた虎を向き、互いの体を慈しみ合うのだ。
今、虎は竜の方を向いた。ならば、竜はそれに応えなければならない。


「何も、要らないんじゃないか?」


翌朝ホテルを後にする二人のシルエットは、昨日よりもほんの少し、近くなっていた。

400 :HOTEL Heart Arta:2009/06/03(水) 00:50:24 ID:kZJ6NQdt

後日談。

「あ、みのりんからメールだ」
「おー櫛枝か!久しぶりだなぁ……。どんな内容だ?」
「んっとねー……ひっ」

大河の顔が青ざめていく。目が携帯の画面から離れない。

「……どうしたんだ?」
「なんでみのりんが私たちがラブホテルに泊まったこと知ってるの……?」
「……なんだって?」
「はは……『大河のチャイナドレス姿!オイラも見たかったぜぇ〜』……だって」

もはや言葉が出ない。もちろん俺がバラす訳もない。とすれば……

「さてはあのアホロン毛……殺す」
「おっおい大河!木刀なんか持ってどうすんだ!」
「止めないで!あのハゲロン毛……今日という今日は地獄のモルグにたたき落としてくれる……!」
「言ってることが目茶苦茶だ!まぁまずは落ち着いて……」


……春田。俺はお前に感謝している。だからお前がもし皆にあの日のことを言い触らしていても俺は何も言うまい。

だがな……しばらくは日本から離れた方が良いと思うぞ。

401 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 00:52:28 ID:ED9leGMY
>>392
す、寸止めきつい…いいぞもっとぉ

402 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 00:55:16 ID:ED9leGMY
>>394-400
おつかれい
繁殖行為の手前を期待したけどこういうのも…いい

403 :HOTEL Heart Arta:2009/06/03(水) 00:56:45 ID:kZJ6NQdt
一応以上でおしまいです。数日間長々とすいませんでした。。
以下は没ネタです。これまで以上に気軽に読んでいただけたらと思います。

>>395の途中から分岐します。

気が付けば、大河はいつのまに見つけたのか備え付けの冷蔵庫から牛乳を取り出して風呂上がりの一杯をやりながら、不思議そうにこちらを見ていた。

「どしたの?竜児?」
「おう!?あぁ……いや……なんでもない」
「??へんなの。早くお風呂いっといで」
「お、おう」
「早く行かないとぬーいじゃーうぞー??アハッ」
「……大河……?」
「なぁにぃ竜児〜?なんか楽しくなってきた!」
「もしかして……お前今飲んでるやつちょっと貸せ!」
「あーっどろぼーどろぼー!おまわりしゃーん」
「カルーアミルク……酒じゃねぇかよ……」
「おしゃけははたちになってからぁ〜!いぇい!」
「……」
「あー。りゅうじ私のこと無視するんだぁー。いいもん!あたしにも考えってもんがあるわ!」
「な、なんだよ……」
「いーから見てなさい!」

シュルシュル

そういって大河はおもむろにバスローブの帯を緩めはじめた。お前、その下は……

「大河!それはまずいって!」
「あ、いまえっちなこと想像したでしょ〜?」
「い、いや、俺は別に……」
「嘘だーこのエロ犬ぅ♪それっ!」

バサッ

大河は一気にバスローブを脱ぎ捨てた!その下は大河の……

「チャイナ……ドレス……?」
「どう?にあうかしらぁ〜?」
「……」
「なんかいいなさいよー。……チラッ」

そういって大河は腰本まである長いスリットをピラピラさせる。これはマズい。俺が持たん。

「たっ大河!」
「あらぁ〜発情させたかしら〜?いやーん大河こわーい」
「川嶋みたいなことを言わんでくれ……」
「……別に竜児ならいいよ」
「えっ……?」

そういいながら大河はベットに横になる。重力でスリットが大きく開き、大河の美しく白い足が付け根からあらわになっていた。

「大河……本気なのか……?」

404 :HOTEL Heart Arta:2009/06/03(水) 00:58:53 ID:kZJ6NQdt

「竜児……プッ……アッハッハッハ引っ掛かってやんのおもしろーい」
「なっ……お前なぁ!!」
「ゴメンゴメン、あんまりりゅうじが可愛いからつい!ゴメンね?」

まったくこいつは……人の純情を何だと思ってやがる。

ん……?

「……大河?」
「スゥ……スゥ……」
「寝てやがる……」

チャイナ服で足丸出しで、だけど天使のような寝顔ですやすやと眠っていた。
そういや今日は朝から晩まで動き回ってたんだから疲れて当然だよな……

「まったく……。風邪引くぞー」

そういって布団をかけてやる。

「ムニャムニャ……りゅうじだいすきだからね……」
「!!」

あぁ……きっとこいつには一生叶わねぇんだろうな。俺は。

「……俺もだよ。大河」

そう言って、大河の眠りを邪魔しないように、大河の頬にキスをした。

405 :HOTEL Heart Arta:2009/06/03(水) 01:02:17 ID:kZJ6NQdt
これでホントに終わりです。コメくれた皆さん本当にありがとうございました!
次に長い奴書くときは、もっと良い文章がかけるように精進していきます。。
その日までギシアンで練習じゃあ!

406 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 01:09:16 ID:ED9leGMY
>>405
こっちのエンディングもいい感じだ
確かにどっちも甲乙つけがたいぜ
おつかれさんした

407 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 01:11:01 ID:kZJ6NQdt
「もう6月ねー」
「梅雨の季節か……乾かない洗濯物……殖えるカビ……はぁ……」
「……あんたの悩みは主婦そのものね」
「小さい頃はよくかえるの歌とか歌ってたなぁ……あの頃は梅雨が好きだった……」
「じゃぁ今は私のことが好きになったから梅雨が嫌いになったのねー」
「……大河……」





ギシギシギシギシアンアンアン♪


正直すまんかった

408 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 01:14:49 ID:kZJ6NQdt
>>401,406
全部読んでくれてありがとう!
ラブホシリーズはホントはもっと書きたいこといっぱいあったんだよ……

・冷蔵庫と空ける扉間違えて大人のおもちゃボックスを目の当たりにする二人
・ベッドにおいてあるコン●ームに赤面する二人

とかなww

409 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 01:16:37 ID:ED9leGMY
>>408
それこそ次の機会にぜひ

410 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 01:20:41 ID:+uW4tU14
>>408
スピンオフでw

411 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 01:30:30 ID:kZJ6NQdt
>>409,410
スピンオフてww
でも確かに1ネタ分だとそれほど長くならないと思うからやってみても良いな……。

>>392
今読み終わった!毎度のことだがナイス寸止めww
普段ギシアンばっかり書いてるクセにえっちい描写が苦手なのでただただ尊敬するばかりです。続き期待してるぜ!すぐ後に長編投下してしまってすまんかった。

412 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 01:40:27 ID:oDaG1iCn
最初に言っておく!

>>385-392
ごめん、微妙にネタかぶったw

413 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 01:41:14 ID:oDaG1iCn
「なあ大河、俺が苦手な体位は何だと思う?」
「な、何よ藪から棒に……特に苦手なんて無いじゃない」
「正解は騎乗位だ。虎に馬乗りになられるからトラウマに……って、た、大河?」
「いきなりそんなエロオヤジトークをやらかすエロ犬にはお仕置が必要ね……
 あんたが苦手だっていうソレでたっっっっぷり搾り取ってあげるから覚悟しなさい」

ギシギシアンアン
ギシギシアンアン
ギシギシアンアン
ギシギシアンアン
ギシギシアンアン
さらにギシギシアンアン

414 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 05:45:51 ID:VJW9eN5/
別荘から帰って

竜児「なぁ大河、あのi-pot貸してくれないか?
結構、俺の好きな曲入ってたんで」

大河「食事の準備もするのよ!ハイこれ」

竜児「サンキュー!さぁ聴きながら準備するか」

大河「………りゅーじー、今日のおかずなーに?」

竜児「フン♪フフン♪」トントントン

大河「あっそっか聞こえないか………
そーだ!りゅっ りゅーちゃーん///」

竜児「トゥ♪トゥー フレ〜ンズ♪」カチャカチャ


ー5分後ー
竜児「フン♪フン? あっバッテリー切れか?」

【作詞・作曲 逢坂大河 『わたしと駄犬』】

大河「スキスキスキー♪わたしのいぬぅ〜♪」

竜児《……聞こえないことにしとこ》

大河「(セリフ)わたしだって〜 優しい言葉で〜竜児に来られら〜キャッ!
スッキスキスキー♪」

竜児《!!!》


ーさらに5分後ー
大きな声で 竜児「さあできたぞ」←棒読み


ーさらに食後ー
竜児「なっ・なぁ大河 、体調とか大丈夫か?」←竜児の思いつく優し言葉

大河「うん?大丈夫だけど?」

竜児《あれ?》

竜児「掃除してやろうか?」←さらに優しい言葉つもり

大河「???いつもしてるじゃない?旅行で疲れてるの?
私も疲れたから帰って寝るわ、じゃあね」 バタン

竜児「あれー???」


年齢イコール彼女が居ない年数。

極端な男 高須竜児17才、後の初告白は『嫁に来いよ』である。

415 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 06:43:37 ID:QpnMCZtM
>>414
お前に惚れたwGJ!

416 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 06:52:37 ID:wEeI/Sbw
まとめ人様の一言で9スレ目が一番ギシアン多いんじゃね?
俺のだけでも五個くらい\(^o^)/

417 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 09:08:08 ID:bG9RTFJR
前半は腰を振るのを忘れたかのようにギシアン不足だったからな

418 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 12:55:45 ID:QpnMCZtM
久々に7巻読んでボロ泣きした。ゆゆこ書き方おかしいのに、泣かせんなよw

419 :虎飛び出し注意1/3 ◆wVNPBvxl56 :2009/06/03(水) 14:58:20 ID:8pSW3Mqs
 ハチミツきんかんをすすってリラックスする大河のけぶる髪を実に三十分かけてくしけずった竜児は、困憊していた。
髪を梳かすのに消耗したわけではなかった。むしろ髪の手入れや三つ編みやらお団子やらは、
手先が器用で凝り性の竜児には楽しい作業で、何の苦にもならない、のだが、今回ばかりは相手がまずかった。
大河の髪をいじるのは今に始まったことではないから、つまり、大河がいつもの大河ではないのだ。

「終わり?」
「終わりだよ。これ以上梳かせる場所は存在しねえ」

 大河はお湯割りハチミツきんかんをマドラーでかき混ぜ、処女雪のように白い咽喉も露わにそれを飲み干した。
その挙動の一つ一つが、竜児の心をグラスに沈んだハチミツみたいにかき乱す。
 ひょっとして挑発されているんじゃなかろうか。無言で差し出された空のグラスをシンクで注ぎながら、
フローリングにぺたんと座り込んだ大河を窺う。金属の取っ手を外して底の内側まで入念に洗うが、
それは結局三十秒足らずで、上記のような漠然とした憶測を浮かび上がらせるくらいしかできなかった。
 だとしたら一体、何のために。水分を拭ったグラスをピカピカに磨き上げてようやっと一分。
推測も自分の気持ちも一向にとりとめないまま、大河に急かされてその傍らに舞い戻る。

「遅い。主人が呼んだらまっしぐらに飛んでくるのが犬の務めでしょうが」
「犬はさておきこれでも急いだんだよ」

 嘘だが。

「……で、なんだよ今度は」
「あ、考えてなかったわ」

 ちょっと待ちなさい今考えるから、と長考の構えを見せる大河に脱力し、竜児は挙手する。
 先生、質問。

「何その手は。宣誓? 一生犬として私に仕えると誓いを立てるのね?」
「あほか。それもやぶさかじゃないがそうじゃなくて俺はさっきから何をさせられてるんだ?」

 今何か聞こえた? 大河はきょとんとした顔で首をひねった。少し早口で聞き取れなかったのだ。

「あんた今なんか言った?」
「お前な。黙殺する気か。お前はさっきから俺に何をやらせてるんだと」
「そうじゃなくて、それの前になんか言ったでしょ?」
「……言ってない」
「でも今……」
「んなこたいいから質問に答えろって」

420 :虎飛び出し注意2/3 ◆wVNPBvxl56 :2009/06/03(水) 14:59:28 ID:8pSW3Mqs
ttp://sakuratan.ddo.jp/uploader/source/date111905.jpg
 竜児は大河の正面にしゃがみこんだ。どう見てもコンビニ前にたむろっているヤンキーにしか見えない。
もっともそのヤンキーは無意味にガンつけてきているわけではなく、大河がどうしてしつこくからかってくるのか、
理由を知りたくてその目を覗き込んでいるだけだ。大河が意外に粘着質なのは寒気がするほどよく知っているが、
今回はどうにも裏が読めない。怒ってないなんて意地を張っているときとは打って変わって、一見本当に楽しそうなのだ。
 今まで不機嫌から八つ当たりの矛先を竜児に向けることはしばしばあった(別に気も晴れないだろうに)が、
ただ竜児が丁度やり場のない感情の噴出し口になっていただけで、それらはある意味能動的なものではなかった。
単に大河の不器用さの顕れくらいの意味でしかなかったのだ。ところが今はどうやら、積極的に竜児をからかって、
竜児が恥らったり慌てたりする落ち着かない様子を楽しんでいるようなのだ。
 積極性以外にも異なる点はある。それは、普段は話題にすることすら避けたがるほど劣等感を抱いている身体を、
今日に限って妙に主張することだ。しかし今日と言ってもまだほんの一時間も経っていないついさっき。
以前にも「平らでしょ」と哀れ乳な水着姿を見せたことはあったが、あのときはほとんどヤケだったのに違いない。
そのときから成長したわけでもない身体を急に見せびらかしたくなる原因は一体何なのか。
 しかも自らをダシにして竜児をからかうと言うことはつまり、竜児が大河を意識してしまっていることを知っているのだ。
勿論竜児が照れなければそんなからかい方をしても面白くないだろうが、大河はそれをどう受け止めているのか。
何と言っても日ごろ飼い犬だの何とも思っていないだのと喧伝している当の相手が、
自分を異性として意識していることを知ったときの気持ちはいかばかりだろう。
本気で何とも思っていなければそれを面白がって竜児を嘲笑することもできようが、
いたずらを思いついた子供のような目をした大河からは、そんな屈託は一向に感じられないのだ。
そしてただからかっているにしては、竜児の反応だけではなく色々と世話をさせることも嬉しくて仕方がないように見えるのは、
竜児の見間違いなのだろうか。ご機嫌なのは結構だが、真意が明らかにならないといささか不気味でさえある。
悪いものでも食べたとか? いや、竜児が作ってものしか食べていない。
 大河の企み顔がぱっと輝いた。

「あ、じゃあ肩でも揉みな」
「じゃあ、じゃねえよ、お前肩凝るほど胸」

 竜児は内臓に突き抜けるような衝撃を受けてくずおれた。

「肩」
「……おう」

 容赦のない肘であった。

「ちょっと待て、今ゴムとってくるから」
「ゴム!?」
「ああ、髪が邪魔だろ」
「……あ……うん、そうね。ヘアゴムね」

421 :虎飛び出し注意3/3 ◆wVNPBvxl56 :2009/06/03(水) 15:00:33 ID:8pSW3Mqs
 肩揉みは竜児にとって想像を絶するほどの試練となった。あまりに生々しい情報が両手から否応なしに侵入してくるのだ。
大して凝っていない薄い肩の感触は刺激的に過ぎた。手にすっぽり収まる両肩は驚くほど華奢で、注意しなければ壊れてしまいそう。
親指が優しく揉みほぐすうなじのしなやかな筋肉の弾力。肩越しにちらつく胸元の隙間。目のやり場に困ること甚だしい。

「……で」
「で?」
「さっきの答えは何だよ」
「さっきのって?」
「……だから、なんで今日に限ってこんなしつこくからかうんだよ」
「ん? 嫌だった?」

 あくまで明るい声音がまた動揺を誘う。

「そ、そういうわけじゃねえけど……まあ、やってることはいつもと変わらないし。
 でも、お前、今までこういうからかい方はしなかったじゃねえか。だってよ、これじゃさ……」

 竜児は言いよどんだ。

「こんなこと言うと嫌がるかもしれねえけど、やっぱさっきのこと怒ってんじゃないのか?
 どう見ても事故だが、いいよ、八つ当たりしたっていい。何なら百歩譲って俺が悪いってことでもいい。
 でも何だってこんな……いつもなら殴るとか蹴るとか目潰しとか、そんなんでおしまいじゃねえか」
「別に怒ってないわよ? ただあんたがはっきりしないからちょっといらついてるけど。
 言いたいことがあったら具体的に言ったらどう。『こんな』とか『こういう』じゃ分かんない」

 お前も質問に答えないじゃねえか。そう言いかけて竜児は口を噤んだ。はっきりとした答えを避けているのは二人とも同じだ。
お互いがお互いに何か正直な気持ちを隠しているようにも思える。日ごろの当意即妙ぶりに比して何とも噛み合わない。
顔を合わせられないのも一因となっているのかもしれないが、まっすぐ見つめあうのも気恥ずかしく、会議は踊る状態。
 竜児の手が肩の上で拳を作った。もどかしい緊張は筋肉を収縮させる。

「だからこんな……なんでこんな、お前、分かっててなんでさ、こんなの、生殺しだ」

 大河は肌が粟立つ感覚に身体を震わせた。ついに、言ってくれた。態度だけでなく言葉で手に入れた。
やはり竜児は大河を「どうか」したいと思っているのだ。それでも、実乃梨への想いからか、あるいは大河を大事に思う気持ちも含めて、
絶対に手を出すまいと決めて大河のわがままに付き合ってくれていたのだろう。何て――なんて嬉しくて、切ないのだろうか。
また別の期待に胸が膨らむ。その気持ちがどこから、いつから沸き起こったものなのか、今度はそれを知りたい。
さきほどの事故はただのきっかけで、ずっと前からそれは竜児の胸に潜んでいたのであってほしい。
竜児が大河の名を呼び、ずっと側に居ると宣言したあの日から、大河は竜児が必要になっていた。
大河がそんな簡単なことに今更気づいたように、竜児だってやっぱり……。
 竜児はどんな顔をしているのだろう。傷つけたくはないけど、きっと辛そうな顔をしている。竜児は生真面目だから。
片想いの相手がいるのに大河を求めるのは不義理だと、自分を嫌な男だとでも思っていることだろう。
そうやって悩ませるように仕向けたのは大河だ。ならば、悩まなくてもいいと教えられるのも大河だけだ。

「あのね」

 肩に置かれた手に触れ、大河は背後の竜児を振り返った。竜児はばつの悪そうな顔をしている。身動きがとれずもがいているのだ。
 その目を正面から捉えて見つめる。その真剣な顔に竜児は一瞬目を見開き、拳に添えるように触れた小さな手と見比べた。
大河の熱っぽい目は何を物語るのか、思わず吸い寄せられそうになる。
 これはもしや、いやもしかしなくても、誘われているのではないだろうか。
 大河に、俺が、どうして?
 竜児は何がなんだか分からなくなった。

「悪い、俺……やっぱ、帰ったほうがよさそうだ」

 大河の手をすり抜けるように立ち上がった竜児は、早回しみたいな動きで大河の視界から姿を消した。
 広すぎる部屋にはあんまりな事態にぽかんと口を開けた大河が独り。

「……え?」

422 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 15:09:14 ID:bG9RTFJR
更新きたー
挿絵もナイスです
竜児ドキドキだなあ

423 : ◆wVNPBvxl56 :2009/06/03(水) 15:11:23 ID:8pSW3Mqs
進行が早すぎて追いつくのが大変なスレですね(嬉しい悲鳴)
展開も投稿も遅くて大変申しわけないです。

>>391
竜児をエコカーに例える辺りがツボにw
こういうギシアンを待ってました。丁寧でラブラブで言うことがないですw

424 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 15:45:26 ID:bG9RTFJR
>>423
いいさいいさゆっくりでいいさ

425 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 15:59:55 ID:SbnBBkhH
>>423
いいのだよ。急いで作品の質が下がったりするよか
ゆっくり書いたほうがなんぼか!
挿絵いいね、携帯の待ちうけ変更しなくちゃ

426 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 18:40:52 ID:6W5LAfJ6
クオリティの高い挿絵を見た後は気が引けるが投下してみる
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org90730.png.html

427 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 18:54:39 ID:LjJuH0wt
>>426
GJ!
制服大河も是非!

428 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 21:04:28 ID:BgYUlpFZ
>>421
ギャハハハハ、いつまでも甘やかせてらえると思ってるからそんな事になっちゃうんだよ。
ばっかじゃねーのタイガー。駆け引き楽しいって思った?ま・じ・わ・ら・え・る。

って、亜美ちゃんが言ってた。

竜虎不幸耐性の低い、一スレ住人として、固唾を飲んで展開を見守ってる。

429 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 21:22:13 ID:bG9RTFJR
>>426
とらドラカラーだお

430 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 22:07:46 ID:iwLa7anb
>>421
大河…TT

431 : ◆askgvpoGB. :2009/06/03(水) 22:38:24 ID:A+kNSclW

>>393,401
ご感想ありがとうございます。嬉しいです!
>>411
とんでもありません。同じネタで一緒に走ってくれる人がいてどれだけ助けられたかw
ホテルのお話楽しませてもらいました。どっちのエンドも素晴らしいと思います。
>>412
全くお気になさらずに。虎に馬乗りw
>>423
竜児は絶対エコカー以外買わないと踏んでるんですがねw
あなたの絵は前からとても大好きです。これからも2828させて下さい。


ちょっと今日は投下難しいと思います。
ホント申し訳ない。明日でお願いします。


かわりに、というのも変ですが、人生初のギシアンを書こうと思ったんです
が・・・・正直すみませんでした。
特に>>408さん。ちょっとかぶりごめんなさい。

432 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 22:39:46 ID:A+kNSclW

「ちょっとー! りゅーじー?」
「ん?おう、何だ?」
「って、こっち向いて話しなさいよね? ねぇ、今晩はこのお肉にしよ。ね、ね、いいでしょ?」
「ああ…………」

「何よ、ぐずぐずしてるとレジで買ってきちゃうからね! ……ん? あんた、何見てんのよ?」
「ん。ああ、これか?何か新発売みたいだ」
「なっ!? あんたそれコンドームじゃない! ちょっと止めてよ! かのう屋でなんか買いたくないわ!」
「いや、でも、これ見てみろよ? 当社比薄さ1/20だってよ、すごくないか?」

「…………な、なんですって!?!? けっ、けっけっけしからん商品ね!こここここれは!!!」
「お……おい大河? そんなとこで固まるな! あああ、赤くなったまま俯いて凝視すんな!」
「そ、そんな…………そんな…………1/20って、にににじゅうぶぶんのいちなんて、そんな…………」

「おう?!?! おまえ、あ、あそこのおばさんと小学生にガン見されてっぞ! おい、おい!」
「りゅうじっ!!!!」
「な、何だよ? まぁ、これは今日はいいよな? まだ家にストックあるし……」

「わたしこれ買って帰る!!!!!!!!!!!」

「おおおおおう?! バカおまえ! 声がでかい! ああぁぁ、頼む、頼むから周りを見てくれぇええええ!」
「何言ってんのよ!! さぁ、早く買って帰るのよ! ほら! 早く!」
「コラ! 店の中を走んな! おい、この肉どうすんだ? おい、大河あああ!」

バン!

「いらっしゃ………ひぃー!! て、ってって、てのっりっ………」
「げ…………牛乳女じゃないのよ、なんだってこんな時に……チッ!」
「あ、いつもお世話になってます。珍しいですね、今日はバイトですか?」
「ほら! 早くレジ通しなさいよ!!!」
(……おい、大河。そんな背面の商品説明図を隠したっていくらなんでもバレるだろう)
「はっ! はいいい!」

ピッ!

「はい通った! じゃーもういいわね? 袋はいらないから!」
「あの……3150円になります。ってそれ何なんですか?」
「んが!? た、高いぞ大河! それは高い! なんてMOTTAINAI!!!!」
「これは台所用のゴム手袋よ! 超コンパクトで12回分入ってるの! そう思いなさい? じゃないと……」
「え? でも、ね、値段が! レジの故障か何かじゃ? もう一回通してみるから返してもらっても……」
「いや、待て! 待てって大河! やっぱり返品しよう。俺らにはちょっと贅沢すぎる」
「あーもう! あんたたち、うるさあああああああああい!!!!」




・・・・なんか、気付いたらこうなってた。


続きよりも、投下中の作品に戻ります。途中ですみません。
もし良ければですが、誰か好きなように料理してやってくれると嬉しいです。
それでは失礼します。


433 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 22:43:10 ID:mFVg1X5O
スーパーで近藤ムー子さんは売ってるもんなのか?w

434 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 22:48:59 ID:gGuaoTRM
>>433
元スーパの店員から言わせてもらうと、普通に売ってる。
ただ、薬局が入ってないところは、種類とか数とかは少ない。

あと、大体、中身が見れないように紙袋とか、濃い色の袋に入れられる。

スレチすまそ

435 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 22:59:03 ID:hVUyo8bH
避妊は大事だ

436 : ◆wVNPBvxl56 :2009/06/03(水) 23:26:43 ID:8pSW3Mqs
>>422
お待たせしました。
>>424-425
ありがとう。でもできるだけ頑張ります。
>>426
背景の大河が気になる!
>>428
亜美の声で脳内再生されました。
>>430
竜児はこういう奴である方が萌えます。
>>431
ありがとう。続き待ってます。

>>433
当然袋は要らないですよ!

>>314
眼鏡大河のかわいさにやられて僭越ながら色を塗らせていただきました。
ttp://sakuratan.ddo.jp/uploader/source/date111951.jpg 黒
ttp://sakuratan.ddo.jp/uploader/source/date111952.jpg 赤
あでも竜児の眼鏡も……イイ。

437 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 23:44:49 ID:wEeI/Sbw
「なあ大河、明日学校休まないか?」
「どしたの急に?生真面目なあんたが珍しいわね」
「いいから。出掛けるなりなんなりしようぜ」
「デートなら休日でいいじゃない、明後日なんだし」
「…」
「何よ急に黙って…もしかして何かやましい事でもあるの?」
「………」コクッ
「ふうん…でも理由を話さないとだめ。怒らないから、ね?」
「…明日…その…」
「うんうん」
「…内科検診だろ…?」
「そういやそうね。でもそれが何…あーなるほど」
「…///」
「内科医に私の肌を見せたくないって事ね?」
「そうだ…脂ぎった中年親父の指が大河に触れるなんて許せねえんだよ、考えるだけで虫酸が走る!」
「ん、みのりんの言った通りだ。安心してよ、今年は女の人らしいから」
「!! 本当か!?」
「ええ。てかそんな事気にしてたわけ?」
「そりゃそうだろ、好きな女の肌を他人に見せるなんざ御免だからな」
「えへへ…でも今年は女の人なのよね。じゃあ…」
「安心しろ、多分ヤクザ面の俺の顔みたらそれどころじゃないから」
「そっか、そうだよね。でも一応…他人に見られる前に、ね…?」
「…おう…」

ギシギシアンアン

438 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 00:24:02 ID:3ixTXkmd
>>436
あ、やっぱり能登めがねであってたんだ。よかった。

てか、そんな問題じゃない。すげーっ。このスレはやっぱ楽しいわ。文と絵、
絵と文、文と文、絵と絵のオマンジュウが素敵すぎる。

ちなみに >>314 の元絵の時から、竜児が眼鏡屋の店頭で試着しながら
あれこれ悩む姿を考えてニヤニヤしていた俺は病気。

そんでもって、>>436 の絵をブラウザの別タブに表示させて、タブ切り替え
アニメをやった俺は人生の勝利者

439 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 00:43:45 ID:Q7GXxIFA
大河「りゅーじー、今日も帰りに買いもの〜?」

竜児「オォ!今日は週イチの特売の日だからなー
そうだ、今日は混んでるから先に帰ってろ、おまえ嫌いだろ?混んでるの」

大河「ハァァ!仕方ないから行くわよ!駄犬の散歩も主人の仕事だから……
それより竜児、お弁当!」

竜児「ほらよ」

大河「わたし飲み物買って来るから
主人が戻るまでその場でステイしてなさい、駄犬!」

竜児「俺の優しさをなんて乱暴な言葉で………」

実乃梨「チッチッチッ! 高須君はわかってないな〜 大語が」

竜児「タイ語?」

実乃梨「そうさぁ〜大語!大河の言葉、大語!
大語にはちょっと意味があるんダゼ!【高須君限定だけどね】
じゃあ〜仕方ない。この、みのりん・櫛枝が教えてしんぜよう!」

竜児「あぁ…」

実乃梨「じゃあさっきの会話を例にいきましょう。」

『りゅーじー、今日も帰りに買いもの〜?』
実乃梨「これを大語に直すと『今日もお買い物♪』とか
『今日もお出かけ〜♪』となるんだよ!
【正しくは『今日も竜児と〜』なんだけどね…】」

竜児「そうか?俺には、ただ面倒クサイだけにしか聞こえないぞ?」

実乃梨「まぁまぁ、これからだから。」

440 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 00:44:52 ID:bqUy/KNy
とらドラ!で三題噺

目をつぶって、とらドラ!のどれか一冊を開いててきとーに指で押さえる。
指の場所の近くの、目に付いた単語を一つ抜き出す。
これを3回繰り返して、得られた三つの単語を織り込んでSSを書く。

441 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 00:46:18 ID:bqUy/KNy
>>439
割り込みすまんorz

442 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 00:48:01 ID:Q7GXxIFA
>>439のつづき

実乃梨「では!次いってみよ〜!」

『ハァァ!仕方ないから行くわよ!駄犬の散歩も主人の仕事だから』
実乃梨「これは『私も買い物行きたいな〜』とか
『私も出かけたいな〜』になります。
これも正しくは【竜児と一緒がイィ〜】だな」

竜児「そうか… 大河も買い物に行きたかったのか…」

実乃梨「………………では最後に」

『主人が戻るまでその場でステイしてなさい、駄犬!』
竜児「これはわかるぞ!『先に食ったらタダじゃ済まさない』だな〜♪」

実乃梨「…………まぁ合ってるって言えば合ってるけど
これは『1人で食べるのはイヤだな〜』とか
『一緒に食べたいな〜』が正解です」

竜児「そうか、みんなで食った方が旨いもんな〜」

実乃梨「…………じゃあさぁ高須君、全部まとめると?」

鈍犬「えぇーと、大河は今日買い物に行きたくて、弁当はみんなで食いたい。だな!」

実乃梨「………………高須君はクラッシャーだね」

春田「たかっちゃ〜んメシ食おぅぜぇ〜」

能登「何々?なに話してるの?櫛枝フリーズしてるし」

竜児「あぁ、大河の言葉の意味だ。
まぁ、アイツは素直じゃないからな、俺が気づいてやらないと」

能登「あぁ〜なるほどね」

竜児「なんだ能登?……アッ!櫛枝!俺もタイ語でわかるのがある!」

実乃梨「ナニ?ナニ?」

竜児「大河が」

実乃梨「大河が?」

竜児「テリと言うと」

実乃梨「てり?と言うと」

竜児「照り焼きのことだ!!」

実乃梨「…………………」

春田「!!!たかっちゃん!そんだけでわかるの〜すげー!!」

鈍感な犬「まぁな」

443 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 00:51:08 ID:Q7GXxIFA
>>441
こちらこそスンマセン、終わりましたので

気を取り直してドーゾ!!

444 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 00:56:14 ID:bqUy/KNy
>>443
鈍感犬w
実に竜児らしいというかなんというかw

445 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 00:58:28 ID:bqUy/KNy
お題 「卓袱台」「髪」「交際」



 大橋高校では、三年次の頭に三者面談がある。
 親が仕事の都合等でこれに参加出来なかった場合、後日家庭訪問ということになるのだが……


 独身が困惑している。
 まあ当然かもしれない。なにせ三者面談のはずなのに、卓袱台を囲むのは四人。
 俺、泰子、独身、そして、
「逢坂さん……なんであなたが……?」
「うちは〜、大河ちゃんも入れて三人家族ですから〜」
 答えたのは大河ではなく泰子。
「……ええっとですね……高須君のお母さん……」
 さらに混乱する独身に、さらに追打ちの一言。
「大河ちゃんは〜、竜ちゃんのお嫁さんでやんすから〜」
 ……今、独身のこめかみがピクっとしたような。
「……高須君と逢坂さんが交際してるのは、私も知っていますけど」
「交際じゃなくて、こ、婚約者ですけん!」
 大河……それは今宣言することか?
 ギギギと軋む音が聞こえそうな動きでこちらに振り向く独身。
「た、高須君、今のは……」
 無言で頷く俺。
「逢坂さんの親御さんは……?」
「……一応、了承済みです」
「そ、それは、よかった、ですね」
 平静を装っているつもりなのだろうが、明らかに笑顔が引きつってるぞ、独身……
「えと、先生、進路の話ですよね」
 ともかくさっさと本題を進めないと……
「そ、そうですね。ええと、お母様のご希望は?」
「やっちゃんは〜、竜ちゃんにはい〜っぱい勉強してもらって〜、えらい人になって欲しいでやんす〜」
「……それは、進学希望ということでよろしいですね?
 高須君は、以前は就職希望という話でしたが……」
「それなんですが先生、俺も進学を希望したいと思います」
「大学を目指すのね?」
「はい、経済的にはじいちゃんが多少援助してくれることになりましたし、
 将来的にきちんと自立できるような職に就く為には、やっぱり大学は出た方がいいと思いまして」
「そうね、先生もその方がいいと思うわ。
 だけど、あれだけ固い決意で就職を希望をしてたのに、よく考えなおしたわね?」
「それはまあ、色々ありましたし……何より結婚してからきちんと大河を養っていけるようになりたいですから」
「けっ、けっ、結婚……」
 ……しまった。思いっきり地雷踏んだ。
「結婚……教え子が先に……同窓会に呼ばれて……皆結婚してて……子供もいたりして……私だけ独りで……白髪にシワだらけで……」
 おーい、戻ってこーい。

446 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 01:16:16 ID:bqUy/KNy
ふと思い立ってやってみたがすげー難産orz
当初「卓袱台」「髪」から高須家まったりタイムで考えたけど、
竜児達に会話させてても「交際」なんて固い言葉あんまり出てこないですよママン。

その後もう二つ三つプロット段階で没にして、
結局「卓袱台」「交際」から書いて最後に無理矢理「髪」を割り込ませたり。

447 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 01:29:38 ID:Q7GXxIFA
>>446
なんか斬新なアイデアですね、みんな可愛いくておもしろかったですよ

予告も無しに書いて本当にスンマセンでした、ではまた

448 :314:2009/06/04(木) 01:36:01 ID:NPCBAL/p
>>314見てくれた方、画像の向きすみません!
いつもは気をつけてるんだけど忘れてた。携帯の仕様なんです…

まさか、能登の眼鏡だと伝わるとは思ってなくて
>>327見てぶわっと鳥肌が立った。
そして色まで塗って下さって、嬉し過ぎる…
お二人とも本当ありがとうございます。

wVNPBvxl56さんの絵、自分の絵柄でありながらすごく大河と竜児らしくて
すごく好きです。また投下楽しみにしてます。

449 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 02:09:50 ID:jaDiq8We
>>438

おマン汁……だと?

450 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 02:59:35 ID:JyoPRl6o
ちゃぶ台 髪 交際

人の褌で相撲をとるのはいけないと分かっていながらやってしまった。すまない。



「交際8年目おめでとう、大河」
「おめでとう、竜児。いつもありがとね」

互いの将来を誓い合ったあの時から8年。二人はもう25歳。立派な大人になっていた。
竜児が社会人になってから、大河は再び竜児の家に来るようになった。高校生のときと違うのはただ一点。大河もこの家に住んでいるということだ。
大河の両親は快く送り出してくれたそうだ。きっと俺の知らないところで色んな努力を大河はしてくれたのだろう。

「なぁ、大河」
「……なに?竜児」
「話があるんだ」

そう言って大河の目を真っ直ぐ見つめる。どうやら少し動揺しているらしい。

「な、なによ急に改まって」
「今日、大河にもう一度伝えなきゃいけない事があるんだ」
「な、なに……?」


「嫁に来いよ。大河」
「!!」
「これ、受け取ってくれ」
そう言って俺は小さな青い箱をちゃぶ台の上に置いた。

「竜児……」

451 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 03:11:39 ID:JyoPRl6o
>>450続き 何故に連投規制……


おずおずと大河の細い腕が伸びる。箱を手にとって……
「……あけても、良い?」
「……おう」
大河の手は震えている。緊張しているのだろうか。ゆっくりと、ゆっくりと、リボンを解いて、箱をあける。

「……っ!……綺麗……」
「……受け取って、くれるか?」
「……りゅうじぃ……ヒック」
「お、おい。どうしたんだよ?」
「……ヒック……嬉しくて……ヒック……涙がとまんないの……」
「大河……」

抱きしめたい衝動を堪えて、そっと大河の肩に手を添える。

「……結婚しよう。大河」
「……ヒック……私なんかで良いの?」
「ああ。大河が良い。」
「……後悔しない?」
「ああ。大河が大好きだ。」
「……りゅうじぃぃぃーっっ」

大河が胸に飛び込んで来る。ふわふわの髪からはいつもの大河の匂いがする。

「わたしも……ヒック……りゅうじと結婚したい……ヒック」
「大河……!」

やっと、聞けた。
両腕でしっかりと抱きしめる。大河を絶対に離さぬように。この幸せが零れてしまわぬように。

「絶対に幸せにするからな。大河」
「……うん」


月明かりさえ差し込まぬ質素なアパートの一室。ここに新しい愛が実りの時を迎えた。
永遠の輝きを放つダイヤモンドの指輪が、二人を優しく照らしていた。

452 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 03:45:16 ID:bqUy/KNy
>>450-451
SUGEEEEE!
これだけのモノをさらっと書けるなんて……

453 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 07:55:18 ID:7qWHNosR
気付けばこのスレも409818バイトでござるな
今のうちに埋め立て用のネタを書き上げておかんとあかんな

>>432
いいぞいいぞまぎらわシリーズ
というか逆まぎらわシリーズかな

>>434
薬局無いところでも売ってるのかおそろしや
我が地元は田舎だから小規模スーパーどころかコンビニでも見たこと無いのです
ああだからDQN多いのかwwww

454 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 07:57:13 ID:7qWHNosR
>>436
きゃわわ♥

>>438
Styleのビューワで開いて同じことをやった俺は輪廻の解脱者

455 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 07:57:38 ID:7qWHNosR
>>437
やきもち竜児

456 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 08:12:49 ID:7qWHNosR
>>439>>442
なんという鈍感w
2828だぜ

>>445
全独神が泣いた

>>448
PCに喧嘩を売るような仕様の携帯が悪い
俺の前の携帯なんか2chに書くとUTF-8に文字化けすることがあった
さすが東芝だと思った

>>449
こらw

>>450-451
全婚約者が泣いた
午前3時台だとアクセス少ないから規制きついね

457 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 09:49:19 ID:nDYX2nwx
大河と竜児のラブラブスピンオフを読むには…
ゆゆぽを落とせばいいのか!
橋の下から「嫁に、こい」でいいかな

458 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 09:58:17 ID:Li4WRlUO
むしろ角川歴彦を落とせばいいんだよ
橋の下から「やらないか」でいいかな
アッー!

459 : ◆wVNPBvxl56 :2009/06/04(木) 11:57:06 ID:0dsRGD/a
>>448
とんでもないです。つか綺麗な線だったのに消しちゃってすみません!

460 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 13:33:47 ID:ZDEqrSha
ところで一話ifの二人と幼児竜児はry

461 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 14:43:17 ID:YXPqhpaR
黙して待て。
そして来なくても泣くな。

462 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 15:52:44 ID:wQk3WFqv
>>427
へい
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org93096.png

カラー難しいな

463 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 19:20:12 ID:Li4WRlUO
>>462
おお上手だ

464 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 20:43:05 ID:jNFLrHpz
次→【ギシギシ妄想】

465 : ◆askgvpoGB. :2009/06/04(木) 23:55:09 ID:ML7ZGAQk

>>433
取りあえず近所のスーパーで売ってるみたいで良かったです。
>>453
ありがとうございます。


それでは、これより投下します。10レス弱くらいです。

466 :【 - midnight - 】 32 ◆askgvpoGB. :2009/06/04(木) 23:57:08 ID:ML7ZGAQk


両脚は竜児の腰の外側、両腕は胸元に置いて。これでちょっと前屈みになってっ……と。
抜けないようにお尻の高さを調整して、よし、これで膝と腰を使えば……

「あっ……」

うん。いい感じ。……なかなか難しいわね、こういうのも。

「まっ、待たせたわね、竜児!!」
「おう。待ってはいないけどな。おまえの顔見てると面白かったし」
「……っ! いっ、今に見てなさいよ!」

竜児に乱されたけど、集中するように呼吸を整えて動き始める。
ゆっくりと腰を沈める。入り口に竜児の出っ張りが全部入るまで。ほんの少しだけ。
そしてそこからまた腰を上げる。今度は出っ張りが入り口を出るまで。
ゆっくり、慎重に、お尻を動かしてそれを繰り返す。なんかくぷくぷ音がしていやらしい……

「おおおうっ!? おまえ、それっ……!」
「こ、これ、どうかな? りゅ、りゅうじ……っ……」

――やばい。自分で言うのも恥ずかしいけど、これは気持ちいい、かも。
しかも、腰を沈めた時に入り口に巻き込まれるみたいにアレも……当たる。
これで……こんなのを繰り返すの? 思わず自分の手をぎゅっと丸めてしまう。

震える膝が心許なくて、ちょっと竜児の脇腹の辺りに膝を乗せてみる。
あっ、何かこれ安定するわね。恥ずかしい格好だけど……乗馬してる人みたいで……


「ね、ねぇ、竜児?」
「お、おう?」
「これ、さ、なかなかいい考えだと思うんだけど?」
「そ、そそそそうだな!……なかなかどころか、かっ、かなりいい考えだと思うぞ?」
「やっぱり?……っていうか、なに焦ってんの?」
「いいいいや。な、何でも……ないぞ?」
「ふふん。まぁ何でもいいわ。……ねぇ、竜児。あんたは動くんじゃないわよ?」
「それは……何ていうか……拷問に近くないか?」
「だから、動くなって言ってんのよ。…………そこでステイよ、わかった?」

熱い吐息と共にかすれるような声で竜児に命令する。
胸のドキドキが速すぎて息苦しい。肩で息をするように喘ぎながら動き始める。

「あっ……あっ…んっ……っ」
「……おっ……くっ……」

ほんの2,3センチくらいずつ、ゆっくりと出し入れしていく。
入り口が押し広げられる度に甘い刺激が走って、ヒクヒクと収縮してる。
その快感に押されるがまま、自然と腰の動きが早くなってっちゃう……

「ああぁっ……りゅう、じ……これ、気持ちいい……っ」
「んおっ…おう!……だめだ、腰が動いちまう」
「だめっ! 我慢しなさい。……あっ…………私が、動くんだから」

小刻みに腰を上下させていく。ゆっくり、なんて言ってられない。
ちゅく、ちゅくっていやらしい音がどんどん大きくなっていくの。



467 :【 - midnight - 】 33 ◆askgvpoGB. :2009/06/04(木) 23:57:58 ID:ML7ZGAQk

「んっ!……ちょっと、た、たいがっ!?……速い、速いって!」
「う、うるさいな、あんっ……黙ってなさいって、集中……んっ…できないでしょ!」

お腹の奥がピクピク震えてる。物足りないんだ、竜児がいないから……
そう……ね。この動きも気持ちいいけど、奥にも欲しいもんね。
でもだめ! 今は竜児のこと気持ちよくさせるんだから!

「くっ……っ……ぐっ……たい、がっ……」

顔を上げて竜児をこっそり盗み見る。
ふふん、目をぎゅっと閉じちゃって気持ちよさそう。
さっきと同じように胸が熱くなってきて、ずっと竜児から目を離せなくなっちゃう。

「くあっ!」
「ああんっ!!!!!」

いきなり竜児の腰が大きく跳ねて、出っ張りが私のアレを思い切り擦り上げた。
痛いと感じるくらい強烈な刺激に頭も身体も痺れてしまう。
ビリビリとした快感が全身を駆け巡って動けなくなる。
ああ、だめ…………スイッチが入っちゃうよ――――



「ちょおっと! 動いちゃ…だめ…って言ってるのにぃ……」
「しょうがないだろう! そんなに、そこばっかり動いてたらっ……」
「…………だまれ」

ジロっと竜児を睨む。
片手をお尻の下にまわして、竜児の塊をふんむ!と握る。


「おほぉぉぅっ!?」

お腹の上に手を置いて、そこで竜児を握り締める。もう動くな!とばかりに。

「こ、固定よ……こ・て・い!」
「に、握りつぶすなよ? 固定なら固定だけだ。な? あああ、あんまり力を入れないでくれ!」

何よ、いくら私が不器用だからって大事なところを痛めつけるとでも思うの?
睨み付けたまま、竜児のそれをきっちり固定して動き始める。
くちゅ、じゅくっ、ちゅぷっ……と、出っ張りと入り口が擦れて水気の多い音が響き始める。

「あぁ……んあっ……あっ……あっ……」
「…っく……くっ……」
「あぁ、りゅう、じっ……きもちい、いよ…あっ……」
「う、うぁ……っ……大河……」

入り口が甘すぎて麻痺しそう。もうお腹の奥はとろっとろになってる。
だって、ほら、これに、私のがたくさんたくさん垂れて来てるんだもん――――

「あぁっ!……あっ!……あんっ!……っ!……」

声が止まらない。お尻も止まらない。
竜児のためなのに……私の方が気持ちよくなっちゃだめなのに。
握ってる竜児の塊がすごく熱い。ビクビク震えてて……すごくすごく硬くって。
これ…………欲しい。欲しいよ、竜児っ!



468 :【 - midnight - 】 34 ◆askgvpoGB. :2009/06/04(木) 23:59:22 ID:ML7ZGAQk

あぁ、もうだめ。もうこれのことしか考えられない。
ほんとにお馬鹿さんになっちゃったみたい。目の前にいる竜児の身体を滅茶苦茶にしちゃいそう。
そんな蕩けそうな顔しちゃって……私まで蕩けちゃいそうになるじゃない。どうしてくれんのよ?



「ねぇ、竜児」

動きを止めて、ほとんど抜ける寸前までお尻を上げる。

「っ……はぁ…はぁ…………おう。……どうした?」

もう、ね。だめ…………だめなの、私。
熱に浮かされたように言葉が口を付いて出る――――

「いい? よく聞いてね、竜児。……聞き逃しちゃだめよ?」
「お、おう?」

「今からね、私はこの握ってるあっついのを一番奥まで入れるから。
 もう欲しくて欲しくてたまらないから、そうするの。あんたに拒否権は無いから。
 でも一気には入れてあげないわ。これ以上ないってくらいゆーーーっくり入れてあげる。

 想像してみて? さっきまでこの中には竜児が埋まってて、ちょっと広がってた。
 でも、今はふさがって来てるの。でもすっごい熱いの。とろっとろなのが溢れそうなの。
 そんでもって、私には実感が無いけど、きっとすっごい柔らかいのよ?
 舌でちょっと押せばトロトロにとろける桃みたいな感じなの、分かる?

 ……だからね、今からね、あんたは目を閉じて、意識を集中して、私の中を味わってね。
 私もあんたの硬くってあっっついのがお腹の奥に入ってくるのを思いっきり感じるから……」

目を逸らさずにそう言って竜児の塊を指先で撫でる。溢れてくる私のでぬるぬる……
青白く照らされている喉仏が大きく動いて、ゴクっと唾を飲んだのが見えた。

そんな……そんなに食い入るように見つめないでよ、竜児――――



469 :【 - midnight - 】 35 ◆askgvpoGB. :2009/06/05(金) 00:00:42 ID:ML7ZGAQk

くちゅ。と湿った音が響く。

「ふっ……っ……」
「くっ……大河っ……」
「目を閉じるのよ……あぁっ……分かった? 竜児……」

入り口は広がってるからきつくはない。秒速0.5cmくらいの速度で腰を落とす。
ゆっくりと入り口が押し広げられて、竜児の先端が埋まっていく。
その表面はつるつるで、でも、ぷにぷにしてて、硬いような柔らかいような不思議な感触。

だけど、私の肉はもっとずっと柔らかいから、押し広げられながら呑み込んでいく。
先端が埋まると入り口の狭いところで竜児のくびれを自然に締め付ける。
そうよね、こぼれちゃわないようにしないといけないものね……

「んんんっ………」

狭くなった入り口が竜児のに引っかかったり、引っ張られたりしながら呑み込んでいく。
頭のところで押された私の肉はひしゃげて、つぶれて、その奥に溜まっている液体を吐き出す。
奥に進む度に大きな肉のひだひだが竜児の出っ張りとぶつかりあい、押されあって行き場を無くす。
それが限界までくると、ゼリーのようにちゅるるって逃げていくみたい。あ、これ……好きかも……

「んっ……はあっ……りゅ、う、じ……ああっ!……」

お尻が震える。目を開けてられない。涙目になってるのを無理やり開いて竜児を見る。
絶え間なく高い声を上げる私の唇は開きっぱなしでだらしない……いやらしいったらないわ。
あんな事を言ったけど、本当は私が、一番奥まで入れたくて入れたくてしょうがないのに。

逃げた肉はまた元のところに戻ろうとして、出っ張りが通り過ぎたくびれにピタン、ピタンとあたる。
進んでいくにつれて、じゅわぁっと本当に桃みたいな感じで、果肉の細胞から液体が滲み出してくるみたい。
それはとっても熱くて、ぬるぬるしてて、竜児に絡みついて気持ちよくしてくれるの……

「あっ……うっ…くっ…たい、が……」

押しのける竜児と押しのけられた空間を元に戻そうとする私のせめぎ合いみたい。
奥の方はじゅくじゅくにとろけてて、もうどこが何なのか分からない。
それでも竜児が貫いていくと柔らかい肉が押されて蜜がこぼれてくるのを感じる。
お腹の中に溢れんばかりの蜜の居場所はもうどこにもなくて、
ほら、竜児の塊を伝わって、とろとろ落ちてくる…………



470 :【 - midnight - 】 36 ◆askgvpoGB. :2009/06/05(金) 00:02:28 ID:Pz6bLZJv

「んん……ぁぁあぁあぁ…………はぁ………」

――そして、一番奥に辿り着く。
なんかちょっとだけ硬い感触。内臓に直接響く感じ。ここは何だろう?
でも、竜児が全部、いや全部は入ってない。根元まであと少しある。
だから、そこからはちょっと力を入れて押し込むように体重をかける。

「んっ……ふあああっ!………ああああっ!!」

すごく、お腹がいっぱいで……震えが来て、背筋を立ててらんなくて、前屈みになる。
竜児の顔が近い。ぎゅって目を瞑ってて全体的にすごいことになってる……泣きそうで、とっても切なそう。
…………私もいつもはこんな顔してるのかな? ねぇ竜児、ねぇ竜児ってば。

ふるふると震える腕に力を込めて起き上がる。ん、っと力を入れると何か、中が締まったみたいで

「ああ、大河、っ!………そ、それっ、なんか……とけちまいそうだ……っ」

なんて更に顔を歪めるの。ゾクゾクしちゃって、私は、それをじっとじっと見てた。

――――見たかった顔が見れた。たくさん見れた。



「……今の、気持ちいいの、竜児?」
「お、おう。お前があんなこと言うから。なんか余計に……な」
「そっ……かぁ」

どうしようもなく顔がふにゃふにゃになっちゃう。きっと今、私の顔はすごいエッチなんだろうな。
蕩けそうな顔で頬を真っ赤に上気させて、汗か涙で濡れて顔もぐしゅぐしゅ。


471 :【 - midnight - 】 37 ◆askgvpoGB. :2009/06/05(金) 00:03:56 ID:Pz6bLZJv


「ちょっと……やってみるね」
「え?……っと、何をだ?」
「なんていうの?……ココを、締めて……みる」
「お………ぉぅ……」
「あ、で、でも、出来るかどうかはわからないよ? どうしたらいいのか良く分からないし……」
「結構、というかかなり頻繁に締め付けてくるぞ、おまえの中は……」
「っ!…………そっ、それはっ…………」

更に顔が熱くなる。わざわざ言うあたり、あんたはやっぱり変態だわね。


「と、とにかく。こう……かな?違うか、やってみる!」
「おう。あんまり無理すんなよ?」
「うん…………」

さっきの顔がもう一回見たいな。なんて思いつつお腹の筋肉を動かしてみる。
あれ、これじゃ腹筋だし、もうちょっと下だと、お、おお、おトイレの時のだし……
……・あれ? 今のところ、なんとなく竜児を感じた、ような……気が。

――ひく

あ、こういう……感じかな?
お尻の筋肉よりは上で、腹筋っていうよりちょっと背筋に近いところ。

――きゅ

「おっ!」
「あ、ああ、あれ? 今できた?」
「おう。……なんか動いたような気がする」
「わ、分かった。…………こう……かな?」

さっきの感覚を忘れないように、今度は強く力を込めてみる。

――きゅうっ

「うあっ!」
「あ……」

…………見ちゃった。竜児のえっちぃ顔。
ふふふ、だらしない顔しちゃって……ほんとに、ほんとに…………


472 :【 - midnight - 】 38 ◆askgvpoGB. :2009/06/05(金) 00:05:54 ID:ML7ZGAQk



「た、大河? 今、明らかに、こう、きゅって締まったぞ?」
「うん」

「分かったのか? その、どうやるのかっていうか……」
「うん」

「良かったじゃねぇか」
「うん」

「って、あんまり嬉しそう、にも見えないんだが?」
「そんなことないよ?」

「そ、そうか? なんか痛いのか? 別に無理しなくったっ……っ!? うあああああっ!!!」


――きゅうううううっ!!!!!!


んふふふふふふふふ。
かわいい…………りゅうじぃ、かわいいわよ、あんた!!
じいっと竜児を見つめながら、きゅ、きゅっと締め付ける。
あぁぁ、りゅうじりゅうじっ!もっともっと気持ちよくなっちゃっていいよ?


「大河? っあっ!…くぅ……大河、おまえもしか…おうっ!……してわざとやってないか?」
「そうよ竜児。…………気持ちいい?」
「うあっ!……あ、あぁ、すごく……くっ!………な」

すごく気持ちいいだって!!

「そう。……なら、覚悟なさい?」

言い切らない内に、ゴクっと唾を飲み込んだ。
喉の奥がカラカラで熱い……熱いよ、竜児っ!――――


473 :【 - midnight - 】 39 ◆askgvpoGB. :2009/06/05(金) 00:07:02 ID:Pz6bLZJv


「おう!? なんだなんだ大河? 何をするつもりだ?」
「お返しよ! さっきのね。……あんた散々私を苛め倒してくれたじゃない?」

きゅうう、きゅううって何度も何度も締め付ける。

「うあっ!……ちょっと、し、締めすぎだから! ちょ!ちょっと!……た、たいがさん?」
「さっきまであんたがしてたように……あんたのいやらしい顔をじっくり見てやるからね!」

と言いながら、組み敷いてる竜児の乳首とかお腹とかをいじくり回してる。
唇の端がニコニコを通り越して吊り上ってる。悦に入ってる、って言うのかも…………

「うあっ!……だ、だめだっ!……おい!?……大河!………」

ねぇ、私どんな顔してる?竜児。
いやらしくていじわるな顔してるかな?……さっきのあんたみたいに。
ほら、竜児がビクって反応したり声を出したりすると、私は満足そうに目を細めてる。

「りゅうじ……りゅうじぃ……きもちいい?………」
「おっ!……ぉう!……ちょ、ちょっとは手加減し…うああっ!……手加減してくれぇっ!」



「…………手加減?  いいえ、竜児。私は止めないわ!」
「ちょ!?」

――ぎゅううううううううううっ

思いっきり締め付ける。
竜児の形がくっきり分かる。先っぽの丸いところも、くびれてるところも、全部。
全身の毛が逆立つように鳥肌が立つ。お腹の中から猛毒のような快感が走り抜ける。
そのまま、締め付けながら、お尻を振り始める。頑張ったよ、私……でも、もうだめ……

「あっ!ああああああぁぁああぁんっ!!!」
「大河っ!うお……っ!ちょっと……ああぁ!…まて、まてって!」
「んあっ!……やだ!……またない!……あぁん、気持ち……いいっ!」
「くっ……うっ! おまえっ! だめだ、それは効きすぎるっ!」
「何よ!……あっ! あんただって……んっ……止めて…んんっ……くれなかったでしょ!」

絶対、持たない。こんなの持たないって分かっていながら強がる。
奥深くまで突き入れると腰が震えて動けなくなるのに、
あと何回もしないうちに身体の力が抜けちゃうかもって思うのに止まらない。
だって……竜児だってすごく気持ちよさそうで、かわいくって、もう私もとろけっちゃうのっ!

「そ、それは……うあっ……そうだけどっ!……ちくしょ! そっちがその気ならっ!」

と、私のお尻の辺りを両手でがっしり掴んだ竜児を見て。


「!? んああああああああぁぁ――――――!!!!」

そして、次の瞬間、私は崩れ落ちた。




◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇


474 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/05(金) 00:07:56 ID:iP9IdZV/
━━━━━バイバイさるさん回避用━━━━━

俺のフジヤマヴォルケイノが!
今夜もおつかれさま
そして未だ二人ともつながったままという状況

475 : ◆askgvpoGB. :2009/06/05(金) 00:08:48 ID:Pz6bLZJv

本日はここまでです。ありがとうございました。

次回は少なめですが明日を予定してます。

相変わらず、全く自重してなくてごめんなさい。

476 : ◆askgvpoGB. :2009/06/05(金) 00:11:30 ID:Pz6bLZJv

>>474
すいません。自分なんかが支援してもらってホント光栄です。
また明日お願いします。

477 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/05(金) 00:15:49 ID:iP9IdZV/
俺のオンバシラがエクスパンデッド!

>>476
セックスものではあるけどなんかただエロいだけじゃないっていうか
やっぱり竜虎ラブラブという大前提があるからなんだよね
最初はあんな風だった二人がこうなる…ってのがいい

あと書けばわかるけどセックス描写って実はすごい難しい

478 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/05(金) 00:17:17 ID:iP9IdZV/
>>475
竜児のグングニルがいつ不夜城レッドするのか楽しみに待っています
そしてどんなエンディングになるのかも…

479 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/05(金) 00:25:51 ID:0qxI0Q0f
>>475
読み飛ばせない執拗な筆致が素晴らしいと思います。あとエロいです。

480 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/05(金) 00:47:53 ID:yjUjpGvy
誰か大河が竜児の誕生日に竜児に向けて書くラヴレターと誕生日プレゼントの内容を妄想してくれ
あとプレゼントの内容がエロくなりそうなのはお約束かもしれん

481 : ◆QHsKY7H.TY :2009/06/05(金) 00:54:17 ID:ZBo9K1Ix
すいません。一話Ifですが期間結構開きました。
いや実は体調くずしちゃって仕事から帰ってすぐ寝るスタイルだったのです。
今はなんかギシアンの流れなんでお休みするのにちょうど良いかな?とか思ってたら期待してくれてる人がいたみたいで。
これは書かなければと鞭うって書きました。
>>284続きです。

482 : ◆QHsKY7H.TY :2009/06/05(金) 00:55:32 ID:ZBo9K1Ix
旅行が終わると同時にあっという間に夏休みが過ぎた。
気付けば新学期。
すでに空気は一年のうちで一番のイベント、文化祭一色だった。
「というわけで我がクラスの展示とミスコン出場者を決めたいと思います!!」
我がクラスきってのアホにして文化祭実行委員の春田が、司会進行をする。
傍らには川嶋。
男子は春田、女子は川嶋が我がクラスの文化祭実行委員なのだ。
「えーっとミスコン出場者のほうは各クラス2名なんですが、これは亜美ちゃんってことで異論は無いと思うんであと一人は誰が……」
「あ、ごめんなさい。それはダメなの。私ミスコンの司会やる事になってて私を選んでくれても出場できないの」
学校では常からの猫かぶりを止めない川嶋。
しかしなんだ、川嶋でないのか。
川嶋はこういうのに出て、
『あっはっはっはっ!!亜美ちゃんの可愛さにひれ伏すがいいわ愚民共!!』
とか心で言ってそうな奴だと思ってた。
「えぇ?そうなの?んじゃあまぁウチのクラスでコイツがいいって推薦ある〜?」
春田が周りを見渡すが、誰も何も言わない。
チクタクチクタクと時間ばかりが過ぎていく。
「えーいラチがあかない!!こうなりゃ誰が相応しいかみんな紙に書いて投票だ!!」
シビレを切らせた春田は投票形式にしたようだ。
ガラッ!!
と、同時に視線が扉に向く。
「高須君はいるかね?」

***

竜児が何故か禿頭に連れて行かれた。
確かあいつはこの学校の教頭先生だっけ。
何の用事だろう?
「はーいさっさとこの袋に紙を入れてねー!!」
そんな事を考えながらボーっとしてると、アホが珍しく手際よく仕事をこなしていく。
「よーし!!んじゃあさっそく開票ー!!」
春田が「じゃん!!」とか言いながら一枚目の紙を袋から取り出す。
「はーい!!まず一票目は……タイガー!!」
はぁ?何で私なのよ、ハッキリ言ってごめんだわ。めどくさいし。
「えーっと次は……またまたタイガー!!」
ばかちーが黒板に私の名前を書いて下にどんどん『正』と書き足していく。
「次は香椎……また香椎……タイガー……香椎……木原……香椎……タイガー……?誰だよゆりちゃんなんて入れたの……次は……」
黒板には私と香椎奈々子の下に『正』の字が書きつづられて行く。
ついでに独身の下にも一本だけ。
「はーいこれで開票おわりー!!」
ザワ……!!
アホが終了を宣言したと同時に、クラスがざわつく。
「タイガーと香椎が同率一位か……」
誰かが呟いた。
「あれ?でもウチのクラスって奇数じゃね?」「ほら、さっき高須呼ばれて出て行ったから」「あーそっか、納得」
「はい、というわけでミスコン出場者はタイガーと香椎に決定ー!!続いて我がクラスの展示を……」
ミスコンについて私が抗議しようとしたその時、後ろの席の奴が大声で挙手して立ち上がった。
「はい!!コスプレ喫茶、どうっすか!?」
キランと眼鏡を光らせる……なんて名前だっけ?ああ、そうだ、確か能登久光。どうでもいいけど。
しかし、こいつのせいで抗議するタイミングを失ってしまった。
ガラ……。
「おぅ、もう展示まで議題は進んでるのか」
急に教室に入ってきたのは竜児……ではなかった。
ややしゃがれた声だが稟としていて、その言葉遣いから女なのに兄貴の尊称で親しまれている生徒会長、狩野すみれ、その人だった。
「今各クラスを回っているところだが、お前等に言っておくことがある!!」
ガラッ。
そう、大声を出して、勝手に教壇を独占した所で、
「……なんだ?なにかあったのか?」
竜児が帰ってきた。

483 : ◆QHsKY7H.TY :2009/06/05(金) 00:57:04 ID:ZBo9K1Ix
***

俺が教頭先生の呼び出しから戻ると、クラスの雰囲気が変わっていた。
教壇には狩野先輩が鎮座すましていて、その傍らにはいつのまにか北村。
黒板は……大河と香椎の名前の下だけやたらと数が多いな。
ん?何で先生の名前の下にも一本線があるんだ?まぁいいか。
俺を含めずして行ったミスコン出場者投票はすでに終わっていたようだ。
見たところ、香椎と大河の同率一位。
「いいかおめぇら!!今回の文化祭で総合一位になったクラスはすげぇぞ!!心して取り組みやがれ!!」
バン!!と黒板を叩き、北村が黒板に書き終わった文字にみんなの視線を向ける。
「まず、今年度一杯クラスに据え置き冷蔵庫設置!!」
「お、おおーっ!!」
ジュース、冷やしたくね……?などと小声が聞こえる。
「さらに、来年から交換予定の最新型うるおいたっぷり型エアコンを優先的に設置!!」
うるおい、欲しくね……?などと小声が聞こえる。
「現在使用禁止になっているトイレの電源開放!!」
「マジ!?」
アイロン、かけたくね……?などと小声が聞こえる。
「そして、スーパー狩野屋の割引券!!」
「割引券……欲しくね?」
言葉をもらしたのは……俺だけ。
「これは、勝つしかねぇ!!」
一気にクラスが盛り上がる。
兄貴、もとい狩野先輩は次のクラスへと説明の為にすぐに教室を後にする。
何故か北村までついて行ってしまった。
その為、クラスはまるおというストッパーが不在になり、総合一位の権利獲得に向けて異常な盛り上がりを見せ始めた。
大河を除いて。
大河は携帯を開いて、怒ったように閉じた。
「……大河?」
声をかけるも、
「今は話しかけないで」
不機嫌一色だ。
ついでに……。
「……させない。させてあげないから……」
担任にも何故かダークオーラが。
何かペン持って……ん?蓋が開いてるから何か書いたのだろうか。
しかし、こんなんで文化祭(狩野屋割引券)は大丈夫なんだろうか。
櫛枝も鼻血出しながら「おば、おば、オバ……」とか言ってるし。

***

484 : ◆QHsKY7H.TY :2009/06/05(金) 00:58:06 ID:ZBo9K1Ix
学校が終わって下校。
展示は結局時間がなくなって、春田が先生と話しあうって言ってたけど大丈夫だろうか。
なんかゆり先生の態度がおかしかったような……。
「……あれ?」
大河が不思議そうな顔をする。
場所はコンビニ。
大河が下校途中にお金を下ろしていくと言い出し、寄ったのだ。
しかし、その大河の様子がおかしい。
「変……お金下ろせない。残高0円って……」
「どうした?」
「ありえない……こんなことするんだ……」
「おい?どうしたんだよ?」
「簡単なことよ。随分前に父親から電話がかかってくるようになってた。でもムカツクから無視してたら生活費の口座カラにされた」
「なっ!?」
ぷるぷる体が震える。
いつかのコイツの言葉が蘇る。
『笑っちゃうでしょ?』
一人で、いや、独りでマンション。
俺は笑えなかった。
ただ、許せなかった。
「何だそれ……何だよそれ!!何でそんなことを……!!」
「うっさい、アンタが気にすることじゃない」
まただ、コイツはその件になると途端に拒絶の意を表す。
ブゥゥゥン、ブゥゥゥン。
と、俺達の会話を切るように大河の携帯が鳴る。
俺にも見えた大河の携帯の液晶が示す文字は『クソジジイ』だった。
それが、何故かイラついた。
「……これって、脅しよね。金が欲しけりゃ会えってことよね」
大河が、本当に腹立たしそうに唇を噛む。
こんな姿、最近は全く見ていなかったのに。
最近は何処か、ずっと一挙手一投足で、何をやるんでも一生懸命で、笑顔が絶えなかったのに。
大河をこんな顔にした奴が、許せなかった。
だからだろうか。
常ならば絶対に言わないことを言ってしまった。
「……俺がかわりに会いに行ってやろうか」

***

485 : ◆QHsKY7H.TY :2009/06/05(金) 01:00:22 ID:ZBo9K1Ix
「そっか、わかった。とにかくウチの娘はここには来てくれないんだね」
目の前には金持ち風な中年の男性。
俺は、駅ビルの中の最近流行のレストランで、向かいあうようにその人と座っていた。
「大河にどうしても会いたかったんだが……」
ピクン。
俺は、今怒りを上手く抑えられただろうか。
どうしても会いたくて、娘の生活資産を奪うのか?
会うために、自分が直接出向くわけじゃなく、待ち合わせ場所まで来させるのか?
「こうなったら、もう何でも好きなもの頼んでよ!!」
中年のおじさんは、悪魔で人のよさそうな態度を取り続けている。
実際、悪気は無いのだろう。
悪気が無い?大河にあんな顔をさせておいて?
おいおい高須竜児、何を考えている?まずはその膝の上に作ってしまった握りこぶしを開いて落ち着かなければいけないな。
「いえ、結構です。これからウチで夕食なんで」
でも、絶対にこんな奴にはごちそうにならない。
「うう……」
どこか、思い通りにいかなくて悲しそうな顔をする。
それが、癇に障った。そんな顔すれば、同情を引けると思っているのだろうか。
「すいません、たった一人の家族の母が待っていますのでせっかくですがご遠慮させてください」
一応頭は下げる。
本音を言うなら、頭など下げたくなかった。
でも、ここは目上の人に対する最低限の社交辞令をしなければ。
「そう、か……。たった一人の、ということはお父さんはいないんだね。何か、あったのかい?」
ピクッ。
肩が震えた。
今まで、父親の事を話すと変に遠慮する奴が居て、そんなに遠慮しなくてもいいのに、とか思っていたが、こうズケズケと聞かれても腹が立つ。
「……すいませんが、家庭の事情ですので」
「あ、ああ、そうだよね。そうだ、はいこれ」
たいして悪びれもせず、目の前の男は分厚い封筒を俺に差し出した。
「お金だよ、大河に渡してくれ。あ、あと、いつも通り口座にも振り込んでおくから」
……結局それだけなのか。
アンタが大河に与えてやれるのはそれだけなのか。
お金以外にはないのか。
「……大河はきっと、今のままなら貴方とはずっと会ってくれないと思います」
だからつい、言ってしまった。
「どうしても大河に会いたいなら、大河の信用を得られるような事をしてあげてください」
「……君は、大河の彼氏か何かなのかい?」
「……いえ」
そうか、と安心したように大河の父親は呟いて、
「もちろんそのつもりだよ。近々今の妻と別れて、大河と暮らそうかと思ってる」
予想外の事を言われた。
胸がムカムカズキズキイライラガタガタギリギリ「……君、高須君?」……はっ!?
「あ、すいません」
「いや、いいよ。突然の事で驚いたろう。学校も転校させるかもしれないからね」
「なっ!?」
ギリッと歯ぎしりする。
この人は……路上の埃ほども大河を気にしてなどいないのではなかろうか!?
ふざけんなよ、大河に聞きもしないで、一緒に暮らす!?転校させる!?
口は、勝手に言葉を紡いでいた。
「……ウチの学校、今度文化祭があるんです」
「へぇ!!そうなのか!!」
「……ええ、ですから……」
「わかった。教えてくれてありがとう、大河の文化祭、見に行くよ」
もし、アンタが本気なら、その思いを大河にぶつけてやれよ。
でも、大河を振り回すだけなら……。
ギュッと握りこぶしを作る。
俺の中に、熱い、小さくとも確かに熱い、火が灯った。

***

486 : ◆QHsKY7H.TY :2009/06/05(金) 01:01:56 ID:ZBo9K1Ix
「大河」
家に帰って、晩御飯を食べて、大河の背中を見つめる。
大河は俺が代わりに行ったお礼として皿洗いを申し出ていた為、一人で片付けている。
「……何?」
「お前の親父さん、お前と一緒に暮らしたい、って言ってたぞ。近々妻と別れる、とかなんとか」
「……またか」
手を止めず、振り返りもせずに、答えだけが返ってくる。
「お前、親父さんと一緒に暮らしたいか?」
「!?冗談でしょ!!誰がアイツなんかと!!まさか竜児……言いくるめられたんじゃないでしょうね」
「冗談言うな」
「っ!?」
俺は、無意識にすごむような、恐い声を出していた。
「何が、何が一緒に暮らしたい、だ。今まで散々……しかも、お金渡してはいサヨナラ……誰が、そんな奴に大河を……」
「……竜児」
キュッと水がしまる音がする。
「でも」
「でも?」
「もし、お前が親父さんとやり直したいって言ったら、俺には止めることができねぇ」
「だから、そんな……あ……」
「俺には、もう嫌う親父さえいないから……大河には……でも……」
俺は、いつの間にか、大河じゃなくて、自分の中に語りかけていた。
「竜児、いいよ別に」
だから、座っている俺の頭を大河が撫でるまで、大河が近づいてることに気付かなかった。
「……何か、話した?」
「……文化祭、教えちまった」
「来るって?」
「……あぁ」
「じゃあ、もし来たら、少しはあのクソジジイのことを考えてやろうかな」
「!!……たい「だって」……」
「アンタ、そうして欲しそうな顔、してるもの」
実際、俺はそうなのかもしれない。
どんなに嫌な印象でも、大河の父親だ。
だから、出来るなら、家族は一緒にいたほうがいいと、そう思ってるのかもしれない。
けど、大河があんな奴と一緒にいて、傷つくのも、イヤだ。
絶対に、イヤだ。
だから結局、俺は、
「おぅ……」
としか、言えない。
いや、まだ言えることはある。
「でも、もし、そうなっても、いつでもウチに来い。お前は、ウチの一員なんだから」
小さく、泰子も喜ぶし、と付け加えておく。
「……うん」
ほんの少しの、小さな笑顔が、胸に痛かった。

***

487 : ◆QHsKY7H.TY :2009/06/05(金) 01:03:14 ID:ZBo9K1Ix
文化祭が、すぐそこまで近づいていた。
みんながなんとなく一丸となって、なんとなく必死こいて、なんとなく……こういうのって……悪くない。
文化祭の展示は、何がどうなってそうなったのか、春田がゆり先生に言いくるめられたと言うか騙されたというか、何らかの復讐のあおりをくらってプロレスショーなんてものになった。
しかも、大河が悪役、俺子分。
何が悪の親玉手乗りタイガーとその手下ヤンキー高須だちくしょうめ。
川嶋は正義の味方っていうか、主役らしい。
意外なことに台本は春田が一晩で作ってきた。
人間、何か秀でたところはあるもんだ、配役については納得したくないけど。
大河は最近、よく携帯でメールしている。
相手は……父親。
俺は正直あまり良い気分では無いが、大河は少し嬉しそうだった。
だから、そんな大河を見れるなら良いかな、と思っていたのだ。
文化祭、当日までは。
文化祭前日、珍しく大河から、
『明日は来るって言ってきたよアイツ』
と嬉しそうに言っていたのは脳裏に焼きついてる。
なのに、俺達のプロレスショーが始まっても大河の親父は来なかった。
「きっと、遅れてるだけよ」
自分に言い聞かせながら何度もメールチェックする大河を見て、胸が強く締め付けられていった。
そして、ついに
「いやぁ、最後の公演も上手くいったなぁ!!」
周りが公演成功を喜ぶ中、大河は背中を痛めてまで演技を頑張ったのに、その顔は晴れなかった。

***

ミスコンの控え室で何度もメールチェックする。
別に、期待してるわけじゃない。
でも、しばらくぶりにまともに会話して、少しは反省してるみたいだってわかって、今日は来るって言ったんだから。
特別に、話くらいは聞いてやろうかなって……。
『着信はありません』
もう、今日何度も見た表示。
電池も減ってきた。
私は期待などしていない。
でも、指は勝手にメールチェックをしていた。

***

「長らくお待たせしましたー!!ミス大橋コンテスト、いよいよ開催でーす!!」
とうとうミスコンが始まった。
っていうか、川嶋、お前ミスコンに出なかったのはそういうわけか。
川嶋は超ド派手な格好で出てきた。
なんていうか、「にし●かすみこ」的な……お嬢様スタイル?
網タイツにキワドイ上半身と手袋、そして鞭。
「アイツ、おいしいところ全部持っていく気だな……」
「はーい、ではまずはエントリー1番、一年の……」
どんどんとミスコンは進む。
もう、いい加減大河の親父は来てるんだろうか。
と、俺の携帯にメールが来た。
「次は、手乗りタイガーといえばおなじみ、逢坂大河さんです!!」
大河の番だ。
俺が衣装を仕立てて、後ろに羽根なんかつけて、そんな大河の、今にも、死にそうな顔を見て、胸騒ぎがした。
手元の携帯を見る。
けど、見なきゃ良かった。
俺の中の時間が、音が、思考が止まった。
俺の携帯へ、大河の親父からのメール。
『大河に伝えて欲しいんだけど今日は仕事の関係でちょっと出なくていけなくなってしまった。それと、やっぱり今の妻と仲直りしたんで、大河と一緒に暮らすのも無しの方向で……あと……』
止まった代わりに、俺の中の火が、一気に燃え上がった。
俺は、ミスコン会場である体育館を抜け出した。

488 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/05(金) 01:04:01 ID:iP9IdZV/
Style閉じたところでif続ききてたぁ
意味は無いけどLunascape、Firefox、Chromeでそれぞれ開いてみたお
いよいよ文化祭まで来ましたか
お疲れさんです

489 : ◆QHsKY7H.TY :2009/06/05(金) 01:04:54 ID:ZBo9K1Ix
***

さっき、ようやく来たと思ったメールには、
『今日は来れない。妻と仲直りした』
っていう文面。
私は期待なんかしてたわけじゃない。
なのに、なんか立ってるのも、つらい。
ミスコンなんてどうでもいい。
「「「おおーっ!!」」」
みんな歓声をあげてるけど、ソレが何?
「タイガー綺麗ー!!」
綺麗?だからなんだって言うのよ。
もう、何も考えたくない。
あれ?竜児が、体育館から出て行くのが見える。
あはは、竜児も私から離れていくんだね。

***

何度もメールをするが、返事はこない。
さっきメール送ったんだったら、すぐ見れるはずなのに。
くそ、こんなことなら電話番号聞いとけばよかった。
「はやく、返事しろよ!!」
イライラしながら待つ。校門前で、何度もメールチェック。
「ええい、もう一回送ってやれ!!」
俺はイラだってもう一回同じ文面、避難し、今すぐ来いとのメールを送……れなかった。
「あれ……?」
もう一度送信するが、戻ってくる。送り先アドレスは変えてないのに。
「……そういうことかよ」
怒りが、頂点に達しそうになる。ふざけやがって。
ガツンと近場の木を殴る。じぃんとコブシが痛むが気にしない。
やっぱり、あんな奴に、大河を近づけるべきじゃなかった。
俺は、体育館に踵を返した。

***

「はーいじゃあ結果発表!!」
なんかもう、ミスコンの集計終わったみたい。
どうでもいいけど。
私は、何処にも視点を合わせられず、ぼーっとする。
「おお!?これは!!」
なんか、盛り上がってる。
「なんと、2−Cの二人が同率一位!!逢坂さん、香椎さん二人ともトップです!!」
ええぇー!?っと、やや批判の声が混じる。
一位が二人いるのがおかしいと思っているのだろう。
私は別に一位じゃなくてもいいのに。
「この二人はクラスでも同率一位で、何か凄いですねー!!」
ばかちーが上手い事場を収めようと……バァン!!!……何?
体育館の扉が一際大きく開かれる。
入ってくるのは……竜児。
「おーっと!?ここでなんと未投票者がまだいた模様です!!」
ばかちーの一言で、みんなの視線が竜児に向けられる。
でも、竜児ならきっとその女を選ぶわ。
何度も、そいつの名前を言ってるの聞いたもの。
「さぁ、高須君、君は誰に票をいれるの?」
ばかちーが、竜児にわざわざ近づく。
「……大河、大河に一票!!」
ほら、竜児は……って、え?
「逢坂さんに一票!!ミスコン優勝者は、逢坂さんに決定!!って高須君?」
竜児がそんなばかちーには気にせず、私の方へと歩こうとして……誰かに足を止められた。

490 : ◆QHsKY7H.TY :2009/06/05(金) 01:06:27 ID:ZBo9K1Ix
竜児を止めたのは、生徒会長。
「おらぁ!!ミスコンは終わった!!次はミスターコンテスト!!」
マイクを片手に指を舞台に向ける。
そうすると、舞台の天井から、ミスター福男と書かれた幕が下りてきた。
「ミスター福男!!グラウンドにあるコースを走れ!!一番になった奴が優勝者だ!!」
ええぇー!?とブーイング。
文化祭で徒競走とあって、みんなやる気がなさそうだが、
「ちなみに福男の商品は今年のミス大橋にティアラ贈呈、ダンスを申し込む権利、そして私が三年間使用したノートにテストの答案だ!!」
この瞬間、体育館は異常な熱気に包まれた。
でも、そんなことより、竜児は私に、本当に投票してくれたの?
聞きたくとも、今は距離があまりにも遠い。

***

急に足を止められ、狩野先輩は福男の説明を終えると俺に囁いた。
「というわけだ。行きたきゃ自分の力で勝ち取れ!!」
どうやら、今大河の傍に行くためには、これを制さなければいけないらしい。なら、やってやる。
俺は、大河に投票したそのときから、自分の気持ちと覚悟を決めた。
俺は、大河を悲しませたくないんだ。
寂しがらせたくないんだ。
いつでも傍にいてやりたいんだ。
いつでも、傍にいて欲しいんだ。
だから、走る。ああ、走ってやるさ!!

***

生徒会の企画で、徒競走が始まった。
商品の一つであるらしい私は、ゴール付近に用意されたちょっとゴージャスなイスに座らされる。
竜児も、競争に参加してるみたいだった。
心の中で今だ竜児への気持ちがせめぎ合う。
竜児も、やっぱり私から離れるかもしれないという不安。
でも、育ちに育ったこの心を受け止めて欲しいという期待。
もし、竜児が一番だったら、多分ないけど、竜児が一番だったら、その時は……。
「おおっ!!一番帰って来たー!!トップは今のトコヤンキー高須だぁ!!」
「!!」
驚く。竜児が必死な形相で、常なら隠すような恐い顔で走り続けてる。
そんなに必死に走って、……あ、今私と目があった……笑った?
今行くから、そんな幻聴が聞こえた気がした。竜児、がんばれ。

***

もう少し。あと少し。
今日程、自分の顔が恐い事に感謝したことは無い。
いや、一生のウチで初めてかもしれない。
この顔のおかげで周りの奴はみんなビビっていいスタート位置に立てなかった。
一番になる。早く、大河の元に駆けつける。そのためなら何だってやってやるし、何だって使ってやる。
今、大河と目があった。大河が、俺を待っているような、そんな錯覚に囚われる。今行くぞ、大河!!

――――ピキッ――――

あれ?(痛み)何?(背中)おかしいな(痛い痛い痛い)足が上手く(ヤバイヤバイヤバイ)動かない(早くはやくハヤクはヤく早クはやクハやく……)
どんどん地面で視界が埋めつくされて……何も見えない。

***

竜児がゴール目前で転んだ。早く起き上がって、頑張って。
でも、竜児は起き上がらない。嫌な予感がする。
抜かれて数人ゴールする。でも竜児は立ち上がらない。おかしい。
「竜児!!」
私は叫んでいた。

491 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/05(金) 01:09:48 ID:iP9IdZV/
「厭くまで」が「悪魔で」に変換されるMS-IMEは氏ねばいいと思うの


492 : ◆QHsKY7H.TY :2009/06/05(金) 01:10:08 ID:ZBo9K1Ix
とりあえずここまで。
長々とすいません。
誕生日ネタ希望の人、無視したわけじゃないんだ、スマナイ。
>>488ありがとう。
っていうかスレ進の早くね(この台詞何回目だろう?)

493 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/05(金) 01:13:02 ID:yjUjpGvy
>>492
大丈夫だ、自分で適当に妄想して補完しといた
そして力作乙

494 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/05(金) 01:21:48 ID:iP9IdZV/
bbs2chreaderでなぜか書き込めない罠
●ログインしてるせい?
別にいいけどね〜

>>492
前スレは12日で次スレでしたからね
現スレもそんなもんかもしれませぬ
長編をお書きになる方が複数いると良い感じです

495 : ◆QHsKY7H.TY :2009/06/05(金) 01:28:27 ID:ZBo9K1Ix
言い忘れてた。
>>284の終わりが
そう別やってな
になってるけど、
そうやって別な
に纏める時は直して貰えると助かります。
誤字を直すついでにうち変えたらそのままになってた。スマン。
>>493ありがとう。
補完内容が微妙に気になる今日この頃。
>>494そうですねー。レス数は500代で終わりそうだし。
今までは700代くらいまで行って気がする。
みんながんばってるねぇ。

496 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/05(金) 01:30:10 ID:iP9IdZV/ ?2BP(8010)
>>495
次スレはいつでも立てられるので安心して書いちゃってくださいね

497 :異国の地で逢いましょう:2009/06/05(金) 02:07:05 ID:PaDWxTxD
長らく開けたてしまいましたが、怪しい英語表現で御馴染みのUSAのお話の続きです



アメリカンコーヒーは薄い。だから、本場のコーヒーも薄いだろうと思っていた

だが、そうでは無かった。
その香は数種の豆をブレンドしないと出せない濃厚かつ嫌味の無いもので、少し
きつめの苦味の中に仄かに酸味が混じった味わいは後味が良く、ミルクやシュガ
ーとの調和も素晴らしい。
極上とまではいかないが、中々に優美なコーヒーである。
このような店を見つける北村のリサーチ力には敬意を称したくなる。
「さて、じゃぁまず俺から色々問わして貰うとするか」
竜児達の前で足を組んでコーヒーを啜る北村は中々に絵になっている。
あくまで、きちんとしたスーツにでも身を包んでいればの話だが。
「結局着替えてねぇんだな」
「莫迦を言うなよ高須。外で着替えたら、流石のアメリカでも捕まるぞ」
「一旦帰れば良い話だろ」
「家は遠いんだよ」
遠いとなれば、流石にそれだけ(初見の人にはそれだけで済みはしないが)の為に
わざわざ帰らせるのは憐憫に思えた。それに法には触れねようなので、竜虎夫妻
は北村の恰好についてはこれで諦めた。
「で、話だが、お前達は今どうしてるんだ?」
「大学で全独り身生徒と独身教授及び最近夫婦仲が悪くなってる教授に睨まれな
がら、幸せに過ごしてるぜ」
「結婚が出来なかった事が遺憾だけどね」
「そうか」
変わらぬ友に北村が目を暝って穏やかな笑みを浮かべる。その返答はたった三文
字だが、無愛想な感じや投げやりな感じは一切含まれていなかった。
三人は一杯のコーヒーを悠々と飲みながら、積もる話を一個ずつ丁寧に降ろして
いった。
川島はモデルを辞めて女優として頑張っている事。櫛枝は念願叶って体育大学に
行けた事。ゆりちゃん先生が結婚する事。春田や木原、能登に香椎の事等も話し
た。
そして、北村が話す番がやってきた。
「狩野先輩とはどうなんだ?」
好奇心に輝く顔二つに見つめられ、北村が苦笑を浮かべる。
「なにもないさ。あの頃の生徒会の関係のままさ」
「は?ままってお前…」
竜児の顔に曇りが見え始めたその時、何処からともなく軍隊の行進のような音が
、優雅な時を刻むカフェの空気を掻き乱した。
三人が入口に顔を向けて見えたのは、長い髪を風になびかせ威風堂々とした面立
ちの少女を先頭に整列する人の海。
「裕作!集合場所の変更をしたんだ!それなりの理由はあるんだろうな!」
凛と響く美しい純日本語。言語の壁を乗り越えて、人の上に立つ人間というもの
認識させる覇気のある声。恥じる事をせぬ豪胆な姿には思わず信頼を置きたくな
る。
狩野すみれは欠点はとことん削り、美点をさらに鋭くして現れた。
こうしてみると、一端の生徒会長という肩書が彼女にとっていかに小さな檻だっ
たかをまざまざと理解した。
「済みませんすみれさん。高須と逢坂にどうしても会わせたくて」
「はいストップ」
狩野の下へと向かおうとした北村を竜児が制する。
「なんでお前等名前で呼び合ってんだ?」

498 :異国の地で逢いましょう:2009/06/05(金) 02:08:50 ID:PaDWxTxD


「Dismiss!(散れ!)」
「「Sir, Boss!(了解!)」」
狩野の一言で、塊だった人の群れがばらばらと別れていく。その光景は圧巻とし
か言い表せ無い。
「久しぶりだな、高須。そして逢坂」
一人だけ散らずに残った集団のリーダーは、躊躇なく北村の隣に座り、コーヒ
ーとケーキを頼んだ。
「お久しぶりです、狩野先輩」
「ふんっ!随分と大層な身分になったのね」
ツンツンしている大河をコツンと叩き、耳元で素直になれよと囁く。
だが、ここに地獄耳が一人。
「いや、良いんだぞ高須。逢坂らしい挨拶じゃないか」
呵々と笑う彼女は、アメリカに来て若干丸くもなったようである。
そもそもこの二人は派手な殴り合いをしてから別れたきりの筈である。何故この
ように普通に接する事が出来るのか。
女の友情は判らねぇと竜児はぽつりと呟いた。
だが、それ以上に判らぬ事がある。
面前でコーヒーと紅茶(北村は追加注文)を啜るペアの関係だ。正直、ペアなんて
言わずにカップルと表した方がお似合いである。
「それで、聞きたいのは私と裕作の事だったな」
遅れて運ばれて来たケーキに銘刀フォークの一太刀を入れながら、落ち着き払っ
た声で狩野はそう言った。
みるに、二人の関係は秘密にしたい事でもなんでもないらしい。
僅かばかりの期待を抱いていた夫妻は顔には出さず、心中のみで落胆した。
「私が舵を取り、裕作は的確な補助や意見をくれる。あの頃の関係に恋人という
追加要素が加わっただけで、他は驚く程変わってないさ」
「へー」
狩野の言葉がすんなりと頭に入ってくる。成る程、恋人になった以外は変わって
いないと。成る程。成るほ……
「「えぇぇぇぇぇええぇぇえ!!」」
ただでさえ目立つカップルの突然の叫び声に、穏やかになりかけていた店内の空
気は、僅かな緊張感と過度の好奇心を孕んだものに変わった。

499 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/05(金) 02:17:21 ID:PaDWxTxD
>>498
とりあえずここまで。多分次で終わりです。というか、いい加減終わらせねば


遅れましたってレベルではありませんが、ジグソーを場面分けしたり、コレに素晴らしい題名をつけてくれたりとまとめの人本当に有難うございます

500 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/05(金) 02:23:04 ID:7AHtYgod
USAちゃん編キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
短めだけど内容は濃いぜ……………
アメリカンコーヒーの描写がナイス
すみれ兄貴もナイス
ちゃっかり恋人になりやがてー

501 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/05(金) 03:49:28 ID:3Jppj0uw
>>492
まさか竜児大河助けた時に脊椎へのダメージがあったのか?
脊椎損傷か????
どうなるのであろうか??

502 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/05(金) 11:06:54 ID:D3fT+vZf
ifの人、甘甘エロエロの人、USAの人たちGJ!
個々のよさが出てて俺には一生書けそうにないorz
みなさん続き楽しみにしてます。

503 :1話・if 10  ◆odaAq0EgoE :2009/06/05(金) 16:40:33 ID:gSCoC6Lq

「しっかしコレ・・・どうしたモンかな・・・?」
家に帰ってきてから4時間。
俺は椅子の背もたれに体重を預けながら、目の前でピンクの封筒をヒラヒラと振って眺めていた。

『1話・if 10』

「おそらくは・・・そうなんだよな?」
見るからに可愛らしい封筒。
小さな桜の花びらのシールで封がされてあった。
見た目は完全にラブレター。
所謂恋文。
見たことなんて今まで1度も無いが。
そのまま、クルッとひっくり返して表面を見る。
丁度ど真ん中の位置に、『北村祐作様へ』と書かれた文字が目に入る。
おそらくは逢坂が、北村の為にこれを書いたであろうことは想像に難くない。
しかし今、北村の名前の上には、きっちり定規を使ったであろう真っ直ぐなマジックの線が2本、その存在を否定するかのように引かれている。
そしてその下には、そのままマジックで書かれた『高須竜児へ』。
横着なんだか、はたまた他の意図があるのか。
なんにせよ、俺は理解に苦しんでいた。
大体、今までこういったものなど、1度たりと貰ったこと無い身の上としては、正直嬉しさよりも戸惑いのが大きい。
経験が皆無なもので、どう対処したらいいのかわからないのだ。
その上、容姿にはかなりのコンプレックスがある。
それどころか、内面にすら全く自信など無い。
そもそもこれがラブレターだとして、俺のどこにこんなものを渡そうと思わせるところがあるというのか?
見た目ヤクザ。
内面小姑。
本質好きな女子に告白する勇気も無く、挙句に妄想に走る根暗。
・・・言ってて空しくなってきた。
しばし落ち込んだあと、とりあえず気を取り直す。
ともあれ考えれば考えるほど、俺がこんなものを貰える理由が見つからない。
そもそもだ。
逢坂には、俺を好きになる通りがない。


504 :1話・if 10  ◆odaAq0EgoE :2009/06/05(金) 16:43:17 ID:gSCoC6Lq

そうして俺は、今日一日の事を思い出した。
出会いは最悪だった。
朝、トイレに行こうとして歩いてたら、胸の辺りになにかがぶつかった。
何事かと思って見たら、そこにいた小さな女子。
それが逢坂大河。
見た目、人形のように整った顔をしてる。
にもかかわらず、俺にはその顔にそぐわない、眉間の皺が印象に残った。
なんでこいつこんなに苛ついてんだ?
第一印象がこれというのも、存外失礼だろう。
ともあれ、そんな風に思い黙ってみていたら、いきなり顎に強烈な衝撃。
一発くらったんだと理解した時には、もう俺は天井を向いていた。
「でかい図体して邪魔なのよ!グズ!」
一瞥をくれて立ち去る姿が凛としてたな。
その小さな容姿にかかわらずの膂力、愛らしい顔立ちにそぐわない暴言。
あまりのギャップに驚きはしたが、どういうわけか嫌いになるということは無かった。
そのあとで、自販機のとこで2度目のコンタクト。
・・・同じようにぶつかるなんて、昭和のドラマか?
「・・・またあんたなわけ?」
睨み上げる顔には、やっぱり刻まれた眉間の皺。
やっぱりなんかにイライラしてる。
とりあえず詫びてから、ジュースを飲ませて話を聞こうと思った。
・・・なんでだろう?
人との関わりを極端に避けてた俺なのに。
後にそれは氷解するが、とにかくその時の俺は、逢坂のイライラの意味を知りたいと思った。
殴られた所為も少しは含まれてたかもしれないな。
でもそれが・・・多分あいつの地雷を踏んじまった。
後で、屋上で北村から聞いた逢坂の話。
思わず、はらわたが煮え繰り返るほどの憤りと嫌悪を覚えた。
そして自分がしたことの意味を理解した。
安易な同情。
そんなつもりは毛頭無かったが、逢坂はそう受け取っただろうことは容易に想像できた。
裏切られ、見捨てられてきた逢坂。
だからこそあいつは俺の手を振り払い、泣きながら駆けて行ってしまったのだから。
泣きながら・・・泣かせたという事を思い出すと、今も胸がズキンと痛む。
それがなぜなのかは未だに分からない・・・。
そこ迄考えて、俺は軽く頭を振って暗い考えを追い出した。
色々思うところはあるが、今はそれを忘れろ。
とにかく、あいつにとって俺の印象など良い筈がない。
にもかかわらず、放課後に手渡されたこの手紙(中身空っぽ)。
全くもって意味不明だ。
「やっぱり・・・果たし状だったんじゃねーか?」
そこまで考えて頭が痛くなってきた。
答えの出ない命題ほど厄介なものはない。
どうせ考えても、わからないものはわからない。
しかし気になるのは事実。
ため息を吐き、机の上に拡げた教科書を睨む。
・・・無理だ。
パタンとそれを閉じて、天井を見上げた。
予習もこのままでは、あまり身にならないだろうコトを理解して。
なら・・・。
「・・・寝よう」
一言呟いて俺は立ち上がった。
面倒臭い。
すべては、明日逢坂に直接聞けばいい話だ。
なんだか怖い気もするけど・・・。




505 :1話・if 10  ◆odaAq0EgoE :2009/06/05(金) 16:45:36 ID:gSCoC6Lq

カタン
「・・・ん?」
布団の中でもぞもぞと目を覚ます。
今何か物音がしたか?
「泰子・・・はまだ帰ってくる時間じゃねーな・・・」
一瞬よぎった考えは、コンポのディスプレイを見て即座に否定。
AM2:02。
あいつはまだ仕事の時間だ。
だとすると・・・?
ぼやけていた頭が徐々にはっきりする。
今のは確かに物音だった。
今この家には俺しかいない。
だとすると・・・なんだ?
俺はゆっくりと布団を出ると、できるだけ静かに立ち上がった。
聞き違いかもしれない。
しかし聞こえた気がする以上、確かめなくては気が済まない。
ああ。こんなトコまで神経質な俺。
まあ・・・まさかこんなボロアパートに入る泥棒もいないだろう。
そう考えると少し気が楽になった。
軽くなった気持ちは、足取りも軽くさせた。
いつものように歩いて部屋の襖を開ける。
「泰子・・・?」
万が一、母親が帰ってる事を視野に入れて名前を呼ぶ。
返答はなし。
数瞬の間を挟んで、大きく溜め息。
やっぱり聞き間違いか。無駄に起きちまったな・・・。
そう思って部屋に戻ろうとした時に、目の端に何かを捉えた。
驚いてそっちに向き直る。
「・・・あ?」
視界に飛び込んできたのは・・・風にはためくカーテン。
「なんだよ・・・」
心中、ホッと胸をなでおろす。
束の間。
おろした後に湧き上がる疑問。
「・・・俺、窓なんて開けっ放しにしたっけか?」
というより今は4月。
そもそも春先に、窓を開けたまま寝るなんてことがあるわけない。
だとすると・・・。
「!!」
窓を見ながらそんな事を考えていた俺。
その視界の中、映るものに戦慄した。
その窓に映るのは俺と・・・白い人影?
慌てて後ろを振り向いた。
そして目に入ったのは・・・。
「・・・返事を聞きにきたわ・・・」
「あ、逢坂!?」
慌てて壁を探り電気のスイッチを入れる。
二三度の点滅を繰り返して灯る蛍光灯。
いきなりの光源に、少しだけ目を細める。
暫くして慣れた視界の中。
やはりそこには・・・逢坂大河が立っていた。


506 :1話・if 10  ◆odaAq0EgoE :2009/06/05(金) 16:51:32 ID:gSCoC6Lq

「・・・」
一瞬言葉を失った。
何でここにいる?との疑問も確かにあったが、それよりも目を奪われてしまっていた。
逢坂の今の姿に。
学校で見た制服姿とは違う完全な部屋着。
しかもおそらくは就寝用のネグリジェ。
純白で、所々にフリルの付いたそれは、なんというか・・・逢坂のためだけに存在してるのではないかと思うほどにしっくりときていた。
思わずゴクリと喉が鳴る。
はっきりいって可愛い。いや可愛いでは収まらない。
知らず、胸がドキドキする。
なんだか落ち着かない気持ちになった。
この熱い頬はなんなのだろう・・・?
「聞いてるの?」
「え、あ・・・な、なんなになにがどうだって?」
しどろもどろになる俺。
うわ、なんか情けねぇ。
そんな俺をみつめながら、逢坂はもう一度同じコトを繰り返した。
「だから・・・へ、返事を聞きにきたのよ・・・」
そうして拗ねたように下を向く逢坂。
その仕草が妙に子供っぽくて・・・言っちゃ悪いが逢坂にぴったりだった。
ダメだ目が離せない。
そんなにマジマジと見るのは失礼だとは思うが・・・。
「聞いてるの!?」
不意に怒鳴られて我に返る。
やばい。俺今完全にトリップしてた。
「あ、ああ・・・へ、返事だったな・・・」
「そうよ」
挑むように睨み付けてきながら、その顔は真っ赤に熟れたりんごのようで、なんというか・・・。
「可愛いな・・・」
「へ!?」
「あ!な、なんでもねえ!!」
思わず口に出しちまった。
慌てて右手で口を塞ぐ。
幸いにも逢坂には聞こえてなかったようだ。
眉間に皺を寄せて、怪訝そうにこっちをみつめている。
安堵に胸を撫で下ろし、小さく深呼吸。
冷静になれ高須竜児。
今日は色々あっただろ?
それの延長と思えばこれくらいなんでもない。
「あーあれか?返事ってのは・・・その、手紙の・・・?」
伺うように聞いてみると、逢坂の顔が一層真っ赤になった。
なるほど。
気が短いというのは、まんざら嘘でもないらしい。
明日まで待てなかったってことか。
思わずクスリと笑いが漏れる。
それを目聡く見つけて、逢坂が怒鳴った。
「なななに笑ってんのよ!?ははは早く返事聞かせなさいよ!!」
照れ隠しかよ・・・。見てるこっちが恥ずかしいっての。
俺は一つ溜め息をつくと、小さく笑ったままで逢坂に語りかけた。
「手紙の返事だったな?」
「そ、そうよ!!な、何度も言わせるんじゃないわよ!!」
そうだこれは今日一日の流れの延長だ。
ならばちゃんと答えてやれば、また次の展開へ進むだろ。
「ああ逢坂、あれな?いや実は・・・」
「嫌って言ったわね!?」
「へ?」
いきなり怒鳴られた言葉に、思わずポカンと呆けてしまった。

507 :1話・if 10  ◆odaAq0EgoE :2009/06/05(金) 16:58:35 ID:gSCoC6Lq

「今嫌って言ったわよね!?私はっきり聞いたわ!!」
逢坂はいきなり大きな声を出すと、今にも泣きそうなように顔を奇妙に歪めた。
「へ?お、おい逢坂ちょっと待・・・」
「言い訳なんかき、聞きたくない!!今あんた嫌って言ったわ!嫌って言った!!言ったったら言った!!」
「い、いやだから・・・」
「嫌だから!?嫌だから何よ!?嫌だからもう顔見せんな!?あんな手紙よこしやがってって思ってるんでしょ!?迷惑この上ないって!!」
・・・おい待て。
なんだか話がどんどんずれてきてるぞ?
なんで何も言ってないのに、話だけがどんどん膨れていくんだ?
目の前の逢坂は、今や頭を抱えてブンブンと左右に振っている。
なんというか、もはや只のダダッ子だ。
見てる分には面白いが、当事者となれば話は別だ。
「あ、逢坂落ち着け。俺は別に嫌とは・・・」
「問答無用」
瞬間ピタリと動きを止める逢坂。
ゆらり・・・と身体を揺らしたかと思うと、顔を思いっきり上に仰け反らせて、見下ろす角度で俺を睨みつけた。
はっきり言ってすごく怖い。
「お話の時間はもう終わり・・・。これからは・・・実力行使の時間よ・・・」
「じ、実力行使?」
なんの話だ?いやそもそも話をさせてくれ。
「どうやら・・・やはりこれが必要になったみたいね・・・」
「これ?」
俺の疑問をよそに、逢坂の手が襖の陰へと入れられる。
そうしてその手に握られたものは・・・。
「あんまり派手に動くんじゃないよ?おとなしくしてたらすぐに終わることだから・・・」
言いながら肩にトンと乗せたのは、今から行う行為への合図なのか。
「お、おい。ちょっと待て逢坂・・・」
「お話は終わりって言ったわよね?」
言いながら左手がゆっくりと持ち上がる。
それが右手と並んだ瞬間。
「ほんの少し記憶飛ばさせるだけだから往生せいやああああ!!!」
「うわああああああ!?」
ぶん!と振り下ろされた木刀を辛うじて避けて、俺は、予想外の展開に自分の甘さを呪った。




508 : ◆odaAq0EgoE :2009/06/05(金) 17:03:09 ID:gSCoC6Lq
とりあえず10無事投下完了。 
>>481
俺も同じく、ギシアンに気後れして手控えてた(苦笑)
次スレからと思ってたけど、期待してくれてる人がいたから嬉しくて書いちゃったよw
体には気を付けてな?あなたのifは、本気で楽しみにしてるからw

509 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/05(金) 17:13:12 ID:46Hpgbg9
これの続きか
ttp://tigerxdragon.web.fc2.com/index/SS/369i.html

いろいろあったから頭の中でちょっとごっちゃになっちゃったw
言い換えればどれも甲乙つけがたし
いや甲しかありえないということなんですよ

510 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/05(金) 17:19:06 ID:46Hpgbg9
「通り」ではなくて「道理」
「どおり」ではなくて「どうり」で変換

511 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/05(金) 17:27:34 ID:46Hpgbg9
【とらドラ!】能登×木原ラブラブ妄想&香椎と春田
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1244190432/

みんなこっちも応援シクヨロ

512 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/05(金) 18:50:28 ID:kxwrdU1o
>>508
おおやっと来てくれた。
GJ!次スレからなんて言われたら荒らしてでも埋めそうだから勘弁\(^o^)/
続き楽しみにしてます。

513 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/05(金) 18:52:03 ID:46Hpgbg9
【画集】ヤス画集「とらドラ・ピクチャーズ!」 竹宮ゆゆこ書き下ろしの短編小説も掲載
http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/moeplus/1244031057/

1 名前: ◆newsSM/aEE @きよたろーφφφ ★[] 投稿日:2009/06/03(水) 21:10:57 ID:???
全ヤスファン注目! 「とらドラ!」イラストの集大成!
http://asciimw.jp/search/img-item/978-4-04-867887-2.jpg

本編は完結を迎えた『とらドラ!』。満を持して画集が登場です。本編のイラストはもちろん、
文庫未収録のレアものも多数収録。『わたしたちの田村くん』のイラストも収録して、
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さらに竹宮ゆゆこ書き下ろしの短編も掲載です。
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514 : ◆QHsKY7H.TY :2009/06/05(金) 22:33:53 ID:ZBo9K1Ix
>>496
親切にありがとう。

>>501
な、なんてエスパー!?

>>508
ありがとう、こちらこそ楽しみにしてる。
なんか俺のは原作から離れ過ぎて来た上にシナリオばっか重視して描写がおざなりになってきちゃったし。

続きはもしかしたら来週になるかも(次スレ?)
体調は戻ってきはじめたが、土日いろいろあるので。
っていうか、この話長々とスマソ。
なんか大多数は飽きたっていう感じになってきてる気がする。反応少ないし。
それでも見てくれる人のために頑張ります!
飽きちゃった人、出来るだけ早くケリつけますんで許して下さい。

515 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/05(金) 22:52:15 ID:37JV57+A
>>514
反応無いのは受け入れられてる証拠だっつってんだろ
大河ぶつけんぞ
あと飽きるなんて竜児が大河に飽きるよりありえないからそのネガ思考はやめとけ
2chは簡単に荒れやすいんだぞ

516 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/05(金) 23:28:50 ID:3Jppj0uw
>>514
私はただ竜児の下半身の無事を祈ります・・・・ううっ

517 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/06(土) 00:24:36 ID:BL2KzEjK
>>515
大河ぶつけんぞ吹いたw

>>514
一緒くたにされるけど、あなたのifはかなり読まれてるよwお互いガンバローよ(^-^)b

518 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/06(土) 00:33:02 ID:BL2KzEjK
>>509
やっと意味わかった。あれか?トリップで抽出とかなんとか。あー悪い。色々書きちらしてるから、繋がらないよな。
こっちは携帯なんで、基本まとめサイトにアップしてもらえたら的に考えてるんだわ。一応謝る。ごめんね。

>>515
ダメだw大河ぶつけんぞがツボってなにもできねーwww

519 : ◆askgvpoGB. :2009/06/06(土) 00:35:35 ID:lHAGaBe5

>>477,478,479,502
ご感想ありがとうございました。
上手く書けてるか全く自信はありませんが、ラストまで頑張ります。

>>481,508
すみません、エロな流れになったのは自分に因る所が多いかと。。
あと数日で終わりますので、もう暫くの間だけお許し下さい。
自分もお二人の作品をずっと楽しませてもらってました。
これからも応援してますので、頑張って下さい!

>>515
あなたはたまに出てくるこのスレの親父さんですね!(失礼)
叱咤激励してくれる人がいるってのは素晴らしい。


では次レスより投下します。本日は6レス前後です。



520 :【 - midnight - 】 40 ◆askgvpoGB. :2009/06/06(土) 00:38:14 ID:lHAGaBe5


「あ…ああ……あああぁぁ…………」

喉をめいっぱいそり返して天井を仰ぐ。突き上げられた衝撃が頭を麻痺させる。

な、なによ。何よなによなによ!?
竜児に一回突かれただけでこんなになっちゃうの?
ずるい、ずるいよ、こんなの…………


緊張してた全身から力が抜け、スローモーションのように竜児のお腹の上に倒れる。
私の髪がふわっと空気を孕んで落ちる。竜児の体に咲く花びらのように。

…………でも、竜児はそれだけじゃ勘弁してくれない。
太ももとお尻の間くらいまで手を伸ばして巻きつけるように支えて私を持ち上げる。
腰を引いて『溜め』を作ってから思い切り突き上げてくるの。
身体が浮いて、飛んでっちゃうくらいの勢いでがむしゃらに突いてくるの。

「やあああっ!……だっ、だめっ!!だめえええっ!」
「……っ!……ふっ!……」

その一突き毎に意識が飛びそうになる。自分で動かすのとは次元が違う。
遥かに力強くて、深くて、自分が頑張ってたのが子供のお遊びのように感じる。

「やだぁ!……ああっ!……もっとしてあげるの! 私があっ!」

悔しいのか何なのか分からないまま叫ぶ。本当に子供みたい。

「うるさい! 俺は頑張ったんだ! お天道様にだって誓える! もう無理だっ!!!」

力が入らない。竜児の胸の上にぺったり貼り付いたまま動けない。
なのに突き上げられる度に、お尻だけはポーンポーンと、鞠みたく跳ね上がってるのが分かる。
きっと、竜児から見たらすっごく、あれなんだろうな、なんて頭の端っこで思う。

「あっ!……やんっ!……やっ!……ああっ!………」
「はっ……はっ……っくっ!……」

でも、何だか竜児はこれまでとちょっと違って余裕がない感じ。
息遣いも荒くて、すごく必死って感じ――必死で求めてくれてるんだ――

だから、あんたの心臓の上で、あんたの方に顔を向けて、そんな顔を私は見てる。
それがとっても幸せな気分。ねぇ、竜児、私の視線に気付いてる?


521 :【 - midnight - 】 41 ◆askgvpoGB. :2009/06/06(土) 00:39:38 ID:lHAGaBe5

「……っ!……くっ!……っ……んっ!」
「あんっ!……あっ!……は、ぁっ!……あぁりゅうっ!……じぃ……」

竜児が私を見つめている。と思ったら通り越してその先を見てる?
あぁ、やっぱりこいつはドエロ犬に違いないわね。目潰ししようかしら、なんて。

でも、私は竜児の胸の上でしがみ付く事しかできない。
お腹の奥はぐちゃぐちゃで燃えるようなのに、何かが足りない。
どこか寂しくて、空ろな風が身体を吹き抜けるみたい……

「……っ!……ちょ…っと竜児っ、あっ!……りゅうじっ!」
ねぇ、竜児。こっち見て。キスしてよ、ねぇ。ねぇ――――小さな声で囁く。

キスしたかった。この身体をぎゅっと抱きしめて欲しかった。
気付いてくれないなら自分で塞いでやる! と思っても自分の身長を呪うばかり。
いつもは……竜児が上の時は、竜児が屈んでくれるから届くのに。
私が上になってたら、足りない距離は永遠に埋まらない。

首を伸ばしても竜児の肩にどうにか届くくらい。
がっしり腰を掴まれてて、これ以上は無理みたい。
…………だから寂しいのか。届かない。こっちを見てくれない。満たされない。

こんなにいっぱいしてくれてるのに、それでもまだ足りないのね、私は――――


「はっ……はぁ……はぁっ……」
「んんっ……竜児……あっ!……ねぇ、んっ……ねぇ……」

もう!もう!こっちを見ろ!と言わんばかりに胸板をポカポカ叩く。
見てる………………まだ見てる。お尻を。どんだけ見てるんだこいつは!?

うーうー。とタコみたく唇を尖らせてキスをねだっても気付いてくれない。
すぐ下を見ればアンアン言ってる私のかわいいお顔が見れるのに……
いくら……いくら月の光で真っ白に照らされてるからって、お尻しか見てないなんて!!!

そう思った私の寂しさが、何かどす黒い感情に変わったとしても、決して私は悪くない。



522 :【 - midnight - 】 42 ◆askgvpoGB. :2009/06/06(土) 00:40:32 ID:lHAGaBe5


「んもおおおうっ!!!!」

がぶぅ! と鎖骨に噛み付いてやった。

「いてえええええええ!?!?」
「ひゅうーひぃー!! ほっちみまふぁいよー!!!!!」

噛み付いたまま叫ぶ。あぁ、またやっちゃった。……なんて少しだけ後悔。

「おう!? おまえ痛ぇよ!! 違う刺激でいっちまうところだったじゃねえか!!」
それはだめ。


「ねぇ、届かないの」
「……は?」
「キスしたくても届かないの。あんたはこっちを見てくれないの。それがいやなの! この格好もうやだ!」
「おう。……す、すまん大河。……ちょっと夢中になってたみたいだ」

この急ブレーキこそきっと本当の拷問かもしれない、と竜児の胸に顔を埋めながら思う。
でも……でもね、あのまま終わっちゃうのなんていやだったの。
あんな、あんな風に一人ぼっちにされるなんてイヤだ…………

「ううん。ごめんね、竜児。ごめん……」
「いや、俺も危なかったから、止めてくれて………その、助かった」
「違うの。そういうことじゃなくって……夢中になってもらうのは、う、嬉しいから、いいんだけど……」
「大河、もう言うな。ちゃんと分かった。二人で一緒に、だもんな?」

ハッと顔を上げる。

「…………」
「目の前にいるぞ、大河。俺はおまえのすごく、すごく近くにいる。
 ちゃんとおまえを見てるから、もう目を離したりしないから、一緒に気持ちよくなろうな」

「………………うん。…………ねぇ、竜児……」


両手を伸ばして竜児の首にしがみ付く。
おねだりするように首を伸ばす。

竜児は、ちょっと頭を上げてくれて、腰を曲げて引き寄せてくれて、

それで、ようやく唇に辿り着いた。




◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇


523 :【 - midnight - 】 43 ◆askgvpoGB. :2009/06/06(土) 00:41:56 ID:lHAGaBe5


目を閉じたまま、キスをしながら竜児がゆっくりと起き上がるのを感じる。
吐息が絡んで苦しいけど、奪い合うようなのじゃなくて、戯れるような感じ。
ゆるゆると舌先を絡めながら顔を離す。
私も竜児も「べー」と舌を突き出したままゆっくり離れる。

外気に触れながら舌先で感じる竜児の舌が熱くて心地よい。
ゆっくりまぶたを開けると目が合った。そのまま、至近で瞳の奥を覗き込む。

見つめ合いながらも名残惜しそうに舌先だけで戯れる。
捕まえられないように逃げる……追いかける。……また逃げる。

「あ………ん。もぅ……」
「おぅ、なんだ……おとなしくなりやがって……」

苦笑いを浮かべる竜児に私も笑いかける。さっきまでの激情はどこへやら、だ。

「だって、さ。あんた見てくれたし。キスは優しいし。包んでくれるし。こっこっここも、あ、熱いし……」

静かに語りかける。いつものように乱暴な言葉で静かな空気を壊さないように。
心のままに、自分の感情を少しも隠さずに、竜児の心にもたれかかる。


竜児の手が背中から腰に下りて、お尻のちょっと上を押さえる。
私は竜児の首に抱きついて首筋に吸い付く。これなら離れない、よね?
腰をゆっくりと回すように動してくれると、お腹の奥からじゅくじゅくと蜜が溢れてくる。

「あんっ………はぁぁ………っちゅ……」

しがみ付いたまま、何度も首筋にキスする。時々強めに吸ったりなんかして……

「おぅ……跡は付けないようにな、大河?」
「…………」

無言でコクコクと頷きながら、何度も唇を押し付けて吸う。
弱めに、肩口からあごの下、耳のあたりまで満遍なく、チロチロって優しく舐めて、キスする。
ちょっとしょっぱい、けど、竜児の味だ…………そう思うと、ほのかに胸が熱くなってくる。


竜児はくすぐったそうにしながらも腰を動かし始める。
私のキスの邪魔にならないように腰をゆっくりと回してくれる、揺りかごのように。
そんな気遣いを感じて、なんかあったかくなって、優しく耳たぶに噛み付いてから囁く。

「まったく、あんたの我慢強さったらないわね…………」
「おう?…………別に無理してるわけじゃないぞ? お前が猫みたいにじゃれ付いてくるから、な」
「から…………何よ?」
「その、あれだ。俺だけケモノみたくなれないじゃないか?」
「ぷぷぷ。あんたは最初っからケモノだったじゃないのよ」
「そ、そうかもな……」
「ばか……遠慮なんてしないでいいのに……」

いつものやり取り。だけど、いつもよりずっと穏やかで甘い。
ハイパーいい子ちゃんタイムね。


524 :【 - midnight - 】 44 ◆askgvpoGB. :2009/06/06(土) 00:43:01 ID:lHAGaBe5

竜児の首の後ろで手を組んで上半身を遠ざける。
手を水平に伸ばして後ろに体重をかけて、ゆっくりぶら下がる。
そのまま、ブランコみたいに私は左右に揺れる。長い髪も左右にふわりふわり。

「んんっ……あん。……これも、こすれちゃうね……竜児」
「お、おいっ。そんな動くなって、せっかく深くならないようにしてんのに……」
「あら、ありがと。おかげで軟体動物にならないで済んだわ」
「それに、さすがにそろそろ、ほら、あれだ……」
「ふん。…………我慢すんなって言ってんのよ、ばか竜児…………」

そう笑いかけて、今度は前後に揺れながら更に体重をかける。
竜児のあぐらの所が重し。倒れそうで倒れない起き上がりこぼしみたい。

「おらおらー!」

肘を使って竜児の肩を押す。戻ってくるところで私はまた後ろに体重を……

「おう!? あ、危ねえよ、大河!」
「きゃっ!……あっ………うわ、うわわわわ!」
「お、わあっ!?……こ、コラ! 倒れるっ! わああああ!」

ボサっ!と、バランスを崩した竜児が私の方に倒れこんでくる。
私は枕の上に華麗に着地。さすが私。

「ぷっ! あはははは! やっと倒れた、やーいやーい!」

すぐ目の前には竜児の顔。
どうやったって届かないなんてことはない距離。




525 :【 - midnight - 】 45 ◆askgvpoGB. :2009/06/06(土) 00:43:49 ID:lHAGaBe5

「ったく。おまえは本当に……」
「ねっ」
「おう?」
「あたし、やっぱりこれ好き! 竜児が一番近くに感じられるから、好き」
「お、おぅ。……そうだな。俺も好きだぞ?」
「ふへへへへ」

なんて、にこにこしちゃう。なんでこんなに嬉しいんだろう。

「……………………」

「……………………」



――――――沈黙。



けれど僅かな光の中で見つめあう私たち。

竜児の瞳が濡れている。私も……きっとそう。
竜児の布団。竜児の枕。竜児の匂いでいっぱい。
愛おしさがどんどん膨らんでくる。

この時間が永遠に続けばいいのに。
こんなに素直になれる自分が永遠に続けばいいのに――――


「…………たっ、大河っ!」

見つめる瞳の奥に炎が揺らぐ。

「うん。…………ちょうだい……竜児」

それは私にも燃え移って、この身を焼き尽くすように広がる。




◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇


526 : ◆askgvpoGB. :2009/06/06(土) 00:44:40 ID:lHAGaBe5

本日はここまで。ありがとうございました。

次は週末には投下できると思います。それでは。

527 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/06(土) 00:59:32 ID:RaAMoV6Y
>>526 楽しみに待ってます


大河「私、あれやりたい!」

竜児「なにを?」

大河「あれよ!亭主関白? 良妻賢母? 世話女房!!」

竜児「あぁ、亭主の世話をする妻か?」

大河「そう!それ!だから今日は私が竜児のお世話をします」

竜児「そうか、何か嬉しいな。じゃあ、お茶を貰おうかな」

大河「はい、ちょっとまってね……お茶っ葉入れて……お湯を」

竜児「ちょっとまった!
ここはお湯を入れて茶葉が開くまで待って……そして……ハイ、これで良し」

大河「本当だ、美味しい」

竜児「だろ!」


大河「じゃあ、わたし掃除するね。雑巾、雑巾っと」

竜児「順番が違うぞ、まず上の方から埃を……
掃く時は茶ガラか濡らした……最後に拭き上げて終わりだ」

大河「なるほどね〜 これなら仕上げも綺麗!」

竜児「だろ!」


大河「わたしお昼の作るね。
フライパンっと……皮を剥いて……ねぇ竜児これどっちが先?」

竜児「オォ、それはこっちからだ。
その前にこれを切って……その間にタレを……炒めて……これで出来上がりっと」

大河「おいしいね!」

竜児「だろ!」


膝乗せ抱き竜児「今日は頑張ったな、嬉しいかったぞ」ナデナデ

膝上横乗り大河「うん、私もお世話できて嬉しかった」ニギニギテレテレ

528 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/06(土) 07:24:57 ID:w++aZEMQ
>>526
朝から天にご挨拶の昇り竜。
元気すぎだろ…続き楽しみにしてる。

>>527
夜も大河が一人で全部やるって言うんですね、わかります。

529 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/06(土) 08:42:39 ID:CgKxn0Le
お昼休みにスレ立てるあ
スレタイお楽しみに

>>518
複数の作品をごっちゃにならないように携帯で投下する方が大変なことだ
それに予測変換がアホでおかしな日本語になるのもしょうがない
自分でもそうなんだけど書いてるときってその光景が頭の中にあるから語彙の間違いって気付かないんだよね
そういうときのために読者のフォローがあるのさ

>>519
誰が親父や!
まだ21歳と124ヶ月の独神だお!

>>526
今夜はそろそろ終盤ということで俺の股間が不夜城レッドというよりも心温まるお話でした
やっぱり顔が見えないと寂しいんだね大河かわいいよ大河

>>527
(*´Д`)ポワワ

530 ::2009/06/06(土) 10:18:04 ID:w6kLuFdF
お昼に立てるつもりだったけど埋めネタ考えるのに時間かかりそうなんで夕方にします
すみません

531 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/06(土) 15:29:07 ID:S5sf0v/K
メイトのフェアで竜虎ブックカバーもろてきたぁあ
かわいぁあ

532 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/06(土) 16:05:26 ID:w6kLuFdF
どんな絵柄かくやしく

533 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/06(土) 16:37:26 ID:S5sf0v/K
コミックス版の絵柄で、赤ずきん大河と狼コス竜児。
大河はサンドイッチ食べてて、竜児はハムを切ってる。大河のために切ってあげてるのかもしれん。

とにかく可愛すぎる。
アニメイトで書籍を買ったら一冊につき1Pもらえて、5Pでブックカバー一枚。10Pで二枚もらってきた。
多作品のもいろいろある…ブックカバー以外にもいろいろ種類があったけど、とらドラはブックカバーだけ。

534 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/06(土) 16:43:24 ID:S5sf0v/K
コミックス版知らないからわからないけど、どっかで既に使われている絵柄かも…。

535 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/06(土) 17:02:16 ID:cX/UtIXA
検索してみた。コミックス2巻の特装版ってのがあったらしいぞ

ttp://www.akibaos.com/?p=4882

食ってやろうと思った赤ずきんの食欲を満たすのに追い回されて
ばかりのオオカミってところか。



536 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/06(土) 17:06:52 ID:EvuRmUkR
>>532-534
フェアが始まったその日に、即座にメイト行ってきた俺参上w

補足すると、絵柄はコミックス1巻限定のカバー。
バックが赤いチェック柄になっててかわいかったw
アニメから入った自分は、1巻限定がもう手に入らなかったのでウレシスw

537 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/06(土) 17:31:31 ID:S5sf0v/K
>>536
そうだったのか。捕捉サンクス。
可愛い竜虎だった…コミックス版にも興味が出てきた。

あ、1000円以上買うと(電撃系を?かな…よく聞いてなかった)小説一巻柄の大河のしおりもらえた。
マグカップとかクリアファイルとか原作柄のグッズわりとあるし、メイト行くなら今かもね。
あと、エコバックを買ったよ。これが和柄だったらもっと良かったな…

538 ::2009/06/06(土) 18:31:45 ID:hxAnGo4c
さて次スレ立てますかね
この書き込みの秒数の1の位が

1の場合→【とらドラ!】大河×竜児【ワクワク妄想】Vol10
2の場合→【とらドラ!】大河×竜児【ゴロゴロ妄想】Vol10
3の場合→【とらドラ!】大河×竜児【ユラユラ妄想】Vol10
4の場合→【とらドラ!】大河×竜児【モジモジ妄想】Vol10
5の場合→【とらドラ!】大河×竜児【クネクネ妄想】Vol10
6の場合→【とらドラ!】大河×竜児【クスクス妄想】Vol10
7の場合→【とらドラ!】大河×竜児【モグモグ妄想】Vol10
8の場合→【とらドラ!】大河×竜児【ハフハフ妄想】Vol10
9の場合→【とらドラ!】大河×竜児【モフモフ妄想】Vol10
0の場合→【とらドラ!】大河×竜児【ハラハラ妄想】Vol10

で立ててこよう

【ニコニコ妄想】と【フニャフニャ妄想】は次々スレ以降に持ち越し


>>535
ああこれか
在庫あったんだ

539 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/06(土) 18:35:26 ID:As9Bm0c8
クネクネってなんじゃいww

540 ::2009/06/06(土) 18:37:25 ID:hxAnGo4c
【とらドラ!】大河×竜児【クネクネ妄想】Vol10
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1244280781/

新すれです
仲良く使ってね!!

541 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/06(土) 18:39:20 ID:hxAnGo4c
>>539
大河が顔を赤らめて身体をよじらせてるアレ

542 : ◆QHsKY7H.TY :2009/06/06(土) 19:49:19 ID:h6KF8R1D
>>515
すいませんでしたー!
ジャンピングトルネードスピンアタック土下座!(いやアタックはしちゃダメだろ俺)
そんなつもりじゃなかったが確かにネガティブ発言。
あなた様の言葉を胸に日々また竜虎を書いていきます。
いやホントごめん、そして全てのスレ住人にありがとう!(僕はここにいてもいいんだ!)

>大河ぶつけんぞ?

ヨッシャーバッチコーイ!!大河飛び込んでコーイ!
……あれ?大河さんなにしてるの?っていうかそれ何?
いや来いとは言ったけどっていうかちょっ!?まっ……アアアアアアアア!!!!!!???????


続きは来週多分次スレから……ぐふっ!(しかし顔は満面の笑(グシャ!)……(泣))

543 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/06(土) 19:55:24 ID:EyNNvfhd
テンション高すぎワロタ いいぞその調子だ。
書き手だったが友人にPCの中にあるメモ帳見られ、
バカにされまくったのがトラウマになり書けなくなった俺の代わりに
バシバシ書いてくれっ!

544 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/06(土) 20:22:55 ID:cX/UtIXA
「トラウマ?はっ、トラウマ。あんた、何笑わせてくれちゃってんのよ。
そんな甘ちゃん許せる私じゃないのよ。ほら、犬っころ、
あんたもなんか言ってやんなさいよ」

「誰が犬っころだ。あー、ごほん。トラウマに用はない。ここは『とらドラ!』スレだ」

つーわけで、 >>543 は説教じゃなくて竜虎クネクネSSを書くこと。
これは兄貴からの言いつけでもある。無視したら…わかるな。


545 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/06(土) 20:24:47 ID:crngk1dD
>>543

>書き手だったが友人にPCの中にあるメモ帳見られ、

そ・・それはつらいな(汗)

546 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/06(土) 20:45:22 ID:cX/UtIXA
>>457
「ねぇ、竜児」
「何だ」
「ゆゆこが公式アフターストーリーを書いたら、私たち本当にラブラブになれると思う?」
「どうした、藪から棒に。今の生活に不満なのか?」
「ううん、不満なんか無い。あんたがいて、泰児が居て、やっちゃんもパパもママもおじいちゃんもおばあちゃんも居る。だけど、ゆゆこが書いたらどうなるのかなって思って」
「ゆゆこが書いたらか…………………なぁ、大河『シュレーディンガーの猫』って知ってるか」
「なによそれ」

大河が竜児の胸の上で身じろぎする。質問とぜんぜん違う話。だけど、竜児がこんな風に質問に返すときには、必ずちゃんとした理由がある。出あった頃は回りくどい話には我慢が出来なかったけど、今は出来る。今は、竜児の話なら何でも聞きたい。

「量子力学が正しければ、そうであっても不思議ではないとされるパラドックス的な仮説だ」

くくくっと笑って大河がつぶやく。

「また、変なこと言い出した」

大学在学中に、竜児が小難しいことを言うようになったのは、たぶん北村の影響だろう。メールでいろいろ本を薦められるといっていた。竜児は日本語版しか読まないといっていたが、タイトルを聞いてもさっぱりどんな本か想像もつかないものもたくさんあった。

「箱の中に猫を入れて、ちょいと仕掛けをする。俺たちは猫は生きているか死んでいるかだと思うけど、量子力学の仮説が正しければ『生きている状態と死んでいる状態が重なり合っていて、ふたを開けて中を見た瞬間にどちらか決まる』ってことだ」

「説明になって無いわよ。高校時代の私なら半殺しの猫って言うところね」

今度は竜児が笑う。

「高校時代なら、俺が半殺しにされてるな………。なぁ大河。俺たちは、きっとシュレーディンガーの猫だ。このスレを見ろ。泰児じゃなくて、竜河を産んだお前も居る、アメリカ旅行した俺たちもいる。三年にあがっていきなり同棲を始めている俺たちも居る。
大学を出るまで入籍をあきらめた俺たちも居る。付き合いだして毎日のようにお前を抱いている俺も居れば、指一本触れようとしない俺も居る。お前を残して死んだ俺も居る」
「やめて、そんな話」

そんな話と言うのは、竜児が死んだ話のことだろう。大河が竜児の胸に顔を強く押し付ける。

「だけど、俺は今、お前とこうして愛し合っている。なぁ、大河。俺たちは、猫なんだよ。重なり合った、ありうるすべての状態のひとつとして、このスレに居るんだ」
「それと、ゆゆこと関係があるの?」
「あるさ。ゆゆこの公式アフターストーリーは、箱のふただ。中を開ければすべての状態は縮退して、ゆゆこの書く俺たちに縮退する」
「…そうしたら…私たち、どうなるのかしら」
「どうもならないさ。ゆゆこの書いた小説を生きるだけだ。誰もSSを書かなくなるだろうな。このスレがこんなに盛んな理由の一つは、原作のカタルシスが足りないことなんだから」
「カタストロフィーって何だっけ。とは、言わないわよ。これでも文学部なんだから」

ふふんと、自慢げに鼻で笑う大河。

547 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/06(土) 20:46:20 ID:cX/UtIXA
「『とらドラ!』は、ラブコメだったのに、途中で恋愛小説になった。5,6,7,8巻と、お前は心から真っ赤な血を流すような目にあい続ける。俺たちは二人でいちどは逃げて、でも、きちんと二人で歩いていこうと決める。ちゃんと完結した。
だけど、カタルシスが足りないって言う人は多い」
「ラブラブが足りないってことよね」
「まっ、そうだ。ラノベなのに、ラブコメだったのに、イチャイチャしなかった。それに、大人の視線からいって、あの結末では不満だって言う人も居る」
「私とあんたが結ばれちゃだめだっていうの?」
「そうじゃない。将来に対する見通しが甘いままだってことだ。物語後半、お前は血も涙も無い現実に向き合わされるのに、ストーリーは現実に対して甘い回答を出しただけだった。そういう甘さに対するアンチティーゼの立場をとるSSもある」
「勝手な話よねぇ」

大河がつぶやく。

「勝手な話のおかげで、俺とお前は幸せに暮らせている」
「ゆゆこが書いても幸せになれるのかな?」
「なれるだろうな。いまさらバッドエンド書いても誰も納得しないだろう。でも、このスレにある物語の一つとってわけにはいかないだろう」
「泰児は?」
「生まれないだろう」

大河が身震いして竜児にしがみつく。なだめるように、竜児が背中をなでてやる。なめらかな肌を手のひらが走るだけで、大河が甘い息をもらす。

「そんなの嫌だ。あんたがいなくなるのも嫌。私はこれでいい。あんたと、私と、泰児。誰が欠けても嫌」
「ゆゆこが、おまけとかじゃなくて本当に公式続編を書いたとき何が起きるかは、俺にもわからねぇ。みんないちゃいちゃ話を書き続けるかもしれないし、興味を失って公式の話だけをするかもしれねぇ。心配するな、ゆゆこが俺たちを不幸にする事だけはないさ」
「あんたがそう言うなら、きっとそうね」

二人は黙って抱き合っていたが、しばらくして竜児がゆっくりと手を動かした。

「竜児、だめよ。泰児が起きちゃう…」
「大丈夫だろ、ぐっすり寝てる」
「…あん…だめったら」
「なぁ、お前が泰児を大事にするのはいいことだが、俺のことはいつ大事にしてくれるんだ?」
「あら、そんな事言って。遺憾だわ。私はこんなに竜児を愛しているのに」
「愛してくれてるのはわかるけどさ、たまには俺に愛させてくれよ」
「誰がうまいこと言えなんて言ったかしら」
「ていうか、だめならせめて裸で寝るのはやめようぜ。生殺しだぞ」
「いーや!こうしているのが一番竜児をそばに感じられるの。さ、いい子は寝る時間ですよ。キスしてあげるから、竜児も寝ましょうね。お休みなさい」
「ちぇっ」


548 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/06(土) 20:47:36 ID:cX/UtIXA
没ネタを埋め立てに使った。後悔はしていない。

549 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/06(土) 21:06:56 ID:hxAnGo4c
>>543
そんな友人には大河ぶつけてやれ

550 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/06(土) 21:08:40 ID:hxAnGo4c
>>548
微妙に俺が考えた埋めネタと重なってる
これもひとつのシンクロニシティで2828しちゃうぜ
ということで残り約12KBのこのスレに投下してみる

551 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/06(土) 21:11:53 ID:hxAnGo4c
「ねえ竜児」
「んー?なんだ大河」
「私たちってさ、…結構キスしてるじゃない」
「……おぅ」
「毎朝登校する前と、竜児が家に帰るときと最低二回はしてるじゃない」
「そうだな…(本当はもっとしたいんだけどな////)」
「何赤くなってんのよ…まあ別にいいけど…」
「おぅ…それで、何かあったのか?」
「あのね、私たちは充分キス出来るけどさ…あっちの私たちはどうなのかなあって」
「あっち?」
「活字の世界と絵の世界の私たちよ」
「そうか…なるほどな」
「活字の世界の方は橋の上で竜児がいきなりキスしてきて以降してないじゃない」
「…おぅ、すまん」
「びっくりしたんだからね。嬉しかったから別にいいけど…/////」
「俺は、自分がおかしくなりそうだったぜ…」
「あんたがおかしいのは仕様でしょ」
「おいおい」
「そんなのも全部ひっくるめて竜児のこと愛してるからいいじゃないおかしくても…////」
「そ、そうか?////」
「とにかく、活字の世界は私がいなくなって一か月後の新学期に再会して仲良く手をつないで登校して終わりじゃない」
「そうだな。あのときはまた違うつらさだったぜ」
「ごめんね竜児。でも私だって寂しかった」
「おぅ。でも絵の世界の俺たちは卒業式まで一年間も会えなかったんだよな」
「私の決めたことだけど、やっぱり寂しくて泣いちゃった」
「すぐに飛んでいって抱き締めてやりたかったけど…その一年間の描写は無かったからな」
「そうなのよ!遺憾だわ!キスだってやっちゃんの実家でしたのが最後だったし!」
「あのあと翌朝にシーンが映ったのでエッチなことしたとか言われてるけど誓ってやってません」
「わわ私は…りゅ、竜児がしたいなら…良かったのに…」
「だってよぅ…避妊の用意してなかったじゃねえか…それに…風呂場が遠かったし」
「…まったく生真面目過ぎるわね。でもそういうとこ、好きだよ竜児」
「お前ってさりげなく惚気るのな…」
「ふふ、嫌?」
「嫌…じゃない。俺も好きだし…/////」
「なっ何こっ恥ずかしいこと言ってんのよ!わわ私から言うのはいいけど、許可無くあんたからすす好きなんて言わないでよ!」
「はいはい。すまんかった(ギュッ)」
「あっ…竜児/////」
「絵の世界のときもこんな風に言ったら頭突きもらったからな。これなら大丈夫だろ?」
「ぅ〜バカぁ…////」
「絵の世界はあそこで終わっちまったしな。キスどころか抱き締めてさえやれなかった」
「…そうよ。せっかく再会したのに頭突きで終わりなんてあんまりよ。スタッフは私たちのこと嫌いなのかしら!」
「日頃の行いが悪かったからじゃないのか〜?」
「何よ!まあ最初の頃は荒れてたのは認めるけど…」
「けど、今はすごくいい女の子になったじゃないか」
「あんたのおかげよ、竜児♥」
「俺だけじゃないさ。泰子に櫛枝や北村、川嶋やみんながいたから俺たち二人は成長出来たんだよ」
「本当、みんなにも感謝だねッ」
「もちろんお前自身の努力もあってこそだ。俺は嬉しい」
「ふふ、だって好きな人のために一生懸命になっちゃうのは当たり前だもん♪」
「…おぅ。かわいいぞ大河」
「…だからあんまり誉めないで…照れちゃう/////」
「重ね重ねすまん。でも正直な気持ちだ」
「わかってるわよ。えへへ////」
「おぅ…」

552 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/06(土) 21:13:32 ID:hxAnGo4c

10分後。

「…ところで話の続きなんだけど」
「おぅ、そうだったな。すまん」
「絵の世界の方はあそこで終わったじゃない」
「そうだな」
「活字の世界は手をつないで恋人同士らしい雰囲気だったけど、絵の世界は頭突きじゃない」
「恋人もなにもあったもんじゃねえな」
「それに活字の世界はゆゆぽが短編書く予定あるけど絵の世界は完全終了じゃない」
「そうだな」
「DVDでその後とかやる見込みもないじゃない」
「…最終巻もきっとグルメ対決なんだろうなあ」
「ちょこちょこと本放送時と違うシーンがあるみたいだし、もしかしたら頭突きの後にその…キスシーンとかあるかもしれないけど…」
「どうなるかは全然分からないってことだな」
「だからね、竜児」
「おぅ…」
「活字の世界の私たちも、絵の世界の私たちも、もっとキスしたかったんじゃないかなぁって思ったの」
「そうか…ほんと優しいなお前ってやつは」
「何よ…あんたの方がずうっと優しいわよ/////」
「ありがとう大河。まあでも…」

チュッ

「…あっ//////」
「俺たちは、活字の世界の俺たちでもあり、絵の世界の俺たちでもある」
「…でも同時に活字の世界の私たちではないし絵の世界の私たちでもないじゃない」
「その通りだ。だけど…」

チュッ…クチュッ…んん…クチュッ…

「…はぁ〜〜〜っ/////」
「…ふぅ…////」
「何よいきなり…/////」
「…俺が大河を愛してるって事実は本物だってことさ」
「///////ぅぅ〜…私だって!私だって!」

ギュッ

「竜児のこと、愛してるんだからねっ!」

553 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/06(土) 21:18:58 ID:hxAnGo4c
>>546-547
感動した

554 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/06(土) 21:32:49 ID:EyNNvfhd
>>457でもあり>>543でもある俺。
急に反応があってワロタw

検索したいからPC使わせて♪って言っておいてお気に入りは開けないよね?

SS書いてくれた二人お疲れ様です。GJ!

クネクネ妄想要求きたな、しかも兄貴命令…。
これは友人に見られてしまったブツを開放するしかねぇ。別にクネクネでもなんでもないけど。
続きは全く考えてないけど、気長に〜やってきます。
一応俺が体験した事です、片目だけだけどね。
んじゃ書いてる分だけいきます。連載は初めてでドキがムネムネだ。

555 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/06(土) 21:35:20 ID:EyNNvfhd
あ、今気づいたけど…次スレからでいいかな?
長くなりそうだし、今は投下を控えるかどうかして、埋まるのを待つ!という。

ってことですまないけど、こっち埋まってから投下しますorz
期待してる人はいないと思うけどすまない。これからは物考えて喋ります。

556 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/06(土) 21:50:15 ID:w6kLuFdF
えー そんなこと言わないで作品で埋めようよ
512KB到達したからってすぐdat落ちして見れなくなるわけでもないし
専用ブラウザ使ってるからログは取れてるし

557 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/06(土) 21:50:56 ID:cX/UtIXA
>>552
おう。ネタが重なるのはシュレーディンガーの猫の仕様だな!

>>553
サンキュー!

>>554
おお、期待してる。続きなくてもいいんじゃないか?竜虎でそれっぽければ。次スレでも
何の問題も無いよ。もちろん。

558 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/06(土) 21:51:46 ID:cX/UtIXA
>>556
でも、書く側としては、スレまたいで投下したくないんだよ。


559 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/06(土) 21:57:30 ID:w6kLuFdF
>>558
気持ちはわかる
ならば私がスレをまたぐことにしよう
肝心の作品はプロットしか書いてねえのれすテヘテヘ

560 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/06(土) 22:11:04 ID:hxAnGo4c
>>557
行き着くところは大河♥竜児ラブラブなんだけどねw

561 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/06(土) 22:15:59 ID:w++aZEMQ
>>555だけど私としてもスレ跨ぐのは躊躇するといいますか…
期待してくれてる人は申し訳ないけど、少しまっとってね。

質問いいかな?
プロットってなんぞなもし?
下書きみたいなものかな?
メモ帳に書いたのを少し見直してそのまんま投下
する方法は間違っているのだろうか?

あとトリップはつけるべき?質問ばかりで申し訳ない…

562 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/06(土) 22:33:53 ID:BL2KzEjK
だから大河ぶつけるやめてwそれ見つけるたびにツボって書けなくなるw

まとめ人さんも助かるらしいから、長いならトリップ付けたほうが良さそうだ。
でも、こういうただのコメには付けないほうが良いらしい。


563 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/06(土) 22:33:58 ID:hxAnGo4c
>>561
長編を書いていて名前欄に作品タイトルを入れない、かつ日やスレをまたぐ時などには
トリップ入れてくれれば抽出しやすいのでまとめの人や専用ブラウザ使いには非常にありがたい

プロットっていうのは「(小説・物語などの)筋。構想」のこと
ここを読むと参考になるだろう
http://vipmain.sakura.ne.jp/end/45-top.html

564 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/06(土) 22:35:44 ID:hxAnGo4c
>>562
ただのコメントにもトリップつけると作品のファイル作るときにそこ削らなきゃならないからな

とかなんとか書いてるうちにもう497KBですよ
これはギシアンを待つしかあるまいね

565 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/06(土) 22:41:35 ID:gD4OZPZJ
大河ぶつける代わりに竜児を・・・、眼力だけで死ねるな(´q`

566 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/06(土) 22:45:14 ID:vBlgx4qC
>>564
大河「りゅうじ!!」
竜児「おぅ!!」

ギシアンギシアン

567 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/06(土) 22:47:56 ID:w++aZEMQ
>>562-564
ありがと!
ブーンの読んだけどわかりやすくて助かった!
竜児が病気にかかるだけだからプロットはもーんまんたいかな。
トリップの使用方法も理解した。ありがとう。

568 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/06(土) 22:50:02 ID:/bxgQZq0
いやぁ久しぶりに原作読んだらカレーが食いたくなって作っちゃったよw
さて何巻か?

569 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/06(土) 22:52:41 ID:JQ+jty1B
今スレも良いニヤニヤと悶々をたくさん頂きましたw
次スレももっとニヤニヤ悶々しようぜ!

570 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/06(土) 22:54:20 ID:hxAnGo4c
カレーが出てくるのは夏の別荘…すなわち4巻ッ!
ついでに言うと楽天ブックスで絶賛売り切れ中だ!
そして俺は2・3・10・スピンオフ2しか持ってないしまだちゃんと読んでねぇ!
これは大河ぶつけられてもしょうがないね

571 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/06(土) 22:55:18 ID:cX/UtIXA
スレが終わるまで投げるのをやめない!

572 :竜撃虎:2009/06/06(土) 22:56:08 ID:cX/UtIXA
「ねぇ、竜児。みのりん居ないんだ。一緒に食べていいでしょ」

5月のある日、珍しく大河が一緒に食べようと声をかけてきた。もっとも、そんな大胆な行動に出てくるのも北村が居ないとわかっているからだ。大河の思い人である北村祐作は、今日はソフトボール部の打ち合わせで昼休みも不在だ。
居れば大河はまともにしゃべることも出来ない。

「おお、いいぞ。せっかく天気もいいし屋上で食うか」

と、竜児が言ったのは必ずしも天気のためだけではない。

ちょっとだけだが、クラスメートの視線が気になるのだ。大河が大暴れして全員に謝罪を要求した後、「高須と逢坂はつきあっていない」というのが2−Cの公式見解である。
だが、事実としては二人は一緒に登校しているし、スーパーマーケットで一緒に買い物をしているのを目撃されているし、二人のお弁当のおかずはいつも一緒だし、喧嘩ばかりしているくせにちっとも離れない。
そんな二人に対して、好奇のというか、腫れ物を触るような視線が向けられるのだ。

世間の目を無視する能力をつらい子ども時代に身につけた竜児は、普段はそんなもの華麗にスルーしているのだが、ごく希に、理由無く気になる日がある。別に世界が滅びる予兆を感じるとか、黒猫が前を横切ったとかではない。
ごくごく普通の、思春期の少年らしい、こころの小さな乱れ。次の日の朝には消えて無くなっているようなさざ波を、竜児も心に持つことがある。

「そうね、じゃぁ屋上に行きましょう」

教室を出るとき、背中でいくつもの安堵のため息が漏れるのを聞いた。ちぇっ、いつもなら聞こえないのに。

◇ ◇ ◇ ◇ 

しかしまぁ、安住の地とは易々と手に入らないものらしい。好天気である。当然のようにそれなりの数の少年少女達が先客として屋上に来ている。そこそこに居心地の良い一角に陣取った二人だったが、お弁当の蓋を開ける頃には強烈な視線が降り注ぐようになってきた。

「あら、今日はお肉が多いわね。今朝のおかずは卵焼きとお味噌汁だけだったのに」
「昨日のあまりだ」

さすがに大河は竜児より胆が座っている。背中に刺さる視線ごとき、気にならないらしい。鶏肉を見てニコニコしている。

二人は少し甘かったかもしれない。2−Cのクラスメイトはいつも最大限二人に気を遣っているのだ。いくら好奇の目で見ると言っても、二人がどうすれば怒るか知った上で、見えない地雷原に踏み込まないよう安全距離を測りながら息を詰めて高校生活を送っているのだ。
だが、屋上に居る連中は違う。単なる一般市民。戦争を知らない子ども達。怖いもの知らずと世間知らずの区別がついていない幸せな高校生に過ぎないのだ。

だから、踏み込んではいけない領域に足を踏み入れてしまったのは決して彼等が悪いわけではない。それでも、

「…ちょっと、やっぱりあの二人…」
「……………ヤンキー…………………手乗り………………」
「…………の時…………血祭り………………」
「…………………つきあってるって…………………」
「…毎朝………………」

聞こえるように話したのはまずかった。そういうことは礼節に反するし、何しろ身の安全に反する。目の前でど全身の気を逆立てる大河を見て、竜児はため息をつく。あーあ、どうやら昼飯も落ち着いて食えないらしい。

ぴくぴくと片頬を振るわせていた大河が竜児に噛みついたのは、いきなりだった。

「あんた、ちょっとこれどういう事よ!私の嫌いなおかずばかりじゃない!」

いつもなら、押し殺した声で威圧しているところだ。そうして獲物が動けなくなったところに、かさにかかってくるのが大河だが、今日は少し違う。いきなり大音量。突然のことに屋上がしんとなる。



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