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【とらドラ!】大河×竜児【ハラハラ妄想】Vol20

1 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/14(日) 23:13:35 ID:EfW2n1oU0
ここは とらドラ! の主人公、逢坂大河と高須竜児のカップリングについて様々な妄想をするスレです。
どんなネタでも構いません。大河と竜児の二人のラブラブっぷりを勝手に想像して勝手に語って下さい。
自作のオリジナルストーリーを語るもよし、妄想シチュエーションで悶えるもよし、何でもOKです。
次スレは>>970が立ててください。 もしくは容量が480KBに近づいたら。
    / _         ヽ、
   /二 - ニ=-     ヽ`
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まとめサイト
ttp://tigerxdragon.web.fc2.com/

前スレ
【とらドラ!】大河×竜児【モジモジ妄想】Vol18
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1258620217/

2 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/14(日) 23:14:16 ID:EfW2n1oU0
過去スレ
【とらドラ!】大河×竜児【ラブラブ妄想】(1スレ目)
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1231122796/
【とらドラ!】大河×竜児【ニヤニヤ妄想】(2スレ目)
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1234443246/
【とらドラ!】大河×竜児【デレデレ妄想】(3スレ目)
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1236695653/
【とらドラ!】大河×竜児【イチャイチャ妄想】Vol4
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1237819701/
【とらドラ!】大河×竜児【ベタベタ妄想】Vol5
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1238865504/
【とらドラ!】大河×竜児【スキスキ妄想】Vol6
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1240317270/
【とらドラ!】大河×竜児【ドキドキ妄想】Vol7
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1241386432/
【とらドラ!】大河×竜児【アツアツ妄想】Vol8
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1242374673/
【とらドラ!】大河×竜児【フワフワ妄想】Vol9
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1243354181/
【とらドラ!】大河×竜児【クネクネ妄想】Vol10
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1244280781/
【とらドラ!】大河×竜児【ワクワク妄想】Vol11
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1245146459/
【とらドラ!】大河×竜児【モフモフ妄想】Vol12
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1246704738/
【とらドラ!】大河×竜児【ナツナツ妄想】Vol13
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1248388647/
【とらドラ!】大河×竜児【ユラユラ妄想】Vol14
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1249487623/
【とらドラ!】大河×竜児【モグモグ妄想】Vol15
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1251296860/
【とらドラ!】大河×竜児【ハフハフ妄想】Vol16
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1253001418/
【とらドラ!】大河×竜児【アマアマ妄想】Vol17
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1255435399/
【とらドラ!】大河×竜児【モジモジ妄想】Vol18
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1258620217/

3 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/14(日) 23:15:17 ID:EfW2n1oU0
【※CAUTION※超重要事項!※CAUTION※】

非エロ(ギシアンレベルまで)はここに投下

ガチエロは新避難所に投稿、ここへは告知誘導のみ

アク禁に巻き込まれたなど直接投下できなかった非エロ作品の代理投稿は作者が望んだ場合に可

大河×竜児ラブラブ妄想スレ 新避難所
http://jbbs.livedoor.jp/anime/7850/

★関連スレ
竹宮ゆゆこ105
http://love6.2ch.net/test/read.cgi/magazin/1253937059/
【竹宮ゆゆこ】とらドラ3!【◆Daiko/D50o 絶叫】
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/comic/1244814492/
【フラゲ】とらドラ!総合ネタバレスレ 3版目
http://love6.2ch.net/test/read.cgi/bookall/1236595750/
【間島淳司】とらドラジオ!【喜多村英梨】
http://atlanta.2ch.net/test/read.cgi/netradio/1229772543/
【PSP】とらドラP!part10【ポータブル】
http://jfk.2ch.net/test/read.cgi/handygame/1254273765/
とらドラ!総合 
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/nhkdrama/1227538758/
【田村くん】竹宮ゆゆこ 27皿目【とらドラ!】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1260805784/

★キャラスレ
【とらドラ!】キャラ総合スレ
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1222905488/
とらドラ! 手乗りタイガー241匹目
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anime2/1261404042/l50
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http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1254545276/
【とらドラ!】川嶋亜美はモデルかわいい Part.9
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1251532155/
【とらドラ】川嶋亜美×高須竜児
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1249892546/
■とらドラ! 総合スレッド Part.1■
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/charaneta/1215959570/

4 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/14(日) 23:15:59 ID:EfW2n1oU0
まとめサイトより

Q、1話の机が吹っ飛ぶシーンどういうこと?超能力?
A、ちがいます。ラブレターを鞄に入れてたら人が来たので、ロッカー隠れようとして凄い勢いで移動したんです。

Q、とらドラ!ってどんな作品なの?
A、とらドラ!は高校生特有の『思春期』という限られたひとときの中、
 友達と過ごしながら楽しいと感じたり、ある時は落ち込んだり、
 またある時は恋に悩んだりしながら、毎日を過ごしていくという作品です。
 (雑誌インタビューより)

Q、何クールですか?
A、2クール25話(DVD8巻構成)です。

Q、会長とあーみんの区別がつきません。
A、川嶋亜美(あーみん・ばかちー):前髪が朝倉風、ややたれ目、胸がおおきい、モデル
  http://www.tv-tokyo.co.jp/contents/toradora/images/chara/ami.gif
  狩野すみれ(会長・兄貴):前髪ストレート、ややつり目
  http://www1.atwiki.jp/toradora?cmd=upload&act=open&pageid=19&file=up49532.jpg

【一目でわかるとらドラ!一話】
@猛獣が襲い掛かってきた
Aお腹がすいていたのでご飯をあげた
B「気に入った。これからも飯つくってくれ、毛づくろいとかも頼むわ」
C襲われそうだし、ほっといたら死にそうなので、しぶしぶ飼うことに
Dご飯あげたら、ちょっと尻尾ふった
Eいろいろあって付き合うことになっておしまい ←今ここ

実際は竜児を犬扱いしている大河こそが飼われている側っていうのが面白い

とらドラ! まとめwiki
http://www1.atwiki.jp/toradora/
とらドラ! AA保管庫(仮)
http://monabase.net/toradora

5 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/14(日) 23:16:53 ID:EfW2n1oU0
この板の設定

1レスあたり最大4096バイトで改行は60行まで可能
半角で4096文字・全角で2048文字です

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一度書き込んだら40秒は書き込めません

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ROMってる人は割り込みを遠慮せずむしろ支援する方向で応援よろしくお願いします

●を持っていると上記の規制は無効化されます
ただし調子に乗ってSamba24規制無視して連投しているとバーボンハウスに飛ばされます
たっぷり二時間は2ちゃんねる自体にアクセス出来なくなるので注意

●売り場
http://2ch.tora3.net/

年間33$(だいたい3500円〜4200円前後 円高だと安く買えます)
登録メルアドはプロバイダのメールアカウントのみ フリーメールや携帯メールは使用不可

携帯もってんならこの方法で簡単なんじゃないか?

1:http://get.ula.cc/pc/ こっから携帯で新規口座作って12000狐PをGET
2:http://bainin.ula.cc/sale/maru/ ここから●二週間お試し券を買う
3:http://maru14.ula.cc/ ここでお試し券を交換
4:完了メールきたら専ブラのログイン設定にIDとパスいれる
5:今までと同じように書き込める

2週間過ぎたらまた同じ手順やればいいだけ。数回分あるし一月半規制続いても安心
iPhoneだったりしたらクレクレするしかないんだろうけどさ

お試し●の交換・利用について
1つの●をPC+携帯で共有可
同じメアドで試用期間内に重複登録はできない。14日経過後、期限切れメールが届いてからであれば、同じメアドで交換可
同一アカウントから期間が重複した交換をするには、メアドを複数用意すれば可能
ちょっと間使えなくてもいいという人は期限切れのメールがきてから再申請してください

栄光のニダーラン @ wiki
http://www36.atwiki.jp/nida-run/pages/1.html

6 :アゴ(前スレから続き)  ◆xNYpA6wwn6 :2010/03/15(月) 01:16:26 ID:mcC76PAQ0

「ってちょっと待った――――!!!」
「「うわ何事!!!?」」

 抱き合ったまま、いつしかウトウトと眩ろみかけていた竜児と大河は、突然の声に一気に眠りの園から叩き出された。

「大河ちゃん!竜ちゃん!
 ……『お手』『おかわり』ときたら、次は『チンチン』でしょう!!!?」
「や、やっちゃん!?」
「ってかお前…なんで押入れから出て来るんだよ!!?」

 ガサゴソと、襖を開けて這い出してきた実母(ジャージ姿)に息子は当然の質問を投げかけるが。

「ああもうああもうああもう〜〜〜!!もう二人の甘酸っぱくて青くってジュ〜シィ〜♪なラブっぷりは、それはそれはもうジックリタップリ堪能したんだけどぉ…」
「ずっと覗いてたのか泰子―――!!?」
「でも!でもでも!納得いかないよ!!なんでアゴなの?そこはチンチンでしょチンチン!!
 犬といったらチンチンだよチンチン!
 りゅうじぃ、チンチン〜〜♪
 おうよほら、チンチン〜〜☆
 そして、そして、そして二人はあ……いやぁ〜〜んギシギシアンアンアン!!っていうのが鉄板の流れでしょそこは!!!」
「ややややややっちゃん!?」
「お前は息子に何を期待してるんだ!!?」
「初孫」
「即答かよ!!?」
「あ、あ、あのね、やっちゃん…そゆこと言われてもね…まあ、欲しいといえば欲しい…」
「よく言ったわ、大河――――!!」

 ガラッ!と狭いベランダのサッシを開けて、更なる闖入者の登場!!

「子供は早いうちに産んでおいた方がいいわ!私も今回のお産は高齢出産で実はかなり大変だったし!!」
「ママ――――!!?」
「大河のお母さん―――!!?…ってそのハシゴは何なんですか!?」
「こっそり侵入するために決まってるじゃない。貴方、低能?」
「うわー全然悪びれないし直接的な表現だあ〜〜…」


7 :アゴ(前スレから続き)  ◆xNYpA6wwn6 :2010/03/15(月) 01:20:00 ID:mcC76PAQ0
「ママ…」

 一方で、竜児を貶された大河が臨戦態勢に入っている。


「まあそれはともかく。
 竜児君。今後、私のことは義母と書いてお義母さんと呼んでくれて結構!!
 それはそれとして……さっきのアレはなに?人の娘に、あんな真似をして…」
「す、すいません!つ、つい、出来心で…ってもしかしてお義母さんも覗いてたんですか!?」
「問答無用!竜児君、あなたあんな不誠実な様でウチの大河を娶ろうだなんて…ハッ!!この軟弱者めが!!」
「ママ…竜児の悪口は許さないからね…」
「そうはいってもね大河。あなただって内心、かなり不満でしょう?
 先ほどの青くて未熟で鼻血が出そうな会話の流れの中で、互いの認識の違いはあったかもしれない…
 でもね?そこから幾らでも、修正の余地はあった筈。違う?竜児君?」
「は、はあ…」
「不器用ながらも率直な愛情トークからのキスの流れ。そして大河の方はガッツリその気になってるんだから。
 ――あなた、据え膳に手を出せず下げさせるなんて、男としてあまりにも不甲斐ないでしょう!
 そこは一気にいただいてしまいなさい!!むしろそれが礼儀!!!」
「アンタそれでも母親ですか――――――――!!?」
「竜ちゃん、そこはガッツリご馳走になっちゃうところだよ〜〜〜」
「泰子ちょっと黙ってろってかお前もな―――――!!!」
「竜児……私は……いただかれても……むしろ食べてって」
「あー!あー!あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!俺に味方はいないのか――――!!!?」

 いません。

     <了>

「えええええ!?いやまて、この状況で終わるって――」
「高須さん、互いに初孫の顔をみるために」「ええ、がんばりましょうね〜〜」
「ど、どうしよう、わたし、ううう、…理性と感情の鬩ぎ合い…」
「たいがあ…」

     <終了>

8 :今度こそ終了〜  ◆xNYpA6wwn6 :2010/03/15(月) 01:32:09 ID:mcC76PAQ0
新スレ立て乙!でした。
それと、すいませんでしたー!
避難所の方にもちょろっと書いてますけど、前スレ投下中に「あ、このスレもうすぐ終わる!?」ということに気づいて…
本気でウッカリしてましたわ。

……で、昨夜投下分で一応は完結はできるんだけど…ここで終わっておけばまあフツーの話で終われるよなぁむしろ蛇足じゃね?
とか思いつつも、結局、新スレにまたいで本来のオチ、投下しました。
(避難所投下分とは若干、語句の修正はしてますが)
今後は気をつけます。申し訳ありません。

9 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/15(月) 08:55:22 ID:FFtdv8wn0
新スレ乙です!

>>6 朝から何てものを読ませんるんだw
やっちゃんと大河ままの登場のしかた受けた。
てかあんんましチンチンとか言うなし、いやむしろ・・・

まぁGJでした。

10 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/15(月) 12:51:57 ID:STyZ+yQG0
19スレ>>471
普段着の竜虎ですなあ。
乙です。

>>6
昼間っから何読ませるんですかw
素直に終わればいい話だったのにwww
乙でした。
次回も期待。

11 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/15(月) 14:20:39 ID:nQL50Ils0
>>1 スレ立て乙。大河をぶつけてあげたい
前スレの471 脳内再生余裕w“らしさ“が凝縮されているね。
〔アゴ〕の人 いちゃいちゃGJ。テンション高いw

ついに20スレ目か。めでたいな!




12 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/15(月) 15:18:08 ID:c1KRR+n60
>>1
スレ立て乙です

>>6
前スレの終わり方でちょっとしんみりした俺の心を返せwww

いや、でもいいオチでしたw

13 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/15(月) 21:29:17 ID:jSOYl8GX0
>>1乙!
大河がいい子いい子してやるって言ってた

前スレ>>471
乙!
なんというほのぼの。
既に老夫婦の域だw

>>8
乙!
前スレ>>474で「もしかして壮大なギシアン?」って思ったw
けど、しっとりほんわかまとまって、ギシアンと勘違いした自分が恥ずかしくなった。
それからこのスレに来てみたらコレだよwww
乙!最後の最後も面白かった!

14 :感想どうもです  ◆xNYpA6wwn6 :2010/03/16(火) 23:56:32 ID:+TA5e37E0
皆様、感想ありがとうございます。
概ね、楽しんでもらえたようでホッとしております。
…………もしかして、自分のイメージが多少なりともUPしたかもしれない好機を、自分で潰してしまったような気もしますが、ドンマイ。

またしばらく多忙になりそうなので、とりあえずやっつけですが今のうちに投下しまする。

15 :某銘菓とは関係なし  ◆xNYpA6wwn6 :2010/03/17(水) 00:04:04 ID:+TA5e37E0
<趣旨>やっつけな上に時期過ぎたけどホワイトデーネタ

【白いコイビト】

「大河…ホワイトデーのお返しだけど、何か欲しいものあるか?何でも…ってわけにはいかないが、俺にできることなら…」
「……何でも?竜児にできることなら?」
「ああ。俺にできることなら…何でもだ」
「じゃあさ。じゃあ…竜児。私を、竜児のお嫁さんにして。本当のお嫁さんに。白く…真っ白に…竜児ので、私を白く染め上げて…」
「大河……」

  ギシギシアンアン

「…実乃梨ちゃん…それは流石にベタすぎでしょ…ベッタベタだよ…」
「ベタではない!『王道』と変換して補完して補正したまえあーみん!」
「矯正しすぎて劣化してんじゃね…?まああのバカップルならあり得なくはないけど…」
「おうよ!あの二人なら必ずやオレっちの予想の斜め上を3メートルほど横滑った展開に持ち込んでくれると信じてるッゼ!!
 …っとぉ、きやがったぜきやがったぜ!隠れるんだあーみん!」
「いや教室でどう隠れろって…え、机の下?」
 ゴソゴソ…
「マッマッマッマッマッ・マッシュマッシュマロ〜〜〜〜〜」
 うおー!
「クッククッククッククックククククククッキッキ―――!」
 や―――!!
「キャ・キャ・キャ・キャンディ・キャ・キャ・キャ・キャンキャンディ!!」
 は―――――――!!!
「手作り!竜児の手作り!マシュマロどーん!クッキーどーん!キャンディどーん!
 どーん!どど―――ん!!」
「大河…頼むからちょっとは落ち着け…傍から見ていて頭が可哀相な人みたいだぞ…」
「だっておいしいし!たくさんだし!甘くてフワフワでサクッとコリッと!!」
「ったく…お菓子がいっぱいで嬉しいってどんだけお子様なんだお前は…。
 おはよ、櫛枝、川嶋…なんで机の下にいるのかはよく解らんが…ってなんだ櫛枝?」
「高須くん…」
 ニッコリ。
「ヘドぶちまけな!!」
「ドッゲェェェェェェェェェェェ!!?」

 みのりんのこうげき!
 レッドスコルピオンな飛び膝がこみかみに炸裂!
 りゅうじはしんでしまった!!

「りゅ、りゅうじ〜〜〜〜!?いきなり何するのよみのりん!!?」
「バッキャロ大河ぁぁぁぁぁ!!
 お菓子ネタならそこは『いと犯し』とかのたまいながら女体盛りとかもつれ込みなよ!
 萌えねぇんだよそれじゃああああぷぎゃ!?」
 ゴッ、というシンプルだがシャレにならない音が響き、みのりん強制終了。
 へなへなと崩れ落ちた実乃梨の背後で、思った以上に椅子の角を友人の後頭部にめり込ませてしまった亜美がうめく。
「………しまった………後ろからだと正当防衛は成立しないよねぇ……」
「う……非難していいのか感謝していいのか、微妙だわばかちー…」
「しかしどうしたもんかね、これ」
「まー、竜児もみのりんも頑丈だからこれくらいでどうにかなったりはしないけど…とりあえずばかちーはみのりんお願い」
「ハイハイ、あんたは旦那様の方ね…ってコラ。アンタ高須君、どこに連れてく気よ?」
 気絶した竜児の襟首をつかんで引きずっていこうとする大河に、素で不思議そうに亜美は問い掛ける。
「ねえばかちー」
「なによ?」
「いま、みのりんに言われて思いついたんだけど…」
「だからなによ?」
「…………………………男体盛り、ってありかな?」
「まてやコラ」

      <了>

16 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/17(水) 00:32:48 ID:ovsjheTI0
「男体盛り?俺の出番ということか、それならそうと言ってくれれば幾らでも身体を差し出そうじゃないか!」
「祐作は呼んでねぇっつーの!てか何でいきなり脱ぎだすのよ!」

17 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/17(水) 10:31:04 ID:Yw1ruLHe0
>>15-16
男体盛り
その発想は無かったwwww

18 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/17(水) 15:51:43 ID:LG5AmHVY0
>>15-16

いや待て、それは普通にどんびきだ・・・・・


19 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/17(水) 22:32:40 ID:eartLRHg0
どっちもダメだwww

20 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/17(水) 23:16:36 ID:5POjh7510
>>15
面白かったよ!w
ハシャギ大河かわいいw

21 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/17(水) 23:23:54 ID:WPoaeBk/0
>>15-16
兄貴に盛るならOKだ!

22 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/18(木) 01:11:13 ID:IryQF4xf0
前スレ>>471
いいなあ、こういう感じ、GJでした。

>>8
楽しそうなふたりですよね。オチはアレですけどwww
GJでした。

以下に前スレ>>420の続き「超しあわせの逢坂タイガー伝説」を投下します。
8レスくらい使います。

23 :超しあわせの逢坂タイガー伝説3 ◆x6jzI2BeLw :2010/03/18(木) 01:12:51 ID:IryQF4xf0

竜児の腕から解き放たれた大河は両手で肩を抱き、寒そうな素振りを見せた。
春とはいえ、明け方近くともなれば気温は下がる。
火の気が無い竜児の部屋は少し冷え込んで来ていた。

「寒くないか?」
「ちょっとね」
「待ってろ、今何か上に着れる物、出してやるから」
羽織れそうな物を出そうと竜児が大河に背を向け衣装ケースを漁っていると、大河がもういいよと竜児に声を掛ける。
「よくねえだろ・・・っておまえ!」
振り向いた竜児が見れば、大河はさっきまで竜児が寝ていた寝床へ潜り込んでいた。
「へへ、ここ暖かい」
「へへ・・・じゃねえ、出ろ」
「やだよ。ここ暖かいもん。朝までずっとこうしていようかな」
そのまま目を閉じる大河。
「ねえ、竜児」
「何だよ?」
「もう少し広いのがいいね」
大河は竜児にもっと広いベッドを買いなさいよと言う。
「そしたら・・・一緒に・・・寝られるじゃない」
恥ずかしい台詞を言ったと言う自覚があるのか、大河の頬の辺りが赤みを帯びる。
「いつか、そんな日が来るのも悪くねえ・・・と俺も思う」

竜児の答えに大河はとてもニコニコ顔で嬉しそう。
「竜児の匂いがする」
そう言うと頭ごと掛け布団の中に潜り込んだ。


「あのね・・・竜児」
布団の中から大河の声がする。
「竜児は・・・してみたい?」
「何をだよ?」
「・・・だから・・・さっき以上のこと」
いきなりそんなことを聞かれて竜児は面食らう。
「そんな風になっちゃうなんて全然、想像付かない・・・でも、いつかはそうなるって思ってるから」
竜児が答えないまま、大河はひとり続ける。
「・・・いいよ。竜児がそういう気持ちになるなら・・・私・・・多分・・・拒まないから」
「・・・大河」
「ん、でもね・・・ちょっとだけ待って。・・・まだ、覚悟が決まってないから」
そんなことを言う大河に言い知れぬ愛おしさを感じてしまう竜児。
言葉を選びながら大河へ声を掛ける。
「正直言って・・・そんな思いが無いって言ったら嘘になる。・・・でも暴れる竜にはならないつもりだ・・・そしてそんな日が来たら・・・飛び越えようぜ、一緒にな」

・・・うん。

竜児の声が届いてから、少しの間を置いて大河は肯定の意を表した。


もぞもぞと竜児の布団から這い出して来た大河の顔は真っ赤だった。
思い切ったことを言った羞恥心と布団蒸しによる相乗効果のなせる業に竜児の頬が緩む。
「笑わないでよ」
「わりい、わりい」
むくれ掛ける大河だが、この瞬間はどんな顔をしても可愛いと竜児は思った。


24 :超しあわせの逢坂タイガー伝説3 ◆x6jzI2BeLw :2010/03/18(木) 01:14:03 ID:IryQF4xf0


「忘れ物だぞ」
そろそろ帰るねと言う大河に竜児は声を掛ける。
部屋の片隅に転がる大河の木刀。
「ああ、それ・・・竜児が預かってて」
大河はそれに一瞥をくれるとそんなことを言い出した。
「預かるって?」
「私にはもう必要ないから・・・」
この先、そんなものを振り回す機会は廻って来ないと大河は思ってる。
もし、そんなことがあるなら、それは竜児に何かあった時しかない。
「竜児だって・・・その、嫌でしょ・・・彼女が木刀振り回すなんて」
少しは大人しくならないと・・・と大河は決意表明をする。
「無理しなくて・・・いいんだぜ」
竜児としては大河が変なストレスを溜め込むことの方がよっぽど恐ろしい。
「ん、やっぱり置いてく」
ママに見つかったら大変だからと大河は別の理由を付け加えた。
「わかった。大事に預かる」
「お願い・・・なかなかいいサイズのなくて・・・やっと見つけたお気に入りだから、それ」
「おう」
ふたつ返事で請け負う竜児。

じゃあね、と帰ろうとする大河を竜児は呼び止める。
「何?」
「送るよ」
言外にもう少し一緒に居たいと思いを込めて竜児は言う。
「じゃあ、お願い」
気持ちが伝わったのか大河は素直に竜児の申し出を受けた。




25 :超しあわせの逢坂タイガー伝説3 ◆x6jzI2BeLw :2010/03/18(木) 01:15:10 ID:IryQF4xf0

静まり返った住宅街に響くふたつの足音。
手を繋ごうと言う竜児に大河はそっと手を差し出した。
「ひんやりするな・・・大河の手」
「竜児の手は暖かいよ」
お互いに指先を動かし、相手を確かめ合う。
その内、大河の手の平の感触に違和感を覚える竜児。
「ちょっと手が荒れてねえか?」
見せてみろと竜児は大河の手を目の前に持って来る。
淡いピンク色で健康そうな大河の小さな手。
それでも良く見ればその表面が少しささくれ立っているのが分かる。
「ちゃんと手入れしろよ・・・後でハンドクリーム塗ってやるから」
「・・・うん」
それは大河がちゃんと家事を手伝っている証だった。
だからそれ以上、竜児は何も言わない。
ただちょっとだけ前よりも大河の手を力を入れて握り締めた。

「ねえ、竜児・・・覚えてる?」
「何をだ?」
「バレンタインの日のこと・・・」
「ああ・・・覚えてるさ」
「あの時もこうやって・・・手を繋いで走ったよね」
互いの母親の声を背後に聞きながら、どちらからとも無く伸ばした手を結んで走り出したあの日。
「こうして、大河と手を繋いで歩いて行ける・・・夢じゃねえよな」
朝になったらこの大河は幻で、今までのことは夢だった・・・そんな悪い予感を竜児は考えてしまう。
大河が・・・行ってしまったままの世界が本物で、これは自分が見ている都合の良い夢なんかじゃないのかと・・・。
「馬鹿ね、竜児。夢なんかじゃない・・・私はここに居るもの」
何があってももう離れない・・・私はずっと竜児の側に居る。
改めて誓う様に大河ははっきり言う。
「竜児も・・・そうでしょ?」
「ああ、どんなことがあったって・・・大河、おまえを離したりしねえ」
心の底から迸る様に竜児は想いを込めて大河へ告げた。

大河は不意に立ち止まり、竜児を見上げる。
「どうしたんだよ?」
「なんかね・・・嬉しくて・・・胸がいっぱい」
じっと竜児を見つめる大河の表情がゆっくり変って行く。
ふわーと言う感じで大河の顔中に広がる柔らかな笑み。
そんな大河を見つめながらこの笑顔のためなら、何を失っても良いとさえ竜児は思った。


26 :超しあわせの逢坂タイガー伝説3 ◆x6jzI2BeLw :2010/03/18(木) 01:16:05 ID:IryQF4xf0

こっちが近道と言う大河に引っ張られて夜の公園に足を踏み入れる。
水銀灯の青白い光だけが支配する無人の空間。
公園の並木の向こうに見えて来る大河が両親と住んでいるマンション。
もうすぐ着くなと言う竜児に大河はもうちょっとだけと、近くのベンチに誘った。
「なんか、このまま帰っちゃうの・・・もったいなくて」
「抜け出したの、大丈夫かよ?」
「大丈夫・・・5時頃になんないと起きないから」
ママも弟もぐっすりと大河は付け加えた。
「なあ、ひと晩で何回、起きるんだ?」
ふと思いついて竜児は尋ねる。
「だいたい、4時間おきかな・・・」
「大変だな・・・赤ん坊の世話も」
「・・・ママと比べたら、全然平気」
そう言って大河は笑う。
実際、大河もそこまで大変な物だとは思っても見なかった。
仕事を持っている大河の母親は産休も満足に取らず働いているのだが、仕事人としての顔、家に戻ってから母親としての顔、そして妻の顔と八面六臂の動き様に大河は圧倒された。
昼間はベビーシッターに任せざるを得ないのだが、帰宅してからは全て自分の手で子供の世話をし、その合い間に家事をこなす。
大河はただただ圧倒されるだけだった。

「お母さんも歳ね。大河の時は平気だったけど」
夜中の授乳が続き、寝不足気味になった母親が漏らした弱音。
大河は私も手伝うと積極的に言い出した。
母親に代わって夜の授乳を受け持つようになった大河。
もともと弟の世話をすると言う条件が付いていた大橋高校の近所への引越し。
いくら実の娘でも育児経験ゼロの大河に母親は期待していた訳ではない。
つい捨てるような感じで別れてしまったことへ対する罪滅ぼしとでも言うべき気持ちが、大河の転校を食い止め、この引越しに繋がっていた。
もちろん、新しい家庭に入った大河が親愛の情を見せ、溶け込んだことの影響も大きい。
経済的に自立してると言っても母親としては再婚相手の意向を無視できないからだ。

つまるところ弟の世話云々は母親の単なる照れ隠しに過ぎないのだった。


「かわいいんだ、これが」
大河は嬉しそうに言う。
今でこそ、そう言える大河だが最初のうちはそうでもなかった。
安眠を妨害するうるさいだけのやっかいもの。
心の片隅にそんな意識があった。
それが変ったのはつい最近のこと。



27 :超しあわせの逢坂タイガー伝説3 ◆x6jzI2BeLw :2010/03/18(木) 01:17:49 ID:IryQF4xf0

「そうだ・・・竜児に謝らないといけないことがあるの」
思い出したみたいに大河が言い出す。
「何を謝るんだ?」
「あのね・・・いちばん最初は・・・竜児の予定だったんだけど・・・」
妙に言い辛そうに大河は切り出す。
「最初って?何がだ」
「ほら・・・降り積もった雪の上に最初に足跡を付けるってあるじゃない」
「ああ?・・・話が良く見えねえ」
首をひねる竜児に苛立った大河は身をもって行動する。
「あ〜もう・・・こういうこと!」
竜児の手を掴み、己が胸の上に誘導する。
服の上からとはいえ、非日常的な柔らかさを感じた竜児は弾かれた様に手を遠ざける。
「何するんだよ!」
「それはこっちの台詞でしょ」
開き直る様な大河の声に何か言い返し掛けた竜児だが、ここではっと気が付く。
「・・・最初じゃないって・・・まさか」
「そうよ、竜児が2番目」
大河のこの台詞に竜児の思考回路はショート寸前。
すさまじい形相で真相を究明しようとする。
「ど、どこのどいつだよ!」
そんなことしたのは誰だよと沸騰するやかんみたいに大河へ詰め寄る。
「知りたい?」
「あ、当たり前だ」
落ち着いた大河の様子に苛立ちながらも竜児は気が気ではない。
痴漢でもあったんじゃないだろうなとか、あれこれ不吉な想像が脳裏を駆け巡る。
だから、大河の答えを聞いた瞬間、派手に脱力した。

「弟よ」
「弟!・・・って大河のか?」
「そうよ・・・生後2ヶ月くらいかな・・・弟とは言え、異性に許してしまったの・・・ごめんね、竜児」
大河が言っている内容は深刻だが、口調はもう笑いを堪える寸前だった。
言い終えてすぐ大河はうぷぷと堪え切れなかった笑いを漏らす。

竜児はもう放心状態。
そんな竜児にお構いなく大河は続ける。
「抱き上げてあやしてたら・・・触られちゃったのよね・・・べたって」
種明かしを終えて大河は楽しそうだが、竜児はそれどころではなかった。
「竜児?大丈夫?」
「あ、あのな」
「でも、良かった・・・竜児が本気で心配してくれて」
笑みを引っ込め、真面目な顔で竜児を見る大河。
こんな風に言われてしまっては竜児としても怒りようがなかった。
「でも・・・注意してくれよ」
「何を?」
「大河のことだよ・・・十分、人目を惹くだけのルックスがあるんだよ、おまえには」
へっ?っと言う顔をしてみせる大河。
「ちょっとは自覚を持て、頼むから」
竜児の言い分に大河は小さな声で「うん」と答えた。



28 :超しあわせの逢坂タイガー伝説3 ◆x6jzI2BeLw :2010/03/18(木) 01:19:17 ID:IryQF4xf0

・・・変に気を許すなってことかな。
じゃあ、この先のことは言えないね。
大河が竜児に抱える秘密。
秘密と言うには大げさだが、あんまり話がしやすい内容でもない。
別に間違ったことをしたわけじゃないんだしと、大河は胸の中に仕舞う事にした。

単に竜児には弟に触られたとしか言わなかったが事実はそれ以上だった。

それは母親が仕事で帰って来れない晩の出来事。
例によって夜中に夜泣きを始める弟に大河の睡眠は破られる。
うるさいなと思いながらも、大河はミルクを作り、人肌に冷ます。
哺乳瓶に詰め替え、飲ませようとするがあまり飲もうとせず、泣き止まない弟に大河は焦る。

「ちょっと、どうしちゃったの」
一応母親からこういうサインは危険だからと教えられていたケースとは合致しないので、救急車とか言う騒ぎにならないのはいいのだが、原因が分からなかった。
あれこれするけど泣き止まない弟。
そのうち大河は自分の指先が触れたりすると泣き声が少し弱くなるのに気が付いた。
もしかして、とひらめいた大河は弟をベビーベットから抱き上げた。
その途端に泣き止む弟に大河は自分の判断が間違っていなかったことを覚る。

「・・・あんたも寂しいのね・・・ママが居なくて」
大河の気持ちが通じたのか笑う弟。
そうやってしばらくの間、大河は弟をあやしていたのだが、不意に伸びて来た弟の手にうろたえる。
「そ、そこは駄目・・・これ、お姉ちゃんの・・・ママのじゃないの」
言葉の通じない相手に理詰めで言っても通用しない。
せっかく泣き止んだ弟の様子が怪しくなる。
いくらかためらった末に、もう仕方ないと大河は決心すると行動に移った。


パジャマのボタンをいくつか外し、胸元を広げる。
母親が実際にやっていた時の様子を思い浮かべながら、弟を抱き上げ、そっと近づけた。

・・・うひゃ

それが大河の第一印象だった。
くすぐったいようなこそばゆさが消えると大河の中に小さな感動が生まれる。

・・・飲んでる・・・飲んでるよ。
・・・うわ〜。

もちろん、実際に出るわけも無く気分だけなのだが、温もりと言うスキンシップに満足したのか、弟は上機嫌。
手をバタバタさせ、回らぬ舌であうあうと声を発し、大河の愛着心を掻き立てる。

そのまま大河が哺乳瓶を含ませると食欲旺盛なところを見せ、きれいに飲み干した。

大河の腕の中ですやすや眠る弟。
今までにないくらい優しい視線を大河は落とす。

・・・いいなあ、こんな感じ。

母親体験をして大河は少しだけ自分が大人になった気がした。


29 :超しあわせの逢坂タイガー伝説3 ◆x6jzI2BeLw :2010/03/18(木) 01:20:34 ID:IryQF4xf0

「大河?」
「え、あ・・・竜児?」
「何、ぼーっとしてんだよ?」
「・・・赤ちゃん」
「赤ちゃん?」
「うん・・・早く欲しいなあって」
「そ、それは少し早すぎねえか・・・」
大河の思い掛けない言葉に竜児は顔が赤らむ。
「・・・だね」
大河は納得したようにうなづく。
「その前にいろいろあるもんね・・・って、竜児、顔赤い・・・エッチなこと考えたでしょ、今」
「そんなことしてねえ」
正直に言えと迫る大河に竜児は白を切り通す。

「それが当然だもんね・・・いいよ私、気にしない」
あっさり大河は追及の手を緩める。
「全然、そんなこと思ってもらえなかったら・・・かえって傷つくから」
そんなことを言いながら大河はふと昔、思ったことを思い出していた。
入浴前で裸になった時、自分の胸に手を触れ、いちばん最初にここに触る異性は誰なんだろうと想像したいつかのあの日。
それが竜児になると確定した、今。
これからその時をどんな想いで迎えるんだろうと大河の気持ちは飛躍する。


「ブランコ、乗ろう」
急に大河はベンチから立ち上がると公園の遊具へ駆け寄る。
いろいろ考えたら頭が煮えたぎってしまった大河は体を動かすことで沈静化しようとしたのだ。

ひとり乗りのブランコを勢い良く、こぎ始める大河。
徐々に大きくなる振り子運動。
「あはは、気持ちいい・・・竜児もやんなよ」
「お、おう」

並んでブランコを漕ぐ、竜児と大河。
夜の空気が頬に当り、心地良く冷やしてくれる。
大河はぎこちなくブランコに乗る竜児を見る。
「や〜い、へたっぴ」
「うるさい・・・だいたい小さすぎるんだよ」
あくまでも子供向けの遊具、竜児にはサイズが合わなかった。
「見てて」
そう言うと大河はひときわ高く、振り子運動を極める。
その振り子がいちばん高いところ来た瞬間、大河はブランコを飛び降りた。
空中を舞う大河。
あっと思い、竜児はその軌跡を目で追い掛ける。

「10点満点」
両足を揃えて着地のポーズを決め、大河は自己採点する。
「どう?」
「無茶すんなよ」
「小学校以来だから上手くいくかどうか不安だったけど、勘は鈍ってなかった」
「まったく、びっくりさせるぜ」
「あはは、もうしない」
そう言うと、大河は自分で自分の頭を小突いた。



30 :超しあわせの逢坂タイガー伝説3 ◆x6jzI2BeLw :2010/03/18(木) 01:23:44 ID:IryQF4xf0


「じゃね、竜児。また後で」
「おう、二度寝して寝坊するなよ」
「大丈夫・・・今夜はありがと・・・」
マンションのエントランスへ続く階段の途中で先を歩いていた大河が立ち止まる。
「それから、竜児・・・」
意味ありげな視線で竜児を呼ぶ大河。

「何だよ?」
階段下で大河を見送っていた竜児が階段へ足を掛け、大河へ近付く。
「・・・ん、ちょうどぴったりかな」
「何がだ?」
大河の居る位置から見て数段下に立っている竜児。
「ほら・・・目の前が竜児」
ちょうど大河と竜児の身長差が段差で解消され、同じ目線位置になる。

「一度してみたかったの・・・ここで」
・・・私、背伸びしなくていいんだよ。
ささやく大河の声が竜児の耳に触れる。

真夜中ならではの技だな。
そう考えながら、竜児はほんの気持ちだけ前のめりの姿勢を取る大河へ顔を寄せ、己が想いを込めてその小さな口元へ重ね合わせた。





「たいが〜、高須く〜ん。いるのか〜い」
昼休みも終わりに近付いた頃、屋上へ続く階段の下から櫛枝実乃梨の声が響く
「返事が無い?・・・いないのかな」
ひとり言を言いながら、階段を昇って来た実乃梨が見たものは・・・。
「ありゃ・・・まあ、何ていうか、仲良きことは美しきかな・・・なんちゃって」

座ったまま壁に寄り掛かって眠る竜児。
その竜児にもたれて眠る大河。
床の上、体を支えるようについたふたりの手。
その手はしっかりと結ばれたままで・・・







以上で、このお話はおしまいです。
ありがとうございました。

今回のは微妙に◆xNYpA6wwn6 さんの話とネタが被ってる(笑)
でも、あっちの大河の方が積極的だwww


31 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/18(木) 02:00:20 ID:jee4E8E/0
>>22-30
超GJ!

しっとりしあわせ、いいね。

32 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/18(木) 03:59:03 ID:CRNH5mMq0
>>30

ギシアンしてもいいのよ

33 :とらドラ!で三題噺 ◆Eby4Hm2ero :2010/03/18(木) 05:32:05 ID:jee4E8E/0
お題 「顔面」「あげてない」「片手」



 日曜の街角を、鋭過ぎる視線を振り撒きながら歩く男が一人。
 周囲の人々を引かせまくるその姿は、言うまでもなく高須竜児。
 と、その目の前に、手もあげてないのに止まるタクシーが一台。
 そこから降りて来て軽く片手を上げたのは、
「はろ〜、高須君。相変らず凶悪な顔面してるわね〜」
「おう川嶋、奇遇だな。今日は仕事は無いのか?」
「この売れっ子亜美ちゃんに限ってそんな事あるわけないじゃん。といってももう上がりで、今から帰る所なんだけどね。
 それより高須君こそ一人なんて珍しいじゃない。ひょっとしてタイガーに振られたとか?」
「う〜ん……当たらずとも遠からずってとこだな。大河のお袋さんに急な仕事が入ってさ、弟の面倒を見なきゃいけなくなっちまったとかで」
「へ〜……それじゃ、今日の高須君はフリーなんだ。それじゃあさ、偶には亜美ちゃんと遊ばない?
 あたしならこの辺良く知ってるし、きっとチビ虎とデートするより楽しいよ?」
「あ、いや……そうだ、それならモンサンミシェルって洋菓子店知らねえか?この近くだって聞いたんだけど」
「知ってるけど……亜美ちゃんとしては、まずはもうちょっと盛り上がる所から行きたいな〜。映画とか、ボウリングとか……」
「そうじゃなくてだな、その店に大河と行く予定だったんだけど」
「でもタイガーは来られないんでしょ?」
「おう、だからせめてケーキを買っていってやろうと思って」
「ああ、お土産ってこと。でもそれなら、なおさら最後の方がよくない?」
「いや、だからだな、そこに寄ってから大河の家に行くんだよ」
「……はぁ?ちょっと、意味わかんないんですけど?」
「親父さんも仕事だって話だったからな。大河一人じゃ色々と大変じゃねえか」
「……ひょっとして、最初からタイガーんちに行くつもりだった……とか?」
「おう、それがどうかしたか?」
「……あたし帰る」
「おい、川嶋?店の場所は……」
「知らねーし。知ってても天然鈍感KY野郎なんかに教えてやらねーし」
「お、おい?」
 待たせていたタクシーで立ち去る亜美。一人取り残された竜児は呆然と。
「……俺、なんかマズイこと言ったか?」

34 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/18(木) 21:18:09 ID:acnoMA+N0
>>30
GJです。いつも優しい文章で癒されます。

>>33
さすが竜ちゃんすごいフラクラっぷり!w

35 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/18(木) 21:20:59 ID:qBKb/lbX0
>>30
GJ!お疲れ様でした。
もう心がポカポカです。ありがとう。

>>33
GJです。
亜美ちゃんめずらしー。

36 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/18(木) 21:23:11 ID:uM8pyUC20
>>33
まずいこと言ってるけど、フリーの時ですら肝心なところが致命的に鈍いとわかっていた
竜児を今更誘ってるあーみんもあーみんだな(w

>>アゴの人
面白いんだけど、いい話と馬鹿馬鹿しい話は分けた方がいい。折角筆力あるのに
MOTTAINAI。混ぜるなら最後をいい話にするとうまくまとまるよ。

37 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/19(金) 00:20:36 ID:xST65saS0
タイガーホールとドラゴンスティック

38 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/19(金) 20:21:53 ID:WPL+OADV0
>>33 GJ! あーみん切ないな〜

いつも思うのだがその豊富なネタはいったいどこから・・・

これからも楽しみにしてます。

39 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/19(金) 23:07:01 ID:WXquzD0k0
誰か、敏犬りゅうじをかいてくれ!

40 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/20(土) 02:12:49 ID:U//yw/lm0
卒業式ラッシュもそろそろ終わりか。高校は月初めがほとんどかな?

大河はボタンどころか学ランごと欲しがりそうだw


41 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/20(土) 08:49:33 ID:gMUcuine0
学ランごと?

それどころか人目も憚らず、着ている当人ごと強奪し兼ねないような気が…

42 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/20(土) 10:20:50 ID:YLwvvFKs0
「あのさ、ええとね」
「なんだよ」
「竜児の学生服、もらってもいいかな」
「はぁ?お前何唐突にすっとんきょうなこと言ってるんだよ」
「だって、ほら、よく言うじゃない。卒業式には好きな男子のをさ、もらうって」
「そりゃボタンだろう。どこの世界に学ランまるまるよこせなんて奴が居るんだよ」
「いいじゃないそんなの。欲しいものは欲しいんだから。ねぇ、竜児ぃ」
「ああ、わかったわかった。ひっぱるな。クリーニングちゃんと出したらお前にやるから」
「え…あ…クリーニング?」
「馬鹿野郎、当たり前だ。人に衣服を渡すときには洗濯するかクリーニング。常識だぞ」
「そう…そうねぇ」
「ん、どうした?なんか元気ねぇぞ」
「んーん。何でもない。自分の彼氏が鈍犬野郎だって忘れてただけ」

43 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/20(土) 12:44:05 ID:DUJIo36F0
>>42 普通にその光景が目に浮かぶな〜

44 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/20(土) 19:39:10 ID:Pr3JfVTs0
大河と竜児のこづくり計画

45 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/21(日) 00:34:24 ID:ODxqA14C0
>>42
洗濯してないやつが欲しいんだよな、高校生竜児のエキスが染み込んだやつが
>>44
早くその子作り計画を書く作業にry



46 :とらドラ!で三題噺 ◆Eby4Hm2ero :2010/03/22(月) 05:54:17 ID:AByDd98/0
お題 「日」「認める」「慎重に」



「おうっ!?」
 ぱさり、と、手にしたタオルが洗濯物の上に落ちた。
 竜児はゴシゴシと目を擦り、意味も無く辺りを見まわし、深呼吸して気持ちを落ちつける。
 そして、そろそろと慎重にタオルを端からめくり……その下にあるものを確認してから再び元に戻す。
「……おう……」
 それは、白い布であった。具体的にはコットン100%。
 形状は、大雑把に言うと二つの三角形の頂点同士を繋げたよう。
 片方の三角形の長辺中央付近には、小さな赤いリボンのワンポイント。
 ……認めたくはないが、認めるしかない。要する所それは、俗に『ぱんつ』と呼ばれる物体であった。
「……あのドジ」
 洗濯(というか家事全般)を竜児に任せっきりの大河であるが、さすがに下着類だけは自分で洗っている。おそらく、その時に別にし忘れたのだろう。
「落ち着け、落ち着け。パンツなんて別に珍しくもねえじゃねえか……」
 確かに高須家家事担当の竜児は、日常的に泰子のそれを扱っている。
 だが、クラスメイトの女子の、
 隣に住む女の子の、
 逢坂大河の……ぱんつ。
「うう……」
 妙な緊張感と罪悪感が、竜児の心臓の鼓動を早くする。
「そ、そうだ、大河に言って回収してもらえば……」
『……見たわね』
 想像上の大河の声が一段低くなる。
『お、おう、そりゃまあ……』
『表から裏から……じっくりたっぷりねぶるように……』
『おい、大河?』
『匂いを嗅いだり……あまつさえ、あ、味わ……』
『ちょっと待て!?お前、俺をどんな風に……』
『殺す!絶対に殺す!!』
「……駄目だ、言えねえ」
 それならば、取れる策は。
「とにかく洗っちまって、こっそりしまっておくしかねえか……だけど……」
 しまうべき場所はわかっている。大河に絶対に開けるなと言われている引出しの中。
 そこを開ければ出迎えるであろうものは、おそらく十数枚のぱんつ。更には畳み方を確認するために少なくとも一枚は取り出さねばいけないわけで。その様は誰がどう見ても、
「……まるっきり変態じゃねえか……」
 命を捨てるか、恥を捨てるか。
 散々悩んで、結局竜児は恥を捨てることを選んだ。
「まずは、洗濯……しちまわねえと……」
 タオルを捲れば、あらわになる大河のぱんつ。
 ごくりと唾を飲み込み、意を決してそれを手にした瞬間。
 がちゃり。
「竜児ー、お腹すい……た……」
 扉を開けた大河の動きが止まり、その眼が見開かれていく。
「お……おう……」
「……こ……このド変態のドエロ犬ーっ!!」
「まて、誤解だーっ!!」

47 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/22(月) 09:33:15 ID:+fuOww2+0
>>46 GJ! もうね、しょうがないよね・・・
お約束だもんね  だがそれがいい!

48 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/22(月) 21:50:03 ID:97Ndrxlu0
>>46
GJ!
目に浮かぶw

49 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/22(月) 22:12:01 ID:PxCMTlqb0
>>42
乙!
同じこと考えてる人がいて安心した
竜虎なら絶対こうなるよねw

>>46
乙!
竜児の生真面目さゆえの結末www


50 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/23(火) 00:42:03 ID:VX0wf2Uy0
大河が竜児の白いものを欲しがるらしい

51 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/23(火) 15:28:53 ID:tWCVoCFg0
>>46
パンツごときで何をそんなに…と思ったが

洗 っ て な い や つ な の か ! !

竜児はまず、思案する前にもっと興奮するべきw


52 : ◆fDszcniTtk :2010/03/23(火) 22:44:41 ID:1tqXaH6m0
ぱんつと聞いてコテハンで飛んできますた。

>>46
ナイスです。竜児は計画を大河に開陳してどの辺が誤解だと言い切る
つもりだったのだろう(w

>>51
> 竜児はまず、思案する前にもっと興奮するべきw

掃除のために合コンを蹴った竜児に何を今更w ぱんつといえど汚れ物。
まずきれいにするのが竜児の主婦ワールド。そうして洗い終わったら
目を刃物のように細めて、

「うわーっ真っ白」

と頬ず(ry


53 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/24(水) 10:35:41 ID:vWHRZ91l0
>>42
大河、へこむよな。匂いフェチには冒涜。
あと「自分の彼氏が・・・」と言う大河に2828。

>>46
乙! 竜児はぱんつをどうしていたのかという長年の疑問が氷解したよ!

>>52
>>ぱんつと聞いてコテハンで飛んできますた。
コラw 

54 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/24(水) 23:42:01 ID:tsRoPgPu0
「千のか〜ぜ〜に〜、千のか〜ぜになあ〜て〜♪」
「……大河、その歌は古くねぇか?」
「っ!!…聞いてんじゃないわよこの駄犬!」
「俺のひざの上で歌っといてそれは無理があるんじゃねぇか?」
「うううるさいうるさい!この歌は名曲よ!古くてもいいでしょ!」
「いや、そんな一発屋みたいな歌じゃなくて今も歌われてるような、もっと他にあるだろ。だいたいそんな悲しげな歌じゃなくてもっと夢のあるやつにしろ!……お前がそんなん歌うと…俺がさみしくなる。」
「わ、分かったわよ……あんたを悲しませる訳にはいかないわ。じゃあ、……今〜私の〜ねが〜い事が〜♪」
「確かに今も歌われてるが……さっきからチョイスが子供っぽいな…。」
「かな〜う〜な〜らば〜」
「おぅ、続けるのか…。」
「…………」
「?」
「りゅ、りゅうじが欲しいっ!!」
「おうっ!?」

ギシギシアンアン 

55 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/25(木) 01:40:17 ID:L5Wyh/dM0
>>52おおうクリームソーダ氏、久しいな!ぱんつに反応とかww
氏の書く、デレ度三割り増しの可愛いぃぃ大河と、プライド高めの抜群に格好いい竜児が大好きですよ。

気が向いたらまた書いてねw

>>54翼をください歌いだした時点でオチは見えたwだがGJですよ。

56 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/25(木) 17:04:43 ID:13P6EkwH0
>>54 GJ! 久々ギシアンw
てか翼をくださいとかなつかしなぁ〜


57 :ギシアンネタ〜  ◆xNYpA6wwn6 :2010/03/25(木) 23:37:00 ID:a+/ma49F0
元ネタ >>28 あと自由人HERO

 赤ん坊は、無条件で可愛い存在だと思う。
 抱き上げた大河の弟をあやしながら、竜児はしみじみとそう実感した。
 男女の性別とか、血縁の有無など関係なく、ただただ可愛いと思うのだ。
 この腕の中の赤子が喜ぶことなら、なんだってやってあげたい。まだ高校生のくせにこんなことは考えるのは舞い上がりすぎだと自分でも思うけど、子に対する親の愛情とはきっとこういうものなのかな、って。

「ん〜〜?どうちたんでちゅか〜?おにいちゃんでちゅよ〜〜?」

 相好を崩し、赤ちゃん言葉な今の竜児の姿は、最愛の嫁でさえドン引きしそうな放送規制モノであったが、赤子はそんなフェイシャル・ウエポンな竜児にも、無邪気な笑顔を返してくれる。
 愛しくて、愛でたくて、愛らしくて、たまらない。

「うん?どうした?お腹すいたでちゅか〜〜?
 …………。
 お、………お兄ちゃんのオッパイ、吸う?」
「ナニするだあ――――貴様あ――――!!」

 バッタの改造人間じみた跳躍力で、大河の足刀が竜児の横面に炸裂し蹴り飛ばした。
 まるでダルマ落しのようにその場に留まった弟の身体を柔らかく抱きとめて、大河は3メートルの水平移動を強制され、床の上で痙攣している婚約者を睨みつけた。

「りゅりゅりゅりゅりゅううじぃぃぃ!あ、あんた、このエロエロ犬ぅぅぅ!!
 アンタ、アンタねぇ!人の弟に、なっ、なんてことしてんのよっ!!」
「してない…ゴホッ…まだ未遂…」
「未遂とか関係ないっ!ひ、ひ、ひとのオトートに、赤ちゃんに、アンタ、なななにしてんのよこのペド!ペド!ショタホモペド野郎!!!」
「いや・・・かわいいもんだから、つい」
「つい、で男がオッパイするなぁぁぁ!アンタのそのドス黒い乳輪で、赤子の純真な瞳を汚すんじゃない!」
「うおぅ…そ、そんなに黒いかよ…」
「はああ!?そのメラニン色素が不必要に沈着しまくったゴミレーズンが黒くないとでもいうわけHENTAIがっ!!私ばかりか弟にまでトラウマ植え付ける気っ!?」
「くうううう…」
「はっ!!泣いちゃうわけこのドスケベエロエロ黒乳首犬!!アブノーマルな上にヘタレとくるかこのシワクロひまわり乳輪!!
 そんなにねぇ……そんなに……そんなに、おっぱい吸ってほしかったんなら…私が吸ってやる―――!!」
「えええええええええええええええ!?い、いや!やめて!」
「へっへっへっへっへっ、口ではそう言いながらも、もうここはビンビンじゃあねぇかぁ〜」
「あうっ!いやっ、ち、ちくびコリコリしちゃだめ…らめえええええええええええええええぇぇ!!」

 ギシギシアンアン

 なんかもう・・・ごめんなさい。

58 :ギシアンネタ〜  ◆xNYpA6wwn6 :2010/03/25(木) 23:49:54 ID:a+/ma49F0
元ネタ >>42,46

「ただいまー…って大河、来てるのか?」
 玄関にぞんざいに放置されていた、小さな靴をきちんと並べながら竜児は奥に声をかけた。が…返事はない。
「大河、寝てるのか?…ってお前、脱いだものはちゃんとかけておけよ」
 玄関と繋がる狭い台所の床に、制服の赤い上着が無造作に脱ぎ捨てられているのを発見し、竜児の声が少し尖る。
 更に視線を少しずらすと、冷蔵庫の前にはクチャクチャに丸まった紐タイ放置。
「お前なあ!制服にシワがつくだろ!なんでちゃんとかけておかないんだよ!」
 大河の返答にはおかまいなく、その行儀の悪さに直情的に小言を言いながら、竜児は居間に入る。
「あーあー、ここもかよ!大河、お前…なぁ?」
 大河が脱ぎ散らかした衣服を反射的に拾い上げてから、自分が手にしているモノに竜児は気づいた。
 制服のブラウスに…スカート、だと?
「どおおおおおおうっ!!?」
 更に足元で危うく踏みつけそうになった、AAAサイズのブラの存在に、竜児は思わず飛び退いた。
 嫌な汗が背中を伝っていくのを妙に遅く感じながら、ノロノロと視線を動かす。
 居間と自室を隔てる、桜の花びらが貼り付けられた襖は僅かに開き。
 その下には……白い、三角形の、小さな下着が。
「たっ…大河っ!!」
 襖の向こうへ声をかけるが…何の音もしない。
 だが微妙な息遣いと、人の気配は感じられた。
「大河、お前…」
 どういうつもりだ、と言いかけてその言葉を竜児は飲み込んだ。
 もしかして…ふざけてるとか?
 こんな撒き餌をばら撒いて、俺が慌てふためくのを楽しんで…大河、ちゃっかり私服に着替えているとか…?
 まあ…悪ノリの類でも、本気で誘っているのだとしても、これは少々、やりすぎのような気がした。
 こんな…、その、男の純情を弄ぶようなやり方は、やめて欲しい。
 そんなことのために、自分を粗末にするようなことは、やめて欲しい。
 一度、ゆっくりと深呼吸をして、(足元の下着は見ないようにしながら)竜児は襖に手をかけた。
「大河…?」
「あ…竜児…」
 夕方近くで、やや薄暗い竜児の部屋に大河は…いた。竜児のベッドに横向きで寝そべって。
「大河…それ…」
「あ…うん…竜児の学ラン、かけてあったからのが目について…」
「衣替えだからな…しまう前にクリーニングに出そうと思って・・・」
「うん…知ってる…」

 口の中がカラカラで、唾を飲むことはできなかった。
 大河は、裸ではなかった。
 まず、いつもの黒いニーソックスは脱いでいない。
 そして…小さな身体にはダブダブすぎる、竜児の学ランを素肌の上に羽織っていた。

 裸学ラン+黒ニーソ。
 すいません。これ、何のご褒美ですか?

 混乱気味な竜児の前で、この無防備すぎる虎は、すこしはにかんだ、最高の微笑みを見せるのだ。
「えへへ…りゅうじのにおい、する…」

 ――――ぷっつん。

「たいがあああああああああああああああああぁぁぁぁ!!」
「え、なに、りゅうじぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?」

 ギシギシアンアンギシギシアンアンギシギシアンアン!
 ギシギシアンアンギシギシアンアンギシギシアンアンギシギシアンアン!
 ギシギシアンアンギシギシアンアンギシギシアンアンギシギシアンアンギシギシアンアンアン!!

 すいません。生きててすいません。いやもうホント。

59 :<趣旨>やっつけでした  ◆xNYpA6wwn6 :2010/03/25(木) 23:55:53 ID:a+/ma49F0
 ああ…ちょっとこないうちにこれだよ…フフフ…皆さんGJだよ…

>>36
 うーん……。
 自己分析、ですけどね。
 自分、ギャグセンスは実は、あまり良いとは言えません。
 センス不足だから、基本的には自分のお笑いって力押し、なんです。具体的には『上げて落とす』方式。アゴなんかは正にそれ。シリアスパートで丹念に築き上げたものを、一気に突き崩すことで笑いを得ようという。
 だから自分の持ち味はシリアスとギャグが混在してるからこそ、だと考えています。
 無論、徹頭徹尾、シリアスなお話ってのもとらドラ!以外の二次では書いてたりもしますが。
 とらドラ!に関しては、基本コメディネタしか今のところ湧き上がってこない〜。
 まあ、ノリと脊髄反射だけで書いてるところもアリマスガー。


 ……ギシアンネタなんてそれだけで書いてるトコあるし。つか、明日は役員会だってのにナニ遊んでるんだ自分。目の前の業務から逃避してる?わかってるよそんなの!
 ……でも数日ぶりにここ覗いてみたら、癒されたけど即座に下い方向でネタが浮かんでしまう自分って…センス以前に人間としてのレベルの問題ですかもしかして?
 下ネタはほどほどに!
 下いネタは控えるように!
 まあ、なるべく!できれば!どちらかというと!そーゆー方向で努力したいなぁ、と!
 できたらいいよね?うん。

60 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/26(金) 00:27:21 ID:ff60o48T0
>>59
GJです下ネタも素晴らしいですよw

61 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/26(金) 00:48:59 ID:yXSkfc4B0
>>59
ギシアン二連発乙!
うん、裸学ラン大河にそんなことされたら竜児暴走も仕方ないよなw

思うように書いて投下してくれたら嬉しいよ
まあ下ネタはほどほどにw

62 : ◆Eby4Hm2ero :2010/03/26(金) 06:26:58 ID:tFNx8qqt0
>>59
GJ!
◆xNYpA6wwn6氏の作品は楽しくて好きですw

63 :とらドラ!で三題噺 ◆Eby4Hm2ero :2010/03/26(金) 06:27:57 ID:tFNx8qqt0
お題 「メイク」「ブヨ」「皮」



「なあ大河、お前メイクとかしねえのか?」
「はぁ?」
「いや、川嶋達とか見てるとなんか色々やってるみたいだし……大河はどうなのかと思ってさ」
「ばかちーだぁ?けっ、どうせあんたは胸元でブヨブヨしてる脂肪隗にでも見蕩れてたんでしょこのエロ犬が」
「……お前なあ……」
「ま、正直な所あんまり興味が無いのよね、特に着飾って見せる相手も居なかったし」
「その割に服は随分とひらひらふりふりじゃねえか」
「それは、自分がそういうのが可愛くて好きだからだもの」
「なるほどな……あ、でもさ、今なら北村がいるじゃねえか、見せる相手」
「……それは、考えないでもなかったけどね……知らないのよ、ちゃんとした化粧の仕方」
「え?」
「母親からは教われるような状況じゃなかったし、そういう話をする友達も……居なかったし」
「……すまねえ」
「竜児が謝ることじゃないわよ。……ほら、みのりんだってお化粧にはあんまり縁が無いし」
「お、おう、そういやそうだな」
「そういえば、竜児はどうなの?」
「いや、俺は男だし」
「そうじゃないわよ馬鹿犬。化粧ばっちり決めてるような女の子が好きなのかってこと」
「う〜ん……俺はほら、泰子が化粧でガラっと印象変えるのいつも見てるから」
「やっちゃんってば、普段はどっちかというと可愛い系なのに、お仕事行く前はびしっと『女の人』って感じだもんね……」
「顔の皮の上に色とか乗せただけでどうしてあんなに変われるのか、いまだによくわからねえ……。
 ともかく、あんまり気合入ったメイクされてもさ、その下の素顔とか想像しちまうんじゃないかな……多分」
「それじゃ、すっぴんの方が好みなわけ?」
「どうだろう、別に化粧してるのが嫌いってわけじゃねえから……
 そうだ、旅行の時に大河が薄い色付きのリップしてたじゃねえか。あれぐらいのさりげないのがいいかな」
「ふーん……」


「みのりん、おはよう」
「おっはよう大河!……あれ?」
「何?」
「大河……ひょっとして、そのリップ色付き?珍しいじゃん」
「うん。いつものがちょっと見つからなくて、その代わりよ、代わり」

64 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/26(金) 10:41:46 ID:KWJk4EoY0
>>63
GJですさりげなく意識する大河がカワユス

65 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/26(金) 15:45:11 ID:eGMKCKGL0
>>59 GJ! 学ラン+黒ニーソは反則だろw

>>63 GJ! いやもう大河可愛すぎですよねw

66 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/26(金) 17:08:59 ID:IcNH18Ri0
>>54に触発

「ねぇ、竜児。」
「ん?どうした?」
「エヘヘ。あのね?………すぅっ…今ー私のー♪」
「おぅっ!?」

ギシギシアンアン


「りゅうじー。……今ー私のー♪」
「おぅっ!?ま、まて、隣に泰子がいるだろ!!」
「だいじょーぶ。声は我慢するから。」
「いやダメだろ!!オイ、ちょっとまて!?」
「問答無用!!」

ギシギシアンアン


「今ー私のー♪」
「いや学校はだめだろ!!」
「そんなこと言ってもうしっかりたってんじゃないのよ。」
「うっ…」
「じゃあ人気のないところに……」

ギシギシアンアン


ギシギシアンアン

「りゅうじ…もっかい…」
「おう…」

ギシギシアンアン

「もっかい…」
「おぅ…少しやすまねぇか?」
「大丈夫よ。」
「いや、俺が
ギシギシアンアン

「もっかい…」
「いや、もう無理だ…もうたたねぇよ……」
「…しょーがないわね……今ー私のー♪」
「なんだ?………おうっ!!?俺の息子が勝手におきた!?」
「よしっ。まだいけるわね?」
「ま、…まさかすべてこのため!?」
「さぁ?」
「い、いやああああぁぁぁぁぁぁ……」
ギシギシアンアン♪ギシギシアンアン♪

67 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/26(金) 17:30:53 ID:IcNH18Ri0
「パパ〜。今日学校で新しい歌ならったんだー。」
「おぅ。どんなの習ったんだ?」
「んー。いくよ、……今ー私のー♪」
「!!!!!」
「…?どーしたの?なんでないてるの?あれ?ズボンが……」
ポンッ
「竜児……しょうがないわよ……いきましょ…見殺しにはしないわ……。」
「あれ、パパ、ママどこいくの?」
 「いいの。あんたはそこでずっと歌ってなさい。いい?まちがってもここあけちゃダメよ」
「?はーい」
「いい子。さ、いきましょ、竜児?」

今ー私のーねがーいごとがー♪
ギシギシアンアン♪ギシギシアンアン♪

68 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/27(土) 00:01:38 ID:eaicZuaM0
そういえばテレ東の本放送最終回からもう1年経ったんだな

69 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/27(土) 00:50:36 ID:NJzP8uGV0
>>67
大河察しがいいなww

70 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/27(土) 00:54:32 ID:vQiMABZ40
>>68
そのとうり。放送終了、原作終了1周年記念でスピンオフ発売。それはいいだけどさ。
BD Boxいい加減に出して欲しいよ。

71 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/27(土) 01:18:58 ID:kVK12QT00
>>59
テンパり大河がとてもカワイイ。
学ラン黒ニーソ!これは流行る!!…といいなwシモネタはほどh(ry
>>63
竜児の言うことに影響される大河萌えw
でも鈍感だから、自分の発言による行動だって気付かないんだろうなあ竜児は
>>67
気張って淹れたチャイ吹いたwwパブロフの犬wwwこんな条件反射いやすぎるだろwwww
>>68
いまだに「もう一度…」の後が気になってしょうがない

72 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/27(土) 08:48:34 ID:0H9DdexL0
>>68 早いもんだな〜
いろいろな作品を見たがやっぱりとらドラが一番だわ

>>71 たしかに「もう一度・・・」は気になる


73 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/27(土) 23:24:32 ID:k8ZVt1Ea0
>>57
もうカンベンwww 
マジ、噴きました。

>>46
パンツネタ、GJ!!
どうやって言い逃れるのか、想像するだけで楽しいですv

>>63
さり気ない大河 GJです。

前作にコメントなどなどありがとうございます。
以下に短いですが新作投下。
3レス使います。例によってノンタイトルw


74 : ◆x6jzI2BeLw :2010/03/27(土) 23:25:37 ID:k8ZVt1Ea0

「竜ちゃん〜、大変、大変」
ただいまと帰って来た竜児を出迎えたのは泰子の騒々しい叫び声だった。
「何が大変なんだよ?大家が家賃を上げるとでも言ってきたのか」
「違う違う、これ見て」
そう言う泰子が竜児へ差し出したのは町内会の回覧板だった。
「なになに・・・マンション建設反対の署名のお願い・・・何だこれ?」
「マンションが出来るんだって・・・そこに」
泰子が指差すのは南側の窓だった。
「そこって・・・隣の空き地にか!」
「そうなの・・・8階建てだって〜」
初秋の柔らかな日差しが差し込む借家の二階にある高須家の居間が急に暗くなったように竜児は感じられた。
「許せん!そんなことになったら・・・ベランダは日陰、洗濯物どうすんだよ」
断固反対だと竜児は書名用紙に高須竜児と書きなぐった。
高須竜児 中2の秋のことだった。

違法建築でもない限り、工事の差し止めなんて出来るはずもなく、春先には高須家に日差しは届かなくなる。
「真っ暗だね、竜ちゃん」
「ああ、どうする?」
「引越し・・・ね」
住環境が劣悪になったことは否めず、引越しを考え始めた竜児と泰子。
「でも、ここのお家賃・・・」
「・・・だな」
泰子の台詞をみなまで言わせず竜児も相槌を打つ。
付近の相場に比べて格安な今の住居。
決して楽ではない高須家の家計。
それを考えると引越しには二の足を踏まざるを得ない。
「仕方ねえ・・・がまんするか」
忌々しげに竜児は隣に出来つつあるマンションをにらんだ。
「まったく・・・どんなブルジョアが住むんだよ」
ポストに入っていた新築マンションのチラシに書かれた販売価格は竜児と泰子にとって縁遠いものだった。



75 : ◆x6jzI2BeLw :2010/03/27(土) 23:26:37 ID:k8ZVt1Ea0

「ただいま」
「お帰り、竜ちゃん・・・お隣り、引っ越して来たみたいよ」
中三の冬・・・受験を年明けに控えた竜児に泰子が言う。
「なに?ついに引っ越してきやがったか」
暗殺を請け負った仕事人が任務遂行直前の如く、細い目をいっそう細くして竜児は隣の建物を凝視する。
別に引っ越して来た人間がマンションを建てたわけでは無いのだが、マンションのオーナーの顔も知らない竜児としては手近なところへ憤懣をぶつけるしかない。
「どんなやつだった?」
「それがね・・・引越し業者の人はいっぱい見たんだけど・・・住む人が誰なんだか」
首を傾げる泰子。
「あ、でもベランダから見てたら、センスの良さそうなお洋服のミドルが居て指図してたから・・・その人じゃないのかなあ」
自信なさげに泰子は言う。
面白くないと竜児は泰子の話を聞き流す。
高須家から太陽を奪ったまだ見ぬ隣人へ竜児は見えない敵愾心を燃やす。

その夜・・・竜児は窓越しに隣のマンションの北側の部屋に明かりが灯るのを初めて見た。
厚いカーテンの向こう・・・竜児は思った。
・・・なんか寂しげな明かりだな。
何故そんなことを思ったのか・・・竜児にはさっぱり分からなかった。


それから竜児が注意して見ていてもマンションの窓に掛かるカーテンが開かれているのを見ることは無かった。
・・・本当に人が住んでるのかよ?
不思議に思わないでもないが、夜になると明かりが漏れるので誰かが居ることは間違いが無い。

そんな竜児がある日、ベランダで洗濯をしていているとふと視線を感じた。
竜児が振り向く。
・・・誰も居ねえ?
・・・ん?
良く見るとマンションの窓にあるカーテンが揺れていた。
・・・誰かが見てた?

そんなことが何回か繰り返された数日後のこと。
竜児はフェイント攻撃を掛ける。
ジロジロ見やがって・・・どんなやつだよ?
洗濯機へ神経を集中していると見せかけて、いきなり竜児は振り向いたのだ。

窓のカーテンが激しく揺れ、人影が一瞬にして消える。
・・・女の子!!?

意外なものを見た思いがする竜児。
カーテン越しでわずかな時間しか見ていないが、あれは確かに髪の長い女の子だった。


その日の夕食の席で・・・。
「なあ、泰子・・・隣の家だけど・・・小学生の女の子が居るみたいだぞ」



76 : ◆x6jzI2BeLw :2010/03/27(土) 23:27:44 ID:k8ZVt1Ea0


「言ってくれるじゃない、洗濯フェチ」
小学生呼ばわりされた大河はこう言い返す。
「俺のどこが洗濯フェチなんだよ?」
「隣にどんな人が住んでるんだろうって、私も人並みに興味くらい持つわ・・・で、こっそり見てたら目付き悪いのが楽しそうに洗濯してるだもん、可笑しくて」
本当にクスクスと笑い出す大河。
「笑うな」
竜児は抗議の姿勢を見せる。

「だって、高校入ったら・・・あんた、居るんだもん・・・げっ、同じ学校とか思っちゃった」
「悪いかよ・・・あそこなら歩いて通えるからな」
通学定期不要だし、自転車も買わなくて済むしと竜児は利点を数え上げた。
「ヤンキーとか言って恐がられてる竜児が洗濯・・・くっくっ」
笑いを堪える大河。
自分だけが知ってるヤンキー高須の秘密、そう思ったらなんか楽しくなったと大河は打ち明ける。
「・・・だからかな、竜児にすんなり馴染めたの」
笑いを引っ込め、大河はそう言う。

「竜児のことは一年の時から知ってた・・・そのあんたとまさかこんな風になるなんて、思いもしなかったわ」
心底、意外だと言う調子で大河は竜児を見つめる。
「俺は・・・おまえのこと全然知らなかった・・・廊下でぶつかるまで」
「失礼よね・・・どうせみのりんしか見てなかったんでしょ?」
「・・・すまん」
「馬鹿正直なんだから・・・少しは誤魔化しなさいよ」
「そうか?」
取り繕うことを知らない竜児に大河は笑みを隠さない。
「でもね・・・キライじゃなかったよ。竜児のそう言うトコ」

「・・・そうかよ」
怒ったような声を出し、そっぽ向く竜児。

そんな竜児の照れ隠しに大河は顔に満開の笑みの花を浮かべ、満たされた想いを味わっていた。




以上で終わりです。




77 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/28(日) 01:15:19 ID:ehgkrzQ+0
>>70
×とうり
○とおり

78 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/28(日) 01:28:46 ID:epA6ef7n0
>>74-77
絵が脳内再生できるぐらいの良い物を読ませてもらった。GJ

>「失礼よね・・・どうせみのりんしか見てなかったんでしょ?」
>「・・・すまん」
>「馬鹿正直なんだから・・・少しは誤魔化しなさいよ」
>「そうか?」
>取り繕うことを知らない竜児に大河は笑みを隠さない。
>「でもね・・・キライじゃなかったよ。竜児のそう言うトコ」

>「・・・そうかよ」
>怒ったような声を出し、そっぽ向く竜児。

このあたりの動かし方がいいなあ。
まさに竜虎だ。


79 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/28(日) 01:31:57 ID:Sxcj6IpW0
>>76
GJです。
この辺の話、ほのぼのしますよね。

80 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/28(日) 02:57:44 ID:YdYY60/V0
>>76
おぉ、これは良作だ
GJ!

81 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/28(日) 09:42:17 ID:BmI3Zz3n0
>>76 GJ! ナイスですw
なにげないやりとりが癒されます。

82 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/28(日) 18:01:25 ID:XHxxfPGp0
感想の前にまずはsageというものを覚えような。

83 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/28(日) 22:06:23 ID:8RaE4vg50
>>76
乙!
ありそうな光景にニヤニヤしたw

84 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/28(日) 23:32:27 ID:1WVAgqNv0
>>76 GJ!
優しげな文章が心地よい

85 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/29(月) 03:55:49 ID:oTkpd/8d0
ギ・・・ギシアン成分は!?

86 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/29(月) 18:44:29 ID:kQHO++7b0
皆様のSS、ギシアン楽しく読ませてもらってます。SSを書くにも文才がないためギシアンネタを試験投下。

大河 「竜児。この作者SSはおろか2ちゃんねるに書き込むのも初めてなんだって、
    笑っちゃうわよね〜。」
竜児 「おう、まあいいんじゃねえか、何事も経験ってよく言うしな。」
大河 「ま、まあそうね。ところで竜児こんなプレイはどうかしら?」
竜児 「って大河?お前どこからそんな手錠を…」
大河 「普通のギシアンもいいけどこういうのもやってみたっかたのよ…、
    それに竜児『何事も経験』って言ったじゃない。」
      ガチャガチャ (←手錠をつける音)
竜児 「おい、俺はそういうことを言ったんじゃないぞ!」
大河 「そう言う割にはもう硬化してるわよ。」
竜児 「うっ…」
大河 「さあ、観念しなさい!竜児。」
竜児 「Nooooo!」

ギシギシアンアンギシギアンアン

大河 「結局なんだかんだいって楽しんでたじゃない、竜児」
竜児 「うう…、もうこれ以上は言わないでくれ。」

結局のところギシアンを楽しんでいた竜虎だった。


試験投下終了
わかったことが3つほど
1俺に文才はない

2俺はただの変態www

3質が悪すぎるwww

スンマセンがちょっくら死んできますwww。


87 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/29(月) 19:00:47 ID:cAmSI89W0
>>86
初投下乙です。次からはsageでよろ!

88 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/29(月) 19:59:51 ID:axm0ntHW0
ちょっと来ないうちにギシアンがすごいことにwwwww

89 :まとめ人 ◆SRBwYxZ8yY :2010/03/29(月) 20:27:30 ID:yks4qpwG0
まとめサイト更新しました。
抜けがありましたらご指摘をよろしくお願いいたします。

>>86
             _   __
             /´=:ミ´二.ヾ\
            / '/ '´rー=、ヽ.ヽ 、ヽ
          i / 〃,イ|   | |_L| l l     当スレは誰でもウェルカム……!
            |.l.l ル'__リヽ  ヘl_Nヽ!.l |     ギシアンでもイチャラブでもお好きな妄想を……!
          | |.バ ̄o`  ´o ̄,"|l |      どうぞ欲望の滾るまま……!
.          レ1  ̄ 〈|:  ̄  !`|     ご自由におカキくださいっ……!
          ド」 、ー-----‐ァ ,lイ!
      _,,... -‐| l ト、`¨二¨´ ,.イ.l lー- ...._
   ,ィ''"´:::::::::::::::| l.l ::::ヽ、__, .::´ :l.l |:::::::::::::::::`¨lヽ               r'つ
.  /:::|:::::::::::::::::::::::W \ ::::::::::: /lル:::::::::::::::::::::::|:::ヽ               / 丶-‐''つ
  /:::::: |::::::::::::::::::::::::l.  \ /  .l::::::::::::::::::::::::|::::::ヽ         ,.<   )ヽヾニニ⊃
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:::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::::::::l  ハ   /:::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::\ /::::::::::::::::::::/
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ヽ::::::::::::::;イ:::::::::::::::::::::::::::V   V::::::::::::::::::::::::::::ト、:::::::::::::/::::::::::::::::::::::/

90 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/29(月) 21:20:43 ID:z6Iy7gP10
>>86 乙です。俺はギシアンネタすら思いうかばないから大丈夫!

>>89 更新乙です。
いつもお世話になってます。



91 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/29(月) 21:35:45 ID:JJfmSI3t0
>>86
乙!
なんでも経験さw
実は俺もvol.19が初スレ立てだったんだぜ……

>>89
神様仏様まとめ様!
いつもありがとうございます!
本スレでみるの久々だw

92 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/29(月) 23:31:23 ID:/olGgziM0
ひらってきたのれす 高須くん何やってんすか
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1939251

93 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/29(月) 23:32:33 ID:t7sQ/Elc0
>>89
乙です!
いつもありがとうございます!!

94 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/30(火) 00:47:41 ID:3fjEz53mO
まとめ様お疲れ様!
初投下の人もおつ!ニヤリとしたぜ!
そろそろ4月だし、おれも再開するかー

95 : ◆Eby4Hm2ero :2010/03/30(火) 10:22:50 ID:nJ53HQYM0
>>86
乙です。これからの作品に期待。

>>89
まとめ・保管作業いつもありがとうございます。

>>94
こちらも超期待。

96 : ◆Eby4Hm2ero :2010/03/30(火) 10:24:24 ID:nJ53HQYM0
とらドラ!三題噺「竜児」「今日」「視線」



「くそ、どうしてこんなことに……」
 眉根を寄せて苦悩する竜児の横で、大河は眼の端に浮かんだ涙を拭う。
「仕方ないじゃない……きっと運命だったのよ」
「……認めねえ、認めねえぞ。こんな馬鹿げたことが運命だなんて……」


 話は朝まで遡る。

「竜児、どうしたのよ? さっきからきょろきょろして」
 昇降口の前で、怪訝そうに竜児に尋ねる大河。
「おう……なんか最近、妙な視線を感じるんだよな……」
「何よ、まさかストーカーとか?」
「いや、感じるのは学校でだけだし……そもそもそんな特殊な趣味の人間はいねえだろ」
「あら、ここに居るじゃない」
「え?」
 見れば、大河は自分を指差して。
「竜児を好きだっていう『特殊な趣味の人間』」
「……お、おう」
「ねえ、ストーカー諦めさせるためにキスでもしてみせる?」
「いや、学校で、しかもこんな人前ではさすがにまずいだろ」
「それもそうね。それじゃ、その代わりに」
 大河は竜児に抱き付き、胸元に頬を擦り付ける。
「おい、大河!?」
「ついでに昼休みまでの竜児分を補充してるの」
「おう……」
 竜児は頬を赤らめながらも、大河の髪を優しく撫でる。
 やがて大河は名残惜しそうに身を離し。
「それじゃ竜児、また昼休みにね」
「おう、今日の弁当は力作だから期待しとけよ」
 そう言って別れたのも束の間。
「おうっ!?」
 竜児の叫びに駆け寄れば、その手には白い封筒が。
「竜児?」
「お、おう、大河……」
 その表には可愛らしい字で『高須竜児様へ』と。
 中を開けば、
『お願いがあります。
 今日の放課後、体育館裏へ来て頂けないでしょうか。
                    1−C 熊谷綾乃』
「……あんた、どうすんのよコレ」
「いや、ほっとくわけにもいかねえだろ」
「でもこれって……アレじゃないの? ほら、その……告白、とか……」
「そうとも限らねえし、もしそうだったらきちんと断わるだけだ」
「……それじゃ、私も一緒に行く」
「いや、それは駄目だ」
「何で!?」
「わざわざ呼び出すんだ、他人に聞かれたくない用件なのは間違い無いじゃねえか」
「う、それは……」
「教室で待っててくれよ。すぐに戻るし、何があったかきちんと報告するから」
「……わかったわ」

97 : ◆Eby4Hm2ero :2010/03/30(火) 10:25:17 ID:nJ53HQYM0
 そして、放課後。
 わかったと言いはしたものの、やはり大河の胸の内はざわざわと落ち着かず。
 竜児は浮気をするような男ではないが、いかんせん優し過ぎる。もしも強引に迫られたら、果たして断りきれるのかどうか……
 気づけば大河は体育館の横まで来てしまっていた。
 とその時、建物の陰から飛び出してくる一人の少女。
 すれ違う瞬間、大河ははっきりと見た。少女の頬が桜色に染まっていることを。その唇に笑みが浮かんでいることを。
「……!」
 思わず駆け出した大河の目に飛び込んできたのは、呆然と立ち尽くす竜児の姿。
「竜児!?」
「お、おう……」
「どうしたの?何があったの!?」
「いや、その……告白……」
 やはり、そうだったのか。ではあの少女の表情は……まさか……
「が、上手くいきますようにって……拝まれた」
「……は?」
「こんなもん渡されて……」
 見れば竜児の手には一枚の封筒。そこに書かれている文字は『高須不動尊様江』。
「……尊の後に様って、どうなんだ?」
「知らないわよ」
 中を見れば、入っていたのはかのう屋の商品券(1000円分)。
「不動尊って、不動明王のことだよな」
「それって、悪霊とかをやっつける仏様よね」
「じゃあこれは……ひょっとして、お布施……ってことか?」
 しばし無言の二人。
「えっと……あの女の子はこれから誰かに告白するわけよね」
「おう、カラスマ君とか言ってたな、確か」
「で、その前に竜児を拝みにって……つまり、厄払い?」
「何で俺なんだよ?」
「不動明王っていえば憤怒の形相だから……ぷ」
 大河の体がぶるぶると震えだし、
「ぷっくくく……あは、あはは……ぴ、ぴったりすぎる……ぶぁはははははは!」
「涙出るほど笑うんじゃねえっ!」



 後日判明したことだが、意外に広まっていた『高須不動尊』の噂(謎の視線の原因もこれだった)は、亜美が竜児の写メを『魔除け』と称して保存していたことに加えて竜児と大河のバカップルぶりから『幸せになれる』などと尾鰭がついたものだった。
 なお熊谷綾乃の告白は無事成功したらしく、それ以来竜児は時折舞い込む商品券への対処に苦労しているという。

98 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/30(火) 11:34:48 ID:xBF2t7yl0
>>97
GJです!

あーみんってば「魔除け」と言い訳してまで・・・w

99 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/30(火) 23:33:44 ID:NZ7IEkFx0
>>97
展開が巧いなぁ。GJでした

100 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/30(火) 23:46:42 ID:7m7CKtgJ0
>>97
乙!
魔除けワロタwww


101 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/01(木) 01:13:00 ID:YK/wIMwI0
エイプリルフールネタの投函はまだか?

102 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/01(木) 02:46:30 ID:e+X6DzCK0
漫画の竜児の冒頭の台詞ってどんなんだっけ?
「〜いたって普通の高校2年生だ」のところ

103 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/01(木) 03:55:05 ID:ObDZkl0l0
1コマ目のモノローグ?
だったら
『俺の名は高須竜児
 目つきの悪さ以外はいたって普通の高校2年生(今日から)』

104 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/01(木) 04:04:45 ID:iba2R7Sn0
ガイシュツ?
http://asagikk.blog113.fc2.com/blog-entry-471.html

105 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/01(木) 10:36:09 ID:EEiba1E/0
>>104
盛大に噴いたw

106 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/01(木) 10:59:06 ID:s6LwF1hr0
このスレ向けじゃないけど続きも噴いた
http://blog.livedoor.jp/chihhylove/archives/1671554.html

107 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/01(木) 20:06:16 ID:s7xJ9b5C0
>>104>>106
これ書いた人凄いよね。
なんだか好きだわ

108 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/01(木) 23:25:55 ID:6X2Mw7MI0
ギシアンが足りない!!!!!!もっとギシアンを!!!!!

109 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/01(木) 23:45:28 ID:mO7DNerc0
「竜児!」
「おう、どうした?」
「で、でで、ででで……」
「……大王がどうかしたのか?」
「違うバカ! 出来ちゃったの! 子どもが!」
「はぁ!? ど、どういう事だそりゃ!?」
「私と竜児の遺伝子がここでフュージョンしたってことよ」
「そうじゃねぇ! 俺たちはその……キス……までしかしてないだろ!」
「そっか……竜児は知らなかったのね……」
「……何をだよ?」
「現代ではキスだけで子どもが出来るのよ!」
「んなわけあるか!」
「本当だって! ほら、この『サイエンス』に載ってるもん!」
「おぉぅ……なんだそのカタカナのサイエンスは……」
「ほらほら、このページ」
「子供が出来たかわかるフローチャート……?」

・最近キスをした No→妊娠の心配はありません
 Yes↓
・思い出すだけで鼓動が早まる No↑
 Yes↓
・そういえば顔が熱っぽい No→もう少し頑張りましょう
 Yes↓
・頭がぼーっとする No→あと少しです。
 Yes↓
・ おめでたです。
一刻も早く産婦人科へ。

「こ、これは……いまどき小学生でも騙されないぞ……」
「あんたとのを思い出すと、なんかドキドキするし、顔は火照るし、そのうちぼーっとしてくるし……」
「いや、あの、大河? これどーみてもエイプリルジョーク雑誌だぞ?」
「ねぇ竜児、子どもは2人以上だよね……?」
「おう、そうだなっっておい……んむっ」

(以下脳内補完でよろしくw)


110 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/02(金) 00:48:35 ID:ajCDbtZz0
>>109
gj中々面白い

111 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/02(金) 01:29:12 ID:J4i4mUaC0
>>106
会話のテンポがクセになりそうw
プロかな?

112 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/04(日) 02:35:37 ID:QJNsRMCq0

「ほ〜ら、たかいたか〜い」
「ひゃー!」

ttp://skm.vip2ch.com/-/hirame/hirame085933.png

113 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/04(日) 13:32:01 ID:2Y+6pUsR0
和むなw ポイントを押さえてあっていいね!

114 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/04(日) 21:30:17 ID:ox48VvLr0
ギシアンをもっとしていいのよ

115 :代行 とらドラ!で三題噺 ◇Eby4Hm2ero:2010/04/05(月) 22:16:55 ID:eU0Q7QlrP
P2持ちの俺が転載
大規模規制中は避難所[ http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/anime/7850/1256747762/ ]が稼動中です


151 名前: ◆Eby4Hm2ero[sage] 投稿日:2010/04/03(土) 04:09:40 ID:???
規制巻き込まれた……というかメッセサンオー祭の影響で大手ISP軒並み全滅らしい。
地域絞り込み無しでocn丸ごと規制とか。


152 名前:とらドラ!で三題噺 ◆Eby4Hm2ero[sage] 投稿日:2010/04/03(土) 04:10:39 ID:???
お題 「秘めて」「あたり」「ぶつけた」


「どうしよう……」
 逢坂大河はとぼとぼと帰り道を歩く。
「どうしよう……よりにもよって、あいつに……」
 高須竜児。
 北村君の友達。
 初対面、始業式の日にぶつかった時は失礼な奴だと思ったけれど、よく北村君と話している様子を見れば悪い人間じゃない様ではあった。
 だが、だからこそ、アレを北村君に渡してしまうのではないだろうか。
 ずっと秘めてきた想いを綴った手紙を。

 そもそも、書きはしたものの渡すつもりは……そんな勇気は無かったのだ。
 それが、たまたま北村君の机に鞄が置いたままなのに気がついて。教室には他に誰も居なくて。
 千載一遇のチャンスだと思った。でも決心がつかなかった。鞄を開けたまま迷って……丁度その時にあのバカが来て……思わず放り込んでしまった。
 それが、あいつの鞄だとは気づかずに。

 結局手紙はそのまま、高須竜児の鞄の中で。
 『高須竜児』の事をほとんど何も知らない以上、取り返す事は極めて難しい。
 連絡網のプリントを見れば電話番号ぐらいはわかるだろうが……そこまでだ。
 家に帰れば、あいつは手紙を見つけるだろう。
 ラブレターだと気づくかもしれない。中身を読んでしまうかもしれない。
 思い返せば自分でも恥ずかしくなるような内容だ……笑うだろうか。バカにするだろうか。
 それをもし北村君に伝えられてしまったら。クラスに広められてしまったら。
 ……そうなったらもう、生きてはいけない。

 と、その時。
「……あれは!」
 見覚えのある後姿。どこかにぶつけたのだろうか、後頭部のあたりをさすりながら前を歩くのは間違い無く高須竜児。
 咄嗟に物陰に隠れる。幸いこちらに気がついた様子は無い。
 なんという天の配剤。このまま後をつければあいつの家がわかる。そうすれば、手紙を取り戻すことだって出来るかもしれない。
「……あれ?」
 ぶつかったり、転びそうになったり、それでも見つからないように、見失わないように必死に尾行を続けて。
 気づけばなんだかよく知っている道を歩いている。というか、いつもの登下校のルートをそのままに。
 やがて辿りついた終着点は。
「……嘘」
 高須竜児が入っていったのは、大河の住むマンションの隣……ボロい木造一戸建ての二階。
 今まで隣人など気にした事も無かったが、それがまさかあの男だったとは。

 そして、夜。
 大河は木刀を手に、寝室の窓から塀の上を経由して隣家二階のベランダへ。
 手紙の事を知られてしまったのは間違い無い。それを無かったことにするためには高須竜児の息の根を止めるか、せめて記憶を飛ばさなければいけない。
 正面から行けば当然あいつは抵抗するだろう。ならば、寝込みを襲うのが一番確実だ。
 降り立った目の前の窓をそっと開ける。鍵はかかっていない。
 中を覗けば、人の気も知らずに安らかに眠る高須竜児。思わず睨み付けるが、ここからでは上手く殴れそうにないし、中に入ろうとよじ登れば気が付かれるかもしれない。
 横を見れば、おそらく居間に入るための大きな窓。こっそり侵入するならこちらからだろう。
 靴を脱ぎ、木刀を握り締め、サッシに手をかけ……
 いざ、参る。

116 :もいっちょ代行:2010/04/05(月) 22:18:49 ID:eU0Q7QlrP
エイプリルフールネタ


149 名前:高須家の名無しさん[sage] 投稿日:2010/04/01(木) 19:42:57 ID:???
何でかわからないがアク禁になった。(荒らしはしてませんよ)
ハラハラ妄想の人がエイプリルフールネタはないか?という方がいたため
作って投下→書き込めねえ、なぜだ?(ハラハラ妄想>>86の作者ですのでまだ初心者)→仕方がないからこっちへ投下

エイプリルフールネタは?という方がいたので試験投下 ちなみに86でギシアンを試験投下した者です、
駄文&読みにくい&粗悪&変態?かもしれませんがよければ是非どうぞ
ちなみに「秋になったら畑に行こう」がベースです。 年齢設定は大学1年生

「りゅーじ、私たちって結婚するんだよね?」
大橋高校でつい最近まで危険度レベルMAXに降臨していた彼女、手乗りタイガーこと逢坂大河はいつものように
遊びに来て、高須家の居間で食後のごろごろタイムを貪っていた。(さしずめ食後の野生の
トラのように…、すなわちそれだけ彼女にとって高須家は安心できる場所でもある。)
そして食器洗いをしながら「おう!」と答えたのは某指定暴力団○×組に所属し
「自宅にならトカレフの2丁や3丁、他にも小麦粉に似た何かやチョコに似た何かならたくさんあるぜ…」
という顔をした男子、高須竜児である。
最も外見だけであり根の性格はヤーさんとは正反対どころかお人好し。
(その性格ゆえに大橋高校の美少女3名を悩ませたと言う伝説が高校に残ってるとか残ってないとか…。)
そしてこの二人が付き合ってから約一年弱が過ぎたある日のこと…

「ってことは結婚式もやるんだよね?」
「おう!もちろんそのつもりだ。俺が『18になったら嫁に来いよ』
とは言ったものの、やはり状況が変わってるし、それに俺がちゃんと稼いだお金で
お前にウェディングドレス着せたいしな。そういや大河、お前はどんなドレスがいい?」
「う〜〜ん」と考えてから三分は経過した時に彼女はあることを思いついた。そして
「私は竜児の中学時代の緑色のジャージがいい!!」
「はい?」
「だ〜か〜ら、2年生の秋に竜児とみのりんとイモ掘りした時のジャージよ。」
「ああ、あの時の… ってかお前普通結婚式に着るか?」
「はあ〜」
「なんだよ…、そのいかにも呆れてますっていうため息は。」
「これだから…、いいわ犬にちゃんと説明してあげる。あの時あんたは
『お前を守る守護ドレスだ!嫁に行くときにも是非着てほしいな』って言ったのよ。」
「ああ!そう言えば確かに俺言ったけな、そんなこと。でもお前本気か?」
と、大河に聞いたら笑ってやがる… 、一体何なんだ?と思った矢先に大河が口を開いたため思考を中止した。
「じゃあ竜児、今日は何月何日?」
「質問に質問で返すな。え〜と4/1だけど…、あーっ」
「わかった竜児?今日はエイプリルフール、本当に着るわけないじゃん、
まあ私はそれでも構わないけど世間から見ればちょっとね…。
でもこれは本当、竜児ありがとう。
あの時の私たちって自分で言うのも難だけど変な関係だったじゃん、
それなのに竜児は私のこと心配してくれて…」
「おう!気にするなって」
「ふぁ〜あ、ごめ…竜児眠くなっちゃった。」
「それは仕方ないな、弟の世話で疲れてんだろ?ふぁ〜あ、やべ俺も眠くなってきた、一緒に寝ようぜ大河。」
「うん!」
そして卯月の心地よい風に抱かれ竜虎は夢の中へ。いつかするであろう自分たちの結婚式の夢を見ながら…

117 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/05(月) 23:28:04 ID:UpLwyuud0
>>115
おつ
それにしても壷は相変わらず規制がひどいな

118 :代行 とらドラ!で三題噺 ◇Eby4Hm2ero[:2010/04/07(水) 21:31:14 ID:pggG1o4EP
「逢坂、P2で書き込めるようになったんだ」
「どうして規制で書き込めなくなってたこと知ってるの?」
「避難所やシベリアからお前のことをよく見ていたからな。
 P2はいいよなぁ、世界が広がる・・・・・・じゃあな、おれはこっちで書き込んでるから」
「・・・・見ていた? 避難所やシベリアから・・?
 ・・・・・書き込みの途絶えたスレなんて開いたって意味ないんじゃぁぁぁぁぁぁうおぉぉぉぉぉ!!(泣」

というわけで避難所からの転載です・・・・見てるスレがことごとく無人の荒野になってて悲しい・・・・・・・



157 名前: ◆Eby4Hm2ero[sage] 投稿日:2010/04/07(水) 07:09:10 ID:???
まだ規制中。通報は行ってるらしいんで早く対応してくれocn。

代理投稿ありがとうございます。

158 名前:とらドラ!で三題噺 ◆Eby4Hm2ero[sage] 投稿日:2010/04/07(水) 07:09:44 ID:???
お題 「春田」「姉」「思い当たる」



「ただいま〜」
「……竜児、ちょっといい?」
「お、おう?」
 買い物から帰ってきた竜児を出迎えたのは、妙に固い表情の大河。
 卓袱台を挟んで向かい合わせに座り、大河は真剣な顔で竜児を見つめる。
「ねえ竜児、何か私に隠してることない?」
「はあ?」
「隠してることがあるんじゃないかって聞いてるのよ!」
「……特に思い当たる事はねえぞ」
「ふうん……じゃあ、これは何?」
 言って大河が取り出したのは、一冊の本。
 半裸の女性と『お姉さんが教えてア・ゲ・ル♪』等の扇情的なセリフが表紙を飾る、それはどう見ても十八禁なシロモノで。
「……っ!お前、それ……どうして……」
「シャーペンの芯が切れちゃったのよ。で、竜児の借りようと思って引出し探してたら……。
 私という恋人がありながら、どういうことなのかしらねえ?」
「ま、まて大河。それは俺のじゃねえ、春田のだ」
「誰のだろうと一緒よこのエロ犬!」
「違うって、頼まれて買ってきたやつなんだよ。だからその本、袋も開けてなかっただろ」
「は?なんでロン毛虫があんたにエロ本なんかを頼むのよ?」
「それはだな、その、買う時にだな、俺なら私服で行けば年齢確認されねえから。それで、偶にな」
「ふん……ま、いいわ。信じてあげる」
「ほっ……」
「で、こいつはエロ毛虫のだとして……竜児はこーゆーの持ってないわけ?」
「うっ……そ、それは……」
「……持ってるのね……この浮気者!」
「浮気じゃねえ!俺の心は大河一筋だ!」
「じゃあなんで他の女の裸なんて見てるのよ!」
「仕方ねえだろ、男ってのは生理的にある程度、その、処理しないといけねえんだから」
「……それはその、いわゆる……オカズがどうのって……やつ?」
「……お、おう……」
「……それなら……わ……わわ……わた、わたしを見ろ!そして使え〜ぃ!」
「ちょ、ま、待て!おい大河、脱ぐなーっ!」

119 :もいっちょ代行  ◇QHsKY7H.TY:2010/04/07(水) 21:43:07 ID:pggG1o4EP
160 名前: ◆QHsKY7H.TY[sage] 投稿日:2010/04/07(水) 20:01:18 ID:???
お久しぶりです。

まとめ人様いつも乙です。

三題噺さんはほんと定期的で尊敬しますね。
このスレが今だ廃れないのは間違いなくまとめ人様と氏の力が大きいと思う。

エイプリルフールの方の最後の一緒に寝ようぜを別の意味で捉えた俺はきっと汚れてる。

さてパンツネタがはやっていた時に、思いついたネタが纏まってきたので数日に分けて久々に投下します。

代理投稿大歓迎。

161 名前:逢坂流高須大河の子作り計画 ◆QHsKY7H.TY[sage] 投稿日:2010/04/07(水) 20:03:53 ID:???
※十八禁ではありません

◆side大河

「おはよぉ」
「おぅ」

大河は目を覚ますと、寝ぼけ眼のまま居間へと足を踏み入れ、ぷんと漂うおみそ汁の匂いに反応した。

「今朝は……大根ね」
「おぅ、よくわかったな」

竜児は昔と変わらぬECOと入ったエプロンをしたまま卓袱台にみそ汁とご飯を置いていく。
これまた変わらぬような朝の風景。
しかしこれらは主婦顔負けの家事スキルを持つ高須竜児によって栄養のバランスが取れるよう考えられたメニューだった。

「あんたも飽きないわねぇ、たまには私がやってもいいのに」

結婚して三ヶ月。
お互い仕事をする身である為、家事は分担が基本だが竜児は暇があれば大河の分もやってしまう。
だってそこに家事が残っているのだ、やらねば失礼ではないか。
そこに埃が落ちていれば拾い、ついでにカビチェックをして、料理の仕込みをする時間があれば料理しておかねば失礼ではないか。

「誰に失礼だってのよ」
「おぅ!?口に出ていたか?」
「顔に書いてんのよ」

大河はいつも通り「いただきます」をすると食事を始める。
高校生の時から殆ど変わらないこのやり取り。

「2DKって言っても二人で住むんだったら案外十分よね」

さらには借りているアパートの広さまで一緒だった。
竜児の母、泰子は「新婚生活の邪魔はしないでがんす〜♪」と和解した両親、竜児にとっての祖父母と住む旨を言いだし、竜児と大河も仕事の関係から元のアパートからは離れざるを得なかった。
それでも似たような場所はあるもので、ここにしようと決めた場所が“あのアパート”と中がそっくりだったのだ。

「そうだなぁ、泰子と二人の時もあんまり手狭感は無かったかなぁ……っと、もうこんな時間か」

竜児も思い出しながら時計を見、

「悪い、先行くぞ」
「ん、あんたもそんなに時間無いなら朝の洗濯は私に任せても良かったのに」
「いや、大河にあんまり負担かけたくねぇし」

そう言い残すと竜児は慌てて飛び出していく。

120 :もいっちょ代行  ◇QHsKY7H.TY:2010/04/07(水) 21:44:36 ID:pggG1o4EP
162 名前:逢坂流高須大河の小作り計画 ◆QHsKY7H.TY[sage] 投稿日:2010/04/07(水) 20:07:11 ID:???
ぽつんと残される大河。
別に寂しいとかじゃない。
今までにも似たような事はあったし、一人分しか食事が卓袱台に乗っていないあたり竜児は先に食べたのだろう。
時刻は七時十五分。
自分の出勤時間は八時半までだが竜児は七時四十五分まで。
場合によっては早出で七時までとかの日もある。
お互い社会人になったのだからそこに文句を言うつもりも無い。
普段は一緒にいようとする時間も作ってくれるし、自分の為を思って無理に早く起こさず、寝かせておいてくれるのも悪いとは言わない。
だが、

「何で竜児は求めてこないのよ」

最近の大河の思いはその一言に尽きた。
本当に変わらないのだ。
高校生の時と態度、対応が。
これでは高校生の時の生活の延長のようなものだ。
別にそれ自体にも文句を言うつもりは無いが、

「わ、私達はふ、夫婦であるからにして、そ、その“ふふう”の営みと申しますか、その、ほら、“ふうう”らしい“性活”……じゃなかった、生活は無きにしもあらずなわけでいて……」

自分にいろいろ言い訳をしている内に携帯が鳴り出し、そろそろ着替えないとマズイ時間だと気付く。

「あ、ヤバッ!?」

慌ててご飯をかきこみ、きちんと「ごちそうさま」をしてから慌ただしく着替えて大河も家を出て行く。



***



「お疲れ様でーす」

仕事が終わり、大河は帰路についていた。
今日も忙しくはあったが、このまま行けば家には七時半位には着くだろう。
竜児もよっぽどの事が無い限り夜はそんなに遅くならない。
今日は竜児の夕飯当番だし、遅くなる旨のメールも無いことから既に夕飯の仕込みをしている可能性も考えられる。
そこまで竜児のことを思って、ふと大河は今朝考えていた事を思い出した。

「私、やっぱり“そういう魅力”は無いのかしらね」

竜児が自分を好いていてくれていることは伝わって来る。
しかし何故かそれは“好き”という枠の中にのみ収まっていて、いわゆる青年思考へとは発展していかない。
小学生の恋愛、と言われれば反論できないような、そんなストイックな関係が続いていた。
嫌というわけではないが、竜児も男だ。
我慢しているのではないか、もしくは自分にはそういった魅力が不足しているのではないか。
そんな疑心暗鬼に陥りそうになってしまう。
何せ学生時代、“哀れ乳”として蔑まれた経験があるのだ、虚勢でもスタイルに自信があるとは言えなかった。

「はぁ……馬鹿竜児」

疲れていた体が、さらに疲れたような錯覚を伴ってガックリと肩を落とす。
気付けば歩いているのは商店街。
もうあと5分ほどで家には着くだろう。
と、商店街の一角にあるランジェリーショップに急に目が行った。
最近は嗜好の凝った物も多く大河も女なだけに興味は深い。
このまま帰ればあと5分で家に着くが、寄り道して悪いわけでも無い。
少し迷い足をしていた大河だが、ついには足をランジェリーショップへと向け、帰宅を十分ほど遅らせた。

121 :もいっちょ代行  ◇QHsKY7H.TY:2010/04/07(水) 21:46:05 ID:pggG1o4EP
163 名前:逢坂流高須大河の小作り計画 ◆QHsKY7H.TY[sage] 投稿日:2010/04/07(水) 20:08:42 ID:???
***



「ただいまー」
「おぅ、おかえり……ん?何か買ってきたのか?」
「うん」

予定より若干遅くなった大河は別に悪びれもせずよいしょと既に料理が乗っている卓袱台の前に座る。
別に小さいテーブルでも良かったのだが、慣れてしまった上に前の家のを使えるのに捨てるのはMOTTAINAIという事で、そのまま使用していた。

「おい、着替えてからにしろよ、制服汚れるぞ」
「あんたねぇ、私もいつまでも高校生じゃないんだから」
「そりゃそうだけど飯の時くらい仕事のことは忘れようぜ」

竜児のもっともな言い論に、う〜と少し大河は唸ったあと、「わかったわよ」と着替えに向かう。

「おーい大河ー?これ食べ物かー?何が入ってるんだー?冷蔵庫入れとくかー?」

大河は着の身着のまま部屋に戻った為、買ってきた袋をその場に起きっぱなしにしてきてしまっていた。

「なんだと思うー?」

戸を隔てた先で大河は特段気負いも無く、着替えながら謎かけのようにして返事をした。


「わからーん、開けてもいいのかー?」

綺麗好きで家事大好きの竜児のことだ。
その辺に置いておくことが許せず、食べ物ならきちんと冷蔵庫などに入れておきたいのだろう。

「別にいいけどーそれって私のー……」

ショーツだよ、という前に竜児の竜児らしくないドタバタという騒々しい音が聞こえた。

着替えを終え大河が居間に戻ると、竜児は正座して卓袱台に着き、大河が買ってきた袋は壁際、それも竜児から最も遠くなるような位置に置いてあった。

「あんた何してんの?」

大河は不思議そうにしながら袋を持ち上げる。

「い、いや何でも無い!!さぁさっさと飯を食っちまおうおぜ!!」
「?うん」

大河は不思議そうに頷きながら席について食事を始める。
袋にはテープで封がしてあった筈だが、その封が切れていた。
異変はその後、三日後に訪れる。



***

122 :もいっちょ代行  ◇QHsKY7H.TY:2010/04/07(水) 21:47:46 ID:pggG1o4EP
164 名前:逢坂流高須大河の小作り計画 ◆QHsKY7H.TY[sage] 投稿日:2010/04/07(水) 20:09:58 ID:???
◆side竜児

大河が洗濯し、畳んで置いておいてくれた洗濯物。
大河もかなり家事が板につき、洗濯程度ではまごつかなかくなったので最近の竜児は安心、もとい油断していた。
部屋の入り口付近に置いてある洗濯物を竜児は自分のクローゼットに仕舞おうと洗濯物を手に取る。
白いシャツを仕舞い、トランクスを仕舞い、靴下を仕舞い、白いショーツを仕舞……、

「ん?」

竜児は目を擦り、何度も今自分が手に持っている物を凝視する。
柔らかいシルクの手触り。
それは男性用の物とは全く違う三角形を模していて。

「……こ、これは……っ!?」

それは洗われたとはいえまず間違いなく大河の……ショーツだった。
しかも見覚えがある。

「あの晩に買ってきてた奴じゃねぇか……!!」

竜児はあの日、どうせ食べ物か何かだろうと思いこんで袋を開けてしまい、そこに輝く真っ白の園を見てしまっていたのだ。

「や、やばい……いやこれは大河のミスなわけで俺に責任は……」

そう自分に言い聞かせながら手に持つ真っ白なショーツを見やると、喉がゴクリと鳴る。

これは大河が身につけた物であり、ある意味自分なんかよりも大河に近しいというか大河そのものというか……。
悩めば悩むほど混乱し、頭を抱え込み、頭にシルクがファサと乗ってしまい「ぎゃあ!!」と転げ回る。

「何やってんだよ俺……これじゃ変態だ」

今度は冷静にショーツを離してから頭を抱えるが、先程まで触っていた手が温もりを覚えているかのような錯覚を起こしまた自己嫌悪して部屋を転がり回る。

「お、落ち着け、いや落ち着こう、たかがパンツじゃないか」

たかがパンツ、されどパンツ。

「〜〜〜っ!!」

無茶で無謀で無理だった。
そもそも大河という嫁は無神経、無遠慮、無防備と無が三つ揃っている。
風呂上がりは胸元がはだけているし、裸足は色っぽいし、スカートは似合うしフリフリは似合うし何着せても似合うし!!
普段から一線を越えようとする内心を抑えるのに一体どれだけの労力を必要としているのかわかっているのだろうか。
男の安っぽいプライドだが、それでも欲情に身を任せてがっつくような真似はしたくないのだ。
だというのに……これだ。
竜児はその凶眼でもってギロリと純白の三角形を睨み、

「ねぇ竜児」
「うわぉう!?」

どうやったらそんな発音ができるのかというような奇声を上げてばっと背中にそれを隠す。


123 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/08(木) 00:37:24 ID:4DZG2cwr0
>>122
お疲れ様です!
そしてGJ!

124 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/08(木) 02:37:45 ID:78ouT4Cq0
てす

125 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/08(木) 02:43:40 ID:lc36jyfb0
>>115 あのあたりの大河側の動きはずっと気になってて、似たような想像してた。

>>116 ジャージで結婚式やりたいとか言われたらビビるよなw

>>118 見つかった時に春田に頼まれて〜と言う言い訳をしたいがために
未開封を装っていると深読みしてしまったww

>>119 結婚して三ヶ月なのにまだプラトニックなの!?かわいい二人だww
続き楽しみにしています!

文章投下している方々、超GJです。代理投下の方もおつでした。
自分は感想くらいしか書けないのがホントに口惜しい。

126 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/09(金) 18:17:55 ID:kcLlQ9M20
大河が

127 :代理:2010/04/09(金) 20:19:23 ID:tQOX1qq80
165 :逢い坂流高須大河の子作り計画 ◆QHsKY7H.TY:2010/04/08(木) 23:47:54 ID:???
代理投稿ありがとうございます。続きいきます。


「ん?今何か隠さなかった?」
「べ、別に何も。それよりお前入ってくるならノックくらいしろといつも言ってるだろ」

急に部屋に入ってきた大河に、内心汗をだらだらと掻きながら竜児は平静を装った。

「ふぅん、まぁいいけど」
「いいやよくない」
「あーはいはいノックねノック。なんならやり直す?」
「いや、別にそこまでしなくてもいいが……」
「でしょ?細かいこと気にしすぎなのよ竜児は。で例のドラマ始まっちゃうわよ?一緒に見るんじゃなかったの?」

気付けば時間は結構経っていて、確かにもうすぐ二人で楽しみにしていた連続ドラマの放送時間だ。

「おぅ、すぐ行くよ」
「ん、お茶淹れとく」

大河はすぐに踵を返し居間へと向かい、再び竜児が一人になる。
咄嗟に背中に隠した白いショーツ。
皺が着いてしまったそれは竜児の掌でくしゃくしゃに丸まっている。
竜児はしばし逡巡し、自分のベッドの枕、その下にショーツを隠すと居間へと向かった。



***

128 :代理:2010/04/09(金) 20:20:05 ID:tQOX1qq80
時刻は既に夜中の二時。
真っ暗な部屋の中、アイロンを動かす黒い影が一つ。

「よし」

影……竜児はそう言うとうっすらとした布を手に取った。
それは先程のショーツ、ではなくただのあて布だ。

「シルクをアイロンかけるにはあて布をしねぇとな」

あて布の下には、例の純白ショーツ。
皺一つ無い真っ白なショーツに満足した竜児は早速行動を開始した。
スラリと静かに襖を開け、ゆっくりとばれぬように大河の部屋の前へ。
一度深呼吸すると、スーッと自身の部屋の襖を開ける時よりも慎重に襖を開ける。
すっと鼻に大河の香りが入ってきて、思わずドキリとしながら大河が寝ているであろうベッドに視線をやると、案の定大河はベッドで丸くなっている。
使っているベッドはかつてと違い天蓋付ではなく、竜児とお揃いで新たに買いそろえたものだ。
以前のアパートで使っていた物もまだ使えたが、それを居間のアパートに持って行く時の運送費を考えると新しく買った方が安上がりと言うことで、この際お揃いにした。
竜児は素早く周りを見渡し、クローゼットに近づいていく。
あとはこれを仕舞えば終わりである、そう思った時、その辺に散らばる……否、今日回収していった洗濯物群がクローゼットの前に仕舞わずに畳んだまま置かれている事に気付いた。
悩み所である。
これが明日使う、もしくは仕舞うと決めているものならここに一緒に置かなければならない。
しかしそうでないなら引き出しを開き、パンツの園を拝む必要がある。
……急に罪悪感が湧き出てきた。
いくら夫婦間と言えど相手の下着の引き出しを開けていいものか。
特に男から女のというのは……。

「う〜む」

散々竜児は悩み、決断した。



***

129 :代理:2010/04/09(金) 20:20:52 ID:tQOX1qq80
166 :逢坂流高須大河の子作り計画 ◆QHsKY7H.TY:2010/04/08(木) 23:49:36 ID:???
◆side大河

「……ふわぁ」

目が覚め、今日も一日が始まるんだと体を起こす。
竜児に起こしてもらうのは悪いからと自分から起きる努力をしてはいるが、週に一回くらいは起こして貰っているのが現状だ。
まぁ、起こして貰いたいという欲求もあるので、このくらいがベスト、とは思っている。
身を起こし、ぼやけた視界で昨日クローゼットの傍に置いておいた今日の着替えをみやる。

「……あれ?」

ぱっと目が覚めた。
何故か一番上にショーツがある。
これは昨日仕舞わなかっただろうか……いや、そう言えば仕舞っていない。

「仕舞い忘れかな、でもなんでこれが一番上に?」

手に持ってみて……違和感。

「何か、買い立てっていうか……アイロン、かしらこれ」

随分とピンッと綺麗になっている。
経験上、一度使用して洗濯したあとだと、少しは皺、というか使用感というものが残るものなのだが。

「えっと、もしかして竜児?」

考えられる可能性はそれぐらいしかない。
あの万年家事大好き夫のことだ、彼ならばショーツ一つにここまでぴっしりとしたアイロンがけをするに違いない。
普通はあんまりショーツってアイロンかけないけど。
まぁそれはおいておいて、問題は理由だ。

「なんで竜児が私のショーツ持ってたのかしら?」

そこでハッと昨晩のことを思い出す。
昨晩、竜児は何か背中に隠すような素振りを見せていた。
まさか……。

「夜な夜な私に見つからぬように私の下着をオカズにしてたってコト?」

わからないが、現状考えられる可能性が大河にはそれしか思い当たらない。
もしそうならば心境複雑である。
下着をオカズにしていたのならば自分にもそういった魅力がある、ということになる。
まぁ、竜児が自分よりも下着に興奮する、などと言い出す変態で無ければだが。

「それは無い……わよね?」

イマイチ夫の性癖に自信が持てないが、そこはまぁ竜児を信じるコトにした。
さて、そうなると竜児は我慢していることになる。

「こ、これは妻として、甲斐甲斐しく、いやいや慎ましく?ああもう何て言えば良いのよっ!?とにかく竜児のその気に気付いてあげなきゃダメってことよね、うん」

混乱気味な大河だが、やることはきちんと定まっていた。
そう思うとこれから竜児に会うのがとても勇気のいることのような気がした。



***

130 :代理:2010/04/09(金) 20:21:52 ID:tQOX1qq80
167 :逢坂流高須大河の子作り計画 ◆QHsKY7H.TY:2010/04/08(木) 23:51:13 ID:???
「お、おはよぉ」
「おぅ」

いつもと変わらぬ声で竜児は挨拶をし、いつもと変わらぬ様で朝食の用意をしている。
それでも今朝は結婚した次の日の朝くらいに緊張しながら大河は挨拶をした。

「きょ、今日もい、良い天気ね!!」
「はぁ?」

竜児は窓の外から空を見上げる。
かつてのアパートと違うことはお隣に日を遮る大きなマンションが無いことだ。
そこから見える空はどんより曇り空だった。

「今日は曇りだぞ?大丈夫か大河?」

あまりに普通で普通な反応。
大河は肩透かしを喰らった気分だった。

「さっき天気予報でも降水確率80%だったし傘忘れんなよ?」

ぱっぱっと手の水を切ると竜児はECOエプロンを外して玄関へと向かう。

「悪い、今朝も早いんだ。飯は用意しといたから、それじゃ行ってくる」
「あ、うん。いってらっしゃい」

バタン、と玄関の扉が閉じてポツーンと一人取り残される。
いつものことではあるが、今日は力みすぎていただけに一気に脱力した。
ペタン、とその場に座り込み、ボーッと竜児が出て行った玄関を見つめる。

「普通、だったわね……」

さっきまでの自分の緊張を返せと言いたくなるほど竜児は普通でいつも通りに感じた。
こうまで普通だと、自分の考えがただの勘違いや思いこみの類では無いかと考え直す。
竜児のことだからたまたま落ちていたショーツを見つけて親切にもアイロンがけをしておいたとか。
そんな親切は大きなお世話でもあるんだが。

「まぁ、昔はやっちゃんもいたんだし今更下着くらいでどうこうってのは無い、かも」

パタリ、と横に倒れ、グゥとお腹が鳴る。
こんな時でもお腹が空く自分に少々呆れながらよいしょと起きあがり、竜児が用意してくれた食事に手をつけ……、

「……ん?」

違和感に気付いた。

「薄い……」

味が若干薄いのだ。
こんなことは過去、高校時代に竜児が病気に気付かず無理していた時以来だと記憶している。
あの時ほど酷くは無いが、どうにも今一歩味が足りていない。

「……?体調でも悪いのかしら?」

今日、帰ってきてみたら注意深く竜児を観察してみようと大河は決めた。



***

131 :代理:2010/04/09(金) 20:22:50 ID:tQOX1qq80
168 :逢坂流高須大河の子作り計画 ◆QHsKY7H.TY:2010/04/08(木) 23:52:48 ID:???
「な、何だ?俺の顔に何かついてるか?」

晩、お互い帰ってきてから向かい合って食事している最中、大河は竜児の顔を注意深く見つめていた。
竜児は酷く熱心に見つめられる視線に羞恥と焦りの色が濃く現れていた。
大河は身を乗り出し、念のために竜児の額に額をコツンとぶつけてみる。

「お、おい!?危ないだろ!?」

卓袱台の上にはまだ食事が乗っており、その上に浮くようにしている大河はとても不安定で“危険”だった。

「今朝ね、あんたの作ったおみそ汁が少し薄かったのよ、それでアンタ体調壊してるんじゃないかと思って。ほら、高校の時にもあったじゃない」
「だったら口で言え口で!!お前は口よりも先に行動が多いぞ!!」
「はいはい、熱は無いみたいだからもういいわよ」

大河はぱっと指定位置に戻り、箸を持つと、竜児が真っ赤になっているのがわかった。

「?アンタやっぱ熱あるんじゃ?」
「いや無い!!全く無い!!っていうかお前それ俺のシャツ!!」
「あ?ああ、コレ?そういやお風呂上がりに着替え忘れたから借りてそのままだった」

大河は下はハーフパンツ、上は竜児のシャツだった。

「いいじゃない別に、減るもんじゃないし」
「お、お前という奴は……いや、いい。わかったから後でちゃんと着替えろよ」
「はいはい」

大河は竜児の言葉を話半分に聞き流して食事を続けた。



***



◆side竜児

カポーン。
湯気漂うお風呂場の中、文字通り竜児は風呂に入っていた。
バシャバシャと湯を顔にかけてしつこいぐらいに洗う。

「あの馬鹿……!!」

竜児の顔は依然真っ赤だった。
だが決してのぼせたわけでも風邪をこじらせているわけでも無い。
竜児は額に手の甲を当てて天井を見つめる。
先程この額には嫁の額が重なっていた。

「っ!!」

思い出してまた顔をバシャバシャする。
あの体勢は大河にとって不安定で危険であり、竜児にとっても不安定で“危険”だったのだ。

132 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/09(金) 20:29:04 ID:tQOX1qq80
一番最初、改行多すぎとエラー出たので分割しました

>>118
GJ!ニヤニヤしたw

>>131
なんて初々しい新婚さんなんだw
続きも楽しみです

133 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/09(金) 23:05:55 ID:yfbuwhG60
>>118 GJ! けしかんらんなぁw いいぞもっとやれw

>>131 GJ! しかし最近パンツがはやっているなぁ〜w

てか明日はスピンオフ3だぁぁぁぁー
久しぶりに元祖とらドラが読めるので楽しみ。

134 :代行 ◇QHsKY7H.TY:2010/04/10(土) 00:20:18 ID:6EJY4rmX0
>>131続きの代理投稿
170 名前:逢坂流高須大河の子作り計画 ◆QHsKY7H.TY[sage] 投稿日:2010/04/09(金) 23:39:07 ID:???
避難所>>169
お久しぶりです。ありがとうございます。
氏の帰還を切に待っておりますw
代理ありがとうございます。ラスト一気にいきます。


額に額を重ねられた竜児は必然と視界が限られるハメになった。
まず大河の顔。
シャープな顎を持つ彼女の顔を間近で見ていると、あまりの美しさに恥ずかしくなり、自然と視線をズラしてしまう。
上を見れば視線が合う。
であれば視線は下降せざるを得なく、必然的及び必要的に竜児は視線を若干落とした。
滑らかな白い首、そして肩。
これが失敗だと誰が思おう。
彼女が着ていたのはなんと自分のシャツ。
気付いていなかったわけでは無いが、それくらいでどうこう言う間柄では無い。
問題は彼女の体勢だった。卓袱台から身を乗り出し額を重ねている以上、竜児の視線が下降すればそれはもはや一点に収束される。
普段ならそこまで気にしないが、今回は彼女が竜児のシャツを着ているのがまずかった。
ぶかぶか。
この一言で彼の体験した桃源郷は誰しもが理解出来よう。
そう、大河には竜児のシャツは大きすぎたのだ。
サイズ的にも肩幅的にも。
必然、彼女の着ているシャツはニュートンが発見した万有引力の法則によって下へと引き寄せられ、ぶかぶかの余っている部分に空白が生まれる。
……幸い、彼女は小さいながらもBRASSIEREをしていた為、竜児は防波堤決壊寸前で踏みとどまれたわけだが、問題はそんなコトではない。

「無防備すぎなんだよ……!!」

竜児にとってそれは問題だった。
自分の我慢が利かなくなる、というのもあるが何よりも。

「もし、人前でそんな格好してたら……」

いくら大河と言えど分別はあると理解しているが、生来からの彼女のドジさ加減を竜児は痛感している。
今のようなヴェストアングルを誰か他の男にも見せやいないかと冷や冷や……ヤキモキする。
そう思って、意外と自分は大河に依存……独占欲が強いんだなぁと意外な自分の一面に軽く驚く。
取り越し苦労だとわかっていても、心配になってしまうあたり、それだけ大河は特別な存在なのだ。

「ふぅ……」

考えても仕方が無いことだと思い、竜児は浴槽から出ると脱衣所に向かいバスタオルで体を拭く。
さぁ着替えようとして、

「……あれ?」

自身の用意していたシャツが無い事に気付いた。

「あ!!」

そこで思い出す。
そう、大河は竜児のシャツを着ていたのだ。
食事の前に入ろうと準備したシャツだったが、急に大河が自分から入ると言いだし、大河が入った後すぐに食事にしていしまっていた。
その為、竜児は食事を終えた後に入浴となり、大河のヴェストアングルのせいであまり冷静では無かった為に着替えのシャツを新たに持ってくるのを忘れていたのだ。
オマケに代わりとばかりに洗濯籠の傍には大河のシャツが落ちている。

「あいつ……よく探せよ、あるじゃねぇか……!!」

大河はシャツを忘れたわけでは無かった。
ただ落としたコトに気付かず、忘れた物だと思いこんでたまたま目に付いた竜児のシャツを「とりあえずこれでいいや」と代用したのだ。

135 :代行 ◇QHsKY7H.TY:2010/04/10(土) 00:21:01 ID:6EJY4rmX0
171 名前:逢坂流高須大河の子作り計画 ◆QHsKY7H.TY[sage] 投稿日:2010/04/09(金) 23:40:21 ID:???
ここで困ったコトになる。
まさか自分も仕返しとばかりに大河のシャツを着るわけにもいかない。
サイズが違い過ぎる為だ。
いや、決してサイズが合えば着ていたとかそういうことは無い、多分。
かといって風呂上がりにシャツも着ないで出たら大河に何を言われるかわからない。
正直に忘れたと言ってしまえばそれで済むかもしれないが、食事の時、くどくどと忘れたコトへの説教をかましてしまった手前、言い出しずらい。
そんなコトを思っていると、

『竜児ー、私ちょっとアイス買ってくるからー』

大河がそう言って玄関から出て行く音が聞こえてきた。
助かったとばかりに脱衣所を飛び出し、竜児は自分の部屋でシャツを着る。
大河はすぐに帰って来ていて、今晩もいつも見ているバラエティーの番組を一緒に見ながら更けていった。



***



「……しまった」

気付いたのは夜遅く。
お互い見る番組も終わり眠くなって部屋に戻った後の事。
竜児は自分の部屋にある一枚の小さめのシャツに頭を悩ませていた。
それはつい、脱衣所から持ってきてしまっていた大河のシャツだった。
……どうしたものか。
悩み所である。
ショーツで無い分、いくらか普通に返し安いものではあるが、相手は大河である。
近年言われなくなったが、『エロ犬』呼ばわりされたら目も当てられない。
自分は大河が好きであって、その、欲求に身を任せたいわけではないという竜児の紳士としての安っぽいプライドが大河にだけは『エロ』呼ばわりされたくないと訴えていた。
とすれば方法は限られてくる。

「もう1回同じように返すか……」

昨日は上手くいったのだから今日も大丈夫だろう。
そんな何処にも根拠の無い自信が竜児を突き動かし、部屋に置いてあるアイロンへと手を伸ばした。



***

136 :代行 ◇QHsKY7H.TY:2010/04/10(土) 00:21:44 ID:6EJY4rmX0
172 名前:逢坂流高須大河の子作り計画 ◆QHsKY7H.TY[sage] 投稿日:2010/04/09(金) 23:41:26 ID:???
◆side大河

「また……?」

今朝目覚めて大河が着替えようとすると、今度はシャツが綺麗にアイロンがけしておいてあるではないか。
意味がわからない。
何故竜児は自分の下着を持っているのか。
何故夜な夜なアイロンがけまでしてから返すのか。
まさか本当に下着に興奮する危ない人なのか。
竜児に限ってそれは無いと思うが、こうも綺麗にされた下着を見ると疑いが完全に晴れない。
“使用”した故に誤魔化しとして綺麗にした。
そんな裏の裏の裏、結局裏を読んでしまう。

「……ちょっと調べてみようかしら」

この日から大河は実験を開始することにした。



***



◆side竜児

「またか……?」

大河より渡された乾いた洗濯物の中に、またもや大河のショーツが混ざっていた。
今回は特に皺を作ってもいないので、夜、ドギマギしながら掴んだショーツをコッソリとそのまま返すことにした。
次の日、

「おいおい」

またもや洗濯物の中には大河のショーツが入っている。
最近は高校時代に比べてドジは減ったと思っていたが勘違いだったのだろうか。
今回も特に皺を作ってもいないので、夜、ドギマギしながら掴んだショーツをコッソリとそのまま返すことにした。
次の日、

「嫌がらせか?わざとか?わざとなのか?」

またもや洗濯物の中には大河のショーツが入っている。
それも二枚。
一枚はちゃんと洗っているようだが、もう一枚は……、

「これ、まだ洗ってねぇんじゃねぇか……?」

そこらへんのにわか主婦ならばわからない衣類の洗濯の有無も、長年続けてきた家事スキルを持つ高須竜児の凶眼は誤魔化せない。
だがそこに気付いてから急に緊張。
自分が今手に持っているのは使用済未洗濯の大河のショーツ。
決して自分は変態では無いが、無性にドキドキしてしまうのも事実。

「や、だめだ。何考えてんだ俺は。せ、洗濯しなきゃ」

はじっこをツマむようにして竜児はショーツを掴み、竜児は部屋を出た。



***

137 :代行 ◇QHsKY7H.TY:2010/04/10(土) 00:22:30 ID:6EJY4rmX0
173 名前:逢坂流高須大河の子作り計画 ◆QHsKY7H.TY[sage] 投稿日:2010/04/09(金) 23:42:55 ID:???
◆side大河

初日はそのまま返ってきた。
二日目もそのまま返ってきた。
これはあからさまだったかと思い、少し勇気を出して決心し、今度は脱ぎたてのショーツを混ぜてみた。
夜、ここ最近こっそり竜児の動向をチェックしている大河は、今日も襖の隙間から竜児の部屋の襖を見つめている。
流石に中は覗いていない。
もし覗いてショーツに興奮している夫を見たらきっと立ち直れないからだ。
だが、ここで張ってればいずれは現行犯逮捕できるはずだと大河は張り込みを続ける。
警察でも探偵でも無い彼女だが、気分はシャーロック・●ームズだった。
もし今晩もそのまま返ってくれば彼は真人間。
同時に自分にそういった興味を持っていないことが照明されるが、変態趣味を知るよりは幾分良い。
いつでもベッドに戻って寝たふりが出来るよう、短距離走のスターティングのように腰を落として状況を見守る。
と、今夜も竜児が部屋から出て行き……洗濯機の方へと向かう。

「?」

不思議に思いつつもばれぬよう忍び足で後を付けると、洗濯機の前にで腕を組み悩む竜児の姿があった。
洗濯機の蓋は開けられておらず、蓋の上には大河のショーツ。

(洗う気……?もしかしてもう使用済みとか?それは無いか、静かだったし)

大河とて伊達に長く竜児と一緒にいるわけではない。
それぐらいの機微は読み取れた。
とすると……、

(未洗濯なのに気付いて洗濯しようと思ったけど、一つだけ洗うのは水道代やら電気代やらがMOTTAINAIと)

大河は正確に竜児の脳内をトレースし、やれやれここまでかと出て行こうとして、

ガッ!!

突然竜児がショーツを鷲づかみにするのを見た。

(!?)

大河が驚いてそのまま見ていると、竜児はお風呂場へと向かう。
竜児は風呂場にある洗面器にお湯を張ると、そのショーツを手洗いしだした。
眼はギラリと釣り上がり、口元は横に裂けるようにうっすらと開いて、見る人が見れば変態以外の何者でも無い。
大河は頭を抱えた。まさか手洗いするとは。
しかもそれはそれは楽しそう?に。
オカズにされるよりかはマシだが、トコトン自分は女の魅力が薄いんだと実感する。

「はぁ……」

つい、口に出してしまった溜息。

「!?」

それが竜児をビクッとさせ、大河の存在に気付かせた。



***

138 :代行 ◇QHsKY7H.TY:2010/04/10(土) 00:23:22 ID:6EJY4rmX0
174 名前:逢坂流高須大河の子作り計画 ◆QHsKY7H.TY[sage] 投稿日:2010/04/09(金) 23:44:33 ID:???
「た、大河?こ、これは……」

竜児は慌てていた。
何せ嫁とはいえショーツを手洗いしていたのだ。
言い逃れをするにも分が悪い。

「良い、何も言わなくてもわかってるから」

大河は諦めたかのようにその場から背を向け、

「お、おいちょっと待て!!」

竜児は何か勘違いされていると思い、必死に大河の腕を掴む。

「アンタは私よりも洗濯に興奮する、大丈夫、ちゃんとわかってる」
「い、いや全然わかってねぇよそれ!!」

大河の言葉になんだそりゃと竜児は言い返すが、

「じゃあアンタは私のショーツに……その……ム、ム、ムラムラ来てたの?」

言葉に詰まる。
ここでそれを認めてしまえば今までの苦労は水の泡。
何のために自制心を抑えてきたのかわかりゃしない。
かといって、自分が大河よりも家事を優先しているように言われるのも納得は出来ない。

「ほぅら、やっぱりそうじゃない。アンタは私より家事に魅力を感じるのよ」
「あ、いや違う、俺は……」

違う、と言いつつも決定的に反論も肯定も出来ない。
安っぽくても、譲れない思いが、それを許さない。

「お、俺はただ、大河を大事にしたくて……そういうのは抑えなきゃって思ってて、だからお前に魅力がないとかそういうのは……」
「……抑えなきゃ?」
「あ、いやそれは……」
「……今抑えなきゃって言った?」
「あ、だからその……」

痛い所を突っ込まれ、本心を見透かされそうになるが、それでも竜児は今一歩言葉にすることは出来ない。
そんな竜児に、

「……シたいの?」
「っ!?」

大河は艶めかしい声で振り向きながら尋ね、笑った。

「エロ犬」

笑われて、久しぶりにそう罵られて、けどさっきまでの嫌な空気は無くて。
一番言われたく無かった筈の言葉なのに、今はそう軽く言われたことが、竜児の心を軽くした。


この三ヶ月後、大河が懐妊している事に気付くのは、偶然……いや、きっと、



──────そういうふうに、なっている──────

139 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/10(土) 00:38:14 ID:nn601T660
イイハナシダナー

140 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/10(土) 03:16:09 ID:89G2cGsTO
GJ&代理乙!

141 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/10(土) 06:50:07 ID:LWTaWMnF0
そういうふうに、できちゃった。

142 : ◆fDszcniTtk :2010/04/10(土) 15:50:39 ID:MTBcv6Jc0
>>138
乙です。竜児、手を出すのが遅すぎ(w。と、思ったけど高卒夫婦なのかな?

調べて見たらどうやら初投稿から1年らしいので、新作投下するね。

143 :あさねぼう ◆fDszcniTtk :2010/04/10(土) 15:51:22 ID:MTBcv6Jc0
目が覚めた。

爽やかな目覚めだ。外で小鳥が鳴いている。ここ数日の睡眠不足からたまっていた疲れも、今朝は珍しく軽い。よく眠れたのだろう。窓の外はすっかり明るくて

「おおぅっ!」

思わず飛び起きた。

「大河!起きろ!寝坊だ」

横でCの字型に丸まっている妻は、ネコの足跡柄のパジャマ姿でまだ夢のなか。だが、優しく起こしている暇はない。いつもより40分も遅くまで寝てしまった。

「起きろ!」

ひと揺すりしてベッドを飛び降り、トイレに向かう。ベッドの上からは、いかにも寝ぼけていますといった声がかけられた

「竜児ぃ、お腹すいた……ご飯まだぁ?」
「飯はお前の担当だ!」

朝起きて朝食の準備をするのは専業主婦である大河の役目だ。しかし、彼女が生まれついてのドジであることは婚約する前からわかっていたのだ。ドジであることには文句はない。しかし、ドジを踏んだら文句は言わせてもらう。

竜児がバタンとトイレのドアを閉めた頃にになって、ようやく大河はベッドの上に起き上がる。眠そうに目をこすって大きくあくび。ムニャムニャと何かを呟きながら半開きの目で右を見て、左を見る。そして時計をみて悲鳴をあげた。

そのままベッドから飛び出そうとして転げ落ち、「ふぎゃーっ!」と炎天下に放置された自動車のボンネットに放り出されたネコのような声を上げる。

そして、あわてて立ち上がってキッチンに走り、今度hあなにかを盛大に蹴っ飛ばした。

「おい走るな!朝飯はもういい!」

トイレから顔を出した竜児が一声叫ぶように言うと、バタンとトイレのドアを閉める。もう慌てて朝食の準備をしても遅い。到底朝食を取っている時間はないのだ。

高須竜児、初遅刻の危機である。

◇ ◇ ◇ ◇ 

144 :あさねぼう ◆fDszcniTtk :2010/04/10(土) 15:54:12 ID:MTBcv6Jc0


「ね、竜児。忘れてる」
「なに!?」

玄関で振り向いた竜児の目はきつく吊りあがり、すでに人類のものではない。家から会社までの空間を真っ二つに切り裂き、歪曲空間通勤の準備完了。というわけではなく、頭の中で忘れ物をチェックしているのだ。

財布よし、小銭入れよし、ハンカチよし、定期よし、ネクタイはしている。かばんは持ってる。書類は昨夜用意して確認済み。はて、忘れてる?何を?天井を仰いで考える。わからない。

カミソリも裸足で逃げ出す視線を戻した先では、朝寝坊の責任を感じているのだろう。パジャマ姿の大河が言いにくそうに困ったような、訴えかけるような瞳を竜児に向けている。そして

「ね、竜児。忘れてる」

その困ったような顔のまま目を閉じて、つん、と顎をあげる。

このくそ忙しいときに!と瞳をカタカタ揺らして深く一息。思いなおせば竜児も朝っぱらからテンション上げすぎである。こんなことではろくな一日にはならない。狭い玄関で息を吐くと

「そうだな、すまねぇ。忘れてたぜ」

優しい笑みを浮かべて囁き、妻の小さな体に手を回してそっと引き寄せる。かがんでいつもの「いってきます」の挨拶。優しく抱き寄せられて背伸びをしながら、唇を重ねた大河も竜児の腕の中で力を抜き、

「ん」

と、鼻の奥で甘く声を漏らす。1秒、2秒とついばむように、互いを確かめるように、会話するように優しいキスは続く。

「ん……んん……んんん!」

12秒、13秒、いつもよりぐっと長く情熱的になった「いってきます」に大河がさらに声を漏らす。ようやく解放されてよろっと、横に一歩。ようやく立て直した態勢から見上げる顔は真っ赤。

「じゃ、いってきます」
「………………」
「なんだよ、『いってらっしゃい』って言ってくれよ」

うながされた大河は、顔を真っ赤にしたまま唇を可愛くとがらせ、うらみがましい目でかろうじて一言。

「朝からベロ入れちゃ嫌だよぅ」

(お し ま い)



145 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/10(土) 16:57:30 ID:rIhq70LD0
最後の一言で萌え死んだw

146 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/10(土) 20:14:36 ID:NvBvl3Co0
>>138
乙!
無言のパンツ合戦がw
じれったくて良かったです

>>144
朝からいちゃいちゃしすぎww
寝ぼけ大河かわいいなー
こんな感じでいつまでも仲睦まじくいてほしい

147 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/10(土) 20:56:47 ID:66pTsbWd0
乙でした!
そして代理の人もおつ

148 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/11(日) 02:33:52 ID:q/mZ3AtLO
>>138

いいアダルとらドラをありがとう。

149 : ◆Eby4Hm2ero :2010/04/11(日) 04:17:52 ID:sav51y4i0
先日無事に規制解除されました。
規制中の代理投稿ありがとうございます。

さて、スピンオフ3巻買ってきましたが、それで自作品の「知らなかったとはいえやっちまった……!」な決定的な矛盾が明らかに……orz

・三題噺「血管」「竜児」「十五メートル」
「とらとら!」によるとやっぱり高須家の洗濯機はベランダに。
思いっきり浴室脱衣所にある想定で書いてました……

・三題噺「本気」「下りる」「ド真ん中」
同じく「とらとら!」によると大河はひどい猫アレルギーだとか。
その大河が子猫を撫でたり飼いたいと言ったり……

・三題噺「感情」「大丈夫」「袋」
夏祭が初めてとか言わせてるけど、「ニセとら!」で商店街の七夕祭に。
いやまあ、巻末解説によると「ニセとら!」は本編とはパラレル扱いとのことだから、必ずしも矛盾ではないのか……?


150 :とらドラ!で三題噺 ◆Eby4Hm2ero :2010/04/11(日) 04:19:30 ID:sav51y4i0
お題 「最悪」「眩い」「選抜」



「おはよう大河!高須君!」
「おっはようみのりん!」
「おう、おはよう櫛枝」
「おお、大河の笑顔のなんと眩いことよ……さては何かイイ事あったね?」
「うん!推薦入試、合格したの!」
「そいつはめでたい!ひょっとして高須くんも?」
「おう、おかげさまで無事に合格だ」
「流石に二人とも選抜クラスなだけはあるねぇ〜」
「でもねみのりん、竜児ってばきっと不合格だって思いこんじゃってたのよ」
「へえ?高須くん成績いいのに何で?」
「いや、面接がな……第一印象が最悪っぽくて……なんせ面接官が全員引いてたし。
 それに、テンパり過ぎてなんか余計なことまで言っちまったから」
「もう、だから余計なことなんかじゃないってば!」
「なになに、高須くんどんなこと言ったの?」
「あのね、竜児ね……」
「おい大河、恥ずかしいから話すなって!」


「えー、では高須君、何か将来の夢とかはありますか?」
「は、はい、俺……私の将来の夢は、みんなで幸せになることです」
「ふむ、随分と漠然としてますね。みんなというのは?」
「えっと、今の家族と、将来家族になる人と、その家族と……あと、友達や、知り合いや……自分の周りの人達みんなです」
「……君は、それが出来ると思いますか?」
「今はまだ、自分は全然未熟で……正直、どうすればいいのかもよくわかっていません。
 ですけど、これからもっと勉強して、経験も積んで、成長して、いつか必ず実現してみせたいと思っています」
「なるほど、わかりました。ところでちょっと気になったのですが……さっきの『将来家族になる人』というのは……そういう人が居るのですか?」
「あ、はい。今は恋人……というか婚約中の身ですけど、卒業して就職して生活安定させて……その、出来るだけ早く正式に家族になりたいと思ってまして……」


「……ってことらしいのよ。私が聞き出した所によると」
「え、ええ話や……特に後半。これはぜひあーみんにも教えてあげないと……」
「頼むからもうやめてくれ……」

151 : ◆uWEgEar/CI :2010/04/11(日) 16:32:33 ID:y3Q5NIgW0
>>149
ふ、おいらもあるぜ(遠い目)

*「メリークリスマス」
亜美は富家に彼女がいることを知らない設定で書いてたけど、「不幸のバッドエンド大全」で
ちょうど1年前にファミレスで知ったことになってた…

この作品だけ富家の読みが「ふけ」になってるけど、単なる誤植?それともそこまで織り込んで読めと?

*「星に願いを」
>>149 に同じく七夕は「ニセとら!」で二人が一緒にお出かけしていたことが発覚…

まぁ、あんまり目を三角にせずに読むのがスピンオフかな。「とらとら!」は2巻と3巻の間ごろってことに
なってるけど、竜児は大河に口もきいてもらえない頃だし(w。とりあえず「シュレーディンガーの虎」を
読め、そして素数を数えて落ち着け、俺。

どの作品も楽しめたけど、特にすきなのは「ラーメン食いたい透明人間」と「とらドラ!な雨宿り」「ドラゴン泰子」。

152 : ◆fDszcniTtk :2010/04/11(日) 16:33:20 ID:y3Q5NIgW0
>>151
あれ、トリップ間違えたか。

153 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/11(日) 18:08:27 ID:N5Y2uDbJ0
>>138 GJ! ナイスパンツw
>>144 GJ! 朝から何て事を・・・ 大河可愛すぎですw
>>150 GJ! いい話ですね〜

自分はスピンオフは書き下ろしが好きですね。

154 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/11(日) 19:49:51 ID:jkJvrvvc0
>>144
おお、お久しぶりです!
相変わらず糖度高い夫婦でニヤニヤw

>>150
三題噺の方を見ると安心する自分がいる…
いい話だが竜児恥ずかしいw

スピンオフ届かねー
後日談はなかったみたいだね…残念

155 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/11(日) 23:06:59 ID:M3lFVGMi0
スピンオフのカラーページを読んだら幸せになったんだ。
でもこれを読んだら本当に終わっちまうって思って読み進められない。
公式な後日談が無いとは分かっていても、だ。どんだけ臆病だよ自分w

156 : ◆x6jzI2BeLw :2010/04/12(月) 00:06:53 ID:uKbVHdTp0
スピンオフ3、読み終えてしまった。
これでおしまいと思うと寂しさひとしおです。

>>138
初々しさいっぱいでいいなあ。GJでした。

>>144
いや、楽しそうで2828できますね。
>「竜児ぃ、お腹すいた……ご飯まだぁ?」
>「飯はお前の担当だ!」
噴きましたww

>>150
相変わらずのクオリティで安心できますね。
大真面目な竜児がいいです。

まあ、世界観を大きく壊さない限り、些細な違いは気にしないw
自分もどこでやったか、恐くて読み返せないwww


以下に2レス使用で1作投下します。


157 : ◆x6jzI2BeLw :2010/04/12(月) 00:08:49 ID:by3+Viws0
仕事帰りのOL達でにぎわうオフィス街のオープンカフェ。
竜児はいつもより早めに仕事を切り上げてここへ来ていた。
エスプレッソを注文し、ゆっくりとカップを傾ける。
向かいの席は誰かが座るのをずっと待っているかのように空いていた。
約束の時間まであと、少し。
この時間が竜児にはたまらなく好きだった。

「待たせたわね」
カップの中身が半分に減った頃、スッと言う感じで竜児の前に座るのは同じく職場帰りの大河である。
しているのかしていないのか分からないくらい自然なメイク。
一日の終わりになっても流れることなく、大河を淡く彩っていた。
大人びた顔立ちに残るあどけなさが大河を少しだけ幼く見せている。

「どうしたの?竜児。じっと、私のこと見て」
「いや、久しぶりだな・・・と思ってさ」
「そっか、先週は竜児も私も忙しくて、会えなかったんだっけ」
「だから、久しぶりの大河をじっくり見たくなった」
実際、大河は会うたびにきれいになっていくみたいで近頃、竜児はドキっとすることが多い。
「ふ〜ん、じゃ、どうぞ」
デジカメのズームを効かせたみたいな大河のドアップ。
テーブル越しに竜児に顔を近づける大河。
バラの様な感じの大河の口元は高校生の頃と変わらない。
いまさら照れるような間柄じゃないのは分かっているつもりでも、竜児は動揺してしまう。

「ちょ、ちょっと離れろ。分かったから」
「え?もういいんだ。つまんない」
期待はずれ・・・と言う顔で大河は元のポジションに戻る。
どうしてこうなったんだろなうなと竜児は思う。

大学を卒業したら、ちょっと家事手伝いをして、竜児と一緒になると漠然と思い描いていた大河の未来図。
それが、少しは世間を見た方がいいと言う意見もあって、大河は家事手伝いを止めて、就職する道を選んだ。
ほんの腰掛程度ですぐに辞めるつもりのはずだった大河。
それがどうしたことか、水が合ってしまったとしか言いようがない。
大河は仕事にやりがいを感じ、今では職場で大活躍らしい。
その一方で竜児も、それなりに大事な仕事を任されるようになり、日々多忙を極めている。
そんな日常が続き、このところ大河とすれ違いが目立つような気がしてならない。
忙しさに馴れて、何かを見失っているようで、竜児はもやもやするものを感じていた。


158 : ◆x6jzI2BeLw :2010/04/12(月) 00:10:09 ID:by3+Viws0

いつもの会話がふと途切れた瞬間。
「ねえ、竜児」
「なんだよ?」
「ちょっとしたゲームしない?」
「ゲーム?」
「うん。負けた方が、ここの支払いをするの」
「俺はかまわねえぜ」
「じゃ、ルールを言うね。とっても簡単だから・・・私がこれから竜児にいくつか質問するから、竜児は全部 『いやだ』って答えてくれればいいの。答えられなかったら負けね」
「そんなの簡単だろ」
大河はふっと口元だけで笑うとゲームの開始を告げた。
「ねえ、竜児・・・三遍回ってワンって言って」
「いやだ」
「ねえ、竜児・・・一億円ちょうだい」
「いやだ」
「ねえ、竜児・・・私の部屋、そうじして」
「いや・・・・・だっ」
「ぐらっと来なかった?」
「まだまだ・・・甘いぜ、大河」
「ちぇ、しぶといなあ・・・]
大河はチラリと目線を動かし、竜児を上目遣いに見る。

「ねえ、竜児・・・」
「ああ」
「・・・私と・・・結婚しよ」
「・・・いや・・・じゃない」
「竜児の負け・・・やっと言ってくれたね」
満面の笑みで竜児を見つめる大河。
「待ちくたびれたよ、私」
あの時から何年待ったと思うのと言う大河。
「すまん」
ひと言に思いを込めて竜児は応えた。
「いいよ、竜児、そんな顔しなくても・・・その分、いっぱい返してくれるでしょ?」
「ああ、何倍にもして返してやる」
ずっと、大河を待たせて寂しい思いをさせたことへの返礼はたっぷりしてやると竜児は請け負う。
「楽しみにしてる」
そう言うと大河は小さく笑った。

「今夜は返礼の第一弾だからね」
念押しする大河と腕を組みながら、竜児は頼もしく返事をする。
「おう、任せとけ」

そして、そのまま寄りそうように夜の街へ消えて行く、シルエットがふたつ・・・。




以上です。

159 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/12(月) 00:33:32 ID:kFqIu/JO0
>>158
GJ
ギシアン成分をさらに高めてもいいのよ

160 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/12(月) 07:44:36 ID:z1ryotJL0
>>159
しかしあえてギシアンを書かずに妄想するのも楽しい

161 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/12(月) 12:35:11 ID:6O6t6XTo0
>>157
なんか、情景想像できてすごくいいですね。

スピンオフ読み終えました。
書き下ろし読んでフリーズしてしまった。最後にあんな書き方されると他ももっと読みたくなります。でも終わりなんですよね?さびしくなりました。

162 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/12(月) 18:00:53 ID:R6U+esc00
>>158
GJです!掃除の段階でダメかと思いましたw

163 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/12(月) 23:02:04 ID:W/1I9MzS0
>>138
魅惑の三角布による無言の攻防!勝者はやっぱり大河かw
ここの書き手さん達、ぱんつネタ好きすぎだww連日の投下GJでした。

>>144
忙しい時ですら当然のようにキスをねだる大河さんの口唇欲マジぱねえっすww
こんな可愛く言われたらほかのモノまで挿れたく(すまん自重する

>>150
婚約中なのを面接官に堂々と宣言できる高校生すげえぇぇw
あの歳でみんなで幸せになりたいと思える竜児は意外と大物かも

>>158
クールなスーツ姿のOLさん大河とリーマン竜児が頭に浮かんだ。
距離が近すぎる二人がちょっとすれ違っちゃうみたいなシチュもいいね。


スピンオフ3が手に入らないよ早く読みたいのに。もう通販にしちゃうかな

164 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/13(火) 03:10:46 ID:TIIpwWOn0
大河と

165 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/13(火) 12:16:00 ID:g7yBgcdB0
俺は

166 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/13(火) 13:07:49 ID:BnEO9ILM0
同期の桜?

167 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/13(火) 21:55:56 ID:czu9Td9a0
いつ来てもアマアマなスレだぜw

168 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/14(水) 00:05:06 ID:g9FaTGnQ0
本スレ見てて思ったんだが、アニメ版を考慮に入れるなら卒業後の話とかダメだったんだろうか
面白かったけどね。スピンオフ

足りないイチャイチャ分はここで補充させてもらってる
書き手のみなさんありがとうございます!

169 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/14(水) 12:14:01 ID:n9+knsZ9O
既にここまで続いてるのかw
あぁ・・・おまえらスゴいなw

170 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/14(水) 22:29:58 ID:oV4Gyyu2O
ゆゆこ的には「とらドラ!な雨宿り」は本編後という解釈もありらしいじゃないか
そう思えば、大河と竜児は一緒に楽しく過ごせているようで安心できる

171 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/14(水) 22:51:35 ID:4pEaThZB0
あれはピクチャーズ収録だったかな

172 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/15(木) 00:56:17 ID:Y98d42fH0
能登が…かわいいよ
やっぱりゆゆこさん凄いなー

スレチすまんです

173 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/15(木) 01:33:56 ID:nVWbZZ6G0
スピンオフよかったぁ。
能登の件は、ラブコメらしいいい感じの終わり方だったなぁと思います。

私は、挿絵(カラー)の一番最後の、大河と竜児が腕を組んでいる絵がすきかなぁ。
婚約した後も、やっぱり太河がリードしているみたいで。

----------------------------------------------
太河「何で、手をつながないのよ?!」
竜児「おぅ、って、お前が手が痺れたって自分からはなしたんじゃねぇか」
太河「そ、そんなこと分かっているわよ。でも、何ですぐつなぎなおしてくれないのよ。この鈍犬。」
竜児「すげぇ言いがかりじゃねぇのか?」
太河「あぁ、もう腹が立った。これだったらいいでしょ!」

って、かなり強引に書いてみました。
(ギシアンはありません。)

174 :とらドラ!で三題噺 ◆Eby4Hm2ero :2010/04/15(木) 04:13:19 ID:PAG6HeYf0
お題 「逢坂」「箸」「柔らか」



 逢坂大河が興味深そうに見つめるのは、炊飯器の兄貴分といった風情の電化製品。
「ねえ竜児、ホームベーカリーなんてどうしたの?」
「おう、パズル雑誌の懸賞で当たってな」
「ふ〜ん……焼きたてパンが食べ放題か、いいな〜」
「パンだけじゃねえぞ。うどんとかの麺生地を練ったり、餅つきもできる優れ物だ」
「おもち?……おもち食べたい! ねえ竜児、もち米買いに行きましょ!」
「おい大河……今日は一緒にセンター模試対策の勉強するんじゃなかったのかよ……」
「腹が減っては戦は出来ぬって言うじゃない。さ、早く!」


 にょ〜んと伸びた餅が、大河の唇と箸の間に白い橋をかける。
「……やっぱりからみもちはつきたてで作るのが一番美味しいわよねえ」
「大河……食ってばっかりじゃなくて、お前も丸めるの手伝えよ……」
「ん〜……このホームベーカリーを信長と命名するわ。というわけであんたがしっかり捏ねなさい、猿」
「天下餅かよ……おう、そういえば家康といえば狸だもんな。お前はひたすら食べてお腹がぽんぽんになるってわけか」
「ぐ……」
「ほら、手伝えって。終わったら雑煮でも汁粉でも作ってやるから」
「……わかったわよ」
 言って大河は大きな塊をむんずと掴み、
「あ、なんかやっちゃんのおっぱいみたい」
「んぶっ!……お前なあ……なんつー例えをしやがる……」
「だって、前に触った時ちょうどこんな感触だったんだもの」
「そうなのか? だけど大河のはもっと柔らか……あ」
 失言に気づいた時には後の祭。大河は真っ赤な顔で胸元を押さえて。
「す、すまねえ、別に、その、わざと触ったとかじゃなくてだな、ほら、大河が抱きついてきた時とかに当たることがあったりするから……」
「……寝てる間にイタズラしたとかじゃ……ないわけね?」
「おう、俺はそんなことしねえぞ」
「それじゃ、触ったっていっても……服の上から、なんだ……」
「お、おう。だから安心しろ……ってのも変か」
「……ね、ねえ竜児……本当の柔らかさ……直接、確かめて、みる?」
「!?」

175 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/15(木) 11:13:23 ID:U6vQ9pM40
>>174
GJです!この後はギシアンしたのだろうか・・・

176 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/15(木) 18:57:25 ID:paX/07Tb0
>>174
乙!
相変わらず絶妙なニヤニヤ加減w
おっぱい=もち だったのか
ちょっくらホームベーカリー買ってくる!

177 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/15(木) 19:55:53 ID:JWKy2jSx0
当然ギシアンしたな

178 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/15(木) 22:04:03 ID:ewfHZ8ns0
麻耶「やだなぁ。タイガーにそんなに胸があるわけ、ないじゃないですか」


179 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/16(金) 02:59:37 ID:DQcTCRHp0
大河「…………」

180 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/16(金) 04:07:15 ID:VMbsCaXI0
竜児「………」

181 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/16(金) 10:26:09 ID:FQWxCmG20
絶望したっ!即座にネタがわかった自分に絶望したっ!

182 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/16(金) 23:18:34 ID:wxja6gz90
すいません!私のようなものまでこのネタを理解できてしまってすいません!

183 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/16(金) 23:18:50 ID:7ds9x+6D0
>>174
GJ!
すぐ大河に繋げる竜児w
続きが気になる…w

184 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/17(土) 00:45:45 ID:FxF/UraN0
>>182
そうだ!そっちもだった(w

185 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/17(土) 01:19:08 ID:8waFQFU50
大河が巨乳だったらお前らどうする?
暴れるだろ?

186 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/17(土) 22:21:44 ID:Qnykf+ZT0
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 `┬r[ヤ
  l_)ヽ_)


187 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/18(日) 21:20:53 ID:wgA4g1vq0
竜児「問題は大きさじゃない。その質感ぐぼぁっ!!」

188 :代理:2010/04/19(月) 00:44:55 ID:63WKQinM0
高須家の名無しさん:2010/04/18(日) 16:36:15 ID:???
三題噺の方のはまとめが方がスゴイ。BIGLOBEは規制解除されてないんでこちらに投下


「エイプリルフールネタ」作者です。代理投稿ありがとうございました。

話題が約1年前の三鷹市ポスターネタとギシアンネタです、駄文ですがよければどうぞ

「ねえ竜児、なぜかわからないけど三鷹市のポスターに私が描かれてるんだけど…」
「おう、本当か?それ?」
「本当よ、ほら竜児。」
「おう、これは…、原作で俺たちを描いてくれたヤス先生の絵だな。なんでも市の方が[三鷹市は猫バス、魔女、
俺たちと同じ電撃文庫から出版されてる『とある魔術の禁書目録』の舞台になっている
多摩地区での狸と人間の争いやら…etcを描いた、アニメ制作会社『スタジオジブリ』の所在地だから
『三鷹市はアニメの街』ということをアピールするために自治体のポスターにアニメキャラを使おう。]と、いうことらしい。」
「しかし遺憾だわ…」
「ん?大河なんでだ?前の写真部の写真みたいに悪口は書かれてないだろう…」
「そりゃそうだけど違うの…、ほらここ!」
「ん?何々…『あなたの家の安心を守る完了検査を受けましょう』ね」
「私理系じゃないのに何で住宅の検査なのよ、遺憾よ遺憾。」
「まあ、大河は可愛いし、ポスターに描かれるのはいいんじゃないのか?」
「ま、ままま、まあそうねそれに私も検査できるものがあるし」
「それってなんだ?大河?」
「竜児の健・康・具・合…」
 ジー
「ちょっと大河?なぜおまえはファスナーを開ける?」
「当然よ、検査するんだから…」
「ちょ、まっ」
「ほらやっぱり硬くなってる…」
「た、大河〜〜〜〜」
ギシギシアンアンギシギシアンアンギシギシアンアン
「よかったね竜児は今日も健康だよ」
「あのなあ…」

終了〜www


189 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/19(月) 00:50:17 ID:63WKQinM0
>>188
GJでした。健康第一www
早く解除されるといいですね。

さて、以下に新作投下します。
2スレの短いやつです。

190 : ◆x6jzI2BeLw :2010/04/19(月) 00:51:47 ID:63WKQinM0

恋ヶ窪ゆりにとって憂鬱な朝が明ける。
本来なら教師生活初のクラス担任が始まる新学期、気合が入ってもおかしくない。
ゆりがそうなれないのはクラス編成にあった。

「恋ヶ窪先生もそろそろ担任を持ってみては?」
にこにこ顔の教頭にそう告げらえた時、ゆりはふたつ返事で引き受けた。
今思えば騙されたとしか言いようが無い。
担任を持っていない自分よりも先輩教師がいるはずなのに、なぜ自分に声が掛かったのか、良く考えるべきだったと・・・。

うきうき顔で渡されたあいうえお順で並ぶクラス編成表を眺めていたゆりの顔が次第に苦悶の表情へ変ってゆく。
・・・北村祐作。
うわ、ラッキー。クラス委員は彼で決まりね。
優等生で生徒会副会長の名前を見付け、楽なクラス運営が出来そうだとゆりはほそく笑んだ。

・・・高須竜児。
うわ〜。高須君。
鋭すぎる視線を思い出し、ゆりは慄く。
うんうん、怒らせなければ大丈夫・・・大丈夫よ。
自分へ言い聞かせるゆり。

内心、外れくじを引いた心境でクラス編成表の男子の列を読み終えたゆりが女子の列へ目をやった途端・・・。

うげ!

・・・逢坂大河。

見てはいけない名前を見付け、ゆりの頬がひくつく。
何かの間違いでしょ?・・・と何度も見直すが、2−Cの女子出席番号1番「逢坂大河」は消えない。


・・・理科や社会の選択科目を何で選んだかで決められたクラス編成。
偶然の一致がこの2−Cを産み出したとゆりはがく然とする。
いわくありげな生徒が織り込まれたクラス・・・他の教師が敬遠したからこそ・・・ゆりに巡ったチャンスだったのだ。

あんのはげ頭!
と、教頭をののしるももう引き返せない。
こうなれば・・・やってやろうじゃないの。
なけなしの闘志に火をつけ、ゆりは自分を鼓舞した。


かくして2年の新学期の朝を2−Cの面々は迎える。
鏡に向かってイメチェンを計ろうとする奴や寝坊してベッドでくしゃみをする奴・・・。
波乱万丈な1年になるとも露知らないまま・・・。



191 : ◆x6jzI2BeLw :2010/04/19(月) 00:52:51 ID:63WKQinM0


それは偶然の産物かはたまた悪魔の悪戯か・・・


「みのり〜ん・・・2年の選択科目何にした?」
「おうよ、よくぞ聞いてくれました。なんと倫理社会ぜよ・・・哲学・・・くか〜かっこいい」
「ん、じゃ私も同じのにする・・・倫理っと・・・理科は?」
用紙に丸をつける大河。
「生物にした・・・大河は?」
「もち、おんなじの」


「高須〜、2年の選択、決まったか?」
「迷ってんだよな、まだ。そういう北村は?」
「もう決めた。櫛枝と同じにした」
「く、櫛枝?」
竜児のトーンが高くなる。
「ああ、同じソフト部の女子だよ・・・打ち合わせとかしょっちゅうあるから同じクラスの方が何かと便利かなって思ってさ」
「そ、それで何にしたんだ?」
「倫社と生物」
「おう!」

北村が行ってしまった後で竜児はこっそり用紙を取り出すと、政治経済に付けた丸を消し、改めて倫理社会に丸を付け直した。




以上です。



192 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/19(月) 00:57:55 ID:rr7aQUiJ0
>>191
乙!
打ち合わせとかしょっちゅうあるからの部分を見て
ちゅっちゅあるから とか読んで想像した

193 : ◆Eby4Hm2ero :2010/04/19(月) 05:45:48 ID:mIuD8wsJ0
>>191
乙です
出会いは必然だったわけですなw

194 :とらドラ!で三題噺 ◆Eby4Hm2ero :2010/04/19(月) 05:47:29 ID:mIuD8wsJ0
お題 「垂らし」「見てやって」「座らない」



 土曜日の朝。
「おばよー、りゅーじ」
「おうっ!?」
 竜児が驚くのも無理は無い。
 高須家を訪れた大河は頬を赤らめ、瞳を潤ませ、鼻水を垂らしていて。
「おい大河、大丈夫か?」
「ん〜……ちょっと風邪ひいちゃって」
 心配そうな竜児に、手渡されたティッシュで鼻をかみながら答える大河。
「だったら、無理してうちに来なくてもよかったのに……」
「あのね竜児、私の家には今弟が……まだ首も座らないような赤ん坊がいるわけよ。
 その弟に風邪うつしたら大変じゃない。だから、私はむしろこっちに居た方がいいの」
「おう……そうか?」
「という口実で、今晩泊めてもらおうと思ってたんだけど」
「お前……妙に大荷物だと思ったら……」
「来る途中になんかすごく調子悪くなってきちゃって……」
 言って大河はふらりと竜児にもたれかかる。
「おい!? 大河、お前すげえ熱いじゃねえか!」

『――御免なさいね、大河がいつも迷惑かけちゃって』
「いえ、そんな。迷惑なんかじゃないです」
『それじゃ、申し訳無いけどあの子の面倒見てやってもらえる?』
「はい、任せて下さい、お、お母さん」
『……そう呼ぶのはちょっと気が早いんじゃなくて?』
「……すみません」
『まあ、悪い気はしないわね。じゃ、宜しくお願いするわ』
「はい。それじゃ、失礼します」
 受話器を置いて、竜児が向かうのは自室のベッド。 
 そこにはパジャマに着替えた大河が身を起こしていて。
「大河、熱どうだ?」
「ん〜……37度7分」
「やっぱり高いな……病院行くか?」
「やだ。だって今日の今からだと『あの』病院になるじゃない」
「いや、大学病院だから必ずしも『あの』藪医者にあたるとは限らねえけど……不安なのは確かか」
「気持ち悪いのもだいぶ落ち着いてきたし、普通の薬で大丈夫よ」
「そうだな、大河のお袋さんに聞いたけど、うちにある風邪薬でアレルギーにも問題無いみたいだし」
「それじゃ竜児、薬飲むからその前になんか食べる物頂戴」
「……いやまあ、確かになるべく食後ってなってるけど……ヨーグルトぐらいにしとけ」
「ん、それでいいわ」
「薬飲んだら大人しく寝とけよ、風邪には栄養と休息が一番だからな。俺はちょっと買い物に行ってくる」
「え〜、傍にいてくれないの?」
「薬局で冷えピタとか買って来るんだよ。あとちょっとスーパーにも行くけど、極力早く帰ってくるから」
「それじゃ、寝る前におやすみのちゅーして」
「おい!?」
「お願い、そうしたら安心して寝てられると思うから」
「……お、おう」

195 :とらドラ!で三題噺 ◆Eby4Hm2ero :2010/04/19(月) 05:48:13 ID:mIuD8wsJ0
「ごちそうさまでした」
「おう」
「ねえ竜児、晩ご飯は何?」
「お前、卵粥あれだけ食った直後にそういうこと聞くか?」
「ぶ〜、別にいいじゃない」
「……豚肉と葱買ってきたから、それで雑炊の予定だ」
「それならお肉多めでお願いね」
「まあ、食欲あるのは悪いことじゃねえか……」
「あ、そうだ、夜寝る時なんだけど」
「おう、大河はそのままベッド使ってていいぞ。俺はこっちに予備の布団敷くから」
「その布団、竜児の部屋に敷いてくれない?」
「え?」
「だから、一緒にっていうか、横で寝てくれないかって行ってるの」
「いや、それは……さすがにマズくねえか?」
「何よ、病気で不安な恋人を一晩放っておくっていうの?」
「そうじゃねえけど……その、なんだ」
「大丈夫よ」
「だけど……」
「大丈夫だって言ったら大丈夫なの。わかった?」
「……お、おう」


「おっはよう大河!」
「おはようみのりん」
「メールで言ってた風邪は大丈夫なのかね?」
「うん、もうすっかり」
「まあ高須くんの献身的な看病をうければ当然か。って、その高須くんは?」
「あ、その、それが……今度は竜児が風邪ひいちゃって」
「ほほう……それはひょっとして、二人で何か風邪がうつるようなコトをしたということかな?」
「っ!……そ、それは……」
「そのへんじ〜っくりと聞かせてもうらおうかねえ、大河?」


196 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/19(月) 12:19:00 ID:FinmcMqAO
GJ!

197 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/19(月) 13:15:29 ID:KU+8NRWi0
>>195
GJっす!
おやすみのチューしちゃったもんねぇ。そ、その先も!?

198 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/19(月) 20:27:36 ID:ibf0E8LI0
>>195
GJです!
風邪は辛いもんなぁ、甘える大河が可愛い
竜児はキス止まりでもんもんとしてたほうが萌えるw
逆パターンも楽しそうだ

199 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/20(火) 00:02:20 ID:R6/NJSzB0
さっきようやく文化祭編まで見終わった新参です。
大河カワイソス・゜・(つД`)・゜・ やっぱりあの日の夜はひとりで泣いたんだろうか。
竜児は抱いて眠るくらいのことをしてやってもいいんじゃないかと思ってしまったよ、あれだけ仲いいんだし。

これからシリアスまっしぐらだって聞いてるけど、最後はハッピーエンドみたいだし、このスレでニヤニヤしたいし、頑張って見てみようと思います。

200 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/20(火) 06:43:13 ID:fMiRVfj90
>>199
とうとうこのスレにたどりついてしまったようだね
存分にニヤニヤしていってもらいたい

201 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/20(火) 10:43:13 ID:8QCIcfmC0
ニヤニヤで顔がとろけそう
作者の方々乙です!

>>199
そこから一気に切なくなるよな
文化祭編は、ここまできて何で竜児は自覚できないんだとやきもきしたなぁ

202 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/20(火) 23:42:57 ID:hjeBN60P0
「ねぇ、竜児」

「おう?」

「将来的に、宇宙に移住するとするじゃない?」

「おい、その無茶な前提はなんだ」

「いいから聞け。それで、宇宙って無重力でしょ?」

「おう」

「子作りはどうしたらいいのかしら……」

「……は?」

「あんたと二人でベッドの上に留まっている事すら不可能なのよ?」

「いや、そんなに真面目な顔で言われても……」

「あんたこそ真面目に考えなさい! これは高須家の一大事よ!」

「待てよ大河。宇宙に移住するのは俺たちの世代じゃないぞ、絶対」

「……じゃあ、子孫達のために考えてやろうじゃない!」

「そうか、この状況からは逃れられないんだな」

「もちろん!」

「まー、浮き上がる体は何かに固定すればいいんじゃねぇか? あとは反作用をどうやって打ち消すか、だな」

「うーん……急に理系っぽい話になったわね」

「悩んでても仕方ない。とりあえず練習してみるか」

「ちょ、竜児? その手に持ってるヒモは?」

「これでお前をベッドに固定すれば宇宙と状況は同じだろ。反作用がどんな感じで発生するか調べるからな」

「えー、目が血走ってるよ竜児……・」

ギシギシアンアン


テキトーに書いた。
後悔はしてる。

203 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/21(水) 01:28:33 ID:G+OnEt9U0
これは酷いwww


204 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/21(水) 02:06:56 ID:0khzi7+70
ギシアンきたwwwww

205 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/21(水) 03:35:24 ID:jOTpa+x60
理屈が面倒になったからか、すぐに始めた竜児ワロスwww

206 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/21(水) 09:31:04 ID:YDs5VGvt0
だがそれがいいwwww

207 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/22(木) 02:56:33 ID:msnWGLTG0
「ちゅ〜ごろん♪ちゅ〜ごろん♪」
「大河、その歌なんなんだ?」
「んー、CMでやってた」
「ふーん」
「ねえ竜児、ちゅ〜ごろんして」
「……それだけでいいのか?」
「え?」
「ちゅーして、ごろんして、そこまででいいのか?」
「……んっとね、その先も」
「おう」

ギシギシアンアン

208 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/22(木) 21:10:22 ID:fx/PdFnq0
ギシアン祭りだワッショイ。wwww

209 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/22(木) 21:19:58 ID:fx/PdFnq0
86のギシアン、エイプリルフールネタ、三鷹市ポスターネタの作者です。(ID変わりましたが…)
規制中代理投稿して下さった方ありがとうございます。本日解除されたので避難所に投下した
SSをこちらに転載します。

勝手な想像でスミマセン(作者は『「とらドラ!」で三題噺の方』とは別人で、なんら関係がありません。) 
三題噺「垂らし」「見てやって」「座らない」の3次創作

「KKコンビの逆襲」

櫛枝 「ひょっとして2人が夜中に我慢できずにギシアン→当然大河は汗をかいて熱が下がる、
    でもって高須君は汗をかいて体温が下がる→風邪をひいたってところじゃないの?大河?」

大河 「ち、ち、ちちち、ちがうってみのりん!!」

川嶋 「あ〜ら、そういう割に顔が真っ赤かだけど、チ・ビ・ト・ラ」

大河 「ななな、な!ばかち〜いたの?」

櫛枝 「おっはよ〜、あ〜みん。」

川嶋 「おはよう実乃梨ちゃん、ヒソヒソ(ねえ?あの反応って一体?てか実乃梨ちゃん大河を
    高須君が世話するまで面倒見てたからわかるでしょ?」

櫛枝 「ヒソヒソ(おうよ、あ〜みん。あれはあ〜みんの言うとおり照れ隠しだぜ〜、
    ところであ〜みん、ごにょごにょ)」

川嶋 「(いいね、それ。乗ったわ。)」

大河 「みのりんとばかち〜何ヒソヒソ話してたの?」

川嶋、櫛枝 「別に〜、なんでもないよ〜。」

大河 「??」




210 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/22(木) 21:30:28 ID:fx/PdFnq0
放課後の高須家にて

「竜児〜大丈夫?」
「おう、大丈夫だ。だいぶ熱も下がったしな。」
 ピンポ〜ン
「すまないが大河、出てくれるか?」
「うんわかった。この優しいご主人様に感謝しなさい。」
「確かに去年と逆だな…、とりあえず待たせると悪いから開けてやってくれ。(宅配便か?それとも郵便か?)」
虎「はいは〜い、ってみのりんとばかち〜!!」
太陽「おじゃましま〜す、いや〜朝の質問だけど大河が答えてくれなかったから高須君に聞こうと思って。」
チワワ「そういうこと〜、じゃ上がるね高須君。」
虎「え?え?ええ〜?」
太陽「じゃ、さっそく尋問タ〜イム。高須君は昨日大河とあ〜んなことやこ〜んなことをしたのかね?」
チワワ「たとえば〜『タイガ〜のない胸に興奮しちゃったり』とか『不毛地帯を見たとか』あ、ちなみにドラマじゃない方ね。」
竜「なな、なななにを…、というか大河はちっちゃいけどちゃんとあるぞ。」
太陽「あれれ〜?高須君顔真っ赤だぜ〜超真っ赤だぜ〜!!」
チワワ「もっと例えて言うなら〜『タイガ〜のあわびを食べた』とかさ〜、ね?高・須・君。」
竜「あうあう…(なぜこいつらは俺達の事をここまで当てる?)」バタッ
虎「竜〜児〜、しっかりして〜。」
太陽、チワワ「じゃあおいらたち(わたしたち)は帰るから〜、どうぞごゆっくり〜」
虎「え〜〜、ちょっと!昨晩竜児とは何もしてないからね。」
太陽「大丈夫、高須君の反応で実はしちゃったってことはわかってるから〜」
虎「な!な!」ボン

その後竜は1日ほど風邪と熱の回復が遅れたとか。一方…

川嶋「さすが実乃梨ちゃん。」
櫛枝「おうよ、あ〜みん。」
川嶋「ま、タイガ〜には悪いけど私のことを見なかった逆襲としては成功ね。」
櫛枝「そうだね〜」
と帰路を共に歩む学生がいたとかいなかったとか。

おしまい




211 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/22(木) 23:22:15 ID:p4wNEGkT0
>>207
癒し系だw

>>210
乙!
なんてわかりやすい二人だwww

212 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/23(金) 00:42:50 ID:8Ttru8Bp0
ギシアンは世界を救うからな
すばらしい

213 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/23(金) 01:57:51 ID:DTsNhJwe0
>>173 たったの五行なのに情景がうかんでしまったw自動的に脳内再生

>>174 かなり初期のうちに"襲うぞ"発言した奴が寝てる間に悪戯しないわけない…わけないな竜児だから

>>188 ギシアンで健康確認wある意味正しいw

>>191 科目の選択の動機が不純だwwゆりちゃんは独独独独!さえなければ良い先生だよなホントに

>>195 弱ってる大河かわいすぎる!大丈夫ってナニが?ナニが大丈夫なの?ねぇ

>>202 ヒモで縛り付けるんですねわかります

>>207 バカップルめ!バカップルめ!!バカップルめっ!!!

>>210 両サイドからステレオでからかわれたらたまらんなw



投下してる皆さんGJ!でした。いつも楽しませていただいております

214 : ◆Eby4Hm2ero :2010/04/23(金) 05:57:05 ID:Co27Ol8o0
>>209-210
恐るべしKKコンビw
うん、有りですな。こーゆーのも有り。


215 :とらドラ!で三題噺 ◆Eby4Hm2ero :2010/04/23(金) 05:59:02 ID:Co27Ol8o0
お題 「がっちり」「耳元」「竜児」



「ん……」
 薄明かりの中、大河がベッドの上で身を起こす。
「……あれ?」
 ぼんやりとした頭のまま見回せば、そこは自室ではないが見覚えのある部屋で。
「……あ、そっか……風邪ひいて……竜児のうちに泊めてもらったんだっけ……」
 ベッドの横を見下ろせば、布団で安らかに眠る竜児の姿。
「……緊張して眠れないとかいうことはないわけね……踏んづけてやろうかしら」
 ナツメ球の明りを点けたままなのは、夜中に間違えて踏んだりしないようになのだけど。
 上半身をベッドから乗り出すようにごろんと転がり、手を伸ばして竜児の頬をつつく。
「この鈍犬……」
 と、大河はにんまりと笑みを浮かべ、ベッドから降りて竜児の顔を間近で覗き込む。
「竜児ってば、寝顔は意外に可愛いのよね……」
 前髪を上げて、おでこにキス。ほっぺたにもキス。ちょっと迷って、唇にも軽くちゅっと。
「む〜、起きないか……」
 もぞもぞと布団に潜り込み、抱き締めるように首筋に顔を埋めて息を吸う。
「竜児の匂い……」
 耳元に唇を寄せて、
「竜児、好き……好き……好き……大好き…………愛してる……」
 囁きながら、ちゅっちゅっと顔中にキスを繰り返す。時々、首筋を跡がつくほど強く吸ってみたり。
「俺もだぜ、大河」
「え?」
 気づけばがっちりと抱き締められて、竜児の瞳が大河のそれを見つめていて。
「愛してる、大河」
 お返しとばかりに唇を奪われる。魂の奥底まで刻み込むような熱いキス。
 やがてしなやかな指先が服の下へと侵入し……

「ってな感じで!てな感じで!ふおぉぉぉぉぉぉ!オイラはもう滾って滾ってたまらんですたい!」
「ちょ、ちょっとみのりん!そんなことしてないってば!」
「え〜?だって二人で一晩同じ部屋で過ごしたんだべ?」
「すぐ近くにはやっちゃんだって居るんだし!それに竜児は結局朝まで起きなかったもの!」
「ほほう、ということはひょっとして大河、布団潜り込むぐらいまではやったんだね?」
「そ、そそそ、それは……」
「さて、それじゃあ今度は詳しい所をゲロってもうらおうかねぇ♪」

216 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/23(金) 22:29:59 ID:UqytW7xC0
>>215
続きものきた!GJです!
みのりん妄想を支援したいw

217 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/23(金) 23:18:25 ID:ihigqB730
>>215
ふぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!オラももうたまらんですたい!

218 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/24(土) 01:57:43 ID:Cb1cN3i30
竜児なりのマーキング

219 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/25(日) 20:18:24 ID:mNPQcpWd0
>>215
まさかの続きキタ━(゚∀゚)━!
っていうか、竜児鈍犬すぐるwww

220 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/25(日) 23:08:00 ID:s0tB7mFA0
竜児「俺は龍。」
大河「私は虎。」
竜虎「昔から龍と虎は並び勃つ。そういうふうになっている。」
竜児「と、言うわけで大河。」
大河「うん、竜児、しよ!」
竜児「じゃあさっそくベッドへ。」
大河「あ、もう竜児の勃ってる。」
竜児「お前のもな。」
ギシギシアンアンギシギシアンアン
大河「もう一度…して。」
竜児「おう、って大河?また勃ってるぞ。」
大河「竜児のも1回したのにもう勃ってる。並び勃つって言ったじゃない。早くしよ?」
竜児「そんなかわいい顔をしないでくれ…、ますます元気になっちまう。」
大河「ねえ?はやくう」
竜児「おう。じゃもう一度。」
大河「ひゃうう…」
ギシギシアンアンギシギシアンアンギシギシアンアン


とらドラ!の名セリフを使ってみた。後悔はしてる。
ちなみにギシアンはID:kQHO++7b0で一回、三鷹市ポスターネタで一回、これで3回目
まともなSSは一つだけ…(エイプリルフールネタ)もうギシアン職人になろうかな…。


221 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/25(日) 23:10:11 ID:s0tB7mFA0
まさかのsage忘れ… 本当にスミマセン 上のギシアン作者

222 : ◆x6jzI2BeLw :2010/04/25(日) 23:46:21 ID:tN2pHxEp0
以下に新作投下します。

長いです。
途中で連投規制となりますので、書き込め無くなったら規制解除後に続きを投下します。
上手く支援でも入れば一気に投下出来るかも?

ストーリー進行上の都合で、アマアマじゃない部分があります。
鬱展開でもないですけどね。

それでは規制されるまで投下します。
しばらくお借りします。

223 : ◆x6jzI2BeLw :2010/04/25(日) 23:47:16 ID:tN2pHxEp0

「大変、お待たせして申し訳ありません。前の組が長引いてまして・・・恐れ入りますが、今しばらくこちらでお待ち下さい」
恐縮の態を取る係員に誘導されて、控え室とも言うべき小部屋へ竜児と大河は案内される。
肉厚のふかふかクッションが付いた椅子にふたりが腰を下ろすと、係員は深々と頭を下げ退出した。
後に竜児と大河だけが部屋に残される。

「予定通りに行かないもんだな」
「いんじゃない・・・ここまで来たら急ぐ必要なんて全く無いんだから」
「でも、みんなを待たせちまうぞ」
「気にしない、気にしない。どうせ、噂話とかに花が咲いてるわよ」
「そうかもな」
竜児は相槌を打った。
「30分くらい・・・だっけ?遅れてる時間」
「なんかそんなこと言ってたな・・・でもその分だけ・・・大河のその姿を独り占めできる」
大河へ視線を這わせる竜児。
「ふふん・・・良かったね竜児」
「ああ、布団のシーツじゃねえ・・・本物のベール・・・きれいだぜ、大河」
「竜児のおじいちゃんの家だったね、あれは」
「俺も大河も高校生で・・・」
「・・・駆け落ち」
大河の声に合わせてふたりとも笑い出す。

「若いって・・・すごいよね」
「おいおい、十分俺たちまだ若いぞ」
「でも、もうあんな無茶出来ないよね」
「・・・確かにな・・・でも、そのおかげでこうして今日を迎えられた・・・大河と一緒に」
優しげ目つきで大河を見る竜児。
「・・・うん」
少しうつむいてはにかむような表情をする大河。
純白のドレスもあいまっていつも以上に大河を可愛らしく見せる。

遠くから伝わって来るざわめき。
前の組が滞りなく進んでいる証拠だった。
後、数十分後に大河も竜児もそのざわめきの住人となる。

お互いに生涯を共に過ごすと言う誓いをみんなの前で立てる儀式まで、もう少し。
高校生から育んで来たものの形が結実しようとしていた。

「・・・長かったね」
感慨深そうに大河が言う。
「いろいろ・・・あったな」
竜児も少し遠い目をする。

「廊下でぶつかって・・・あんたの家に殴り込んで・・・気が付いたらすっかり居候で・・・そしていつのまにか好きになってた」
「わがままで、横暴で、犬扱い・・・でも、そんなおまえが放って置けなくて・・・」

「ねえ、竜児?」
「おう」
「一度、聞いて見たかったんだけど・・・いつから私のこと、好きだったの?」
「ぶっ・・・おま、今日みたいな日に聞くことかよ」
「いいじゃない。ね、教えて」
「・・・はっきり意識したのは修学旅行の後だった」

・・・修学旅行。
その単語が大河の心の記憶を呼び覚ます・・・そう、あれは・・・。




224 : ◆x6jzI2BeLw :2010/04/25(日) 23:48:05 ID:tN2pHxEp0


「どうしたって・・・竜児のことが・・・・・・好きなんだもん」



照明の落ちた室内でパイプベッドに横たわった大河は白い天井を見つめていた。
額に巻かれた包帯と時々襲って来る軽い頭痛が半日前の出来事が嘘じゃないことを教えてくれる。
あれは・・・北村君?
何度、記憶をたどってもそれが誰だったのか、大河は確たる証明が出来ないまま、堂々巡りを繰り返す。
誰かに背負われていたのはぼんやりと思い出せるのだが、それが誰だったのか分からないのは頭の痛み以上に苦痛だと感じる大河。
そんな大河は自分の心の内側へ続く扉を開けてしまっていた。
その向こうに見たものを見なかったとにしようとした毎日。
それなのに、ほんの少しの気の緩みから、大河はそれを口の端に乗せてしまったのだ。
実際、それすらぼんやりとした記憶で本当に自分はそんなことをしゃべってしまったのかどうかすら判然としない。
夢か幻かもしれない・・・でも、そうじゃなかったら・・・。
そして、その相手が竜児だったら・・・。
そう思った瞬間、大河の体に戦慄が走る。
もし、そうだったとしら自分はどんな顔をして竜児に会えばいいのか分からない。
みのりんと竜児を結び付けるって誓ったことが台無しになることを大河は恐れた。
あれが、北村君だったら・・・と、願望に過ぎないって分かっていながらも、大河はそう願わずにはいられなかった。


それにしても、とんだ修学旅行になったと静まり返った病室で大河はつぶやく。
ふと思い出し、大河はそっと起き上がると枕元の携帯電話のフリップを開き、リダイヤルする。
呼び出し音の後に聴こえるのは無機質な合成音声。
・・・お掛けになった電話は電源が入っていないか、電波の届かない・・・
大河は電話を切り、あのくそじじいと罵る。
電話にも出ない、掛け直しても来ない、何やってんだ、あいつ・・・と日頃気にもしなかった相手のことが気に掛かる。
ベッドサイドに置かれたパイプ椅子、ほんの数時間前まで大河の担任である恋ヶ窪ゆりこと独身が座っていた椅子だった。
崖下から救助された大河は救急車でスキー場からこの麓にある病院へ搬送され、独身が付き添って来たのだ。




225 : ◆x6jzI2BeLw :2010/04/25(日) 23:49:00 ID:tN2pHxEp0


「先生が泣いたなんて言うのは内緒よ」
大河が何ともないと分かり、ベッドサイドへ来るなり、ほろりとしてしまった今日の独身。
くどいように念を押す独身に大河は言わないわよと面倒くさそうに答える。
「でも、困ったわ、逢坂さん」
一瞬、安心した表情を見せた独身だったが、すぐに困った顔を見せる。
「どうしたのよ?」
「お家の人と連絡が付かないの」
大河が学校へ届け出ていた緊急連絡先は当然のことながら父親の家だった。
「さっきから掛けているんだけど、繋がらなくて」
「いいわよ、大したこと無かったんでしょ?」
このままホテルに戻ってみんなと一緒に帰るという大河に独身はそうはいかないと言う。
「どうしてよ?」
ぶすっとする大河に独身は大人の事情と言うやつを説明する。
「怪我した逢坂さんをそのままって言うわけにはいかないの」
「ふん。いろいろ面倒なのね」
馬鹿らしいと大河は思ったが、それで独身が困らないのならばと大河は携帯電話を手にする。
「どうせ、出掛けてるんでしょ」
メモリーから「くそじじい」を選び、大河は発信ボタンを押す。
「あれ?・・・繋がらないや」
すぐにでも父親が電話に出ると思っていた大河はあてが外れ、首を傾げる。
少ししたら掛け直してみましょうと言う独身の言葉にいったんは頷いた大河だが、夕食を食べ終えても連絡が付かないに及んで大河は切れかける。
「何してんのよ、あのじじい!」
舌打ちと共に親を罵る大河を戒めながら独身は困惑度を高める。
「困ったわ・・・先生も帰れないし、逢坂さんも帰れない」
保護者の了解がなければ病院側としてもこのままお帰り下さいと言えない、と診察にしに来た医者にまで言われ、進退に窮してしまう。
「ふう・・・しょうがない」
大河は諦めたようにため息を衝くと切り出した。
「要は私の親に連絡が付けばいいんでしょ?」
うんうんと独身は頷いてから、でも電話も通じないのにどうやってと疑問を呈す。
「ママに連絡する」
大河にそう言われておぼろげながら独身は大河の家庭事情を思い出した。
「親権・・・とか言うの?無いけど、実の親に代わりは無いでしょ?」
「ええ、大丈夫よ」
内心駄目とか言われないかと期待していた大河だが、独身に太鼓判を押されてしまい、引くに引けなくなり携帯電話に手を伸ばす。
「言っとくけど、番号変えてなかったら・・・だからね」
ぶつぶつ言いながらも大河は久しく押していなかった母親の携帯電話の番号をメモリーから探し出した。
呼び出し音が鳴ったことで番号は昔のまま変わらないことが知れ、大河を安心させる。
そしてなかなか出ないであろうと思っていた相手が3コールで出たことに大河は驚く。


「大河?・・・大河なんでしょ?」
スピーカー越しに大河が聴く、久しぶりの母親の声。
もしもしも名乗りも無しにいきなり大河を呼ぶ。
相変わらず、自分勝手だと大河は思わざるを得ない。
「ちょうど良かったわ。あなたに電話をしようと思っていたところだったの」
用事なんて無いのにと思いながら大河は母親との会話を進めて行く。
「今、何処に居るの?大河」
あのマンションかと聞かれて、大河はかいつまんで今の状況を説明した。
「怪我って?大河・・・大丈夫なの?」
母親の声の響きが少し変わった様に思えるのは気のせいだろうかと大河は思いながら、詳しいことは担任に聞いてと携帯電話を独身へ押し付けた。
「ママよ」
「もしもし・・・はい。私、大橋高校で大河さんの担任をしております恋ヶ窪と申します・・・はあ、いえ・・・本当に申し訳・・・あ、そうですね・・・・・・」
独身と母親の会話を横目で聴きながら大河はホテルへ戻ったらどうしようと考えていた。
竜児とみのりんの仲を修学旅行で進展させる計画は失敗だし・・・次の手を打たないと・・・。




226 : ◆x6jzI2BeLw :2010/04/25(日) 23:50:00 ID:tN2pHxEp0


「逢坂さん。お母様」
大河の思索はそこで断ち切られた。
見れば独身が携帯電話を大河へ返して来ていた。
「もしもし」
面白くもなさそうに大河は電話に出る。
「大河、今、担任の先生にもお話したけど、お母さん、そっちへ大河を迎えに行くから」
「・・・冗談、来なくていいわよ」
そして今夜、ひと晩病院へ泊まれと言い、それから迎えに行くという思い掛けない母親の言葉に大河は少し慌てた。
「とにかく、明日のお昼頃にそっちへ行くから、いいわね」
大河に否応の返事を与える間もなく電話は切れた。
妙な雲行きになったと憮然とする大河と対照的に独身は晴れやかだ。
「良かったわね、逢坂さん。お母様が迎えに来て下さるみたいで」
「どこがいいもんですか」
濃度を間違えて作ったリンゴ酢入りのジュースを飲んだみたいな顔で大河は吐き捨てる。
また明日の朝、来るからと言い残してホテルへ帰ろうとする独身に大河は声を掛ける。
「ゆっくり来ていいわよ」
どうせ早くにはこっちへ着けないからと大河が言う。
「お母様、どちらから見えられるの?」
この独身の問いに大河はぼそりと答える。
「・・・福岡よ」



東京行きの新幹線あさま号は速度を落としながらビルが林立する街並みを終点へ向かって走る続ける。
そろそろ着くと言う母親の言葉に促されて大河は降りる支度を始めた。
と言っても今朝、宿泊先のホテルから独身が持って来てくれたスポーツバッグひとつを網棚から降ろすだけだったが。

一番機で飛んで来たと言う大河の母親が病院へ現れたのは大河の予想より早く12時少し前だった。
1年以上会っていなかった母親との再会だったが、これと言って大河に感慨はない。
それでも、わざわざ来てくれてご苦労様ねと憎まれ口を叩きつつも、久しぶりに会った母親への最低限の親愛の情は示して見せた大河。
相変わらずね、あなた・・・と大河の素っ気無さに慣れっこになっている母親はそれを軽くかわす。
そして付き添っていた独身に謝意を示し、後はご心配なくと大河の庇護責任を引き継いだのだった。



227 : ◆x6jzI2BeLw :2010/04/25(日) 23:51:06 ID:tN2pHxEp0


「う〜ん」
病院の外へ出て大河が真っ先にやったのは背伸びだった。
「あんなとこ居たら息が詰まっちゃう」
「もう痛まないの?」
「・・・ちょっとだけ」
母親にそう聞かれて、少し声を落として大河は言う。
修学旅行に同行していた養護教諭が大河が担ぎ込まれた救急病院へ提出した保健カードに鎮痛剤アレルギーと記載があったため、十分な鎮痛処置を大河は受けさせて貰えなかった。
おかげで昨夜は良く眠れていないし、今も頭の中で盆踊りの太鼓がエンドレスで鳴っているがごとき不快な気分が続いている。
「ねえ、大河」
「何?」
「お母さん、心配だわ。まだ、あなたの気分がすぐれないって言うのが・・・」
「大丈夫でしょ、一応検査したんだし」
「でも、ちゃんと信頼出来る病院で、診てもらわないと」
「・・・ママがそう言うなら」
大河にしては珍しく素直に意見に従ったのは早くこの不快な症状を取りたいと言う気持ちがあったからだ。
「そう、ならもう少しだけ辛抱してね」
そう言うと母親は携帯電話を取り出し、何処かへ電話を掛け始める。
その間、大河はブラブラと歩道の石をいくつか蹴っ飛ばしていた。
「さ、行きましょう」
電話を終えた母親が大河を促す。
「行くって?何処へ?」
「福岡に決まってるでしょ。お母さんが懇意にしている病院があって、そこに大河を頼んだの」
「ちょ、ちょっと待ってよ」
意外な母親の言葉に大河はうろたえる。
「わざわざ、そんなとこまで行かなくても」
東京にもいくらだって病院あるでしょという大河に福岡の病院しか知らないと大河の発言を封じる母親。
いったん、母親の言葉に同意してしまった大河の反論は弱く、しぶしぶといった形で大河は最終的に母親に折れた。


東京駅から慌しく羽田空港へ向かい、すっかり暗くなる頃に大河は母親が良く知っているという病院へ着いた。
検査入院と言うことで個室へ案内された大河は適切な投薬もあってか、夜半にはすっかり気分が良くなり、空腹すら感じるようになっていた。
気分が良くなると忘れ掛けていた昨日からの出来事が嫌でも思い出される。
独身から今朝聞き出した話によると大河を直接助けたのは竜児、北村君、みのりんだと言う。
崖から落ちた瞬間の事は良く覚えていないけど、本能的に「あ、やばい」って感じたのは記憶している。
強い衝撃を感じて・・・それから先のことはぼんやりとしか感じられない。
次にはっきりした記憶は救急車の中だったし・・・。
その間の出来事が現実だったのか夢だったのか・・・分からない。
でも、夢だとしてもはっきり言えるのは誰かに背負われて、その耳に向かってささやいたことだ。
・・・竜児が好きだと・・・。
あれは北村君だよね?
それを確認するには当事者に直接問い質すしかなかった。



228 : ◆x6jzI2BeLw :2010/04/25(日) 23:51:59 ID:tN2pHxEp0


一日余りの検査入院の結果、脳波、レントゲンとも異常無しと太鼓判を押された大河はやって来た母親に気が済んだでしょと言い、帰京する旨を告げた。
「・・・そのことなんだけど・・・大河・・・」
母親の歯切れが悪い。
「問題ないって分かったんだから、もういいでしょ。それともまだ何かあるの?」
「福岡の家まで来て欲しいの」
遠慮がちに切り出す母親の声に大河はヒステリックに言い返す。
「何で!私が!あんたの家に行かなきゃいけないの!!」
「聞いて、大河」
「聞きたくない!!!」
もう帰る、聞きたくないと繰り返す大河に母親はゆっくりと話し始める。
「逢坂のことよ」
このひと言で大河の燃え盛る炎が小さくなった。
「パパが・・・どうかしたの?」
あれから何回も電話したけどとうとう繋がらなかった電話。
音信不通の事実が急に重みを帯びて大河の目前に突きつけられる。
言葉を選ぶ様に母親が告げる内容に大河は目の前が暗くなった。
「・・・嘘!・・・嘘でしょ、ねえ」
「嘘じゃないわ。大河が私に電話をくれた日に分かったことなの・・・逢坂がいろいろ問題を抱えていたのは知っていたけど、そこまで深刻になってるなんて知らなかった」
弱弱しく首を振る母親。
「もっと早く分かっていたら、大河をこんな形で悲しませずに済んだかもしれないわ」

大河の父親、逢坂陸郎が経営していた投資会社は多額の負債を抱え、破綻していた。
顧客から預かった資産を運用し、順調に規模を拡大して来たが、急激な市場の変動に対応しきれず赤字経営に転落。
「逢坂は無理をしたのよ」
一か八かの大勝負を金融市場で仕掛け、失敗したと言う。
「お金を預けていた人たちから、お金を返す様に訴えられて、裁判にも負けたわ」
残ったのは多額の借金だと母親は大河に説明する。
そして、逢坂陸郎自身も経営する会社が破綻する直前、行方を晦ませてしまったとも言う。
「パパはどうしちゃったの?」
「分からないわ。どこに逃げたのか・・・」
呆然とする大河を母親は元気付ける。
「でも、安心して頂戴。大河には何の関係もない事だから・・・これからはお母さんと暮らすのよ」
親権の変更や、大河に火の粉が降りかからないように手続きはこれからだけど間違いなくやるからと言う母親。
「・・・学校とかどうするの?・・・そんなの勝手よ・・・私、嫌だからね」
あのマンションに住み続けると半泣きになって主張する大河に母親は冷酷な事実を告げる。
「・・・できないわ」
「どうして!!!」
「逢坂も馬鹿だわ・・・なんで大河の名義にしておかなかったのかしら」
あのマンションは逢坂陸郎の投資会社の法人名義になっていたと母親は言う。
「金融機関の抵当に入ってるの・・・簡単に言うと借金の担保ね・・・分かるでしょ、お金を借りる代わりに何かあったら差し出す事になってるの」
「・・・じゃあ」
大河は目を見開く。
「そうよ・・・あのマンションにはもう住めないの・・・あの家はもう・・・大河のものじゃないわ」
最終宣告を突きつけられて、大河はさっきまで寝ていたベッドへ力なく座り込んだ。


229 : ◆x6jzI2BeLw :2010/04/25(日) 23:53:06 ID:tN2pHxEp0

茫然自失する大河に追い討ちを掛ける出来事がさらに待っていた。
屠所に引かれる牛みたいな有様で母親の家に連れて来られた大河はそこで何年振りかで母親の再婚相手に対面した。
父親と母親が離婚で争っていた当時、大河自身はどっちと暮らしたいのかと選択を迫られて母親の再婚予定相手と会っているのだ。
あの時、パパを捨てて新しい恋人を作ったママを許せなくて、そしてその相手を認める事は出来なくて・・・大河は父親の手を握ったのだった。
・・・パパの方がお芝居が上手だっただけだけどね、結局。
ママと離婚して間もなくだったっけ・・・夕が来たのは・・・。
いさかいばかりだった継母・・・。
離婚調停時にはもうパパにも居たのよ、夕が・・・知らなかったのは私だけ。
自分は余りにも子供過ぎたと大河は思う。
でももしも、あの時・・・パパの手を取らないでママの手を取っていたら・・・。
どうなっていただろうと大河は時々、考える事がある。
みのりんに出会わなくて・・・北村君にも会わなくて・・・・・・そして、竜児を知る事も無かった。

「や、よく来たね。何年ぶりかな?」
笑みを浮かべる相手に能面のまま応対する大河。
「ほら、挨拶しなさい」
母親に促されて大河もひと言。
「どうも」
およそ挨拶とは程遠い返答をする。
あちゃあと言う顔で母親は大河の後頭部に手を沿え、無理やりお辞儀をさせる。
「大河」
たしなめる母親にそのパートーナーはまあまあと言ったくだけた感じで大河に接する。
「急には無理だよね。でも、今日からここが大河くんのお家になるんだから、固くならなくてもいいよ・・・昨日、急いで部屋も準備したから、2階の、あんまり広くないかもしれないけど気に入ってもらえると嬉しいな」
よくしゃべる奴だなと見ていた大河だが、次のひと言で平静さをかなぐり捨てた。
「いや、でも良かった・・・お姉ちゃんが出来て」
「お姉ちゃん?」
「え?まだ、言ってないのかい?」
反芻する大河に相手は驚き、母親のお腹を見つめる。
振り向いた大河にお腹をかばうようにして立つ母親。
刺すような目線を母親のお腹へ向け、すべてを理解した大河は息を吐き出す。
「・・・はっ、そう言うこと・・・私なんかいらないじゃない・・・そいつの子供だけで十分でしょ!」
そんな子供知らないと、話すうちに激昂してくる大河。
「一緒に暮らすなんて真っ平!・・・生活費だけ送ってよ・・・アパートでもなんでも借りて独りで暮らすから・・・独りで何でもやっていけるわ・・・そう決めたんだから!!!!」
大河の最後の叫びと乾いた音が重なる。
「・・・大河」
悲しみの色を湛えた母親は震える右手を左手で押さえながら言葉を選ぶように大河へ語り掛ける。
「・・・言っていい事と悪いことがあるわ・・・確かに・・・お母さん・・・大河にとっていい母親じゃなかったも知れない・・・」
大河が認める認めないに係わらず、お腹の子は大河の弟か妹なのは否定できない事実だと母親は告げ、こうも付け加えた。
「大河がお母さんのことを責めるのはあまんじて聞くわ・・・でも、この子の事は悪く言わないで」
左の頬を赤くした大河はその場に泣き崩れるしかなかった。


230 : ◆x6jzI2BeLw :2010/04/25(日) 23:53:53 ID:tN2pHxEp0


お通夜のような食卓で砂を噛むような夕食を終え、大河は自分用にあてがわれた部屋に引き上げた。
とんだ愁嘆場を演じたものだと大河は軽く自己嫌悪を覚える。
それでも後先を考えないで飛び出さなかっただけマシかと大河は自分を慰めた。
こんな見知らぬ土地じゃ・・・行く宛てなんてないし・・・。
ベッドに寝転がって大河は部屋を見回した。
乙女チックな毛布カバーの絵柄・・・パステル調の窓に掛かるカーテン・・・シックな基調の机に洋服タンス。
統一感の無いインテリアがいかにも急ごしらえと言う感じを見せている。
・・・もう、小学生じゃないんだよ、ママ。
着替え用にベッドに置かれたパジャマの子供っぽさに大河は少しだけ笑みを取り戻す。
フリーサイズのややブカブカなパジャマに袖を通し、ベッドの縁に腰を下ろすと大河は携帯電話を手にする。
時刻表のように一定間隔で残る着信履歴。
竜児の名前がいくつも並ぶ。
疲れきった大河の神経は竜児をひどく求めていた。
・・・竜児。
思わずリダイヤルしてしまう大河。
しかし、そんな大河の思いを打ち砕くように携帯電話は電池切れの警告音を発し、沈黙する。
・・・充電器、置いてきちゃった。
大河の手から携帯電話が滑り落ちる。

このドジと目を閉じた大河のまぶたに浮かぶ竜児の顔。
笑いながらも心配そうに大河を見守る竜児の温かな視線。
おかわりと大河が差し出す空の茶碗に山盛りにしてご飯をよそって返す竜児。
食べ過ぎんじゃねえぞ、そう言って笑った竜児の笑顔。
次から次へと浮かんでは消えて行く。

みのりんと・・・上手く行くようにって頑張ったのに・・・もう駄目かな。
閉じた大河の瞳から乾いたばかりの頬へ向かってひとしずく流れ落ちた想いがシーツに小さな染みを作った。



231 : ◆x6jzI2BeLw :2010/04/25(日) 23:54:52 ID:tN2pHxEp0

取り乱した大河の様子に不安を覚えたのか、次の日も、そして次の日も母親は大河の側を離れないようにしていた。
そんな訳で否応も無く大河は母親が居なくなってからの数年間を問わず語りに話してしまった。
「独り暮らしを始めたとは聞いていたけど・・・そんな事情だったなんて・・・お母さん、少しも知らなかった」
駄目な母親だわと自分を責める。
「逢坂も逢坂だわ」
前夫を非難する母親を大河はやめてと止める。
「どうしてかばうの?あなたを置いて逃げたのよ」
それを言うなら私を置いてあんたも逃げたじゃない、ここへと・・・言い掛けて大河は台詞を飲み込む。
「パパは・・・パパだわ」
キッとする大河の表情に母親は追及の手を弱める。
「そうね・・・あれでもあなたの実の父親ですものね」
そんな大河は母親への非難のトーンを少し下げていた。
別段、許したとかそう言うことは無いが、数日間、一緒に暮らしてみて以前と違っている点がいろいろ見えて来たせいからだ。
毎食をキッチンで作る母親を大河は初めて見る思いだった。
お手伝いさん任せの家事ばかりで、パパと一緒だった時はそんなの数えるほどしかなかったのに・・・。
母親が作る料理は決しておいしいとか言うレベルじゃないけれど、手抜きが無いのは大河にも分かった。
そして、更なる驚きは母親の再婚相手が家事を手伝っている点だった。
仕事だってあるだろうに早く帰宅してはキッチンで一緒に母親と楽しげにやっている様子を垣間見て大河は小さなショックを覚えた。
・・・パパと居た時・・・あんな楽しそうなママ・・・見たこと無い・・・。
大河は何もせず、ただ食卓で出て来る料理を待っているだけの自分がひどくみじめに感じてしまった。

「どう?お母さんの料理?」
「竜児の方がずっと上手」
にべもなく切り捨てる大河だが、初日と違って残さず食べることでそれなりの意思表示はしていた。
「竜児・・・くんだっけ?」
娘の口から何度も飛び出す異性の名前に母親は女親として大河の心の動きが見えて来ていた。
「お隣に住んでるクラスメートね」
「そうよ」
最初、大河から話を聞いた時、母親は驚愕したものだ。
お隣の家庭に入り浸って食事の面倒まで見てもらっていたなんて、誰が聞いても驚くだろう。
よくよく話を聞いて高須家やその竜児くんとやらに悪意や邪な物がないと分かり、母親は安堵したのだが、すぐ大河の心の機微に気づいてしまった。
・・・大河と別れたのは中学へ入る前だったわね・・・もうそんなことを感じる歳になったの。
17にしてはスリムすぎる体型に、つい子ども扱いしてしまっていた母親だが、改めて娘の歳を思った。

「・・・好きなの?大河・・・その子のことが?」
ストレートな問い掛けに示した大河の反応は特筆すべき物だったと母親は思う


「り・・・竜児は・・・そ、そ、そんなんじゃ・・・」
この家に来て以来、ブスっとして憎まれ口を叩いてばかりだった大河は今まで見せたことない感情を露に見せる。
口では否定しても、態度でありありと示してしまっていた。
こういうところは分かり易い子ね・・・と母親は嬉しくなってしまう。
「でもね、大河・・・かわいそうだけど・・・諦めなさい」
福岡と東京・・・引き離されてしまえば、どうにもならなくなる。
「・・・うん」
ぽつんと悟ったような大河のうなづき。
竜児はみのりんと結ばれる・・・だから・・・私の想いは叶わない・・・大河が想い描く未来。
だから、母親からそう聞かれて大河はうなづいたのだ。
激しく反発されると思っていた母親は拍子抜けする思いを感じた。
・・・もしかして?
思った疑問を母親は口にする。
「その子に振られたの?大河」
大河は小さく首を振った。
・・・違うよ、ママ・・・言う前から終わってるんだから・・・これは・・・・・・。


232 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/26(月) 00:03:35 ID:r071VmTB0
遅いかもだけど支援!

233 : ◆x6jzI2BeLw :2010/04/26(月) 00:15:07 ID:tsVJ4pok0

もう、竜児の側で暮らせないと言う現実を受け入れた時、奇妙なことに大河は少し安堵感を覚えてしまった。
みのりんと仲良くする竜児を見て、心が痛まないはずがない。
何事もないみたいにふたりに接するなんてとても出来ないと大河は思う。
だから、ふたりから離れられるのなら、少なくともそんな思いは味合わずに済むはずだった。
もっとも、それをはるかに上回る辛い目を感じることになるのは避けようがないのだが・・・。

それでも、竜児とみのりんのことをきちんと決着を付けずにこのまま終わるのはごめんだと大河は考える。
2月いっぱいはあのマンションに住んでいられそうだと知った大河はある決意を密かに固めた。
それは大橋の町に戻り、残されたわずかな時間を使って竜児とみのりんを結び付けようと言う計画。
・・・そして上手く行ったら・・・さよならしよう、竜児とみのりんから・・・。

そのための布石として、大河が遠まわしに母親へ求めた帰京の願いは即座に却下された。
このまま、学校も編入学の手続きを進めると言う母親に向かって、何を言っても無駄だと悟った大河は自力で帰京することを思い描く。
「・・・何度、数えても三千円」
大河は財布の中をのぞき込み、ため息をもらす。
父親が定期的に振り込んでいた生活費は既に全額が引き出されてしまっており、キャッシュカードは単なるプラスチックのカードに成り果てていた。
・・・帰れないね、これじゃ。






「大河さ、あの時、どうやって帰って来たんだよ?」
「知りたい?」
「ああ、金もねえのにどうやって俺のところまで戻って来れたんだ?」
「愛よ・・・私の竜児を想う心が天に届いたの」
「で、白いひげの爺さんか何かが空から降りて来て願いを叶えてくれた・・・と」
「うん」
「そんなわけねえだろ。嬉しそうに嘘を付くな」
「夢が無いわね、竜児」
「俺は真実が知りたい」
「んとね・・・さすがに飛行機は無賃乗車出来なかった」
「・・・無賃って、おまえ」
「ちゃんと後で払ったわよ。新幹線代」
最低区間の切符の乗って、東京駅の改札口を飛び越えた大河。
「だって、仕方ないでしょ。お弁当とか食べなきゃいけないし」
頭を抱える竜児に大河は言い放つ。
東京へ向かって新幹線が動き始めた時、大河は言い知れぬ躍動感を感じたのを思い出す。
「また、竜児に会えるって思ったら、なんかわくわくしてきたんだ、あの時」
その時の気分が蘇ったみたいに大河は目を細めた。




234 : ◆x6jzI2BeLw :2010/04/26(月) 00:16:07 ID:tsVJ4pok0

見慣れた竜児の家とマンションが見えて来ると大河は駆け出した。
一秒でも早く、竜児の顔を見たかったのだ。
階段下で大河は乱れた息を整え、逸る鼓動を鎮めようと深呼吸をした。

ドアの前に立ち、「帰って来たよ、竜児」と家の中の竜児へ声を掛け、大河はドアノブを回す。
・・・開かない、鍵掛かってる?
もう・・・と思った瞬間、大河はドアを激しく殴打していた。
数秒の後、ドアの向こうから現れた竜児。
・・・竜児。
そう声を掛けようとした大河は何も言えなくなる。
胸がいっぱいでとかそんな理由からではない。
いきなり竜児が大河のマフラーを掴んで引き寄せたからだ。
惑乱したように竜児は大河を揺さぶる。
会ったら、何を言おう・・・どんな顔を見せよう・・・あれこれ考えながらやって来た大河の想いは木っ端微塵になった。

・・・バカ、竜児。

大河は思いっきり竜児の頬を張る。
・・・やっぱりこうなっちゃうんだ、私。
竜児を罵りながら、大河は心の中で吐息をもらす。

「電話も出ないで、何してたんだよ?」
・・・知ってたよ、何回も掛けてくれたこと・・・ごめんね、竜児。
「電池、切れてるわ」
とっくに知っている事をさも今気が付いたかのように大河は携帯を取り出して言う。
あきれたような顔をした竜児が訳の分からないことを言うのを聞き流し、大河は帰って来なかった理由を説明する。
「うんとママに甘えちゃった。お買い物とかいろいろ行って・・・」
さも楽しかったと振舞う大河。
事実と真逆なのだが、大河は真実を竜児に告げる気は無かった。

非常事態だから3秒ルールを適用すると言って大河は竜児の家に上がり込む。
もう、竜児の家には行かないと決めていたのに、その禁を破る大河。
なぜなら大河は家の鍵を持っていなかった。
竜児へは無くしたと言ったが、本当は母親に取り上げられたのだ。
止む終えず、ベランダ経由で自宅への帰還を試みるしか家に入る方法が大河にはなかった。
「・・・とりあえず、おやすみ」
着地に失敗して打った額を押さえながら、大河は窓を閉める。
閉まったカーテンの向こう。
大河は小さな笑みを浮かべ、つかの間の幸せ感をかみ締める。
・・・良かった、聞かれてなかった。
これで、なにもかも上手く行く・・・そう信じた大河。


しかし、今まで通りの生活が戻って来たかに見えたのは嵐の前の静けさに過ぎないと、大河が思い知らされたのはそれからまもなくのことだった。




235 : ◆x6jzI2BeLw :2010/04/26(月) 00:17:44 ID:tsVJ4pok0


突然、迫られた選択。
逢坂大河は高須竜児が好き Yes/No
出題者 櫛枝実乃梨
回答者 逢坂大河

問題自体を無かったことにしようとした大河の目論みはあっという間に潰えた。

なおも回答を求められ、震える手でNoをクリックしようとした大河の手は実乃梨によって止められる。
大河はその時になってようやく自分がとった行動が最善のものではないと気づかされた。
親友のみのりんのため・・・それが自分の心を誤魔化す大儀名分だった。
実乃梨の言葉によって崩れ落ちる防波堤。
大河の前に開ける広大な大海原。
後はもう飛び込むだけ・・・正直になれと大河の本心は告げていた。

その大河はカーソルをYesの上に置いたまま、クリックすることなく回答者席を泣きながら飛び出した。
残された竜児は実乃梨に促されると、ためらうことなく大河の代わりにマウスをクリックした・・・Yesと。


竜児は居なくなられて初めて大河の重みを実感したのだ。
雪山での突然の告白。
そして母親の下から帰らない大河。
どれだけ自分の中で「逢坂大河」と言う存在が不可欠なものになっていたのかと竜児は気づかされた。
・・・俺は大河が好きなのか?
そうなのだと竜児は自覚せざる得ない。
櫛枝実乃梨への想いが事実上、相手の拒絶にあって実らないという現実と大河がこのまま帰って来ないかも知れないという現実。
そのどっちが竜児の心を揺さぶったと言えば後者だった。
・・・大河が居なくなる?
そんな世界、竜児には耐えられそうになかった。
戻って来た大河の姿に竜児はどれだけ安堵したか知れない。

だから、俺は大河を追い掛ける・・・そう、竜児は決心した。




「ふうん・・・あん時、泣いてたもんね、竜児」
自分の視界に中に納まる大河の姿を久しぶりに再認識した竜児は感情を制御しかねて、じわりと来てしまったのだ。
昔を思い出しニヤニヤする大河に竜児は覚えがないと白を切る。
「あ、あれはあくび・・・だ」
「いいのよ、そういうことにして置いてあげるから」
ニンマリ顔を崩さない大河。
「・・・まあ、大河が戻って来てくれて嬉しかったってのは間違いねえけどよ」
仕方なしに竜児は一部分だけ大河に同意した。


「・・・それから、すぐだったね。ママが迎えに来ちゃって」
「ああ、泰子まで来たよな」
アルバイトの帰り道、ふたりとも自分の母親と修羅場を演じ、手を取り合ってその場を逃げ出したのだ。

「橋の下から、竜児がそう言ってくれた時、心臓が止まりそうなくらい嬉しかった」
「・・・今、思えば・・・よく言ったよな、俺」
・・・嫁に来い、だもんな。




236 : ◆x6jzI2BeLw :2010/04/26(月) 00:19:43 ID:tsVJ4pok0

ジェットコースターにずっと乗り続けてたみたい。
この二日間を例えるならそんな感じだと大河は思う。
ドキドキしたり、叫び出したくなったり、目を瞑りたくなったりと息を継ぐ余裕さえ見失っていた。
そしてジェットコースターが静かに止まり、大河は閉じていた瞳をゆっくり開く。
そして、バラバラだったピースが全てはまるようして再生されて行く家族の姿を大河の瞳はつぶさに目撃する。

たどり着いた泰子の実家。
廊下の片隅で小声で話す竜児と泰子をふすまの陰からそっと見つめ、何もかもが落ち着いた今、大河はゆっくり考える。
今度は・・・私の番だよね・・・竜児・・・。

夜空にきらめくたくさんの星たち。
とても大きな数字でしか表せない距離が横たわってる。
決して、届かないと大河は思っていた。
月までは行けても、あの星までは行けない。
叶うことと叶わないことがあるって思い込んでいた。

「竜児」
「何だよ、眠れないのか?」
「ううん・・・このまま眠っちゃうのがもったいなくて」
「遠足の前の晩か?」
「うん、なんかそんな気分」
照明を消した二階の一室で大河と竜児は横になっていた。

最初、部屋に入った時、冗談のように並んで敷かれた布団に顔を見合わせた竜児と大河。
もうひと部屋、用意してもらうと言い出す竜児に、大河はいいよこのままでと竜児を止めたのだった。

時折、階下から泰子の楽しそうな笑い声が聞こえる。
「やっちゃん・・・楽しそう」
「・・・ああ」
「良かったね・・・何もかも上手く行って」
「これからが大変だけどな」

ついさっき、大河と竜児は将来を誓い合っていた。
雪の降る寒い川の中からプロポーズした竜児。
それに応える様に橋から飛び降りた大河。
大河はシーツのベールを被り、生涯を共に過ごすと決めた竜児との約束を再確認するように何度も口付けを交し合った。

「駆け落ちなんて上手く行かないって、思ってたってさっきも言ったよね」
「おう」
「・・・それって、ずっと星が遠いって思い込んでいただけなのかも知れない・・・本当はこんなに近かったのに」
そう言うと大河は隣同士に並んだ布団の中から手を伸ばし、竜児の手を握る。
「ほら、こんなに」
「ああ、そうだな」
竜児もその想いを実感する。
二年生の新学期、教室の前でアクシデントからぶつかった名も知らない女の子・・・大河との距離は果てしなく遠かったはずだ。
それが気が付けばこんな近くに居る。
この大河の手を離したくないと竜児は痛切に願った。

「遠いって思ってたのは私だけ・・・ううん、自分から遠くしちゃったのかもしれない・・・きっと、今ならまだ届くよね?」
「大河?」
大河の言う意味が分からず竜児は晴天に湧く雲の様な気分を味わう。
「・・・届かせて、みせるから・・・竜児」
そこで大河は言葉を切り、付け加える・・・ごめんねと。

竜児がその言葉の意味に気が付くのは翌日のことだった。




237 : ◆x6jzI2BeLw :2010/04/26(月) 00:21:25 ID:tsVJ4pok0


借家の2階へ続く階段が大河を誘っていた。
竜児も泰子も高須家で夕食を取れと勧めて来る。
大河の気持ちは少しだけ揺らいだ。
竜児の伸ばす温かな手を掴んで、階段を駆け上がりたかった。
でも、そんなことをすればもう引き返せなくなると大河はありったけの精神力を動員して誘惑を退けた。

「・・・着替えて来る」
かろうじて、それだけ言い竜児の前から離れようとする大河。
何か感じるところがあったのか、竜児が引き止める素振りを見せた。
「おま・・・家にはお袋さんが・・・」
この竜児の台詞に大河は大丈夫だよと言う様な表情を作り、竜児を見つめる。
見つめ返す竜児の表情がゆっくりと和らいだものに変り、ポツリと竜児がつぶやく。
「なるべく・・・早く来いよな」
「・・・うん」
竜児をもう一度見つめ、大河は踵を返し、マンションへ向かう。
エントランスへ続く階段で一度、後ろを振り向く大河。
竜児はじっと元の場所で大河を見つめ続けている。
・・・ごめんね、竜児。
最後の想いを断ち切ると大河はエントランスへと身を躍らせた。

降りて来るエレベータの階数表示を見つめながら、数字が滲んで見えるのは何でだろうと大河は思った。


大河を出迎えたのは無人の空間だった。
携帯電話にたくさんのメッセージを残して大河の母親は帰ってしまっていた。
少し拍子抜けした大河だが、留守電に込められた母親のメッセージはしっかりと受け止める。
・・・まだ、ママの娘でいられるんだよね、私?
・・・帰っていいんだよね?
・・・素直な気持ちで・・・伝えよう。

呼び出し音がこんなに長いと感じたのは初めてだったかもしれない。
実際はほんの数秒でしかないのに、大河にはひどくそれが長く感じられた。
最初に聞こえたのが留守番電話の合成音声でなかったことに大河は何かに感謝したい気持ちでいっぱいだった。
「・・・大河?」
おずおずと言った調子の声で問い掛ける母親の声。
「・・・大河なんでしょ?」
そうであって欲しいと言う切実な願いが感じられる母親の口調に大河はすぐに声が出せなかった。
それでも、やっとの思いで声帯から空気を出すことに成功する。
「・・・おかあ・・・さん」
声に出してみて、ひどく自分の声が震えていると大河には感じられた。
「ごめんなさい」
即座に出た言葉は謝罪だった。
どれだけ自分は心配を掛けたんだろうと大河は思う。
電話の向こうで母親が安堵する様が伝わって来るのが大河には感じられた。
「良かった・・・あのまま、あなたがいなくなっちゃったら・・・お母さん、どうすれば・・・」
「心配させて・・・ごめんなさい」
「いいのよ、大河が無事なら・・・それで」
「・・・帰っていいんだよね?私・・・ママの娘だよね、まだ・・・」
「あ、当たり前でしょ・・・どんなことがあっても大河・・・あなたは私の娘よ・・・」
「・・・うん」
すぐ戻ってらっしゃい・・・それともお母さん迎えに行こうか?そんな提案を大河は辞退し、自力で今日中に戻ることを約束して大河は電話を切った。



238 : ◆x6jzI2BeLw :2010/04/26(月) 00:22:34 ID:tsVJ4pok0


残された時間は僅かしかない。
もしも、竜児が様子を見に来たら、抜け出せなくなる。
・・・多分、分かってくれると思う。
黙って行ってしまう事へのやるせなさをそんな言葉で誤魔化す大河。
竜児の家に行き、夕食を食べて・・・食べ終えて・・・ちゃぶ台の前で正座して・・・うつむきながら、一大決心を切り出す自分の姿を想像し、大河は頭を振った。
本当だったらそうしたかった。
でも、そんなことをしたら・・・駄目になる。
竜児の顔を見たら、離れられなくなるのは分かり切っていた。
もう少し自分が強ければ、笑って竜児の前から旅立てたのに・・・。
・・・ごめんね、竜児。
壁越しに竜児の家に向き合って、深く大河は頭を下げた。



竜児へ認めた書置きをテーブルの上に残し、荷物で膨らんだバッグが並ぶ玄関先へ向かう大河はふと立ち止まった。
最後にもう一度、家中を見て歩きたくなったのだ。
ゆっくりした歩みで寝室へ入ると、ゆりかごのように大河の眠りを見守った天蓋付きのベッドへ大河は腰を下ろし、シーツをポフポフと叩く。
もうここで朝を迎えること無いんだと思うと、ここで過ごした2年間が大河の脳裏を駆け抜ける。


「大河」
「どうしたの?急に」
待ってたよと中学の正門脇に止めた車の中から顔を出したのは大河の父親、逢坂陸郎だった。
「いいから、さあ乗った、乗った」
目を白黒する大河にお構いなく、父親は車を走らせ、止まったのがここだった。

突然迎えに来た父親に、促されるまま乗り込んだ車で連れてこられたマンション。
「何?ここ?」
戸惑う大河に父親が宣言する。
「何って?大河のお家だよ。どうだい?インテリアとかけっこう凝ってるだろう」
僕が全て仕切って選んだと自慢するように言う父親に大河は訳が分からないと言う顔をする。
「ん、ほら、この間、大河が言ったじゃないか・・・家を出たいって」
義理の母親との確執から大河は確かに父親にそう伝えていた。
でも、それは・・・。
大河の気持ちなど気に掛けることもなく、父親は今後のことを手短に説明する。
「生活用品は一通り揃ってる。一流ブランドで揃えてあるから大河も気に入ると思うな。それから毎月の生活費はこのカードで・・・」
大河は呆然と父親の声を聞いていた。
「今の家にある荷物は明日、引越し業者を頼んでいるから、後で届けさせる」
大河が我に返ったのは父親が行ってしまった後のことだった。

「・・・パパの・・・馬鹿」
大河の口から漏れた小さなつぶやき。
それは誰にも聞こえず、広い家の中に消えて行った。

ショックの余り着替えることも忘れ、大河は寝室で見つけたこのベッドに倒れ込んで泣いた。
母親にも見捨てられ、今、父親にも見捨てられたんだと言う現実が大河の心を引き裂いた。
・・・家をひとりで出たかったんじゃない・・・パパと一緒に出たかったんだ。
伝わらなかった大河の思い。

今、思い返すとあんな精神状態で良く高校の入学試験に受かったもんだと大河は不思議に思う。
自棄になって落ちちゃっても良かったのに・・・出来なかった。
義理の母親が浮かべる嘲笑が、それを思い留まらせたといっても良かった。



239 : ◆x6jzI2BeLw :2010/04/26(月) 00:23:41 ID:tsVJ4pok0

ベッドの片隅に脱ぎ散らかしたブラウスとスカートが大河の視界に映る。
竜児と会わせてくれた学校の制服だった。
・・・そっか、もう着る事はないんだね・・・これ。
・・・最後くらい、きちんとしてあげよう。
大河はそれを手にすると丁寧にたたみ始めた。


制服をたたみ終えて立ち上がった大河の視線が一点で止まる。
何の変哲もない北向きの窓。
ふいに大河の内側から湧き上がる衝動。
ガラスを開け放ち、大声で「竜児」と叫び出したいと痛切に大河は感じた。

あの時、電話で呼びつけた。
それも、朝早く。
なのに竜児は来た。
隣り合った窓越しに、大河を見つけ、驚いた顔を見せながら・・・。

今だって・・・電話をすれば・・・きっと・・・。


大河はぎゅっとこぶしを強く握り締め、悪魔のささやきから逃れるように寝室を飛び出した。

これ以上、ここ居るのは耐えられない。
家の中を一巡することを諦めた大河は一目散に玄関へ駆け出した。


きっと帰って来るから。
待ってて。

路地の角から振り返り、竜児の家を一瞥すると大河は駅に向かって歩き出す。
慣れ親しんだ大橋の町を後にするため・・・。




「当機は間もなく離陸致します。シートベルトを再度、ご確認下さい」
アナウンスを聞き流しながら、大河は窓の外を見つめる。
人気の無い送迎デッキが虚しく、空港ターミナルの明かりに照らされていた。
動き出した飛行機の中から大河は視線を送る。
・・・ドラマだったらこんな時、追い掛けて来た誰かさんがデッキで手を振ってくれるんだけど。
・・・来るわけ無いか。
大河は残像を焼き付け目を閉じる。
まぶたの裏に浮かぶ光景・・・息を切らせて竜児が走って来る・・・フェンスを乗り越え・・・手を振り・・・何か叫んでる・・・何だろう?

離陸の衝撃が大河の想いを断ち切った。

閉じた大河の目から線を描いてこぼれる小さな水滴。
それが乾くまで、大河は目を開けなかった。



240 : ◆x6jzI2BeLw :2010/04/26(月) 00:25:06 ID:tsVJ4pok0


「・・・ごめんなさい」
手荷物を受け取った大河は出口で待っていた母親に開口一番、頭を下げた。
「ばかね、あなた」
しんみりとした口調で話しかける母親。
「あなたのお母さんだもの・・・驚かないわ、あれくらい」
留守番電話で取り乱したことは棚に上げ、平静さを装う母親に自分と同じ物を見つけ、大河は嬉しくなる。
やっぱり・・・私・・・ママの娘なんだ。
そう実感できて、大河は初めて笑うことが出来た。

「すごい格好ね」
言われて大河は少し顔を赤らめる。
両肩からたすきの様に提げたかばんと手提げのバッグ抱え、家出娘丸出しとも言うべきスタイルの大河。
「・・・だって、ママの家のパジャマ・・・子供っぽいんだもん」
だからお気に入りを持って来たと大河は言う。
「あら?好きだったでしょ、猫の絵柄?」
「好きだけど・・・もう小学生じゃない・・・から」
口を尖らす大河に母親は微笑む。
「じゃあ、今度、買いに行きましょう、一緒に」
大河が見せた甘えとも言うべき仕草に、雪解けの音を確かに聞いたと母親は感じた。


「車を待たせているから」
そう母親に言われ、ターミナルの外に止まっていた黒っぽい車へ大河は促されるまま乗り込んだ。

「やあ、おかえり」
一瞬、え?と言う顔をする大河。
てっきりハイヤーでも手配しているのかと思っていたのだ。
運転席にいたのは母親の再婚相手だった。
「東京旅行は楽しかったかい? 大河」
何気なくこう呼ばれて、大河は自然に声を返していた。
「た、ただいま・・・そ、その・・・飛び出して・・・」
「ストップ・・・大河はちょっと旅行に行ってただけ・・・だから余計なことは言わなくていいよ」
微笑まれて、大河はうつむく。
自分は歓迎されているんだと言う思いが大河の中に広がってゆく。
次に顔を上げた瞬間、大河は言い放つ。

「うん、とっても・・・お父さん」
言いよどむことも無く、はっきりそう告げた。
目の前で父親と呼ばれた人の相好が崩れる。
まだ、目の前の人が父親だって実感は湧かないが、大河にとって既に赤の他人ではなくなっていた。



241 : ◆x6jzI2BeLw :2010/04/26(月) 00:30:04 ID:i23O53gNi


上辺だけ取り繕ってもうまく行かないのは目に見えている。
変に気を遣うより、自然体で行こうと考える父親。
それで駄目なら・・・また考えるさ・・・ま、しかしいろいろあるだろうな、この先。
結局のところ、根が楽天家の父親はなるようになるさと腹をくくった。


「そう呼んでくれるだ・・・正直、おじさんとか呼ばれたら泣きたくなるところだったよ」
本気とも冗談ともつかない口調で言う父親に大河は小さく笑った。
「じゃあ、こんどそう呼んであげるわ」
「いや、それだけは勘弁して欲しいよ」
本気で嫌がる様子に大河の笑みが深まる。

「楽しそうね」
大河の荷物をトランクに入れてから車内に入った母親は和やかそうな空気に胸をなでおろす。
「聞いてくれよ、大河がさ、僕のことをおじさんて呼ぶって」
子供みたいに母親に訴える父親に大河はあっけに取られる。
「・・・大河」
やや非難の視線を向ける母親に大河はそんなことないと弁解する。
「ちゃんと呼んだもん・・・そ、その・・・おと・・・おとう・・・」
さっきはスラスラ言えたのに両親からじっと見つめられた大河は言葉が出ない。
それでも、うつむき加減に小声で父親の人称代名詞を声に出す。
「もっと大きな声で呼んでくれると、嬉しさ倍増なんだけど・・・ありがとう、そう呼んでくれて」
今日から大河は正真正銘、僕の娘だよ・・・ようこそ我が家へと手を差し出す父親。
その手に触れた時、大河は自分がこの家の家族として認められたのを感じ取った。

そんな感動の余韻をぶち壊す「ぐぅ〜」と言う音。
顔を見合わせる両親の前で大河は赤くなる。
大河のお腹の音だった。

「だ、だって仕方ないじゃない・・・夕食、食べてないんだから」
竜児の祖父の家で食べたお昼ご飯から大河は何も食べていなかったのだ。
張り詰めていた大河の神経が安らいだ途端、鳴り出した空腹のサイン。

嫌いな物はあるかいと聞かれた大河は首を振る。
それじゃ決まりだと言い、まだやってるかなとつぶやきながら車を発進させる父親。
大河は何気なくリヤウィンドウ越しに後ろへ視線を向け、不安そうな表情を見せ遠ざかる空港の明かりを見る。
まばたきを数回した大河はすぐに視線を前に戻した。
傲岸不遜とも言うべきいつもの大河の表情がバックミラーに一瞬、映る。

たくさんの想いを乗せたまま、車は夜の福岡の街へ溶け込んで行った。




242 : ◆x6jzI2BeLw :2010/04/26(月) 00:32:51 ID:8IYNs/wji
とりあえず、今回は以上です。
長々と失礼しました。
また、支援ありがとうございます。

でもまた規制・・・もう非常手段^^;


以下は解説と言うか、うざいひとり言ですので読み飛ばして下さい。

何で福岡?
アニメの空白の一年間って大河と竜児が会っていた形跡が無い。
会わないって決めたわけじゃないのに会っていないのは高校生が気軽に行き来できない距離があると思いまして・・・。
だったら九州か北海道かなと。
で、大河の母親の性格がきつそうだから、何となく九州。
事業とか母親はやっていそうなのでそれなら大都市・・・で福岡^^;
中の人が熊本だからと言うのはこの際、無関係。


しかし、慌てて飛び出すから通帳とか忘れて行くんだよな、大河(笑)



243 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/26(月) 03:39:58 ID:E09yn6g+0
>>242
大作乙&GJ!

鬱ではなくしんみり、ぐらいかな?
原作もアニメも主に竜児視点だから、大河視点の補完というのはいいですね。

そして、これから共に生きる竜虎に幸あれ。

244 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/26(月) 04:26:19 ID:+UpmKW5g0
>>242
規制にくじけずよくやった!感動した!

245 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/26(月) 21:15:54 ID:im0ckEZE0
>>242
乙!
これはいい切り口。
身悶えるような切なさがクセになりそうです。

連投規制に負けず頑張ってください。
続き楽しみにしてます。

246 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/27(火) 02:13:33 ID:8eAlJLCE0
>>242
GJ!!
いやぁーー、2回ぐらいないちまっただよ。

247 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/27(火) 06:47:32 ID:05yJ1P4B0
これは素晴らしいSSですね

248 :とらドラ!で三題噺 ◆Eby4Hm2ero :2010/04/27(火) 07:02:49 ID:8FwQvSY10
お題 「誤解」「大丈夫」「家」



「おう……」
「竜児、どうしたの?」
「いや、この本のこの記事なんだけどさ、ちょっといいなあ……って思って」
「どれどれ?」
「ほら、インタビューのここの所」
「…………竜児」
「おう?」
「まさかあんたにそんな趣味嗜好があったなんて……結婚してから想定外の事実を知るってのは本当だったのね……」
「おい?」
「大丈夫、安心して。たとえ竜児がどんな変態だったとしても、私は絶対に捨てたりしないから」
「大河、ちょっと待て」
「ああ、でも私もちょっと見てみたいかも……意外に似合っちゃったりして?」
「待てって!お前、何をどう誤解してるんだよ!?」
「だってその記事、『ただ、今度は女性になって、お嫁さんになってみたいですね』って……女装趣味とか変身願望とか……」
「違うだろ!その前の『生まれ変わっても同じ相手と結婚したい』だろ普通に考えて!」
「……本当に?」
「……よしわかった、今から俺がいかに『男』かってことをお前に思い知らせてやる。嫌だっていっても止めねえから、覚悟しとけよ」


 高須家に家族が増えたのは、それから約十ヶ月後だったとか。

249 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/27(火) 17:42:25 ID:618CETUU0
>>248
GJ!
竜児は反応を期待したんだろうに、斜め上をいく大河w
でも変態でもついていくと言い切る大河に惚れた!w

250 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/27(火) 23:22:03 ID:mK/JA1nV0
>>248
乙!
竜児が女装癖とか想定外過ぎるwww

251 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/27(火) 23:22:18 ID:HtEPJz110
正直、最後は「ほらみろ、俺にはとことんにあわねぇだろう」と、女装する落ちだと思った(w

252 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/28(水) 15:58:22 ID:qyAYgsxC0
大河カワイイww

253 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/29(木) 00:19:15 ID:TMzYHTpn0

「な……」
「な……?」
「何なの……何なのよこれ……」
「大河?」
「許せない……ゆ・る・せ・な・い・わ・よ・竜児!」
「なんだなんだ?一体どうしたんだよ大河。久しぶりに見たぞ、おまえの真っ黒なオーラを」
「だって、だって、これってもう、私の事おちょくってるとしか思えないんだもの!」
「おう?ってか、またネット見てんのかよ、どれどれ」

http://sankei.jp.msn.com/economy/business/100423/biz1004231725025-n1.htm

「…………ん」
「ちょっと竜児。最後まで読みなさいよ。寝るんじゃないわよ!」
「いや……やっぱり俺はいい。人様の気にしてる話題に首を突っ込むほど俺は……」
「いいから読みなさいよ、ここを!」
「いてて!?俺の顔面を無理やり固定すんなよ!見てる……ちゃんと見てるから!」
「いーい?『無理に盛り上げたくない』って書いてあるわね?」
「あ、あぁ……あるな」
「大きなバストをコンパクトに見せたいって書いてあるわね?」
「おう。そういう事もあるんだろうな、女性は色々大変そうだからな」
「贅沢すぎて殺したくなるような願いを叶える商品の誕生ってわけね、ハッ……」
「ニーズを掘り起こすというのはだな、並大抵の発想じゃないわけで」
「うるさいわね!っていうか、盛り上がらない人の気持ちはどこ?どこに行っちゃったの!?」
「いや、そういう人はそもそも買おうと思わないわけで」
「ちょ!?見てよ竜児!価格はD、E、Fカップが〜ですって!あら?あららぁ?」
「おう!売ってすらいないのか……そりゃそうだよな」
「竜児?」
「いや……何でもないぞ?うん、ナンデモナイ」
「私サイズのブラは売ってないんですって」
「あぁ、トリプルっ……ぐはぁ!?」
「……あら、思ったより深く入っちゃったわ、遺憾ね」
「おう。俺が作った飯が逆流しそうだ。そんなMOTTAINAI事出来るものか……くそ、耐えてやる……」
「それより日本人の平均カップのすら売ってないなんて、バカにするのも程があるわ」
「……だからニーズが」
「私がどれだけ苦労してどれだけ辛い思いをしてどれだけ竜児にバカにされながらパッドを作ってもらって……」
「いや、俺はバカになんかしてねえぞ?」
「ぶつぶつぶつ……」
「おい、おい大河?」
「ワ○ールなのね。わ、ワ○ール……分かったわ、こうなったらもう」
「落ち着け。そんなもん持ってどうするつもりだ?」
「……な」
「なっ?」
「殴りこみじゃ―――――っ!」
「待て待て待てぇーっ!」


254 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/29(木) 00:54:02 ID:fSkmosHx0
>>253
待て大河!早まるな!!
大河サイズでも世の中には需よ……がふっ!

255 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/29(木) 03:41:58 ID:km47PUkf0
大河のおっぱいは決して貧乳じゃないのだ
やわらかすぎるだけなのだ

256 :まとめ人 ◆SRBwYxZ8yY :2010/04/29(木) 11:57:01 ID:VfKumvr30
大河は天使だから肉質が柔らかすぎて既製品のブラでは合わないだけなのだ。
竜児は大河に合うブラを作成する義務があるのだ!


あ、まとめサイト更新しました。


257 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/29(木) 23:33:44 ID:gYQg5h3S0
>>256
神様仏様まとめ様ぁ!!
いつもお疲れ様です!ありがとうございます!
素敵なタイトルもありがとうございます!

258 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/29(木) 23:50:24 ID:Aoy4X4Sf0
>>256
まとめ人様、いつもありがとうございます&お疲れ様です!

大河のブラを縫う竜児…想像してしまったじゃないかw

259 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/30(金) 02:53:14 ID:BhrgMefw0
>>256
お疲れです毎度
せめてGWはゆっくり休んでちょ

260 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/30(金) 21:55:48 ID:Nfq5VQ0z0
fDszcniTtk氏の

Sundays, October

が、おかしくなってる様な>まとめ氏


261 : ◆askgvpoGB. :2010/04/30(金) 22:02:28 ID:wgf4fKkN0
>>256
お疲れ様です!

まとめ様とスレ住人の方々との付き合いも長くなってきたなぁとしみじみ。
いやホント、みなさんお世話になっておりますw

1年前のスレを見直したら、甘酸っぱい気持ちになった。
当時のやり取りやギシアンの多さが懐かしすぎてもうたまらんねw

まとめサイトで作品毎に読み直すのもいいけど、
たまには過去スレの流れを見るのも味があってイイね。

262 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/04/30(金) 22:04:54 ID:wgf4fKkN0
あぁ……なんという時を超えた消し忘れ……失礼しました。

263 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/01(土) 01:04:42 ID:j/qk4q6g0
あるある

264 :260:2010/05/01(土) 03:05:30 ID:Hjsdxwwu0
さきほど書いたのはこちらの読み込みがおかしくなってた様です

大変申し訳ないです>まとめ氏

265 : ◆Eby4Hm2ero :2010/05/01(土) 06:15:26 ID:DKq14QLF0
>>256
いつも管理・更新乙です!

266 :とらドラ!で三題噺 ◆Eby4Hm2ero :2010/05/01(土) 06:23:41 ID:DKq14QLF0
お題 「私」「バスケ部」「振り絞った」



「ねえ竜児、ちょっと肌寒くない?」
「おう、ちょっと待ってろ……。
 ほら、泰子の半纏貸してやるから着とけ」
「ん、ありがと。流石に最近は夜冷えるわよねー」
「おう、もう秋も深いもんな。というか、暦の上じゃもうすぐ冬だぞ」
「秋か……秋……芸術の秋、読書の秋……」
「大河の場合は食欲の秋だろ」
「うるさいわね、やなこと思い出させないでよ。
 そうだ、文化祭では計らずもスポーツの秋を堪能する羽目になったわね」
「スポーツって言えばさ、大河は部活に入らねえのか?」
「はぁ?何で?」
「いや、お前運動神経いいしさ、櫛枝が上手いって言ってたバスケ部とか小中とやってたっていうテニス部とか」
「めんどくさいから嫌」
「おう……一言で切って捨てやがったな……」
「中学までは必須だったからやってたけど、性に合わないのよね、先輩に絶対服従とか勝利の為に根性振り絞ったりとか」
「……なるほど。だけど、ソフト部ならどうだ?櫛枝と一緒ならやりやすいだろうし、北村と共通の話題も出来るぞ」
「……う〜ん……そうね……竜児は、私が部活したほうがいいと思うの?」
「あ、いや、それは……そうだな、そうすると晩飯一緒には食えなくなるよな……買い物の人手も減るし……
 うん、俺としては帰宅部のままでいてくれた方がいいか」
「それじゃ、あんたのためにクラブには入らないでいてあげる。思いやりのあるご主人様に感謝しなさい馬鹿犬」
「おう……ってお前、最初から部活する気無かったじゃねえか」
「あ、バレた?」
「バレたじゃねえよ、まったく……」

267 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/02(日) 15:43:27 ID:zvJQVTn40
GJ大河の運動能力を部活に活かさないのはMOTTAINAIな

268 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/02(日) 16:09:48 ID:i0woRTuJ0
>>266
乙!
こういう何でもない日常会話って好きだなー。
てかもう、傍から見たら相思相愛なのになw

269 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/02(日) 21:17:25 ID:kaQN6c5o0
>>266
乙!
確かに大河の運動能力はMOTTAINAI!
個人種目であれば県大会くらい余裕でいっちゃう気がする。
というか、ついでに竜児も陸上競技なら結構いい線行きそうな気が……

270 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/03(月) 21:48:40 ID:XYrcRi440
大河がペロペロしてるもの

271 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/03(月) 22:43:29 ID:P2QLFc5w0
「さて、大学に入って初めての連休です」
「おう」
「どっかいかないの?」
「おう、どうにも連休に出かける習慣ってのがなくてな」
「私にだってそんな習慣ないよ。だけど、このままでいいの?」
「なんだよ、深刻な顔して」
「だって、大学生よ?」
「だから?」
「大学生って人生で一番遊べる時期よ?」
「コレ書いてるヤツが高卒だからって妙な偏見を……」
「それは置いといて、どっか行くわよ!」
「おう、オーケーオーケー。わかったからその木刀はしまってくれ」


「……なぁ、大河?」
「何よ」
「目的地はここか?」
「そうよ。低予算でいて、連休でも昼間はあまり混んでない!完璧なチョイスよ!」
「いや、まぁ、そうかもしれねぇけど、ラブホじゃねぇか……」
「変なこと考えてんじゃないでしょうね?」
「だって、ラブホだろ? することなんて決まってるじゃねぇか」
「はぁ……。だから竜児はエロ犬なのよ」
「おう、懐かしい呼び名だな」
「喜ぶトコじゃないよGIY!」
「おう……」
「イマドキのラブホは暇つぶしもいっぱいあるのよ」
「へぇ。しかし、なんでそんな事に詳しいんだお前」
「……ばかちーに教えてもらった」
「……それもなんだかなぁ」
「せっかくここまで来たことだし、竜児も興味あるでしょ?」
「まぁ……な」
「じゃ、突撃ー!」


続きは脳内(ry


272 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/04(火) 17:53:59 ID:KKQepsZl0
>>271
高須棒が虎穴に突撃して進退を繰り返す長い激戦が開始されるわけですね!

273 :とらドラ!で三題噺 ◆Eby4Hm2ero :2010/05/05(水) 06:35:52 ID:svSpj1uB0
お題 「たった一人」「避難」「鈍い」



 暴れる大河。それを制止する竜児。その周囲から避難するクラスメイト。
 そこまでは、よくある光景だったのだけれど。
「放せ竜児っ!あのアホロン毛、絶対に殺すっ!」
「そんな物騒なこと言ってる奴を放すわけねえだろが!とにかく落ち着けって!」
「うるさい邪魔すんなこの馬鹿犬!」
 どん!と、突き飛ばされてバランスを崩す竜児。
 倒れた先には机があって。ぶつかった瞬間鈍い音がして。

 休みなのか外出中なのか、保健室に養護教諭は不在だった。
 意識の無い竜児をとりあえずベッドに寝かせ、大河と実乃梨はその傍らに。
「大河、そろそろ昼休み終わるから戻らないと……」
 実乃梨の言葉に、しかし大河はかぶりを振る。
「……わかった。先生には私が言っとくから」

 静かな保健室にたった一人、座ったまま身じろぎもせずに竜児を見つめ続けて。
 膝の上の拳に力がこもる。
「……竜児、早く起きなさいよ。みのりんも、北村君も、ロン毛虫もアホ眼鏡もばかちーだって心配してるんだから」
 視界がじわりと歪む。
「やっちゃんのご飯どうするのよ。掃除も、洗濯も、ブサ鳥の世話も」
 ぎゅっと目を閉じれば、ぽたりと落ちる一滴。
「それに、もしあんたが……竜児がこのまま起きなかったら……私は……私は……」
「おう」
 え?と顔を上げれば、まだぼんやりとした表情で、だがしっかりと身を起こした竜児。
「りゅ、りゅりゅ竜児、あんたいつから起きて……」
「いや、今さっきだけどな」
「……聞いてた?」
「おう、なんとなく……頭ぼーっとしててよくわからなかったけど。
 ……泣いてるのか?」
「あ、ああ……あんたが悪い!」
「おうっ!?」
「あのぐらいで気を失ったりして!しかもなかなか目を覚まさないし!情けないのよこのグズ犬!」
「大河、お前なあ……」
「それから……その……」
 大河はふいと視線を逸らして。
「……ごめんなさい」
「おう」
 竜児は微笑み、大河の頭を優しく撫でる。

274 : ◆x6jzI2BeLw :2010/05/05(水) 16:27:02 ID:u1FHUIxO0
>>256
いつもお疲れ様です。

>>271
遊びに行く先がw

>>273>>266
何気ない中にあるふたりの繋がりが感じられていいですねv


前回の「シンデレラなんかになりたくない」にレスなどありがとうございます。
またタイトル付けありがとうございます>まとめ人様

続きが出来ていないので代わりのものを以下に投下します。
何かとネタ被ってるようなやつですが・・・
4レスほど使います。


275 : ◆x6jzI2BeLw :2010/05/05(水) 16:30:41 ID:u1FHUIxO0

それは夏休みも後半に差し掛かった高須家の昼下がり。

「・・・あちい」
ひたいに流れる汗をぬぐい、竜児は午睡から目を覚ます。
熱帯夜続きで寝不足に陥っていたためついウトウトしてしまったらしい。
気だるそうに首を振り、横を見ればさっきまで暑い暑いと大騒ぎしていた半居候の大河が、座布団を枕に気持ち良さそうに寝ているのが目に入る。
それはいいのだが、大河は足元に置いた扇風機の首振り機能を止め、ちゃっかり風を独占しているのだ。
ちょうど扇風機を川下にした川の字スタイルで寝転んだ状態の竜児と大河。

「・・・大河め」
むくりと起き上がった竜児は扇風機の首振り機能を再開させる。
生温かい風だが、吹きつきられることで竜児は一息ついた。

せっかくの睡眠を中断させてくれた原因の主を改めて竜児は見やり、ため息をつく。
クーラー、エアコンと言い続ける大河に夏は暑くて当然、エコだ、電気代がもったいないと主張し続けた竜児。
大抵のことは大河の言い分を聞いてしまう竜児だが、これだけは譲れなかった。
クーラーの冷たい風ばかり浴びていたらいい事ない、それが竜児の持論だからだ。


寝ている大河は当たり前のことだが口を利かない。
口さえ開かなければ・・・大河自身はトリプルAの美少女と言って差支えがない。
・・・これでもう少しおとなしければ言うことないんだが。
規則正しく寝息を漏らす、健康そうな色使いの緩んだ大河の口元を眺めながら竜児はつくづくそう思う。

竜児の目の前で大河が寝返りを打つ。
竜児が扇風機の首振り機能をONにしたため、風が来ない時間が大河に出来てしまったのだ。
その大河は無意識のうちに風を求め、体の向きを足元から扇風機の方へ向けた。

何気なく大河を見下ろしていた竜児はいきなり起きた現象に目を見張る。
扇風機の風が大河を撫でた途端、大河のスカートがふわりと膨らんだのだ。
ちょうど足元から風が来る状態となっている大河。

すうっと風がスカートから流れ込んで来たのが心地良かったのか、大河は竜児の目の前でずるずると扇風機へと近付いて行く。

「た、大河」

扇風機に巻き込まれるんじゃないかと思い、竜児は慌てて扇風機へ駆け寄り、大河から少し離した。

「ふう」
・・・と、安堵した竜児は、次の瞬間、我が目を疑った。
足元の方向から大河を見る形になった竜児。
そこへ扇風機の風が行き、大きく膨れる大河のスカート。

当然、普段は見えない部分が見えてしまい・・・。
大慌てで竜児は目を逸らす。
もちろん、最深部までが見えたわけではなく、ひざ上くらいなのだが、いくら寝ている時限定とは言え、美少女に変りはなく、竜児は無意識にのどをごくりと動かす。

そんな竜児は修行積んだ高僧などではなく普通の男子高校生。
そういうことに興味がないと言えば全くの嘘になる。


276 : ◆x6jzI2BeLw :2010/05/05(水) 16:32:31 ID:u1FHUIxO0


「わ、わざとじゃ・・・ないんだぞ」
こんなシュチエーションになったのは意図した物じゃないと、竜児は自分を納得させ、ひとり言を言う。

「あ、暑いな・・・もうちょっと・・・風、強くするか」
わざとらしく言い、弱になっていた扇風機の風量つまみを中へ切り替える竜児。

当然のことながら風量の増大に比例して、スカートの膨らみも増す。
より一層、鮮明になる大河のブラックボックス。

「おう!」

それでもチラ見程度で直視しないのは竜児の臆病さか。

そして後ほんの少しで完全に奥まで見通せると分かり、竜児はためらった末、再び、扇風機の風量つまみに手を伸ばす。
中の次は強だった。
・・・これで・・・完璧だ。
竜児がつまみをひねろうとしたまさにその瞬間・・・。


「エロ犬」

「うわ!ごめんなさい」
この声に慌ててひれ伏す竜児だが、大河が起きた形跡はなかった。

声の主は・・・。

「インコちゃん・・・脅かすなよ」
鳥かごの中から竜児をじとっと見下ろす愛鳥が見せる非難がましい目付き。
その目付きに竜児ははっとする。

・・・俺は・・・何てことしようとしてたんだ!

竜児は自分の頭を殴りつけ、扇風機の風を元へ戻した。




277 : ◆x6jzI2BeLw :2010/05/05(水) 16:34:11 ID:u1FHUIxO0

「今晩はそうめんじゃなかったの?」
ちゃぶ台に並ぶごちそうを目にして大河が不思議そうに言う。
「あ、いや・・・ここんとこずっとさっぱりしたもんばっかりだったろ・・・」
「ふうん・・・ま、いいか」

物事に拘泥しない大河はそのまま箸を伸ばすと、夏バテなんて無縁よと言う風に食べ始める。
そんな大河をちらりと見やり、心の中で大河に頭を下げる竜児。

「食べないの?食べないならもらうから」
手をつけない竜児を見て脇から箸を伸ばし、竜児の分を横取りする大河。
そのまま、しっかり竜児の分をふたつほど食べてしまった大河なのだが、何も言わない竜児に不審を覚える。
その竜児は黙って大河を見ているだけなのだ。

さすがに大河は気味悪くなり、竜児から分捕って口へ運び掛けていた3個目のおかずをおずおずと箸でつまみ、そのまま竜児のお皿へ戻す。
「返す、これ・・・」
「いいんだ。食べてくれ」
え?いいの・・・と食べてしまうほどいくら大河でもずうずうしくは無い。

「竜児?どこか具合悪いの?」
心配そうな表情を浮かべ、竜児を気遣う大河。

「・・・いや、体は悪くねえ・・・俺の心がさ、病んでるんだ」
大真面目な顔をしてそうつぶやく竜児に大河は真っ赤になる。

照れたとかそう言うのではない。
噴き出したいのを必死に堪えているのだ。
しかし、それも時間の問題だった。

「な、なに、あ、あんた!」
そのまま、うひゃひゃひゃ・・・と大爆笑を始める大河。
竜児の答えがつぼに嵌ってしまったらしく、お腹を抱え、苦しそうにしながらも笑いが止まらない。

乙女の恥じらいも捨てて、その場ですてんと後ろ向きに転び、足をばたつかせて大笑いする大河。
苦しい、息が出来ないと言いながらも大河の笑いの発作はなかなか止まらなかった。



278 : ◆x6jzI2BeLw :2010/05/05(水) 16:37:01 ID:u1FHUIxO0

やがて、ひーひー言っていた大河の笑いも峠を越え、笑い疲れからか大河はそのままどてっと横たわったまま動かない。
「あんたってばさ」
やがて、そう言うと、笑い過ぎて出た涙をぬぐいながら、上半身を起こした大河は微妙な空気に触れ、怪訝な表情を見せる。
「どうしたの?竜児?・・・やっちゃん?」

見ればふたりとも目線をさりげなく大河から逸らし、大河を見ないようにしていた。

「何?どうした・・・の?」
そう言い掛けた大河の声が途中で止まる。

ようやく己の身の上に起きている現象を把握し、大河はちゃぶ台の下へ潜り込んだ。

「・・・見た?・・・見たよね・・・」
ちゃぶ台の下からか細い声で確認のメッセージを発する大河。

「・・・いや、なんのことだか、なあ、泰子」
「そ、そうね、竜ちゃん」

非常にわざとらしい会話が交わされ、大河は覚悟を決める。

「違うの!これは何かの間違い」
ちゃぶ台下から顔だけ出し、竜児と泰子に訴える大河。

うんうん、分かってる・・・とうなずくふたりだが、大河の衝撃は癒えない。

さっき、竜児と泰子が見たものは・・・暴れたせいで捲れ上がった大河のスカートの中だった。
見られたのだ、パンツを・・・。
それも普通のパンツなら・・・ここまで大河は慌てなかっただろう。
大河が見せたものは可愛いネコのイラストが付いたやや子供向けのキャラクターパンツだったのだ。


昨夜、夜更かしし過ぎた大河は深夜、自宅のお風呂に入った。
汗をかいてしまったので、仕方なく眠いのを我慢しながら入ったのだが、そのせいかいつもは脱衣場に用意して置く着替え一式を忘れてしまい、裸のまま寝室まで戻った大河。

眠気はピークに達し、かろうじてまぶたが開いている状態。
いっそこのまま眠ってしまおうかと思った大河だが、己の格好に断念する。
・・・風邪引いちゃう。
まともな思考回路ならそんなことをしないはずだが、眠気が大河の判断を狂わせる。

下着が入ったチェストを開けず、別の引き出しを開ける大河。
そこは子供の頃の思い出とかを仕舞ってあった場所・・・。

・・・あったパンツ。
手触りで下着と認識した大河はそのままそれを穿いて、寝入ってしまったのだ。

そして今朝は寝坊したため、電話で竜児に朝飯だと叩き起こされ、慌てて着替えて高須家に駆けつけ、そのままでいたのだ。
思い込みとは怖いもので、途中何度かトイレに行っているのに大河は気づいていなかった。いつもと違うことに・・・。


その夜、子供時代のパンツがすんなり穿けてしまった己の体型に密かに涙する大河の姿があったとか・・・


以上です。
しかし、無理があるなあ(笑)
最初、下げ忘れた^^;相変わらずパンツネタwww


279 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/05(水) 22:08:34 ID:LusAp1+v0
いいよーいいよー!
パンツいいよー!
パンツは正義!

280 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/05(水) 23:12:19 ID:jcex5yOq0
>>273
乙!
なんか、こう、悶えました。
かわいいよ大河。
器がデカイよ竜児。

>>278
乙!
ありそうな光景にドキドキしました。
このスレには久々に登場のインコちゃんもいい仕事でしたwww
パンツ職人は流石だぜ!

281 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/06(木) 02:26:30 ID:9BxBMSHQ0
パンツじゃないから恥ずかしくないもん!

282 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/06(木) 23:42:21 ID:XbflanXp0
>> 270
うだる暑さの中、テレビを見ながら大河がなめているのは四角いアイスバー。
コンビニの袋と共にちゃぶ台に無造作に置かれた袋を見て竜児は格差社会を体感することとなる。
「ガ○ガリ君リッチ……だと……?」
暑い日に嬉しいキンキンシャーベットにリーズナブルプライスを備えた庶民の味方であるガリ○リ君。
その派生商品として登場したリッチ。
通常のガリガリ君の倍近いその価格は節約の鬼である竜児にはとても手が出せない。
それを大河はなんの躊躇も遠慮もなくガリガリしているのだ。
これが育ちの差ってヤツなのか……。
「信じられん……。あ、もしかして大河お前……!」
竜児は冷凍庫から1本の棒状のポリ容器を取り出した。
その中身はオレンジ色で、丁度真ん中にクビレがある独特の形状だ。
「これ、なんだかわかるか?」
「はぁ?」
心底鬱陶しそうに竜児を睨みつけてから、そのブツを見やる大河。
その表情には特に変化も無く
「知らない」
そう言うとまたテレビに視線を戻すのだ。
「マジかよ……」
竜児とってアイスといえば冷凍庫で凍らせるポッキンアイス。
たまにうまく二つに折れないのもご愛嬌。
きっと竜児に限らず、日本人であれば誰しもが幼少期の思い出の品として挙げるであろうアイテム。
それを大河は知らないのだ。
これはなんか、少し寂しいかもしれない。
「よし、今年はお前に庶民の感覚を叩き込む!」
「はぁ? 何言ってんの? バカ犬の分際で」
「まぁまぁ、とりあえずコレ食おうぜ」
「だから何それ?」
「おう、アイスだ。庶民の味方だぞ」
パキッと2つに折ると片方を差し出す竜児に困惑顔の大河。
「まだアイス食べてるんだけど……」
「そういやそうだな」
「ま、まぁ、竜児がどうしてもって言うんなら、仕方ないから食べてあげても……」
「おーい、泰子。アイス食うか?」
「むにゃ……アイス……? 食べる食べる〜!」

そんな午後の昼下がり。


283 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/07(金) 00:25:45 ID:nkaUT4cr0
これのことですねわかります
http://pa.dip.jp/jlab/ani0/s/pa1273146554561.jpg

284 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/07(金) 01:55:14 ID:aBNTUJch0

>>271 勝手に続きシリーズ!

「じゃ、突撃ー!」
「こらこら、いきなりドアをぶち壊しそうな勢いで開けるんじゃねえよ」
「うるさいわね、細かいのよ竜児は」
「おう!キレイじゃねえか、埃一つ落ちてねえぞ、すげぇな」
「あらそう?竜児のお眼鏡にかなうなんて、結構ハイレベルなホテルだったかしら?」
「だな……って、うおう!?何だこのカプセルは……日焼けマシンか?」
「ビックリだわね、通路を曲がったらこのマシンとお風呂しかないなんて、っていうかベッドはどこよ?」
「おい、大河。これ……すげえぞ。見てみろよ、ここ」
「ん?岩……盤……浴びる……?」
「岩盤浴だ、ガンバンヨクな。遠赤外線で身体がポカポカ温まるって奴だな」
「へーすごいわね、さすがの私もビックリだわ。あってもサウナくらいかと思ってたのに」
「だな。つーか、こっちの風呂がまたでかい。何畳あるんだ?俺のボロアパート2部屋分くらいあるぞ、ここ」
「ねぇ竜児!アレ何?あのマット。プールで浮かばせて遊ぶあの大きなマット!」
「あ、あれは……まさか……」
「何よ。顔が赤いわよ、竜児?何かエロい事考えてるでしょ?」
「当たり前だ、ここはラブホじゃねえか……しかし、俺の想像が確かなら、アレがどこかに……」
「竜児っ!!!」
「なっ、何だ!?」
「ペペがあるわよ!!!」
「ペペ言うなよ!」
「いいじゃない。細かい事言うんじゃないわよ!最早ぐろーばるすたんだーどなんだから!」
「大河、おまえ……その発音をまず何とかしような……」
「うっさいわね。でも……ははーん。竜児の桃色脳細胞があのマットを見て何を考えたのか分かったわ」
「あぁ……そうかよ。おまえも最近察しが良くなって俺は助かるぞ」
「このエロ犬!あんな無邪気な遊具で。っていうか、遊具とペペでくんずほぐれつなんて……そんな……そんなの……」
「うわああああ!やめやめ!妄想やめい!まずは周辺調査からだろ、こういう時は」
「周辺て……」
「まずベッドが無い。トイレも無い。風呂と岩盤浴マシンしかないのはどう考えても変だろ?」
「そうね」
「なんだ、風呂だけのホテルなのか?洗面台もないって化粧とかどうすんだ?」
「あら?……ねぇ竜児。あの先って何かしら?」
「ん?あぁ、あの間接照明っぽいところか……どれどれ?」
「あ!階段がある!」
「おう!?まさか……まさか二階建てなのか!?」
「あんた、今時二階建てって……メゾネットって言いなさいよ」
「……すごいな。いくらなんでも贅沢すぎんだろ。いくらだったんだ、この部屋?」
「ぴゅーひゅるーるーらーらー」
「おい、大河。低予算とか言ってて実は高いんだろ、この部屋?」
「ひゅー すさー ふひゅるー」
「いや、吹けてな(ry」
「さぁ!二階へゴーよ竜児!着いてきんしゃい!」
「あっ!おい、待てよ大河!」


285 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/07(金) 01:57:11 ID:aBNTUJch0

「このドアの向こうが……どーん!!!」
「うおう!ひろ!広い!!!」
「……あのベッド。竜児の家のリビングよりでっかいわよ、確実に」
「そんなもんと比べるんじゃねえよ」
「……この薄型テレビ。竜児の家の三倍くらいあるわよ」
「悪かったな。どうせプラズマでもねえし、寝転がったら色が変わっちまうよ」
「……洗面台の鏡。竜児の家の台所の窓全部よりおっきい……」
「うるせえんだよ!いちいち比べるんじゃねえよ!」
「あらやだ。庶民のひがみだわ」
「ぐっ……」
「……大きなベッド。こんなに大きかったら逆に寂しくなるわね」
「そんなもんか?」
「竜児の布団ならずっとくっついていられるじゃない?」
「お、おう」
「つまり、私たちにはこんなホテルは必要ないって事よ」
「……おまえが行こうって言い出したんだろうが」
「そう……そうね。でも今日ので分かったからもういいわ」
「ったく……変な奴だな」
「ねぇ竜児?」
「おう?」
「映画も見れるんだって。スイーツがタダで食べ放題なんだって。すごいわね」
「……だな」
「それじゃ、どうしよっか?」
「ん」
「岩盤浴かー。お風呂かー。ぺぺかー。映画とスイーツ!」
「ペペ言うなって」
「はい、どれにするの?」
「しょうがねえな。たくさんありすぎて決めらんねえよ」
「ふふ……あんたらしいわね」
「待て待て。よし今考えたぞ」
「うん。どうする?」
「大河。お風呂。ペペ。大河。お風呂。岩盤浴。映画。大河。大河。大河だ」
「ちょっと……意味が分からないんだけど!」
「ん?そうか?」
「大河って何よ?それに最後の大河って3回言ってなかった?」
「おう」
「……ま……まさか」
「だってフリータイムだろ?夜までいられるんだろ?」
「そ……それはそう……だけど……」
「暇つぶしがいっぱいあって良かったな、大河」
「暇つぶしって言うか……そのほとんどが私なわけで……それって……」
「さ、覚悟しようか?」
「え……え、え、え?」
「今日は大家さんの事だって部屋の後片付けの事だって気にしなくていいんだ」
「りゅ……竜児……あ、あんた顔が怖いわよ……」
「普段は色々と気を使ってるから大変なんだよ……今日は思う存分……ふ……ふふふふ……」
「ひゃ、ひゃ―――――っ!!!」

ギシギシアンアン! ギシギシアンアン!


286 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/07(金) 03:42:02 ID:/CVOrboB0
よくやった
褒美に妄想の中で虎穴に突入することを許す

287 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/07(金) 19:50:58 ID:rvTfXael0
>>285
GJ!
楽しそうだなww

288 :代行 :2010/05/07(金) 21:04:58 ID:UQZmRaFb0
まだ転載されてなかったので転


207 名前:高須家の名無しさん[sage] 投稿日:2010/05/04(火) 11:58:53 ID:???
「・・・・・・。」
さっきから聞こえる鼾は、午前5時に帰宅した竜児のもの。
大河は、ワイドショーの通販コーナーをボーっとしながら見ていた。
ゴールデンウィーク4日目。駄犬は相変わらずの仕事中毒だ。
洗濯は終わった。竜児を起こさないように掃除機はかけなかったが、掃除もした。
竜児が目を覚ましたら、いつでも朝ご飯を食べさせられるように、準備も完了。
しかし、駄犬は相変わらず夢の中・・・・。
『6時間は寝たから起こしても大丈夫』と囁く悪い娘の大河
『疲れてるんだから目が覚めるまで寝かしとかなきゃダメ』と言う良い子の大河。
大河の心の中で、2人の大河がせめぎあっている。

「う〜ん・・・。」
駄犬がベッドの上で寝返りをうつ。天気が良くて室温が上がっているからか、掛け
布団を蹴っ飛ばして、Tシャツとパンツの隙間からお腹が見えている。
普段、竜児の寝相は悪くないから、布団を蹴っ飛ばしている姿は貴重だ。
四つん這いになってベッドに近づく・・。膝立ちになって竜児の寝顔を覗き込む。
目を閉じている時の竜児は、意外にハンサムだ。
「へへへへ、竜児の寝顔。」
思わず頬肉をつんつんしてしまう。反応なし。
身を乗り出して、今度は鼻の頭をツンツンしてみる。一瞬、顔をしかめたが、再び
安らかな寝顔。
「ねえ駄犬。お昼ですよ〜。そろそろ起きようよ〜。」
お腹をツンツン。反応なし。
「駄犬。餌の時間だぞ〜。餌食べたら散歩に連れて行ってやるぞ〜。」
おでこをツンツン。反応なし。
「そう。飼い主を無視するんだ〜。」
部屋を見回して得物を探す。片隅に小さな洗濯ばさみを見つけた。

洗濯ばさみを、竜児の鼻の頭にゆっくりと近づける。あと10センチ、3センチ
そして静かに、竜児の鼻を挟んだ。1秒・2秒・3秒・7秒・8秒
「だ〜!」
突然、竜児が飛び起きる。状況がつかめなくて軽くパニック。鼻につけられた洗濯
ばさみに気がついて、それを外して大河に投げつけた。
「大河! お前は俺を殺す気か!」
投げつけられた洗濯ばさみは、大河の鼻頭にヒット。結構なダメージ。
竜虎は、お互いに鼻を押さえている。
「あんたね〜、何もこんな物投げつけなくても良いじゃない!」
「お前こそ、子供じゃねえんだから、こんな悪戯をすんじゃねえ!」
寝起きを襲われた竜は、普段と違って余裕がない。
「あ〜ら遺憾だわ。駄犬が惰眠を貪っているから、飼い主様が散歩に連れて行って
 あげようと、起こしてあげたのに。まさに飼い犬に手を噛まれるだわ。」
「うっせい、単にお前が暇だっただけだろうが!」
「頭に来た! 今日という今日は我慢出来ない!」
手乗りタイガーと化した虎は、ベッドの上に横たわる竜児に襲いかかった。
「やめろ! 埃が舞うだろう!」
一気に守勢に回った竜。
ケンカが、1週間ぶりのギシアンに変わるまで、30分しか掛かりませんでした。

289 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/08(土) 00:17:30 ID:sh29Sc6V0
一週間もギシアンしなかっただと!?
毎日3回はギシアンしてるはずの竜虎が!?

290 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/08(土) 22:36:40 ID:GWOtnSHX0
>>285
なんか続き出来てるw
乙!
つーかぺぺやめてwww

>>288
代行さんも乙!
休日の竜虎はこんな感じになってそうだw
(・∀・)ニヤニヤ

291 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/08(土) 23:59:30 ID:1qQmwQyn0
>>215 チュウキターー!!と思ったら妄想オチかwみのりんナイス。

>>220 ギシアン上等!ですよ。

>>242 結婚式からの回想ってなんとなくセンチメンタル。
大河が新しい家族と少しずつ歩み寄ろうとしてるところが良かった。続き期待してます。

>>248 よっしゃ、一発着床。竜児だってオトコノコw

>>253 『盛り上がらない』てwwこの表現めっちゃツボったwww

>>256 更新乙でございます。涙がちょちょぎれそうだ。

>>261 お久しぶりです。氏の書くツンツン大河様の罵倒とオシオキが恋しいです。

>>266 大河が運動部入って放課後と休日つぶされたら竜児は寂しがるだろうな。

>>271 ゴールデンウィークにラブホで暇つぶし…べ、べつに羨ましくなど。orz

>>273 大河は竜児の寛容さに対する感謝の思いを紙に書いて目の前で読み上げるといいと思うw

>>278 まwたwぱwんwつw風量上げんなwwまあ気持ちはわかりますがね。

>>282 北村が泊まったときハーゲンダッツ大人食いしてたの思い出した。竜児はスーパーカップとかだったような

>>285 なにやらリッチな部屋を!?羨まry余談だけどペペの原価は数十円と聞いた。なんかMOTTAINAI。

>>288 こうやってケンカするたびに子供が増えるんですねわかります。




>>arl 皆様方の竜虎愛に敬礼!



292 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/09(日) 00:50:18 ID:aDkmms4m0
大河は竜児が避妊しようとすると激怒するから子供だらけです

293 :とらドラ!で三題噺 ◆Eby4Hm2ero :2010/05/09(日) 05:18:03 ID:3lA/wVKX0
お題 「曲がり角」「明日」「ノート」



「そうだ大河、お前人のノートに落書きするのやめろよな」
「落書きとはなによ、せっかくの愛のメッセージを」
「愛よりも食い気の方が多いじゃねえか。八割がた弁当や晩飯のリクエストで」
「その奥に秘められた深い愛情に気づけないなんて……竜児もまだまだってことね」
「奥深過ぎて誰にもわからねえよ。というかだな、この間提出用のノートにも書いただろ。気づかずにそのまま出しちまったじゃねえか」
「あらま、それは大変」
「人事みたいに言ってるんじゃねえ。英語だったからまだよかったようなものの……『学生としてもうちょっとわきまえましょうね』とか言われちまったんだぞ」
「はん、独身の僻みなんて気にしなきゃいいのよ」
 そんな話をしながらゆっくり歩く二人が曲がり角を越えれば、そこは大河がこの四月から暮らしている家の前で。
「それじゃ竜児、また明日ね」
「おう、おやすみ大河」
 言って竜児は大河に軽くキスを。
「……ねえ竜児」
「おう?」
「なんかこう……もの足りないんだけど」
「おう」
 苦笑しながら、さっきより少し長く唇を重ねる。
「ねえ、もう一度」
 体を抱き寄せながら、感触を、想いを、確かめ合うように。
「もう一度……」

「ただいまー」
「おかえりなさい大河。ちょっといい?」
「ん?ママ、何?」
「竜児君と仲が良いのは結構な事だけど、毎回毎回玄関前で五分以上ってのはさすがにどうかと思うのよね」
「ま、ママ、なな、なんでそれを……?」
「……あなた、うちの前に防犯カメラがあるの忘れてるでしょ」

294 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/09(日) 12:58:57 ID:H2nefMti0
大河自己中乙ww

295 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/09(日) 20:02:29 ID:hr9jUIlU0
これはまだ貼られて無かったな

とらドラ!アフター第1話「その後の二人−エロ本編−」
http://www.nicovideo.jp/watch/sm6859949

とらドラ!アフター第2話「日常にスパイスを−裸エプロンやら妹編−」
http://www.nicovideo.jp/watch/sm7129300

296 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/09(日) 22:48:24 ID:RuBS4sWH0
>>293
GJ!おねだり上手めw
防犯カメラ忘れるとかうかれすぎw
>>295
なんだこれwwww
にやけすぎて顔面崩壊おこしそう

297 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/09(日) 23:20:52 ID:/Ecuy6ar0
>>293
GJです!うおお何書いたか気になる
文句言いつつ竜児は大事にとってあるに一票!
毎回見られてたとか大河恥ずかしすぎるw

>>295
2のほう初めてみたが北村吹いたwww

298 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/10(月) 00:16:13 ID:WGqeijGc0
ニコか
アカウントとっておいてよかった
みてくるか

299 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/10(月) 01:59:22 ID:Z/P/yI8o0
>>293
乙!
独身も気の毒だw
つか、大河ママは毎日5分以上その様子を観察してたわけですか……ゴクリ

300 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/11(火) 19:03:45 ID:h9sfTUFs0
大河ってよく食うよね。
食べっぷりのいい子は好きだけど、あの食欲はちょっと普通じゃない気がする。
満たされない愛情欲求を食欲でごまかしてるみたいなところがあったのかな。

301 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/11(火) 21:57:51 ID:W8Isc5L20
竜児の料理好きも元は存在肯定のためだったしね
クッキーで初めておいしいと笑ってくれたとき、実はすげー嬉しかったんじゃないだろうか
これからは大河が作ってあげたり竜児が安心して食事する側にまわることも増えてくるんだろうなーと想像すると
本当いいカップルだと思うよ

302 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/11(火) 22:20:10 ID:Az+/CCRF0
>>300
その考えは無かった。
そう思うと食事のシーン、すっごく胸が痛いぜ……。

303 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/12(水) 12:50:53 ID:7uULi3B00
大河が発育不良なのもろくなもの食ってこなかったから
竜児の料理をたくさん食べるようになってやっと胸が膨らんできた

304 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/12(水) 13:38:13 ID:Wo8+aiHV0
そして太らないようにと竜児と一緒に運動に励んだら、別の意味で腹が膨らんできた。

305 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/12(水) 14:20:53 ID:T5F33Qs20
アニメ二期があったらタイトルは「中出し!」

306 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/12(水) 23:25:26 ID:i8s+XKsZ0
「あー、あーつーいー」
テレビを見ながら扇風機を独占している大河は今日も高須家に入り浸っている。
「騒ぐと余計暑くなるぞ」
台所では竜児が夕飯の支度を始めていた。
「っつーか大河、お前んちエアコン付いてるだろ。そっちで涼めばいいじゃねぇか」
「……何?そんなに私に帰って欲しいわけ?」
「そうじゃねぇよ。ここで苦しむよりいいんじゃねぇかってことだ」
「ふん。私んちのリビング、日当たりが良すぎて暑いのよ。昼間からカーテン閉めて暗いのもイヤだし」
「おう、その気持ちはよくわかるぞ。マンションが建つまではそうだったからな、ここも」
うっかり飛び出したお互いの言葉で何か気まずい雰囲気。
大河は口笛を吹こうと努力し、竜児は前髪をいじり倒す。
「なんか、こう、私のせいじゃないのに罪悪感が……」
「悪いな。なんか、気ぃ使わせて……」
「……やっちゃんの布団干しに来てもいいよ?」
「お、おう。それはありがたい。泰子も喜ぶぞ」
「……けど、竜児のはダメ」
「なんでだよ!?」
「だって、竜児の縄張りが広がるじゃない」
「犬のマーキングと一緒にすんな!」


このクソ寒い日に何を書いてるんだろう俺

307 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/13(木) 00:57:07 ID:wGwHoh6J0
ぐっじょぶ!
多少暑かろうがなんだろうが
高須家に居たほうが楽しいんだろうなw

つかマジ寒いわ今日
羽毛ひっぱり出すはめになりそう

308 :とらドラ!で三題噺 ◆Eby4Hm2ero :2010/05/13(木) 06:04:34 ID:hPi8kNaU0
お題 「少々」「言葉」「皮」



 不安そうな表情の大河の前で、竜児が最後の一口を食べ終える。
「……どう?」
「55点」
 竜児の言葉に、はぁと溜息をつく大河。
「やっぱ、そんなもんか……」
「いやいや、最初は野菜の皮もまともに剥けなかったのが、たった三ヶ月でここまで上達したのは大したものだと思うぞ」
「無理に褒めなくてもいいわよ」
「無理じゃねえって。まだ少々粗いけど、下拵えも一応一通りは出来るようになったしさ」
「でも、まだまだ竜児のご飯には遠く及ばないし……」
「そりゃ、そんな簡単に追い着かれたら俺の方の立場がねえよ」
「はあ……こんなんで私、竜児のお嫁さんになるまでにちゃんと間に合うのかしら」
「焦るなって、まだ時間はたっぷりあるんだから」
「うん……」
「それに、今から音を上げてたらこの先が大変だぞ。俺が教えるにしても、経験上なんとなく身につけたから上手く説明出来ないことだってあるしな」
「竜児……あんたは私を励ましたいの?落ち込ませたいの?」
「おう、すまねえ。……そうだ、ともかく初めて50点越えたんだし、お祝いというかご褒美というかでだな」
「ご馳走してくれるっていうなら今はやめてよね。私にとってはこの先のハードルの高さを思い知らされることになるんだから」
「お、おう……それじゃ……何がいい?」
「う〜ん…………そうね…………一緒に写真撮ってくれない?」
「は?そんなもん、別にいつでも」
「普通の写真じゃなくてね、ドレスにタキシードで、その、結婚写真みたいなやつ」
「……え?」
「ほら、さっき時間があるって言ったけど、私達が実際に結婚できるまで早くてもあと4〜5年ぐらいはかかるわけじゃない」
「おう」
「だから、その予行演習というか、先に気分だけでもというか……」
「え〜っと、ちょっと待てよ。衣装は当然レンタルとしても、ウェディングドレスとなると多分それなりに高いよな……」
「……駄目?」
「いや、白いドレスにヴェールだけはなんとか手作りするか……いっそのこと大河の手持ちの服を改造してそれっぽく仕立て上げるとか……そういうのでもいいか?」
「! それじゃ……」
「真田写真館のおっちゃんなら毘沙門天国の常連だし、話と条件次第でだいぶまけてもらえると思う」
「本当に、いいのね?」
「おう、ちょっと手間と時間はかかるかもしれねえけど、絶対になんとかしてみせる」
「……竜児、大好き!」

309 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/13(木) 22:06:56 ID:y9EmGBpS0
>>308
まぁ大河が喜んでいるならいいけど。
竜児、

別 の 家 事 の ハ ー ド ル あ げ て な い か (w

310 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/13(木) 22:33:31 ID:Q/VkHHJ90
>>308
乙!
定期的な投下、本当にご苦労様です。

そうやって困難に挑戦してスキルアップしてきたんですね、竜児w


311 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/14(金) 18:39:09 ID:L0ejT7dE0
>>306
GJ!
ありそうだw

>>308
GJ!
幸せな写真が撮れるんだろうな〜見てみたい
ところで今回ので100本目達成だとか…いやもう純粋に凄い
氏の短い文章で広がりを見せてくれる、自然体な竜虎が大好きです。いつもありがとう!

312 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/14(金) 23:17:23 ID:uEl8ywBp0
>>308
皮…
皮…
きっと大河は野菜の皮を剥くのは下手でも竜児の皮を剥くのは上手(ry

313 :代行 ms07b3:2010/05/15(土) 21:59:49 ID:xj4V/nci0
よし大河が気に入りそうなRPG買ってくるか、って気持ちになったので転載

210 名前:ms07b3[sage] 投稿日:2010/05/15(土) 21:35:55 ID:???
「ゲームなんか、自分の部屋でやれよ。」
「うっさい。黙れ・・・。」
ゲームの画面に夢中になっている大河は、こちらの方を見ないまま竜児を罵倒する。
時間は午後10時50分。普段なら、大河が自分の部屋に引き上げる時間だ。
しかし、今日は新しく発売されたばかりのロールプレイングゲームが手に入ったとかで
泰子が出勤した途端にゲーム機を引っ張り出してきて、そのまま既に4時間ちかくゲー
ムに熱中しているのだ。
竜児の方は、夕飯の片付けを済まし、明日の朝食と弁当用の下ごしらえを終えて、独身
の授業のレポートも書き終え、あまつさえ予習・復習も終わらせた。
あとは、居間を我が物顔で占拠している子虎を追い返すだけなのだが・・・・。
もともとロールプレイングなんてジャンルのゲームは、大河の性格には合わないはずだ。特にゲームスタート時の、HPもMPも低くて、俗に言う雑魚キャラを片付けるのも一仕事
なんて段階では、大河のストレスは溜まる一方で、さっきから舌打ちが聞こえる。
こんな時に、無理矢理に自宅に帰そうとすれば、痛い目に遭わされるのは目に見えてる。仕方なく竜児は、普段なら大河を帰してから入る風呂に入り、風呂から上がると、自室
の布団の中で本を読んでいた。

部屋のステレオのデジタル時計が午後11時30分を示す。
「大河、続きは明日にして帰れよ。」
「セーブポイントに行くまでセーブ出来ないんだからもう少し。」
子虎は暢気だ。
「じゃあ、セーブポイントに行けよ。」
「言われなくても向かっているわよ。合い鍵で鍵かけて帰るから、先に寝れば?」
大河の物言いに、なんだか微妙に腹が立った。
「ああそうかよ。じゃあ俺は寝るから、ちゃんと電気消して、鍵かけて帰れよ。あと遅
くまでゲームやっていたからって、明日の朝、起きる時に暴れるなよ!」
そう言って竜児は襖を閉めて電気を消して布団に入った。
襖の向こうからは、大河の激しい舌打ちの音が聞こえた。

どれくらいたったのかは知らないが、襖が開く音がした。
「よいしょっと」
何かを引きずるような畳が擦れる音。声の主は泰子だ。
意識はあるのだが、身体の方はまったく反応してくれない。
「ごめんね竜ちゃん。少し詰めてね。」
仕事終わりのいつもの少し酔ったような緊張感の無い声。
泰子の手が布団の隙間に入ってきて、竜児の寝る場所を少しずらした。
「よいしょっと」
今度は、やけに暖かくて、柔らかい物体が布団の中に入れられた。
小学生の頃、一人で寝ていると偶に泰子が入ってきたから、今日も酔っぱらって俺の布
団に潜り込んできたのかと竜児は思った。
普段なら、自分の部屋で寝るように言うのだが、竜児も寝ぼけている状態だ。
たまにはいいかとやけに寛大な気分になって、そのまま再び深い眠りについてしまった。
翌朝。
竜児が目を覚ますと、目の前には大河の幸せそうな寝顔があった。
「おうっ!」
声にならない叫びを上げて布団を抜け出す。
「泰子っ!」
泰子の部屋に飛び込んで、熟睡状態の泰子をたたき起こす。
「おまえ、何で大河を俺の布団に入れたんだ。」
事の重大さに、どうしても詰問口調になってしまう。なにしろ相手は虎だ。自分が竜児
の布団で一緒に寝ていたなんて事がばれたら、殺されても文句は言えない。
「え〜、だって大河ちゃん、居間で寝ちゃってたから、あのままじゃ風邪引いちゃうと
思ったから・・・。」
「だったら、お前が一緒に寝ればいいだろ。」
「だって、大河ちゃんは竜ちゃんのお嫁さんになる子だもん。」
「お前は何てこと言うんだ!」
「何を朝から騒いでるのよ、大家に怒られるよ・・・・・」
振り返ると、寝ぼけた子虎がそこにいた。
竜児が、三分の二殺しに逢うまで、あと120秒。

314 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/16(日) 00:58:08 ID:O+btGfHG0
>>308
GJ!花嫁修業が順調そうでなによりだw

>>313
GJ!竜児は次の日思い出して眠れないんじゃww



                  _/⌒丶 ー:- 、
                   -く/__ : : `ヽ: : : : : :\
                 /:/´ ノ : : : : : : : : ヽ: : '.
             //  ∠: : : : : : : : : : : ': : :i
.              _/ ノ , イ:.{ : : : /{.: : : : : : ! : |
.            イ){ {_ -イ: /ト八: :V/ヽ.: : : :│: |
       /::::::::::ヘY: {: :{:.リ─ \{──}: :/: :| :│
       /:::::::::::::/ ∨|ヽト{   '     厶: : :リ :│
     ゝ、 ::::::: '´::`丶/_: l:个 、 ─    /: :./: : :八
       `丶、 :::::::::::::::`ヘ: : : |>t‐≦7: : 厶、 : : : ヽ
            丶:::::::::::Vヘ: : |_レ不 _/: :./:::::/ヽ: : : : \
            /: `丶、_:∧: |《_小./ : /:::::/::::::}: : : : : : 丶
              / : : : : : :/::::l: |//∧!: /:::::Y::::::::|; : : : : : : : }
            {: : : : : : :i ::::|∧{ { /|/:::::::::i:::::::::{: : j : : : : /
           ヽ : /: : :|::::::::::::| /::::::::::::::::{:::::::::|:∨.: : : :/
            ∨: : :│::::::::::|′:::::::::::::::|:::::::::|: :ヽ: /
             /: : : : :}::::::::::::|:::::::::::::::::::ハ::::::::|: : : :\
              /: : : : :/::::::::O:ヘ):::::::::::::::{│:::: | : : : : ノ
           {: : : : :/:::::::::O::o:〉 :::::::::::ヽ|:::::: |: : : :/


三題噺の百本達成に敬意を表します!!

315 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/16(日) 01:08:57 ID:O+btGfHG0
あ、代理の人も乙でした

316 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/16(日) 03:16:42 ID:4Uc/f4FF0
子作りたいがー

317 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/17(月) 02:54:11 ID:pwnRztoy0
>>313
乙!
悶々としてしばらく過ごすんですね、わかります

318 :とらドラ!で三題噺 ◆Eby4Hm2ero :2010/05/17(月) 05:53:18 ID:urfwK0M30
お題 「ふくらませて」「言葉」「聞こえた」



「……か……かっ……あ……」
 期待に満ちた表情の大河の目前で竜児は数度口を開き、しかし言葉を上手く紡げずに視線を逸らす。
「……竜児」
 たちまちぶうと頬をふくらませて不機嫌顔になる大河。
「たった一言のセリフが何で言えないのよ?」
「す、すまねえ……だけど、改めて面と向かってってのは、やっぱりなんかこう……照れるというか恥ずかしいというか……」
「このヘタレ」
「返す言葉もねえ……」
「はい、もう一度頑張って!」
「か……かわいいぜ、大河」
「……う〜ん……なんか違う」
「……そう言われてもなあ……」


「ってことが昨日あってな」
「ほ〜……それで今朝の大河はちょいとご機嫌斜めなんだ」
 通学途中、並んで歩く竜児と実乃梨。そしてその数歩前を行く大河。
「そういうのはさ、自然に出てくるもんであって……無理に言わせたりするのはやっぱり違うんじゃねえか……と、俺は思うんだけどな」
「う〜ん、高須くんの言うこともわからなくはないけどね。女の子は時々わかりやすい形で確かめたくなるもんなのさ」
「おう、そうなのか……」
「念のために確認するけどさ……高須くんは大河のことを可愛いと思って無いわけじゃないんだよね?」
「おう、あたりまえだ」
「具体的にはどのへんが?」
「……今ここでそれを言えってのか?」
「まあまあ、練習だと思って」
「おう……まあ、ぱっと見全体的に可愛いというか、いわゆる美少女だってのは言うまでも無いよな」
「そうだね〜」
「……やっぱり、一番可愛いのは笑顔かな。嬉しい時とか、飯食ってる時とか、見てるこっちも幸せな気分になるし」
「それだけ?他には無い?」
「そうだな、時々しか見られないんだけど、照れてる時なんかもすっげぇ可愛い。ちょっと慌てて顔真っ赤にしちまってさ」
「ほうほう」
「あと、意外だけど怒ってる顔もいいんだよな……怖くて可愛いってのも変かもしれねえけど」
「いや、なんかわかる気がする……」
「それから、やっぱり普段表情がくるくる変わる所もかな。拗ねてるかと思えば急にニコニコしだすし、そうかと思えば怒り出すし」
「……結局、大河の全部がいいわけなんだね」
「いや、そうでもねえ。泣いてる顔だけは、ちょっとな……」
「可愛くない?」
「というより、見てて辛くなるんだよ。だから出来るだけ泣かせたくねえんだ。
 ……本当は二度と泣かせないとか言えればいいんだろうけど、まだまだ俺じゃそこまではな……」
「ふ〜ん……だってさー!大河、聞こえたー?」
「え?」
 見ればいつのまにやら実乃梨の手には通話状態の携帯電話が。
「おい……櫛枝?」
「いや〜、実は昨日の夜に大河から相談されててさ〜」
 振り返る大河は耳まで真っ赤で、手にした携帯からイヤホンが伸びていて。
「ろ……録音したわ。でもって、お墓まで持って行くから」

319 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/17(月) 20:18:25 ID:G9y1w13g0
実はこれ全部挿入しながらやってます

320 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/17(月) 23:22:40 ID:ItktlNur0
>>318
GッッッJ!
2828がとまらんw

321 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/17(月) 23:22:56 ID:s9Txl03c0
www

322 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/17(月) 23:39:51 ID:JKGperBd0
>>318
乙!
なんという頭脳戦www
けど、自然に竜児が「かわいいな」とか言ったら大河が暴走しそうではあるw

323 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/18(火) 23:27:05 ID:tD254mNs0
『竜児の背中にオリオン座型のキスマークを付ける大河』

というシチュが突然アタマに浮かんだ



誰か俺を変態と罵ってくれないか

324 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/18(火) 23:53:42 ID:WIGmaH1v0
何を言う。
立派な同志じゃないかw

325 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/19(水) 21:14:28 ID:NXFPWDf10
このスレの人間はみんなそのくらい余裕だぜ

326 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/19(水) 21:35:05 ID:P8zjAkK60
2人の子供ってどんな感じだろう

竜児の目つきで大河の性格の女の子だったりしたら…w

327 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/20(木) 00:57:52 ID:jYeVcZve0
俺の妄想では、

息子:
大河似。ただし乱暴者というよりはガキ大将なタイプ。
みのりんの影響でソフトボール部or野球部に所属。

娘:
竜児似だが、大河の遺伝子のおかげで目つきはギリギリ『鋭い』とか『りりしい』で済むレベル。
疲れてたり機嫌が悪かったりすると凶眼化する。
学校では料理部or手芸部に所属するが、大河の勧めで他に剣道場にも通っている。

328 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/20(木) 07:24:24 ID:B+AFuJSV0
たぶん竜児はきちんと教育するから大丈夫…。と信じたい。

329 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/20(木) 21:56:02 ID:kG+X0ImO0
>>327
具体的だなw

大河は良い母親になると思うよ
恵まれない辛さを知っているだけ子供にすごい愛情注ぎそう

330 :kQHO++7b0:2010/05/20(木) 22:19:56 ID:B+AFuJSV0
もう面倒くさいので86のギシアンのIDをコテハンにしました。以下投下

「スピンオフ3収録 とらとら!」分岐
「洗濯物が山になちゃって、もう自分では手がつけられないの…」
「いい加減自分でやれよ…放り込んでスイッチ入れりゃ後は全部やってくれるんだから…」
「いいじゃん、やってよ、あんた家事好きなんでしょ、いい柔軟剤もあんたが使うかと思って買ってあるのよ、
下着だけは自分でやるから、ねえやってよ、ねえ、ねえ。」
ずいぶん大河にしては丁寧なお願いだなと思う。が引っ張るところが…
「おい!やめろ。パンツを…」
「ねえ、やってよ。ねえ。」
ドジ神様の降臨。ズルッ、パンツが完全に脱がされてしまった、ああだから言ったのに…
「きゃああああ〜〜〜〜〜〜〜〜」
「ぬおおおお」
「このエロ犬!なんてもん見せてくれんのよ!!」
「やめろって言っただろう!!」
「ていうか、竜児?パンツずり下がったまんま…」
「おう!!悪い。」
そして気まずい沈黙が5分ほど。いろいろやってくれるわ…ドジ神様は…
なんて考えたときに大河が切り出してきた…
「ねえ?竜児責任とってくれる?」
「はあ…なんだそりゃ?それに俺のせいじゃ…」
「うっさい、駄犬。」ビュッと眼潰しを喰らわせてきた
「いい?原因はどうあれ私は汚れちゃったの。竜児が責任を取るのは当然。それに…」
なぜ口ごもる?ようやく眼の痛みが引いた、しかしなぜか大河の顔が赤い。
「それに…?」
「竜児の家の方がくつろげるし、ご飯おいしいし。あの家は私にとって孤独しか与えてくれない、だからかな?
それに竜児優しいし…。」
「お前やけに素直だな、地震でも起こるんじゃねえのか?」
「たぶん竜児の事が好き…なんだと思う。」
「ええ?」いやいや、ウソだろ?だって今まで告白を受けては玉砕させた大河がだぞ…。
「ねえ?竜児はどうなの?」
「最初のころは別に何とも思ってなっかったけどな…、
 あ、そう言えばおまえの寝顔をみてキスしようとしたことがあったな…。
 俺もたぶん好きなんだと思う。」
「じゃあ1カ月半のお礼する。それとこれからの分も…」
「ええ?いき…」
うむっ…
この後「結局お前ら付き合ってたのか。」とからかわれつつも高校生活を歩んだとか

 

331 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/20(木) 22:23:34 ID:8UyALaQXP
>>329
逆に育児に失敗しそうだけどな
愛情注ぎ過ぎて

332 :kQHO++7b0:2010/05/20(木) 22:30:56 ID:B+AFuJSV0
330の作者より ギシアンにしようと思いましたが
       さすがにいただけないので自重しました。
       ただいま新しいSSを作成中です。そのつなぎとして投下しました。 

333 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/20(木) 23:44:31 ID:0UiJPyuc0
最近観ていたく感銘を受けたので小ネタ投下

とらドライブ

「ふっふっふっ。見なさい、これがこの私の実力よ」
とりたてホヤホヤの運転免許証を手に、高須家の玄関で靴も脱がずに大河は竜児にアピールする。
「なんだ、なめ猫免許証か。また随分懐かしいモノを……」
すかさず飛んでくる大河の鋭い蹴りを最小限の動きで避ける竜児。もはやその見切りは達人の域に及んでいた。
「もー、避けるな逃げるな!」
「まぁそう怒るな。とりあえず免許取れてよかったな」
「思えば屈辱の日々だったわ……仮免許試験に落とされること3回、卒業検定に落とされること5回……」
「そして教習車を廃車にすること5台」
「その犠牲は全て私に免許を取らせるために払われたんだもの、クルマ冥利に尽きるってものだわ」
「やれやれ……で、取ったばかりの免許を持って何しようってんだ」
「決まってるじゃない! ドライブよドライブ。学生時代の思い出作りに行くわよ」
「ドライブったってクルマどうすんだよ。俺も免許は一応取ったけどクルマなんて持ってないぞ」
「ママに借りてきたわ」
「……まさかポルシェじゃないだろうな」
「あら、今のポルシェって女の子でも普通に運転できるみたいよ。私はちっちゃいから無理だったけど」
「お前のお袋さんが乗ってんのケイマンだっけ。まぁあれならイージーだな。911でもスパルタンなモデルは今やGT3かGT2くらいの……」
「何知ったかしてんのよ。今日借りてきたのはあれよ」
大河のちいさな指が示す階下には、ユニオンジャックがルーフに描かれた小綺麗な赤いクルマが鎮座していた。
「おー、クラシックな方のミニか! 確かに大河にはピッタリだな!」
「どういう意味よ。でもこのクルマ可愛いから好き。私も小さい頃よく乗せてもらってたんだ」
「随分きれいだな。とっくの昔に生産終了してるだろ、これ」
「ママがね、昔私がこのクルマ大好きだったこと覚えてて、きれいにとっておいてくれたの。私が免許取ったらプレゼントするつもりだったんだって」
「ふーん……これ、中は結構広いんだな」
「私には十分すぎるくらい」
10年前に生産を終えたイギリスの名車ミニ。50年前の時点で身長180センチ以上の英国人が座ることを許容していたパッケージは、確かに大河には十分過ぎる広さといえた。
「うむ、俺が座っても問題ないな。って、これ、マニュアルじゃねーか?」
「そうよ、ここまで来るだけでも大変だったんだから」
「だからお前、免許取るのに結構時間かかってたのか」
「えへへ。そういうわけで私は助手席専門」
「ったく。じゃあどこへ行く?」
「竜児と一緒ならどこでもいいよ」
「……よくもそんな小っ恥ずかしいことをぬけぬけと」
「クルマって不思議だね。何だか普段より素直に話せる気がする。お互いの顔が見えないからかな」
「そうかもな」
キーを回しエンジンをかける。室内にメカノイズが容赦なく飛び込んでくるが、そこに無機質な印象はなく、むしろどこか暖かだった。
「ドライブ用のベストアルバムとか自作してた甘酸っぱい過去を思い出した」
「隣にいるのは私だけどね」
「ああ、でもなんだかウキウキしてきた」
「……ねえ、私サルが見たい! 日光行こうよ日光!」
「却下。ベイブリッジくらいにしとけ」
「ベタ過ぎ」
「ベタで結構」
「まぁいいわ、じゃあ二人の初ドライブに出発進行〜!」
無邪気に笑う大河の横顔が見れるならどこへ行っても楽しい。そんなことを思う自分にちょっぴり恥らいを覚えつつ、ゆっくりとミニを走らせる竜児であった。

334 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/21(金) 00:25:22 ID:F8HTQ7YX0
乙。2828が止まらない、しかし大河は教習車を5台も壊したのか…
まさかとは思うけど竜児、湾岸線でバトルしてないよね?
どうでもいいがミニについて調べたら結構日本にも走ってることに気付いた、
日本で言うスバル360やサンバー的な大衆車。

335 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/21(金) 01:28:48 ID:NZwZ0U2k0
>>332
            i"\ ))
            | 8  )
             _  ∩-''"
      __(_ ゚∀゚)彡  ぱんつ!ぱんつ!
   〃(\ ∞ ,⊂彡    竜児のぱーーんつ!
     `ヽ)_ノ|   |
            し ⌒J

>>333
赤いミニに乗る大河…やっべ絵面が良すぎる。いきなりの「サルが見たい!」に吹いたわww

336 :とらドラ!で三題噺 ◆Eby4Hm2ero :2010/05/21(金) 06:17:42 ID:P8nieNwq0
お題 「ボール」「逃れ」「ライン」



 ぱぁん!
 ライン際で大河が打ち返したテニスボールが実乃梨の足元に突き刺さる。
「もらった!」
 風切り音と共に振われるラケット。しかしボールはその回転により実乃梨の予測から逃れるような軌道で跳ね、打ち損じとなった打球は緩やかな孤を描いて大河の逆サイドへ。
 本来なら簡単に打ち返せるであろう球。だが、それを為すべき男はなぜかぼぉっと突っ立ったままで。
「ちょっと竜児!」
「お、おうっ!」
 慌てて駆け寄るも時既に遅し。ラケットは虚しく空を切り、転々と転がるボールはすなわち北村・実乃梨ペアの勝利を意味していた。


 受験勉強の息抜きにと、四人が訪れたのは最近オープンしたスポーツセンター。
 運動部だが門外漢の北村・実乃梨ペアと元バドミントン部&テニス部の竜児・大河ペア。
 昼食を賭けてのテニス勝負はそれなりの接戦になると思われたのだが……


 セルフサービス式の食堂で、竜児の持つトレイの上にはハヤシライスとかけうどん。北村のものにはスパゲティとカレーライス。ちなみに料金は『ボロ負けしたのはあんたのせいだ』とのことで全て竜児の払い。
「しかし高須、今日は随分と調子が悪かったようだがどうしたんだ?」
「そんなことねえって。俺の実力はあの程度なんだよ」
「いや、以前授業でやった時はもっと動きがよかっただろう。それに今日はなんだか集中できてない感じだったぞ。
 もしも体調が悪いのに無理して付き合ってくれてるなら……」
「いや、本当にそんなんじゃねえんだよ」
「しかしだな、誘った側としてはやはり責任というものが」
「ホントに体調の問題じゃねえから、北村が気にすることねえってば」
「じゃあ、一体どうしたというんだ?」
「あー…………大河には黙っててもらえるか?」
「わかった、高須がそう言うなら」
「その、だな……情けねえ話だが……尻、なんだよ」
「尻?」
「おう、目の前で大河の尻があっち行きこっち行きするのが……そういう風に見ちゃいけねえと思えば思うほど、かえって気になっちまって……」
「……まあ、高須も健全な男子だったということか」
「おう、そりゃまあな。だからこのことはくれぐれも大河には内緒に……」
「誰に何が内緒ですって?」
 背後からの声に竜児がおそるおそる振り向けば、そこには柳眉を逆立てた大河の姿。
「た、大河……どうして……」
「私にもちょっとは負けた責任あると思ったから、運ぶのぐらいは手伝おうと……でもまさかそれが、あんたが時と場所をわきまえないエロ犬だったからだとはねえ……」
「ま、待て、ちょっと待てよ大河」
「何よ、今更命乞い?」
「いや、ほら、今ここで暴れると他の人にも迷惑かかるし、せっかく買った昼飯も無駄になるし」
「……そうね、それじゃ今は勘弁してあげる」
 その言葉にほっと胸を撫で下ろす竜児を、しかし大河はぎん!と睨み付けて。
「帰ったらお仕置きだから」
「お、おう……」


337 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/21(金) 06:30:34 ID:MHnji5cp0
>>332
ギシアンをくれ!もっと!

338 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/21(金) 18:38:41 ID:Wn+pfZOy0
>>333
GJ!
ドライブいいよドライブ

>>336
GJ!
ちょこまか動く大河に見惚れてんのかと思ったら…ピンポイントで尻かw
苦笑しながら見守っている北村が目に浮かぶw

339 :kQHO++7b0:2010/05/21(金) 21:47:42 ID:F8HTQ7YX0
作者はカルピス(株)のまわし者ですwww。←ウソです。

「竜児〜、最近暑くなってきたわね〜」
「お〜う、そ〜だな〜。」
「何か飲むものな〜い?」
「カルピスの原液があるぞ〜、なんなら作ってこようか?」
10分後
「やっぱり夏は自分で冷たく割ったカルピスよね。」
「おう、確かにおいしいしな。」
「そろそろ復活した?竜児」
「おう、だいぶ涼しくなったしな。」
「じゃあ温かいカルピスもいただくわね」
「ちょっ、大河?おい!!」
チュパチュパアンアンチュパチュパアンアン
「ねえ?竜児。下も…。」
「おう?」
ギシギシアンアンギシギシアンアンギシギシアンアンギシギシアンアン

340 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/21(金) 22:52:24 ID:tNY81pno0
>>333だがミニは自分自身乗っていたりする
ハンドルの重さは気合でなんとかしそうだ

酔いどれタイガー

「高須君のケータイですよね? 私、逢坂さんと同じゼミの中川っていいます。逢坂さん、酔っ払っちゃって……」
珍しく大河が女子大のゼミ仲間と飲みに行ったので、近々行われる学会用の論文に手をつけようとした矢先、竜児のケータイに連絡が入る。
「あ、どうも、はじめまして。わざわざすみません」
「で、もうすぐ大橋駅に着くと思うので、迎えにきてくれませんか?」

10分後、駅の改札に着いた竜児は、両脇を二人の女友達に支えられたまま真っ赤な顔で寝息を立てる大河を見てため息をつく。
「どうも、高須です。あーあー大河、ベロンベロンじゃないか」
「私が中川です。なんか大河ちゃんの話してたのとイメージ違う」
「弁当男子の高須君だー! 大河ちゃんうらやましー!」
「ほら、大河、よっこらせっと。すみませんね迷惑かけて。ほらヨダレ垂れてる。拭かないと」

座り込んで大河を抱きかかえつつ介抱する竜児を興味深げに見つめつつ、キャッキャと笑う二人。
酒の入った女の子のノリと勢いにはシラフではちょっと太刀打ち出来そうにない。
「いやー迷惑っていうか、私たちも高須君に会いたかったんだよねー」
「なんせ大河ちゃんご自慢の彼氏だもんねー」
「……えっと、こいつは普段学校で俺のことをなんて話しているんだろ?」
「そりゃもうノロケまくり。自分からはあんまり話さないのに、ちょっと話でも振ろうもんなら竜児が竜児がってウルサイくらいなんだから」
「愛されてるよねー。お弁当も作ってあげてるんでしょ? あれすっごい美味しそう」
「まぁ最近は大河が自分で作ることもあるけど」
「で、その時は高須君が大河ちゃんのお弁当持っていくんでしょ! ラブラブじゃん」
「なんたって半同棲してるんだもんねー」
「ず、ずいぶん色々話をしてるんだな……」
大学では工学部に進学した竜児。女子の少ない環境に慣らされた身には久しぶりに聞く女の子同士の恋話は新鮮だった。

「でも大河ちゃんエラいんだよ。人数合わせで合コン誘っても『竜児がいるから絶対行かない』って、すっごい律儀なの」
「ちっちゃくて可愛いから男友達の間では人気なんだけどねー」
「だから大河ちゃんがそこまでメロメロになってる高須君ってどんな人なのか、気になってたんだよね」
「ヤ○ザみたいとか犬とかたまにヒドイこと言ってるけど、あれ絶対愛情の裏返しだよね、さすがツンデレキャラ」
「天下のT大生にして家事全般が大得意。なんて素敵な旦那様!」
「ねえ今度大学の友達紹介してよ〜。コンパしようよ」
「あーわかったわかった。また今度紹介するよ」
「じゃあヨロシクね〜。あ、そうそう。大河ちゃんカルアミルク一杯でデキあがっちゃったみたいだよ」
「コイツは酒はダメなんだ……多分背伸びしたかったんだろうな」
「きゃー保護者発言! あ、そろそろ終電だから私たちはこれで」
「ああ、今日はワザワザありがとう」

ホームで手を振る二人に別れを告げ、大河をおぶって駅の階段を降りる竜児。
「さて、タクシーは、と」
「……このまま帰ろ」
「なんだお前起きてたのか。いつからだ」
「……ナイショ」
「まぁなんだ、酒弱いのに背伸びすんなよ。あとヨダレ垂らすなよ」
ウルサイウルサイあんたは保護者かとつぶやきつつ竜児の背中に軽く頭突きを繰り返す大河。
それが寝息に変わったのを確かめて、竜児はゆっくり歩き出す。
明日の弁当はちょっぴり豪華にしてやるか。まんざらでもない竜児であった。

341 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/22(土) 01:24:37 ID:3A/ch3D90
こういうのを待っていた

342 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/22(土) 03:45:50 ID:+Vl5G8jP0
なんか、いい感じ。ゴチでした

343 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/22(土) 06:54:25 ID:GNP2hnSl0
>>327
過去投下された作品は、たいてい息子も二人も常識的になっている。で、両親のラブラブに振り回されるって設定が多い。

344 :七つの傷を持つ男 ◆fDszcniTtk :2010/05/22(土) 07:23:34 ID:GNP2hnSl0
>>323 この変態野郎!

「ねぇ、竜児」
「おう、ててて。なんだ」
「やっぱり体痛い?」
「痛ぇよ」

結婚まであと1週間。昨日は事前に借りた小さな部屋への引っ越しだった。来週から義母になる女性による、部屋面積に関する的確かつ空気を読まないコメント攻撃も堪えたが、もちろん体のダメージはそれが原因じゃない。
荷物の搬入は引っ越し代を節約するために全部竜児が行ったのだ。高校時代のクラスメイトの春田に頼んで軽トラを借り、二人の荷物を運び込み、家具の配置を行い、荷物をほどき、予定していた場所に収納する。これを全部竜児がやった。

大河は何をしていたかというと、手伝いはした。最初の十分だけ。本人はやる気満々だったが、こけるこける。さすがに結婚を前にしてタンスの下敷きになったフィアンセは見たくないので、結局竜児がやめさせて、一人でやった。で本日日曜日にいたる。
すでに書類上は二人が入居しているが、昨日からは竜児の一人住まい。来週大河を迎えることになる。

「花婿がそんなことじゃこまるわね」
「面目ねぇ」

目を線にして笑う大河に竜児は苦笑い。昨日見たくせに、また見たいなどと言い出して遊びに来た大河は、どれどれとキッチンを探検したあと、お茶を入れて竜児と談笑中である。

「ね、竜児。マッサージしてあげようか?」
「おう、いいのか?」

てへっ、と顔を赤くする大河に、竜児もうれしそうな笑顔。

「そりゃぁだって、来週から大切な、だ、だ、だ、旦那様だし。健康管理はつ、つ、つ、妻の仕事だもん」

大河は目も合わせられないほど照れて、もじもじそわそわと体をくねらせ挙動不審気味に室内を見回している。

「そっか、じゃ、ありがたくお願いするぜ」

そういうと、立ち上がった竜児はベッドにうつぶせになる。えへへ、とおかしそうにベッドによじ登って来た大河は、うつぶせの竜児に馬乗り。

「どの辺が痛い?」
「背中のあたりだな」
「この辺」
「おう、おおおお、効くな」
「効く?」
「おう、気持ちいい」

掌に体重をゆっくりかけてぐっと大河が押し込むたびに、竜児がくぐもった声を上げる。

「竜児、パパみたいな声だしてる」
「お父さんにもしてるのか」
「たまにね」
「そうかってててててて!何してるやめろやめろ!」
「痛い?」
「痛いってレベルじゃねーぞ。何したんだよ」
「親指で押しただけなんだけど」
「お前馬鹿力なんだから気をつけろよ。今の絶対痣になってるぞ」
「なによ。あ、そうだ。ねぇ、竜児」

ぷっと頬をふくらませた大河だが、突然、竜児の見えないところで何かいいことがひらめいたような笑顔。

「おう。なんだ」
「痣で背中にオリオン座描いていいでしょ」
「馬鹿やめろ!てててて!!」

(おしまい)

345 : ◆fDszcniTtk :2010/05/22(土) 07:25:28 ID:GNP2hnSl0
昨日はパパにカシオペア座描いたの。

346 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/22(土) 07:26:34 ID:wye+QScR0
今日はママに高須棒座が描かれたの。

347 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/22(土) 23:21:13 ID:iask8QM40
>>336
GJ!お仕置きはたぶん
ラケットで竜児の尻を百叩きだな

>>339
GJ!この場合アンアンは竜児か?w
カルピスは思い出すと急に飲みたくなるな

>>340
GJ!酒に弱い大河かわいい
普段どんだけのろけてるんだw

>>344
GJ!新婚生活の準備とか
頭の中はお花畑だろうな

348 : ◆x6jzI2BeLw :2010/05/23(日) 00:19:16 ID:Sq4tqsUu0
コメントなどありがとうございます。

>>242の続きを以下に投下します。
8レスほど使います。

349 :シンデレラなんかになりたくない2 ◆x6jzI2BeLw :2010/05/23(日) 00:20:47 ID:Sq4tqsUu0

「今度、ここへ来るのは竜児の所へ帰る時なんだって思ったら、ちょっと不安になったんだ」
過去を振り返り、大河はその時の思いを口にする。
走り出した車の中で、そんな日が本当に来るのかと見えない未来が恐くて、後ろを振り向いた大河。
「でもね・・・絶対、幸せになって帰ってやるって・・・あの時、決心したんだ」
少し顔を紅潮させ昔を語る大河を竜児はまぶしそうに見つめる。
遠くから聞こえる歓声が、まだまだ時間のあることを知らせていた。
「竜児はどうしてた?・・・あの日、あの後」
「俺か?俺は・・・」






「大河ちゃん・・・来ないね」
「後で来るさ、それより早く食べないと遅刻するぞ」
伏せられたお椀に目を遣り、竜児は泰子を促す。
それじゃあと始まったふたりだけの夕食はそういつもと変わりがなかった。
ふつうに会話があり、箸も進む。
しかし、竜児の心はそこに無かった。


泰子が仕事に行ってしまうと竜児の寂寥感は激しさを増す。
ベランダへ出て大河のマンションを見つめる竜児。
明かりの漏れない窓がひとつ。
それを見ていた竜児を襲う寒気。
身震いするように部屋に引き上げた竜児は小さな吐息を漏らす。

もうそれは竜児にとってただのコンクリートの塊りに過ぎなかったのだ。


さっきの食事中、弾かれたように竜児は立ち上がり、玄関ドアを開け放った。
冬の寒い空気が竜児の頬を刺すが、そこには暗闇と街灯の明かりしか見えなかった。

行儀にうるさい竜児が普段ならしないような振る舞いに泰子が驚く。
「どうしたの?竜ちゃん」
やがて、とぼとぼと戻って来た竜児は何事も無かったかのように元居た場所に座り、食事を再開する。
「・・・あいつに呼ばれたような気がしたんだ」
「大河ちゃん?」
うなづく竜児。

竜児は知る由も無かったが、それはちょうど大河が大荷物を抱えながら路地の角へ消えたタイミングだった。



眠れぬ夜が明けるのを待ちかねて訪ねた大河の家で見つけた書置き。
予想していたこととはいえ、竜児には堪えた。

大河は・・・行ってしまう。
マンションへ戻る大河を見送った時、竜児はそう確信していた。

止められなかった。
いや、止めちゃいけないんだ。
これは、あいつの問題だから・・・あいつでしか解決できない。
だけど・・・黙って行かないでくれよな。
恨み言のひとつも言いたくなる竜児だが、大河が面と向かってそれを告げに来たら、その手を放せたどうか甚だ疑問だった。


350 :シンデレラなんかになりたくない2 ◆x6jzI2BeLw :2010/05/23(日) 00:22:12 ID:Sq4tqsUu0


「・・・竜児」
数日振りで聞く大河の声。

ついさっき、一日最後の家事を終えて、自室に引き上げた竜児。
まるでそれを見張っていた様に携帯電話が鳴った。
携帯電話のディスプレイに表示される大河から着信中のメッセージに竜児は慌ててボタンを押したのだ。


「・・・た、大河か」
「当たり前でしょ・・・誰だと思ったのよ」
「いや・・・落ち着いたか?」
「うん・・・ちょっとばたばたしたけど」
「そっか・・・良かった」
「・・・怒ってない?」
「何をだよ?」
「勝手なことしちゃって、その・・・ごめん」
「慣れてるからな・・・散々、振り回されたし」
「むう・・・そんなこと言うなら、切るから」
「ま、待て!早まるな!」
「ぷっ・・・嘘に決まってるでしょ」
「た、たいがあ〜」
「あ〜やだやだ、ちょっと会わないだけでなによ」
「そうは言ってもよお」
竜児の嘆きは続く。

「メールは送れたけど・・・声を聞くのは恐かったんだ」
何度も掛け様としてやっと掛けられたと打ち明ける大河。
「竜児が電話に出なかったらどうしようとか思っちゃった」
「そんなわけねえだろ・・・これぐらいのことで愛想をつかしたりしねえ」
「・・・竜児」
「何だよ?」
「ありがとう」
心に染み入るような大河の言葉に竜児は携帯電話を握る手に力が入る。
どれだけ自分が大河を好きなのかが再認識され、今さらながらに竜児を揺さぶった。


「今、すごくおまえのこと抱きたい」
思わず口走る竜児。
「・・・はあ?!・・・り、竜児?」
何をトチ狂ったことを言い出すのかと電話口で慌ててる大河の声。
「ち、違うんだ・・・その変な意味じゃなくて」
大河という存在をこの腕の中で確認したい・・・そういう意味だとうろたえた様に竜児は言葉を補足する。
「電話なら、大河の声は聞ける。でも、おまえの仕草も、笑顔も、怒った顔も見れねえ・・・温もりも感じられねえ・・・」
「・・・ん、分かるよ、竜児。私だって・・・」
竜児の側に寄れば微かに感じられた竜児の匂い・・・電話だと何も感じられない。
お互いの電話を通して聞こえる小さなため息。


351 :シンデレラなんかになりたくない2 ◆x6jzI2BeLw :2010/05/23(日) 00:23:28 ID:Sq4tqsUu0

「・・・それでも、こうして話が出来るだけでも恵まれてるよ、竜児」
「ああ」
「君が行く道の長路を繰り畳ね焼き亡ぼさむ天の火もがも・・・合ってる?」
「間違ってねえ」
大河が最後に登校した日にあった古典の授業。
都から遠い地へ旅立つ恋人同士の別れを歌った万葉集の解釈だった。
いつもなら寝ている古典の授業。
なぜかその日、大河は起きていて真剣に聞いていたのだ。
・・・通信手段も無い、遥か昔に詠まれた歌。その込めらた思いが伝わって来ませんか?
あの時、教師の講義を聞きながら、自分が福岡へ行ってしまったら、竜児はどう思うだろうと大河は想像をめぐらせていた。

「行方不明になったわけじゃないし・・・月に帰っちゃった訳じゃない・・・飛行機で2時間・・・それしか離れてないんだよ」
「そうだな・・・こうして電話をすれば・・・大河の声が聞ける」
「・・・」
「・・・」
「・・・なんか、湿っぽくなっちゃったね」
暗くなりそうな空気を振り払うように大河はいつもの明るい口調に直した。
「ああ、それでうまくやっていけそうか?」
気を取り直した様に竜児も聞く。
「大丈夫、安心して」
大河の声色に演技や嘘がなさそうだと感じられ、竜児は胸を撫で下ろした。

「そっちはどう?」
「変ってねえな・・・そのまんまだ」
大河に聞かれて竜児はそう答える。


2−Cの教室に今も残る大河の机。
誰も片付けようとは言わない。
独身も何も言わない。
机の主は不在だが、2−Cがある限り、逢坂大河はまだクラスメートだとみんなが言っている様だった。


それでも授業中、ぽっかりと空いた無人の空間が嫌でも目に付く。
それだけを見ていれば大河は風邪で学校を休んでいるだけで、明日になれば「おはよう」と登校してくるんじゃないかと思わせる。
でも、それは幻想に過ぎないと竜児は授業が始まるたび思い知らされてしまう。
教卓に置かれた黒い背表紙・・・2−Cの出席簿。
逢坂大河の文字の上に引かれた2本線が否応もなく現実を知らせる。
「出席を取る」
順番に呼ばれるクラスメートの名前。
しかし、決して大河の名前が呼ばれることは・・・無い。


352 :シンデレラなんかになりたくない2 ◆x6jzI2BeLw :2010/05/23(日) 00:24:55 ID:Sq4tqsUu0


それでも大河が居ないと言う生活に少しづつだが竜児は順応していった。
定期的に連絡を取れると言うのはある意味、すごいことだと竜児は思う。
これだけは今の時代に生まれ合わせた幸運に感謝するしかない。
大河と竜児を繋ぐツール、携帯電話。
日頃、何気なく使っていた竜児だが、感謝の意味も込めてぴかぴかに磨きあげてやる。

まるで磨き終わるのを待っていたかの様に電話が大河からの着信を告げる。
電話代の都合もあるから交互に掛けようぜと言う竜児の申し出を大河は断っていた。

「寂しい想いをさせるあんたへのせめてもの罪滅ぼしよ」
電話代くらい私が負担すると言って大河は聞かなかったのだ。

「竜児」
「おう」
スピーカーから聞こえる大河の声に竜児の目元が緩む。
声を聞くたび、どれだけ大河を想っているのか、竜児は心に刻み付けられる。
「今日の晩ご飯、何?」
「いきなり、何だ?」
「聞いてんのよ。答えなさい」
「アジの干物にきんぴらだ」
「何、その手抜き」
「手抜きじゃねえ・・・ヘルシーと言ってくれ」
「私が居たらそんなメニュー、納得しないからね」
「・・・だろうな」
大暴れする大河を想像して竜児は苦笑する。
「ちゃんと作んないと駄目だからね」
「ああ・・・分かってる」
大河に作ってやれないと思うだけで、竜児のやる気は3割カット状態だった。
「やっちゃんに悪いでしょ・・・明日は何?」
「考えてねえ」
「ほんと、しょうもない・・・今決めなさい、竜児」
「・・・じゃあ、おひたしと豆腐」
「何それ、精進料理?」
竜児だって食べるんだから、もっとパワーのあるもの作れと大河は電話口で大声を出す。
「明日は焼肉、いい?」
一方的に高須家の献立を決める大河。
「わかったぜ、大河」
大河の声色に心配のスパイスを感じて竜児は請け負う。
「明日は上等の牛肉を使って、すき焼きだ」
「ずるい・・・私が居た時だってめったにやらなかったのに・・・そっちに食べに行っていい?」
「おう、来れるもんなら、来て見やがれ」
「言ったわね・・・せめて匂いだけ送って」
「出来ねえ相談だな」
そのままぷっと電話口で吹き出す竜児と大河。


353 :シンデレラなんかになりたくない2 ◆x6jzI2BeLw :2010/05/23(日) 00:26:29 ID:Sq4tqsUu0

「あ、そうそう竜児」
「何だよ?」
「高校、決まったから」
福岡で通う学校が決まったと大河は言う。
「おう、良かったな」
「ん・・・お気楽そうな公立が良かったんだけど」
「違うのか?」
「私立なんだよね・・・ちょっと雰囲気固そうな・・・ママは名門校だって言ってけど」
「・・・共学か?」
「気になる?」
「・・・ああ」
「安心して、女子高だから」
「そっか・・・無茶するなよ」
「大丈夫、ちゃんとやっていけるから」
そう言ったものの、編入試験を受けに行った学校の雰囲気は自由闊達とは言えず、大河がかつて通っていた私立の中等部を連想させ、大河の気を重くさせた。

「面接の時なんて如何にもって感じのおばさんが出て来てね」
大河は可笑しそうに言う。
面接官として出て来たのは鎖付きの銀縁メガネを掛けた教育者然とした中年女性で、思わず大河は噴出しそうになる。
間違っても公立高校にはいないタイプの教師。
「真面目にやったんだろうな?」
「当たり前じゃない」
だからこそ受かってると大河は胸を張る。
模範解答の連発で良家の子女を大河は演じきったのだ。
「もう、完璧」
竜児にも見せたいくらいだったと大河は自画自賛。

「心配してたんだぜ」
「何をよ?」
「だって、おまえ、停学くらってただろ」
「そんなこともあったわね」
まるで大河は意に介していない・・・たまたま転がり込んで来た2週間のバカンスくらいにしか思っていないのだった。
「試験の後でそのこと、ママに言ったら・・・すごく慌ててた」
「そりゃそうだろ」
「うん、もう落ちたもんだと決め付けて、次の学校探し始めてくらいだから・・・だから合格って聞いてびっくりしてた」

実際、なんで受かったのかしらと母親は首を傾げる思いをしていた。
自分の母校だからと言う理由で娘の大河にこの学校を推薦したのだが、いろいろうるさいお嬢様学校だということは卒業生である自分がいちばん知っていた。
実力よ、実力とあっけらかんとする娘の言葉を鵜呑みには出来ないが、いろいろ世の中が変ったのかしらと編入許可書を前にして母親はうなづくしかなかった。


354 :シンデレラなんかになりたくない2 ◆x6jzI2BeLw :2010/05/23(日) 00:28:02 ID:Sq4tqsUu0

「がんばれよ」
「・・・うん」
竜児は電話口でうなづく大河を想い、大河は鋭すぎる視線の中にある竜児の優しさを思い浮かべ言葉を交わす。

竜児の部屋に置かれた写真立ての中でたたずむ大河の姿。
文化祭で撮られた一葉。
携帯電話を片手に竜児は面白くもなさそうな顔をして写る大河を指先で突付く。
・・・がんばれ、俺もがんばるからさ。

「竜児、そんなことしてるの?」
竜児がたった今していたことを聞き出し、大河が言う。
「べ、べつにいいじゃねえか・・・写真でも見てないとお前を忘れちまいそうで」
「言ってくれれば、写真くらい何枚でも送ってあげたわよ」
「言えるか、そんなこと」
「やせ我慢しちゃって」
「・・・じゃあ、頼む・・・とっびっきりの笑顔でな」
「難しい注文つけないでよ・・・いいわ、出来る限りいい写真送るから、待ってて」





「あん時、数日して送られて来た写真・・・何だよ?俺は楽しみに待ってたんだぞ」
写真を見た時のことを思い出したのか、竜児が憤慨する。
「いい思い出でしょ」
にっこり微笑む大河。
「言っとくけどな、あの写真、まだ持ってるからな」
「ええ〜!やだ、早く捨てなさいよ」
「ふん、いい思い出だろ」
言い返す竜児。

竜児の手元に残る逢坂大河の写真。
笑顔でとの注文に「あっかんべー」で返した大河。
ご丁寧に舌まで出した完璧なあっかんべーだった。


355 :まとめ人 ◆SRBwYxZ8yY :2010/05/23(日) 00:31:31 ID:LV9b+0GA0
支援?

356 :シンデレラなんかになりたくない2 ◆x6jzI2BeLw :2010/05/23(日) 00:33:48 ID:Sq4tqsUu0


二年生の最後の日、全てのクラスメートが居なくなった夕闇迫る教室で、自分の机と大河の机を丁寧に拭いてやる竜児がいた。
「ピカピカだろ・・・このふたつの机だけ」
次に座る奴はびっくりするだろうな、と思いながら竜児は一年の感謝を込めて磨き上げたのだ。
そのまま教室を出ようとした竜児はふと思い付いて、自分の隣にある机をどかすと、大河の机と入れ替えた。
「机だけでも・・・隣あっていたいじゃねえか」
我ながら馬鹿なことをしてると思わないでもない竜児だが、気持ちは切実なのだ。
最後に教室を出た竜児は廊下にあるロッカーへ歩み寄る。
いちご牛乳をぶちまけたドジな誰かさんのために掃除してやったロッカー。
竜児は金属製の扉を手前に引いた。
空っぽの中身が竜児を出迎える。
既に数日前に竜児が整理しておいたのだ。
パタンと音を立てて扉を閉める竜児。
竜児の目の前に来る漢字が二文字。
竜児はその持ち主を明記するネームタグホルダーから「逢坂」と記された厚紙をゆっくりと抜き取る。
この瞬間、最後まで大橋高校に残っていた大河の痕跡が消えたのだ。



357 :シンデレラなんかになりたくない2 ◆x6jzI2BeLw :2010/05/23(日) 00:35:17 ID:Sq4tqsUu0

三年生になって間もない頃、掛かって来たいつもの電話の中で大河が言い出した。
「あのマンション・・・引き渡さないと駄目なんだって」
「とうとう来たか」
「うん。前から分かってたことだけどね」
また寂しくなるなと言う竜児に大河はあることを頼む。

「荷物、そのままでしょ」
「ああ、そう言えばな」
「片付けに行かないと・・・」
「こっち来るのか!」
弾む竜児の声。
「・・・行きたいのはやまやまなんだけど」
反対に沈む大河の声。
弟が生まれたばかりでこっちを離れられないと大河は事情を説明する。

「・・・そっか・・・そうだよな」
落胆がありありと出る竜児に大河もテンションが下がる。
「せっかく会えたかもしれないのに・・・ごめんね」
「いや、家のことの方が大事だ・・・そのために大河は帰ったんだからな」
「そう言ってもらえると・・・いくらか気が楽」
「いいさ・・・機会はまたあるだろ」
気を取り直す竜児。
「じゃあ、大河が来れないんじゃ、荷物とかどうすんだ?」
「業者の人を頼むって・・・でも、ほとんど捨てちゃうんだ」
「捨てるって・・・あのバカ高い服とか、マイセン焼きの食器とか、あれもこれもか!」
絶句した後、なんてもったいないと竜児は電話に向かって叫ぶ。
「だって仕方ないじゃない・・・そんなに広い家じゃないし」
洋服を収納できる場所なんて限られたものしかないと大河は今の住宅事情を説明する。
「あんなのみんな持って来たら、服に埋もれて生活しなきゃいけないでしょ」
超高級マンションだからこそあった広大な収納スペース、そんなものはここで望めないと大河は言う。
「ものすごいお気に入りだけは持ってきたけど、運べなかったのとかあるんだ」
それを選り分けて送って欲しいというのが大河の依頼だった。

「引越し業者の人じゃ分かんないでしょ?」
「まあ、そうだな・・・で、何を送ればいいんだ」
大河の説明をふんふんと聞く竜児。
「分かったぜ。間違いなく探し出して、送ってやる」
「ありがとう。助かる・・・あ、それから」
「何だよ?」
「・・・寝室のチェスト、開けないでよ」
「お、おう!」
それは大河の秘密が詰まった男子禁制の花園。
「片付け、やっちゃんに頼んでおくから、竜児は見ないで、いい?」
「ああ、約束する」
大真面目に言い切る竜児に可笑みを感じ、大河は電話口で笑い声を出す。
「・・・まったく、あんたって変なトコがお堅いんだから」
「ほっとけ」
「・・・いいわよ」
「何がいいんだ?」
「鈍いわね・・・ひとつくらい持ってたっていいって言ってんの」
「持ってくって・・・大河のパンツを・・・か?」
「ストレートに言うな!もう」
そんなものどうするんだよと言う竜児に大河はいろいろ使い道があるだろうと言う。

「頭から被ろうが、くんくんしようが竜児のお好きな様に」

俺はそんな変態さんじゃねえと啖呵を切った竜児だが、下着が嫌なら他の好きな物を持って行って構わないと言う大河の申し出を受け入れた。


358 :シンデレラなんかになりたくない2 ◆x6jzI2BeLw :2010/05/23(日) 00:37:07 ID:Sq4tqsUu0

数日して、竜児はあれ以来、初めて大河のマンションのドアを開いた。
大河が出て行った時と何も変っていない室内・・・それでも時間の経過だけは積もったほこりが教えてくれる。
「よし!」
一瞬、目をランと輝かせた竜児は腕まくりをするとお掃除モードに突入し、恐るべきスピードで部屋中を磨き上げていった。


「荷物、送ったぜ」
竜児は掛かって来た大河からの電話にそう返事をした。
「おつかれさま・・・で、何を持ってたの?」
「ああ、タオルとか食器とかいいやつはもらったぞ、あれを捨てるなんてもったいない」
「・・・そんだけ?」
大河の声に落胆の色が混じる。
「さすがに大河のオススメは貰えねえけど・・・」
言い難そうに竜児が言葉を切る。
「何よ?はっきり言っていいわよ」
パンツを持って行ってもいいと言い切ったくらいだから、何を持って行かれても驚くつもりはない大河。
「制服・・・もらった」
「制服って・・・大橋高校の?」
「ああ・・・あの部屋にあるものでもうお前が本当に必要ないもんだろ?」
確かにそうねと大河は同意した。
「きちんとお前がさ・・・たたんで行ったよな」
それを見たらこのまま処分されるのは忍びなくなったと竜児は告げた。
「・・・・・・」
「何だよ?嫌なのか?」
無言の大河を訝り、竜児は携帯電話のマイクへ声を送る。
「・・・んでも・・・ない」
ややかすれた大河の声がスピーカーから返る。
「・・・大河?もしかして・・・」
「違う・・・泣いてなんかない」
竜児の問いにうっかり本音を漏らしてしまう大河。
「・・・竜児」
「おう」
「ありがと・・・う」
あの制服に詰まった思い出を竜児が拾ってくれたんだと感じた大河。
そんな大河がおずおずと切り出した。

「あのね・・・送って欲しいんだ」

大河がねだった物、それは竜児が身に付けていた何かだった。



今回は以上です。まとめ人様、支援感謝です。

なお、大河が名門高へ編入出来た理由は下記を読んで下さい。トリップ無しで以前書いた物です。
http://tigerxdragon.web.fc2.com/index/SS13/671.html 先生のお気に入り 其ノ貮

ついでに以下、トリップ無しで書いた他の作品です。
文体その他でバレてるとは思いますが・・・。

http://tigerxdragon.web.fc2.com/index/SS12/641.html 虎のパンツは いいパンツ

http://tigerxdragon.web.fc2.com/index/SS12/662.html Moon〜彼女に祈りと祝福の祝詞を〜

http://tigerxdragon.web.fc2.com/index/SS14/685.html 大河を診察した医者がヤブじゃなかったら


359 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/23(日) 01:18:37 ID:abHrtOXM0
>>358
ほんっっっっっとうに、GJです!
なんという、アニメエンド空白の1年の補完。
この8レスで何度目頭が熱くなったことか!むさぼるように読んだ。
2人の会話が目の前の画面で繰り広げられているようだった。

「先生のお気に入り」との繋がりも良かったです! 
勿論、他の作品もなるほど、です。
「Moon」は真夏のシンデレラ繋がりで気づきました。

続きを楽しみにしています!


360 : ◆VW.RtTKf1E :2010/05/23(日) 01:34:53 ID:abHrtOXM0

もう何ヶ月も投下できていないのですが、私が書いているものでも、大河の新しい実家は福岡と考えました。 
ほぼ◆x6jzI2BeLw氏と同じ考えでしたので、嬉しかったです。

余りにも時間が空いてしまい、間が抜けているのではないか、今更じゃないか、と少し不安なのですが、
「とらドラ!, again」の続きを近いうちに行ければと思っています。 いや、やる!
(文豪も覗いていらっしゃるようですしw)

そんな宣言だけではなんですので、小ネタを1つ置いていきます。
知恵袋にこんなのがありました。

Yahoo!知恵袋:
顔が怖い男性 彼が顔が怖い事で苦労しています。 彼は目と眉が近く、目付きが鋭く、 ...
ttp://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1426095859?fr=top_mantenna

ベストアンサーの内容が、どこかのカップル(夫婦)を彷彿と…

361 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/23(日) 09:07:49 ID:ikEhBvKp0
>>360
again 待ってました!
大河がどうなるかヤキモキすること数ヶ月
期待してまっす

良い奥さんだ…

362 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/23(日) 10:11:09 ID:c62PB6VV0
>>344
GJ!安定感と初々しさが絶妙でたまらなくニヤニヤ
浮かれてる大河かわいすぎる!

>>358
長編GJです!
距離を埋めるくらい愛情溢れるエピソードの数々に心が温まる…
次回も期待しています

>>360
againの方!!
もう投下ないのかなとしょぼんとしてたのでこれは嬉しい…楽しみに待ってます!
てか知恵袋ww

363 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/23(日) 16:38:43 ID:LHzu68dJ0
>>360
えっ? 大河…じゃないよね

続き楽しみにしてます

364 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/23(日) 23:08:33 ID:Dn1Bj0Jy0

「ちょちょちょ!ちょっと竜児ーっ!」
「おうっ!?何だよ大河。パソコン持ったまま飛び掛ってくんじゃねえよ!」
「いいから!いいからこれ見てよ!」
「またか?もういい加減そのパターンは……」
「ほら早く!」
「分かった分かった」

ttp://news.www.infoseek.co.jp/society/story/22gendainet000113589/
なぜ?胸を小さく見せるブラが巨乳ちゃんにバカ売れ (ゲンダイネット)

「…………」
「ちょっと、何か言いなさいよ」
「…………またか」
「またで悪かったわね!」
「今度は何だ?売れてるならいい事じゃねえか」
「……それは、そうだけど」
「やっぱり○コールへ殴り込みに行くのを止めておいて正解だったな」
「うるさいわね。きっとこのニュースを見て地団駄を踏んでる女子がたくさんいるはずよ」
「地団駄って、おまえ」
「しかもこの……きょきょ、巨乳ちゃんの言い分が腹立つのよねぇ……」
「どれどれ?」


『バストをコンパクトに見せたい』

「おう。まっとうな意見じゃねえか」
「これはまだマシよ。みのりん辺りが常々言ってるもの」
「そ……そうなのか?」
「そうよ。投げるのに邪魔なんだって。機能性重視のみのりんらしいわ」
「…………」
「微妙な顔してないで次行くわよ、次」
「お、おう」


『カワイイ洋服が似合わない』(Eカップ)

「まったくもっておまえが怒る理由が分からないんだが」
「あのギャル女が言いそうね。ふん。身の程を知りなさいっての」
「いや……木原は普通に可愛いし、胸も普通だろう」
「うるさい。次!」
「……はいはい」


365 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/23(日) 23:09:35 ID:Dn1Bj0Jy0

『取引先で「乳女(ちちおんな)」と呼ばれていることを知って、ショックで泣きました」(Hカップ)

「ふん!ざまぁないわね、あの乳ぼくろ」
「切実な悩みじゃねえか……それをおまえ……おまえは鬼かっ!?」
「……待って。このブラを付けたら……解決しちゃうじゃない!」
「だから売れてるんだよ!すごくいい事じゃねえか!どんだけ乳に恨み持ってんだよ!?」
「ちっ」
「…………もう……言葉もねぇよ」

『女を売りにしていると陰口を叩かれる』(Eカップ)
「…………」
「…………」
「ばかちーの事ね」
「そう来ると思ったよ」
「そもそも乳を売ること自体が間違ってるのに何故気付かないのかしら?」
「意味がわかりません。大河さん」
「乳だけがせ、せ、セックスアポールだと勘違いしてるバカ女が多すぎなのよ!」
「……まぁ、そうだな」
「それに、乳ばっかりに目が行くバカ男が多いのがいけないわ!」
「おう。全くだ」
「だから、この商品がたくさん売れて、乳が大きい女が減れば……」
「……減れば?」
「そういうのが無くなって……あれ?……えぇと……私たちみたいなのが居心地がよく……」
「うんうん。それから?」
「居心地……いいわ」
「おう」
「……あれえ?」
「おまえはおもしろい奴だな、大河」
「し……しみじみ言わないでよ」
「さて……と、メシにすっか」
「うん」
「美味しく食べられそうか?」
「うん!」


お し ま い

366 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/23(日) 23:10:16 ID:Dn1Bj0Jy0
シンデレラ最高w

again待ってたよー待ってたよー!
いい所で終わってるし続き超期待!

367 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/23(日) 23:59:43 ID:d9UnyAHX0
>>358
乙です。机くっつけたり、写真突っついたりしてる竜児が本当寂しそう。
自らおぱんつを提供してくださる大河様はただ者じゃない!
続き楽しみにしています。

>>360
SSスレでは数ヶ月くらい間が空いてしまうことも結構ありますし、気にしなくても大丈夫だと思います。
とらドラ!, againの続き期待しています。

>>365
勝手に不機嫌になって勝手に機嫌直してる大河かわいいヨ大河w

368 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/24(月) 02:09:53 ID:pp0X0Mer0
おっと週末の大投下があったのか
おつです

369 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/24(月) 09:19:44 ID:Mtw1cOdS0
>>365
GJ!
体験談と各キャラへの繋げ方、大河のぼやきが秀逸だわw
オチの大河もカワイイ
やっぱ、このスレやめられねー

370 :323:2010/05/24(月) 23:21:23 ID:a3gs/WRI0
>>344
ありがとうございますっっ!!もっとっ!もっと罵って下さいっっ!(ウソデスヨ)
SS書いてもらえるとは。哀れ脳がひり出した妄想さらしてみた甲斐があった。

指圧でアザ作るのかwキスマークよりらしくて感心した。
結婚一週間前なんて楽しくてしょうがない時期だろうなあ…大変GJでございました。

週末は投下多めだったようで。コメが追っ付かない。

371 :とらドラ!で三題噺 ◆Eby4Hm2ero :2010/05/25(火) 08:57:02 ID:mhALdG8r0
お題 「実乃梨」「そっち」「マイク」



 ファミレスでチン!と軽く打ち合わされる大河と実乃梨のグラス。
「みのりん新キャプテン就任おめでとー!」
「おーう、ありがとうだぜ大河ー!正式にはもうちょっと先だけどなー!」
「だけど、一年生でなんて流石はみのりんよね〜」
「鍛えてますから(キリッ!)」
「やっぱり将来はプロ選手とか?」
「あいや大河、ソフトにプロリーグは無いのだよ」
「へー、そうなんだ」
「だからまあ、順当に行けば体育大学経由で実業団かな」
「それじゃあさ、ほら……オリンピック!みのりんなら行けるよね!」
「おうさ!大河に金メダルをプレゼントしてやるぜ!」
「わ〜い!」
「ところでさ、そっちはどうなわけ?」
「え?私?」
「そう、大河の将来の夢とかさ」
「ん〜……特に無い。別にやりたいこととかも無いし」
「ありゃま、そうなんだ」
「というか、正直自分の将来ってあまり想像出来ないかも……」
「う〜ん……確かに大河に普通のOLってのはあんまり似合わない……か? そうだ、せっかく可愛いんだしアイドルとかは?」
「私、歌とかあんまり上手くないし……」
「いやいや、大河ならマイク持ってにっこり笑ってるだけでいけるって!」
「……それ、なんか馬鹿っぽくない?」
「そうかな〜?……そうかも。じゃあさ、女の子の憧れの定番、お嫁さんとか」
「そそっ、それは……考えたことない、わけじゃないけど……」
「おおっ?想定されるお相手は誰だね?」
「べ、別に誰とかじゃなくて、その、なんとなく漠然とよ」
「そうかい?あ〜やしいなぁ〜」
「もう、みのりんってば!」
「ははっ、ごめんごめん。あ、でも大河ってば料理出来ないよね。片付けとか家事も苦手だし、主婦ってのも向いてないんじゃないか?」
「そういうのはお手伝いさんに頼んでやってもらうからいいもん」
「くぅ〜っ、このセレブめブルジョアめ!メイド萌えめ! だけど旦那の稼ぎが悪かったらどうするのさ?」
「う〜ん、それは……」
「あ、そうか、お婿さんが料理洗濯掃除が得意で、ついでに大河のわがままを聞いてくれる優しい人だったらいいんだ」
「……そんな人、居ると思う?」
「……ん〜、難しいかもね。逆に居たらその人が運命の相手ってことかな?」
「まあ、まだ高校一年生なんだし、私達の未来には無限の可能性が広がってるのよ」
「お、綺麗に纏めたねぇ」
「それよりみのりん、お料理冷めちゃう前に食べましょ。今日はもうお祝いにぜ〜んぶ奢っちゃうから」
「おうよ、そいじゃ遠慮なくゴチになります!本日只今だけはダイエット戦士も返上だ!食うぜ〜超食うぜ〜」

372 :kQHO++7b0:2010/05/25(火) 16:09:11 ID:sUITLSV30
定期的な投下お疲れ様です。本当に頭が上がりません
この1年弱後に実乃梨が話したような人、すなはち竜児に出会うんですね。

373 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/25(火) 18:53:32 ID:5dvOK+sf0
>>371
あと、半年後ぐらい・・・ かな? その人が現れるのは
みのりん、1年からキャプテンはんぱねぇ、さすが機能性重視w

374 : ◆/7jUdUKiSM :2010/05/25(火) 19:48:20 ID:4QtcdDs80
ほほう

375 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/26(水) 15:34:41 ID:2SQgsPcd0
>>365
GJ!セックスアポールはタイプミスなのか、大河の言いまつがいなのかどっちだww

>>371
GJ!一年生の大河は、みのりんと居る時は、こんなかんじで楽しく過ごせてたのかな〜

376 : ◆VW.RtTKf1E :2010/05/27(木) 01:24:09 ID:CMXmRW0l0
大変なご無沙汰となりましたが、先日言ったように「とらドラ!, again」の続きを投下します。
「いきなり山場っぽいけど、何がなんだか訳わからん」という方、すいません。

素敵なまとめ人様のまとめサイト、
ttp://tigerxdragon.web.fc2.com/index/Author_VW.RtTKf1E.html

をご覧下さいと言いたいところですが、なにせだらだらと長くて、シリアスっぽいので、
適当にスルー下さい。

では、次レスより、4レス投下します。
ttp://tigerxdragon.web.fc2.com/index/SS11/578j.html
の続きとなります。


377 :とらドラ!, again ◆VW.RtTKf1E :2010/05/27(木) 01:28:15 ID:CMXmRW0l0

1月下旬。日曜日 13:20
ロケバスのスモークガラスに軽くもたれかかりながら、亜美はケータイの画面に目を落とした。
本番の時間まであと30分以上ある。今はスタッフが機材の最終チェックを行っており、亜美は、
本番の直前までここで待機している以外にやることは無くなっていた。

もう一度、ケータイの画面に目を落とした時、それが小刻みに震えているのに気がついた。
「震えてる… 怖いの? この私が…?」

意外そうに呟きながら、頭の中ではわかっていた。そう、怖いのだ。
今までの映画の海外ロケでスラム街にも行ったし、危ないシーンをスタント無しで撮ったこともある。
しかしいずれも「仕事」であり、入念な準備を行なってのことだった。

しかし、今回は違う。
自分の思いつきで始まったことが、どんな結果を引き起こすのか、誰も予測がつかない。
自分1人だけじゃない。映画に関わる多くの人達、事務所、仲間、そして親にも迷惑が掛かるかも
しれない。その重さを考えると、震えるのも無理はないと思う。今すぐ逃げ出してしまいたい
という感情が心の隅に横たわっている。

しかし… 亜美は2人の顔を思い浮かべる。1人は数百m先に、もう1人は500km以上離れたところで
スタンバイしている。その2人のことを思うと、逃げ出すという選択肢は端から無いことを知っていた。
また能登が手配したものは既に準備済みであり、もう引き返せない状態だ。

「今さら後戻りなんて、あるわけねーし… それにこれは2人のためじゃない…」

亜美は何よりも自分のためだと知っている。大河の母親に指摘されたように、自己満足に過ぎない。
でも、その自己満足は自分の存在そのものと同義なぐらい、重い。


男なんかまるで興味のなかった自分が、高校2年の時、何故あれほど、高須竜児に惹かれたのか……
先日、大河の母親の家で、竜児の話を聞きながら、亜美はその答えが分かったような気がした。

亜美と竜児、2人は似ているのだ。

竜児に言ったら「容姿、家庭環境共に全く逆な2人のどこが似てるんだよ!」と喝破されそうだが、
その2つこそが自分と竜児と奇妙な相似形を描く起点となるのだ。

人に持てはやされる容姿であるが故に、仮面を被り、いい子を演じた自分。
人から誤解を受ける顔だったが故に、必要以上に良い子でいなければならなかった竜児。
親が華やかな世界で活躍すればするほど、ひとりぼっちになっていった自分。
母親以外に身寄りがなく、いつもひとりぼっちの恐怖を感じていた竜児。
アプローチは異なるものの、身につけたものは共通している点が多かった。

亜美は、ふと自分の生い立ちを思い浮かべる。


378 :とらドラ!, again ◆VW.RtTKf1E :2010/05/27(木) 01:33:51 ID:CMXmRW0l0

* * * * *

大学の劇団で主演女優だった母と、劇団の主宰で演出家だった父は早くに結婚した。
有り体に言うと、母が大学4年の時に自分を妊娠した、いわゆるできちゃった結婚だった。
父の家は元々資産家で、美人だがどこの馬の骨とも分からない女と一緒になることに猛反対した。
有名TV局への就職が決まっていた息子には、いずれどこか良家の娘との縁談を、と思っていた親の
思惑を振り切って、父は家を飛び出し、伯父夫婦を頼って、母と共に大橋にやってきた。

父は仕事が忙しく、余り家にはいなかったけれど、たまの休日には、家族で1日中公園で過ごし、
森の奥で母が芝居の1シーンを演じるのを目の当たりにしたり、父と母が演劇論を戦わせるのを
眺めていたり、慎ましいながらも楽しく暮らしていた。

最初は育児に専念していた母親は芝居への気持ちが抑えきれず、自分が幼稚園の年中になる頃には
父の口利きもあったのか、ドラマの通行人役などでテレビの仕事を始めた。
サスペンスドラマの撮影現場でのアクシデントで、その他大勢から殺され役を急遽演じることに
なった母は制作陣の目に止まり、徐々に出番の多い役へと抜擢されていった。

小学校に入ると学童保育で過ごす時間が増える。
学童で女子をいじめる悪ガキをぶちのめそうとした時、間に割って入ったのは、同じく両親が
働いていて、その頃から委員長気質の北村祐作だった。なかなか親が帰ってこない亜美の家庭状況を
見かねて、北村家で食事の世話になることもしばしばだった。

小学校高学年になると、都心の大きなマンションに引越し、大橋を離れる。
母は準主役となるTVシリーズが始まり、父もドラマ制作のディレクターとなり、ますます家に
帰って来なくなった。

高級マンションの広い一室で、お手伝いさんがつくった食事を1人で食べる日が増えていく。
中学は私立を受験させられたが、親への反抗から答案をわざと間違えて、不合格になった。
中1の時、ティーン誌の読者モデルに親に内緒で応募したのも、そんな寂しさを紛らわせ、両親がいる
世界に近づきたいという気持ちの表われだったのだろうか。

周囲の反対を押し切って飛び込んだモデルの世界はシビアだった。特に川嶋安奈の娘と週刊誌に
すっぱ抜かれてからの、モデル同士の影での嫌がらせは凄惨を極めた。中学校は出席日数ギリギリで
卒業し、そのあと進んだ芸能系の高校もクラスメート同士がライバルでとても友達を作る雰囲気では
無かった。

そして、いい子の仮面を被る。特にスタッフに対してはいい子に徹した。
他の子が撮影が長引いて文句を言い出すところを、自分はスタッフに飲み物を差し出すなど、思いつく
限りの気配りをやった。親の肩書き効果も加わって、評判はたちまち上昇し、メインモデルの座を
獲得するのは容易かった。勿論、容姿や知識を磨く努力も決して怠らない。
そして、仕事に無関係なところでは、溜まったどす黒いものを吐き出す、腹黒亜美ちゃんの登場だ。

そんな日々が続いていた高校2年の春、あのストーカー騒ぎが起こったのだった。

竜児が自分の本性を知ったのは祐作の差し金だったという話を後で誰かから聞いたが、そんなことが
無くても、竜児はいつか自分の本性に気づいたと思う。そして「なぁお前、疲れねぇか」と声を掛けて
きただろう。竜児の言葉には、単なる嫌味や冷やかしではない、素顔を見せられない者だけが分かる
問い掛けがあった。

私に興味なんて無い癖におせっかいな奴…
本当に困っている人がいると、手を差し伸べずにはいられないんだから。
そんな所も私達は似ているけど…

竜児が時折語りかけてくる言葉が深く心に刺さり、気がつくとその姿を目で追っていた。飾らないまま
でいたら、自分の気持ちに気づいてくれるかもと思った。その願いは届かなかったけれど、いつかしら
仮面を被っていることが馬鹿らしくなり、自分本来の姿をさらけ出そうと思えたのは、竜児のおかげだ。


379 :とらドラ!, again ◆VW.RtTKf1E :2010/05/27(木) 01:37:50 ID:CMXmRW0l0


そして大河。
本性を露わにしても、2-Cの中で浮かずにいられたのは、大河の存在に依るところが大きい。
クラスメイトにとってみれば、大河の暴虐っぷりに比べると、自分の腹黒さは可愛いものだったのだろう。
麻耶と奈々子も、最初は全て「タイガーのせい」で理解し、やがて「怒った亜美ちゃんも可愛い」とか
「姉御みたいな啖呵が似合うよね、そのキャラでいきなよ!」と戸惑いもなく受け入れてくれた。

いつの間にか、2-Cではありのままの姿でいることができた。タイガーを救ってやんなきゃ、と行事にも
積極的に参加した結果、クラスを引っ張ることになるなんて、転入当時は夢にも思わなかった。
奈々子と麻耶という親友も、実乃梨という頬を張り飛ばしあえる強敵(とも)も得られた。

そして、生まれて初めて、別け隔てなく付き合ってくれる「仲間」という輪の中に自分がいることに気づく。
竜児と大河を囲む人達を、このささやかな世界を大切にしたいと、今も、ずっと、心の底から願っている。

だから、自分を変えるきっかけをくれた、あの2人には幸せでいてもらわないと困る。
自分の居場所を確認し、前に進み続けるために、あの2人には暑苦しいぐらい愛し合っていて欲しいのだ。
その気持ちは、びしょ濡れになった2人を家に迎えた、あのバレンタインデーからずっと変わらない。
たとえ自分の初恋が実らなかったとしても、そうあっていて欲しい。

「あんたたちがちゃんと落ち着いてくんなきゃ、仕事に身が入らないっつーの…」

* * * * *

「おいっ、川嶋!」
突然の呼び掛けに顔をあげると、目の前に監督が立っていた。

「なに惚けてんだ? いよいよ本番だぞ。最後にもう一度だけ聞く。後悔はしないな?」
「するわけないじゃないですか。監督こそ映画がぶっとんでも知りませんよ?」
「別に。金出してるわけじゃねぇし、ギャラはあらかたもらってるし、あとは面白くなりゃいいんだよ」
「ったく、この人は…」

ロケバスを降りながら、亜美は先日の両親に計画を打ち明けた時のことが頭をかすめた。
話を終えた後の、両親の言葉は思いもよらないものだった。

「お前が何か企んでいるのは気づいていた。でも、お前は自分で考えて、自分の力で周りの人達を
動かしている。誰がそれに反対すると思う? 自分で決めたことをしっかりとやりなさい」
「あなたが得たものが本当にかけがえの無いものなら、全力で守りなさい。私達のことは気にせず、
最後までやり遂げるのよ」
「でもパパとママにも迷惑が掛かるかもしれないのよ…」
「なに言ってんのよ。私達こそ、大橋高校でだんだん変わっていくあなたの姿が本当に嬉しかったのよ… 
それに、子が親の心配するなんて、50年早いわ」
「パパ、ママ…… 有難う…… でもねぇママ、一体いくつまで生きるつもり…?」

ロケバスのステップの最後の一段をトンと跳ねて、地面に降り立つと、両手で軽く頬をパンと叩いた。
「さぁて、亜美ちゃん。気合入れていくよ!」


380 :とらドラ!, again ◆VW.RtTKf1E :2010/05/27(木) 01:40:48 ID:CMXmRW0l0

* * * * *

日曜日 13:50過ぎ
竜児は、大河の実家の前に立っていた。
ここに立つのは、春田の家で大河が送った荷物を見つけて以来、数年ぶりになる。

予定どおりの時間に門の前に立ち、呼び鈴を押そうとした瞬間、玄関のドアが乱暴に開いた。
視線を向けると、大河の今の父親が、戸惑いと怒りがいり混じったような表情でこちらを見ている。

「…昨日、大河ちゃんから“大事な人が訪ねていくから”とメールが来たが、まさか…君が来るとはね」
「突然、押しかけてすいません」
「家の前で突っ立っていられても困るし、ここで押し問答するのもなんだから、入りたまえ」
「はい。有難うございます・・・」

招かれるまま、竜児は玄関前の石段をあがると、扉の上に動作中の監視カメラが視界に入った。
呼び鈴を押す前に扉が開いた理由はこれだろう。

「安心したまえ。盗聴の恐れはない」
カメラを見上げている竜児に、視線でスリッパを勧めながら、大河の父親は冷ややかに言った。

「どうして、それを?」
脱いだ靴を揃えて、リビングへと進みながら、竜児は問いかけた。
理由は聞かずとも分かっていたが、話のきっかけにはちょうどいいだろう。

大河の父親はさっとこちらに向き直り、堰を切ったように語りはじめた。
「大河ちゃんからのメールに書いてあった。どうして大河ちゃんが盗聴の心配なんかするんだ? 
君が此処に来るということは、大河ちゃんに会ったのだろう? 妻は? 息子は? 会ったのか? 
皆、どこにいる? どうしている? 元気なのか?」

矢継ぎ早の言葉に、大河の父親の動揺が手に取るように見えた。
家族の行方を案じるこの表情が心の底からのものであれば、これから話すことを理解してくれるはずだ…

「まず俺は、いや私は3人に会いました。3人とも無事で、元気でいます。そしてあなたに迷惑を
掛けていることを詫びていました」
「詫びなんていい! どうやって暮らしている? まだ変な連中や警察に目をつけられているのか?」
「落ち着いて下さい。大河のお父さん…」
そう言うと竜児は左手に握ったケータイのサブディスプレイで時間を確認する。

「いきなり、変なお願いですいませんが、テレビを点けていいですか?」
「何? 君はテレビを見るためにウチに来たのか?」
「一緒に見てもらいたいものがあるんです。お願いします」

軽く頭を下げ、訝しげな表情を見せる大河の父親からテレビのリモコンを受け取ると、リビングルームに
据えられた、大画面のテレビの電源を入れ、チャンネルを選ぶ。
14:00ちょうどになったその瞬間、にぎやかな音と共に、亜美の顔が画面に大きく浮かび上った。

「この子は… 女優の?」
「はい、そして俺達の仲間で、大河の親友の1人、川嶋亜美です…」


381 : ◆VW.RtTKf1E :2010/05/27(木) 01:43:24 ID:CMXmRW0l0

今回はここまでです。
山場のプロローグ、さわり的に、やや短めとなりました(これでも)
あーみんの父親の職業はオリジナルの設定です。前にスレで質問した時、回答くださった方、
有難うございました。他、おかしなところあったら、スイマセン…

次は怒涛の大展開です! って、ずっとそう言ってる気がするなぁ orz

大まかなところはできているので、次はそれほど間をあけずに投下します、と言いたいところですが、
ちっとも信用なりませんね…

でも絶対最後まで行く!!



382 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/27(木) 02:41:16 ID:nk+iR/pf0
>>376-381
乙&GJ!
さあ盛り上がってまいりました!
期待するぜ〜超期待するぜ〜

383 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/27(木) 03:41:08 ID:NoBe0bQ90
>>381乙です。大橋に来る前の亜美の描写が違和感なくて良かった。
竜虎の二人、亜美、その他の登場人物の行く末が気になります。
続き楽しみです。


384 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/27(木) 23:44:50 ID:fRVustY/0
>>381
GJでした!
亜美の願い、わかるしいいなぁ
冴えた描写にぐんぐん引き込まれる。確かに両親は嬉しかっただろうな…
絶対最後までついていきます!!

385 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/28(金) 19:37:01 ID:MR1KSRPi0
あーみんイイね!

386 :とらドラ!で三題噺 ◆Eby4Hm2ero :2010/05/29(土) 07:01:08 ID:nB7O5TT00
お題 「反り返る」「行方不明」「面倒」



「ん〜……」
 目覚めた大河は反り返るように伸びをして、まだ少しぼ〜っとしたまま布団の中を手探りして。
「……あれ?」
 寝る前には確かにあったはずのものが、そこに無い。
 布団をめくってみても、ベッドの横を見ても、枕の下にも。
 部屋をぐるりと見まわすが、竜児によってきちんと整頓された部屋にはモノが行方不明になるような余地は無く。
「う〜ん……?」
 首をひねりながら裸足でぺたぺたとリビングへ行けば、竜児がアイランドキッチンで何やら調理中。
「おう、起きたか大河」
「あれ?今日朝ご飯こっち?」
「おう、泰子が帰ってきたのが明け方だったみたいでな、起こしたくねえから。たまにはいいだろ?」
「メニューは?」
「トースト、サラダ、ベーコンエッグだ。バターとジャム、どっちがいい?」
「バター。あと飲み物は牛乳で」
「おう、了解した。もうちょっとでできるから、顔洗ってこいよ」
「ん。ところで竜児」
「おう?」
「あれが無いんだけど」
「おうっ!?」
 竜児はなぜか頓狂な声をあげ、頬を赤らめて。
「そ、それを何で俺に言うんだ?」
「あんた以外の誰に言うってのよ」
「お、おう……そこまで信頼されてるってのはまあ、嬉しいが……そういうことは泰子にでも聞いてみねえと……」
「は? なんでやっちゃんなのよ」
「おう、そうだな、それだと学校から帰ってきてからになっちまうか……それなら、やっぱり病院に行くのがいいんじゃねえかな」
「……竜児?」
「保険証はあるよな?一緒について行ってやりたいけど、場所が場所だけにあらぬ誤解をされそうだしなあ……途中まででもいいか?近くで待ってて、終わったら電話くれれば迎えに行くから」
「ちょっとあんた、何の話をしてるのよ!」
「いや、だって……無いんだろ?」
「そうよ。だけどそれが何でやっちゃんとか病院とかわけわかんない話になるのよ」
「えっと、その……無いってのはいつからだ?」
「今朝、今さっきよ。昨日の夜寝る時はあったんだから、そうなるとあんた以外に考えられないじゃない」
「……すまねえ、ちょっと確認したいんだが、何が無いんだ?」
「ぬいぐるみ!どこにやったか聞いてるのよ!」
「……ああ、それなら涎がべったりになってたから洗濯機の中で……ってなんだそうか、ぬいぐるみのことか、はは、よかった」
「何だと思ったのよ」
「あ、いや、大した事じゃねえよ、うん」
「あんたの態度からはとてもそうは思えないんだけど」
「あー、その、説明するのちょっと面倒だし、時間無くなっちまうから。まあ、気にするなって」
「さっき大した事じゃないって言ったじゃない。いいから話しなさいよ」
「それよりさ、ほら顔洗って飯食って、急がないと櫛枝待たせちまう」
「は・な・し・な・さ・い」


「みのりん、おはよう」
「お〜う、おっはようだぜ大河ー!高須くんもってうぇぇぇい!?」
「お、おう、おはよう櫛枝」
「どうしたのさ、その目の回り……うっわー、すげえ痣、痛そー」
「いやその、ちょっとぶつけちまってな……」
「自業自得よ」
「あれ?大河もちょっと不機嫌?何で?」

387 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/29(土) 13:27:48 ID:8S4Owg3t0
ナチュラルに心当たりがある竜児ワロスwww

っていうかソフトバンク全部規制?
ここを見始めてから初だったのでビックリ。

388 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/29(土) 19:32:26 ID:7/hUwshN0
>>386
クソワロタwwwww

389 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/29(土) 21:21:00 ID:6MPwV+uc0
>>386
つきあう前にも見えるが、だとしたら、
竜児・・・・ バカすぎる!


390 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/29(土) 23:07:17 ID:Gl6LIbfT0

大河のヨダレが付いたぬいぐるみ欲s…いやなんでもない

391 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/29(土) 23:08:43 ID:Gl6LIbfT0
あおう失礼

392 : ◆/7jUdUKiSM :2010/05/30(日) 00:49:35 ID:Q4z2v/sS0
ギシアン?

393 :kQHO++7b0:2010/05/30(日) 10:21:46 ID:eUWFa6jy0
そして付き合ってから数年後
「あれがないんだけど。」
「ああ、ぬいぐるみなら洗濯し…ゴフッ。」
「ちが〜う」みたいな事がありそうだ。

394 : ◆fDszcniTtk :2010/05/31(月) 07:30:48 ID:oepnwmds0
>>386
ナイス。
途中で笑ってしまった。竜児は大河が北村以外の誰と関係を持ったと思ったんだろうか。

395 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/31(月) 07:31:37 ID:oepnwmds0
そしてトリップの消し忘れに気づいた orz

396 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/31(月) 18:50:13 ID:lS487bs/0
「竜児、あれがくるんだけど」
「おう、そうか。もうちょっと頑張るか」

ギシギシアンアン


反省は(ry

397 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/31(月) 21:23:58 ID:OZJS7R9V0
いや、竜児は体調不良だと思ったんだろうw
面白かった!GJ!

398 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/05/31(月) 21:27:56 ID:GaEWQyi10
>>393
なかなかいい進化系w

>>395
どんまいっす!

399 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/01(火) 01:15:43 ID:ZEPcXXgu0
とらドラ! 逢坂大河 (1/10 PVC塗装済み完成品)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B003OIBDH4/


400 :お買い物 ◆fDszcniTtk :2010/06/01(火) 06:45:52 ID:4zoMsTFz0
「じゃぁ、あとはこれで自分がほしいものを探して表示通りにすれば家に届くんだな」
「そ。私のカードだけどあんたの家にも配達できるようにしといたから。好きなときに使えばいいわ」
「すまねぇ。念押しするけど、代引きにできるんだよな」
「しつこいわね。さっきどうすればいいか見せたじゃない」
「まぁ、そうだけどよ」
「どうせあんたのことだから、大金はたいて何か買うって訳じゃないんでしょ。
あんたのミミズの糞の程度の買い物、私のカードから引き落としたっていいんだから」
「馬鹿野郎、そんな訳にいくか」
「はいはいわかりましたわかりました。じゃぁ、私はお昼寝するから。掃除と洗濯やっといてよね。
あと起きたらすぐに暖かいミルクを飲ませなさい」
「ああ、そのくらいやっとくよ。教えてもらったお礼だ」
「まったく、何がほしいのかしら」

あくびをかみ殺しながら寝室に向かう大河がドアの向こうに消えるのを待って、竜児は
ぎらりと日本刀のように光る視線をAmazon.comに戻した。これでこっそり買い物ができる。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B003OIBDH4/

アカウントに買い物履歴が残ることなど、コンピュータを持っていない竜児は知るよしも無かった。


401 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/01(火) 12:30:59 ID:bxB0PVbD0
www
つか大河コレクションしてるfDszcniTtk氏のSS読んで以来、大河フィギュアとか見ると
竜児が欲しがりそうだと連想してしまう
末期だな・・・

402 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/01(火) 16:24:57 ID:ZbKcVZIG0
(恐れ多いが、勝手に >>400 続き)

− 数時間後 −

「あ、あんたねぇ、他人のパソコンで、んな、何買ってんのよ! し、しかも、み、水着ですってぇ・・・」
「お、おぅ、なんでバレちまったんだ?」
「ほら、目ぇかっぽじって、良く見なさいよ! このエロ野郎!」
「って、画面ちけぇよ、見えねぇ… って、何だよ! なんで買ったモノの記録が残ってんだよ??」
「あんたさぁ・・・」
「こ、これはだな、大河・・・」
「人形で、いいの?」
「おぅ…?」

あとは、分かるな…

403 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/01(火) 22:45:13 ID:gwhbh91w0
>>400
竜児www
本物が手元にいるのにw

>>402
ですよねー

404 : ◆/7jUdUKiSM :2010/06/01(火) 22:56:26 ID:QMXTCwt10
そのまま大河に水着を着せてギシアンか

405 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 00:47:46 ID:jqmmQ3cl0
彼女に水着を着せてのギシアンか、あれはいいものだ…全部脱がせるのは邪道

406 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 00:51:05 ID:GlVl92XA0
水着の中に手を突っ込んで胸を揉むようなプレイは経験済みだしな

407 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 03:01:20 ID:wkUeD+PI0
大事な部分だけ三箇所穴を切って穴を開けて励む竜虎なのであった

408 :とらドラ!で三題噺 ◆Eby4Hm2ero :2010/06/02(水) 03:18:13 ID:kZW3Lq670
お題 「音」「病院」「もらわない」



 電子体温計の表示は36.3℃。
 ほっとした表情で寝室を出た大河の耳に響くのは、リズミカルな包丁の音。
「竜児、おはよ」
「おう、起きたか大河」
 調理の手を止めて振り返った竜児は少し心配そうな顔で。
「熱はどうだ?」
「ん、もう大丈夫。病院の薬が効いたみたい」
「そうか、よかった」
「ねえ竜児」
「おう?」
 大河はとてとてと竜児の目の前に歩み寄り、目を閉じて顎を突き出して。
「おはようのちゅー」
「……駄目だ。いつも言ってるじゃねえか、顔洗ってからだって」
「ぶー、竜児のケチ」
「キスした直後に歯を磨かれるのがなんか嫌なんだよ。あと汗かいてるだろ、ついでに着替えてこい」
「あ、ひょっとして匂いでちょっと興奮しちゃったとか?」
「朝っぱらから馬鹿言ってるんじゃねえ」

「今日一日はおとなしく寝てろよ。熱下がった直後はまだ体が消耗してるんだから」
「わかってるってば」
「昼飯は弁当作ってあるから」
「そうだ竜児、さっきお弁当3つ作ってなかった?」
「おう、ゼミの後輩が金欠で飯抜いてたんでな、代金はバイトの給料入ってからってことで作ってやることにしたんだよ。ま、ちょっとした小遣い稼ぎだな」
「へー、いくら?」
「一回三百円だ」
「安っ!安すぎるわよ!竜児のお弁当なら少なくとも五百円、ううん、千円はもらわないと!」
「貧乏学生相手に無茶言ってるんじゃねえ。それにだな、ここだけの話、大河用のと比べて愛情分グレードダウンしてるし」
「んー、それならまあ……」
「それじゃ大河」
「ん」
 竜児はいつものように、目を閉じた大河に『いってきます』のキスを。
 それから少し考えて、もう一度優しくキス。
「……なんで二回?」
 頬を染めた大河に、竜児はニヤリと笑って。
「おう、今のは『おやすみ』のキスだ。大河が安心して寝てられるようにな」


409 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 14:39:11 ID:ge5Onusy0
>>399
大河あああぁあぁああ!!可っっ愛いいいぃぃいいぃぃぃ!!!
画像で見る限り、今まで見たフィギュアの中では一番アニメ版の顔に近いかも
>>400GJ
おまえが買ってどーするwww
ペロペロすんの?スリスリすんの?そんなの本人にやればいいのにぃ
>>408GJ
アマーーーイ!きっと二回じゃ足りないな
竜児の弁当食いたいマジ食いたい

410 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 19:25:53 ID:slveodF60
>>405
はいはいエロゲエロゲ

411 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/02(水) 20:42:18 ID:OYoqlthF0
>>407
そして竜児が完璧に補修するわけですね

>>408
乙!
このバカップルはほんとにwww
ニヤケ面が収まらないwww

412 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/03(木) 14:08:14 ID:CUuVaeNY0
>>408
すばらしい甘々っぷりw
やっぱ竜虎はこうでないと!

413 :本当にしたいこと ◆fDszcniTtk :2010/06/04(金) 00:04:50 ID:QJM8pX+20
>>402

「『おう』じゃないわよ」
「いや、お前なに赤くなってんだ?」
「あ、あ、あ、赤くなんてなってないんだから」

そう言って首を振る大河は、首から上が絵の具でも塗りたくったように
赤くなっている。触れればやけどをするような赤だった。

「いや、お前。リンゴみたいに真っ赤だぞ」
「うるさい!このエロ竜児!私赤くなんかなってない!なってない!」

半ばパニックになった大河は、おそらくは本能だろう。後ろではなく前に
逃げた。棒立ちの竜児の胸をポカポカ叩く。並みの女の子なら甘叩きと呼ばれる
シーンだが、手乗りタイガーのそれは甘くなんかない。止まった心臓を黄泉の世界から
呼び戻すような勢いである。

「あー、わかったわかったよ!叩くな叩くな!痛いって。何そんなに怒ってるんだよ」
「怒ってんか、私、怒ってんなんかないわよ」
「いや、怒ってる。怒ってるんだな、大河。すまねぇ。俺、確かにお前が言うように
鈍感犬かもしれねぇ。だって、お前の気持ち、考えてなくて」

思い余った竜児が大河の腕をつかむ。折れそうな細さに竜児は息をのむが、それでも
意を決したように手に力を込めて大河の星を散らしたような瞳を覗き込む。

「ちょ、ちょっと。竜児、手を放しなさいよ」
「待てって、落ち着けって」
「落ち着けって何よ。手を放して」
「いいや、放さねぇ」
「お願い、放して。あんなこと言ったけど、竜児、私やっぱり」
「大河!聞け!聞いてくれ!」
「やだ、聞きたくない!聞きたくない!」
「お前の気持ち、わかってやれてなくてすまん。俺が無神経だった。だけど、
だけど大河、俺もう我慢できないんだよ。わかってくれよ」
「やだやだ、やめて!それ以上言わないで!」
「大河!頼むから聞けっ!聞いてくれよ!大河っ!」
「やだ、やだーっ、竜児!やめて」
「大河ーっ!」

二人の押し問答は、どんどんトーンが高まっていく。がらんとした広いリビング
ルームの中央で、ほとんど叩きつけるように竜児と大河は大きな声を出し合う。
そうしながら、大河の顔はせっぱつまった表情で目を見開き、ほとんどなかんばかりに
瞳を潤ませているのだ。

「お願い竜児、放して!」
「大河っー、頼むっ!俺にっ、あの人形のパッドを作らせてくヘグゥォッ!」

フトモモに音速のひざ蹴りを食らった竜児は、10分ほど床で悶絶していたという。

414 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 00:22:09 ID:vvHqEDCI0
ギシアンの予感

415 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 00:30:46 ID:JGSO3x7V0

>止まった心臓を黄泉の世界から呼び戻すような勢い
テラワロスwww

416 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 00:34:43 ID:v/UntFsm0
>>413
激笑wwwww   そうきたか!
竜児、万死に値するな、 ってもう死んでる?

うちのお団子頭の水着フィギュア(とらPの特典)にも是非パッドを… おや? 誰か来たようだ…

417 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 02:35:16 ID:BXw+bdUc0
                        ______
                        \        \
     _, -、                  |,.\        \
.  〃´ ^⌒ヽ               /   \        \
.  i{ /{八人}i              /    ,. i \_______\
  八ハ#゚ 、゚ノハ  パンパン      |    /.| |\||_______||~
  ノノ ノ)iてと八    ..         | .|   | | |  ||          ||
 ( (く/_j」〉ノ )   .  _./⌒..───' | / | | .||          ||
     (_ハ_)     ..  __/⌒ 二二ニニ ノ  U ||        ||

418 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/04(金) 02:36:54 ID:BXw+bdUc0
ずれてるしorz

419 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 13:55:57 ID:jFg9Ro/QO
お団子頭の大河かわいいよね

420 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/05(土) 20:38:53 ID:7F+TLsr90
大河は髪型のバリエーション多いな
ミスコンの時のストレートが好きだ美少女感が増す


421 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 02:29:58 ID:sDhfo5Qj0
大河のストレートは天使

422 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 03:37:33 ID:PsY4OqAEO
このスレまだあったんだ

423 :とらドラ!で三題噺 ◆Eby4Hm2ero :2010/06/06(日) 05:31:41 ID:7hYUqkhU0
お題 「足」「糸」「靴」



「おう、糸くずが」
 そう言って玄関で屈み込んだ竜児が、ふと動きを止める。
「竜児、どうしたの?」
「いや、大河の靴がな」
「やだ、あんたまさか靴フェチ?臭い嗅ぐぐらいなら許してあげるけど、舐めたりするのは勘弁してよね」
「そうじゃねえよ!並んでるの改めて見るとちっちゃいなーって思っただけだよ!」
「あら、そう?」
 とてとてと竜児の横にやってくる大河。
「確かに比べると竜児の靴ってでっかいわね。『馬鹿の大足』っていうんだっけ?」
「知ってるか?その後『間抜けの小足』って続くんだぞ」
「ねえ竜児、手出して」
「おう、スルーかよ……ほれ」
 差し出された竜児の掌に、大河は自分のそれを合わせる。
「手も大きいわねー。これでチマチマした細かい作業が得意ってのは何なのかしら」
「そりゃお前、技術と経験ってやつだ」
「ふーん……そうだ竜児、ちょっとこっち来て」
「おう?」
「ここ座って」
「おう」
 促されるままに竜児が卓袱台の横にあぐらをかくと、大河はその組んだ脚の上にぽすんと尻を落として。
「おうっ!?」
「おー、思った通りちょうどいいサイズ」
 大河が竜児の体に背を預けると、その旋毛がちょうど竜児の目の前に。
「おい、大河?」
「前々から座椅子があったらいいと思ってたのよね。は〜らくちんらくちん」
「お前なあ……人を家具扱いかよ」
「何よ、恋人の役に立ってるってのに何か不満?」
「不満っていうかな……そうだ大河、ちょっといいか?」
「ん?」
 座ったまま振り返り見上げる大河に、竜児は覆い被さるようにキス。
「おう、こりゃ確かにちょうどいいな」
「……ばか」
 真っ赤になった大河は、しかしそのまま竜児の胸板にもたれかかって。


424 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 06:36:56 ID:Nhzunz8U0
>>423
はー・・・ 朝からによによさせてくれちゃって! このお二人さんは!

425 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 15:11:56 ID:LP7oInsD0
>>413
GJ オチ裏切られたwギシアンじゃないんかい!
フィギュアのおっぱいまで哀れむとか竜児は慈悲深いのかなんなのかww

>>423
GJ 一話の最初のほうの並んだ靴の場面思い出してニヤニヤしたwあのカットはもの凄く印象的
竜児は一生大河の専用椅子だなw

426 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/06(日) 21:34:07 ID:NLaDK5Vz0
>>423
GJ!
竜児のおっきい手と大河のちっちゃい手は反則だよな…体格差萌え死ぬ
今後はますます密着度が高まるんだろうなw
ずっといちゃついてればいいよ!

427 :kQHO++7b0:2010/06/07(月) 20:23:43 ID:XrE9vjkF0
「尻に敷く」とはまさにこの事。もちろん付き合う前から尻に敷い…。おや?誰か来たようだ…

428 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/08(火) 07:29:00 ID:/BwM/Ijt0
ギ・・・ギシアンを!!!
もっとギシアンを!!

429 :kQHO++7b0:2010/06/08(火) 14:50:35 ID:GmMHNi4B0
ギシアンの方がメインの作者参上!作者は社団法人日本アイスクリーム協会の回し者です。

「竜児〜、暑い〜。」
「俺に言うなよ…。」
「あんたの凶眼なら太陽を縮み上がらせることもできるでしょ?」
「おい?大河?それはいくら俺の目が凶眼だからってそれは無理だ。」
「ぶ〜、エアコン入れてよ〜。」
「まだ6月だろうが!MOTTAINAI。」
「う〜…。」
さすがに暑さで弱ってる大河を見ると心が揺らぐ…、仕方ないあれを出すか…。
「そういや冷凍庫にアイスが入ってたから食うか?ちったあ暑さしのぎになるだろ。」
「うん。」

3分後

「あの〜、大河さん?」
「なによ?」
「その舐め方ははしたないからやめてくれ。」
「別にいいじゃない!もしかして発情しちゃったの?やっぱりエロ犬ね。」
といいつついやらしく舐める大河。なんというかそそります。
「仕方ねえだろ!お前かわいいんだし。もう無理だ〜。」
「え?ちょっと竜児〜!」
ギシギシアンアンギシギシアンアンギシギシアンアンギシギシアンアン

反省はしていない。


430 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/08(火) 23:01:18 ID:tWymYL8e0
「ねぇパパぁ?」
「……お前のパパじゃねえよ」
「でもあの子達のパパでしょ〜?」
「なんだ猫なで声なんか出して。気持ち悪いぞ」
「んふふ。あのねぇ……?」
「なに」
「そろそろ……そろそろ"次"が欲しいなぁ」
「……」
「ダメ?」
「そうだな。来年からみんな幼稚園だし、これ以上増えると相当大変なんじゃないか? 三つ子なんて只でさえ毎日目ェ回りそうなのに」
「平気よ! 私カラダだけは頑丈だもの。それに家族は多いほうが楽しいよきっと」
「そうは言ってもな。今のご時世じゃ三人も居れば十分多い方だと思うが」
「なにそれ。あんたまさかこれで打ち止めのつもり? 冗談は目つきだけにしなさいよね」
「おうっ! ひでぇ……傷ついた。もう勃ち直れない」
「……つまんないこと言ってると噛み千切るわよ。私はね、四十までにあと六人産みたいの。その為にはあんたの協力が必要不可欠なの」
「それ本気かよ。いくらなんでも多すぎるだろ。もう一人か二人くらいなら考えてやらなくもないけどな。そもそもなんで六人?」
「竜の子は九人って昔から決まっているのよ。知らないの?」
「知らねえよ、そんなの初耳だ。だからって俺達が九人も作らなきゃいけないってことはないだろ」
「あーもう! グダグダうるっさいったら! せっかく良い子モードで可愛くおねだりしてあげてたのに」
「良い子モードだったのは最初の方だけじゃねえか」
「本っっ当細かい男よあんたって。そんなんでよくいっぺんに三人も孕ませたわね」
「俺が細かいこととお前が三つ子孕んだことはなんの関係もないんじゃ」
「……」
「コラ、黙るなよ」
「ねぇパパぁ……お願いよぅ……赤ちゃん作ってぇ?」
「っ……!! 頼む、そんなに煽らないでくれ。堪んねえから。マジで」
「あらぁ? もう一押しかしら。今夜はあんたがうんと言うまで口説くことにするわ」
「勘弁してくれよ……どんな拷問だ」

431 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 00:42:34 ID:KrTXEJhO0
問題ない
続けろ

432 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/09(水) 22:52:52 ID:jEIELVuS0
規制解除キター

>>430
乙!
大河の志がすごいww
子どもだけで野球チームが組めるじゃないか!

433 :とらドラ!で三題噺 ◆Eby4Hm2ero :2010/06/10(木) 06:26:51 ID:EmCVe/mk0
お題 「新譜」「ちんまり」「似合わない」



 放課後、駅ビルのCDショップ。
「え〜っと、HTTの新譜……あったあった」
「竜児、それ……ガールズバンド?似合わないもの買ってるわね〜」
「ほっとけ。能登に勧められたんだけど、意外に良いんだぜ」
「ふ〜ん、よかったわね〜」
「……おい大河、なんで急に拗ねてるんだよ」
「別に拗ねてなんかいないわよ」
「だってお前……」
「うるさいわね。そんな拗ねる理由なんて無いじゃない」
「……おう、そうか」
「ところで竜児、参考までに聞きたいんだけど、その中ではどの子が好み?」
「おう? いや、そういう風に見た事ねえからなあ……」
「やっぱりドラムの子?」
「何でだよ。あえて言うなら……そうだな、ギターの子かな」
「真ん中の?」
「いや、サイドのちんまりした方」
「……何で?」
「聞かれてもな……まあ、雰囲気がちょっと猫っぽいから、とか……かな」
「ふ〜ん……竜児の好みってもっと元気一杯な感じだと思ってたんだけど」
「う〜ん、言われてみれば確かに前はそんな傾向あったかもしれねえけど……今は少し変わっちまったかな」
「どうして?」
「……それを言わせるか?」
「ん、いいや。ねえ竜児、せっかくだからお茶して帰らない?」
「おう、たまにはいいか」


434 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/10(木) 13:14:15 ID:z9gGXCCTO
GJ!

435 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/10(木) 13:22:05 ID:cLqZrYBKO
大河さいこう

436 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/10(木) 20:40:48 ID:Bqz4IhGn0
>>433
GJ!
あえて訊かない大河がいいな。竜児もわかってる感じで
大河、にこにこしてるんだろうなーw

437 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/10(木) 21:25:54 ID:v8SUKw670
>>433
いつも乙です!
大河、何気に詳しいなw でもって、気にしてるところがカワユイ!
竜児、好みが合うじゃないか! でも同じネコ科でも虎と猫では凶暴さがかなりちが・・・ 
おや? また誰か来たようだ・・・

438 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/10(木) 23:32:48 ID:Kzvjktwt0
大河はマゾらしいぞ

439 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/11(金) 00:23:11 ID:+A07ujIW0
                   _ _____
                 ´: : : : : : : : : : : : : : : `丶、
             /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 丶、
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              /.:.:.:.:.:/.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
          /::.::.::.:/::.::.::./.::.::.::.::.::.: {:.::.::.::.::..::.::.ヽ.::.::.::.::.::.::.::.:.
             {::.::.::..::.::.::.::/::.::.::.::.::.::.::.::|:.::.::.::.::.::.::.::.:}:.::.::.::.::.::.::.::.::.
         ⌒Y<::.::i:.::.::.|:.::.::.::.::.::.::./|::.::.::.::.::.::}:.::|ヽ :.::.::.::.::.::.: |
       /:::::::::}:::::::::::|::::::::| :::::::: // .ィ:::::::::::::::八_:| ::::::|::::::::|:::::|
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      .:::::::::::/{:::::::::: |:::::::i| ::: /   - :|:∧::::/ -     レ|:::::::リ::::;
.     ,′::::::/八::::::::::| ::::八 :y气存芋ミ   ∨ テ存芋ミ |::: /:: /
     {/::::: /  ヾ :::::| ::::::::i小 トィ゚//}      トィ//}  リ∨:|:/
    /:::::::::      \| ::::::::i::|   込::ソ       込::ソ /:/::::l{
.   / :::::::::       (| ::::::::i:::  、、、    .    、、,'::i:::::小 お二人ともお幸せに♪
   / :::::::::;'       | ::::::::i:::|              u j:::i:::::::|::::.
  .:::::::::::::         | :::::: i:::ト、       - ‐      人 :::::/::::::'.
  ,::::::::::::::i:         八:::::::::::::':介ト          <|/:::: ∧:::::::::.
. i::::::::::::: |        ヽ:::::::::::∨\ `  ー<ノ |  ∨:::: /  ':::::::::'.
. | ::::::::::: |         /∨\::::|  \ ___/ :|  |:::::/ \ i:::::::::|
. |::::::::::::i:|      イ///|./ ヽ|   ィ父ト、       |∨   丶、i|
. |::::::::::::i:|   〃  |///八   |//,ハ\\/  │      \
. | :::::: /|:|   {{.   |///  〉 ,/ / //⌒|{. ∨   /     /    }}
. |::::::::{ リ    :|    |//| /  〈 〈ノノ  | ∨ 〉 〈    ∨    リ

440 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/11(金) 00:30:08 ID:1BZgOMm90
>>433
乙!
さわやかなニヤニヤが駆け巡りました。
脳内のギシアンが浄化されるようじゃのぅ……

441 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/11(金) 01:07:40 ID:YXTHT3La0
そのギシアン言っちゃいなYO!

442 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/11(金) 01:33:06 ID:wp/6bbCq0
>>441
いやいや、ギシアンに持ってかないのが、
また上品でいいではないですか!!

>>433
毎度毎度GJです。


443 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/12(土) 05:47:43 ID:1T9phvPaO
Eby4氏、週2定期投下乙すぎる〜!

444 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/12(土) 15:56:15 ID:T+k2SeXU0
>>438
大河はマゾいのサドいのどっちもいけそうだが
竜児がいまいちわからん原作だと基本マゾそうアニメだと時々サドそう


こいつらが好きすぎて生きるのが楽しいわwいまだに妄想が止まらん

445 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/12(土) 16:06:59 ID:T+k2SeXU0
なんかひどいIDだ

446 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/12(土) 18:11:28 ID:Rey2ngzl0
神ID記念age

447 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/12(土) 19:20:14 ID:ftwekhBLO
大河と川嶋で二回ウォー

448 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/12(土) 19:43:05 ID:TfT5RoDt0
>>444
これはギシアンSSが来そうなIDですねw

449 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/12(土) 22:15:34 ID:Oc3C6HZI0
>>433
今更ですがGJ!

で、便乗して描いた。
http://iup.2ch-library.com/i/i0102669-1276348405.jpg

450 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/12(土) 23:23:30 ID:7c08LgZr0
大河が竜児に調教される時代がきたか

451 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/12(土) 23:50:24 ID:6n4vqQHt0
>>449
GJ!
絵が投下されるなんていつ以来だろう?
あずにゃん風もありっちゃありだよなww

452 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/12(土) 23:59:12 ID:T+k2SeXU0
IDがエロいうちに投下
430の続きのようなもの



────ピンポーン♪────


「?……なんだろ、こんな時間に……はいどちらさま……」
「大河〜開けてくれ〜」
「なんだ竜児か。どうしたの」
「鍵が入らねえんだよ〜」
「……あんた酔っぱらってるね? 今いくから待ってて」

──ガチャッ──

「おかえり」
「おう、ただいま」
「ちょっと大丈夫? そんな千鳥足でよく帰ってこられたわね」
「かわいい嫁と子供らが待ってると思えば、どんだけ酔ってても気合いで帰ってくるっての」
「まああ舌がよく回ること!たまには酔っぱらいも悪くないわね。…っとと危ない危ない」
「あーいいよ構うなって。腹に障る」
「大丈夫よこれくらい。それに今度は一人しか入ってないしね」
「人数の問題じゃなくてさ。お前ドジだし、人一倍気をつけるに越したことはないだろ」
「はいはいどーせ私はドジですよ。じゃあ自分で歩いて寝室行ってね。今日はもうお風呂ムリでしょ」
「いや入る。さっぱりしたいし、たばこ臭くてかなわねえしな」
「やめたほうがいいんじゃないの、酔ってるんだし」
「んじゃ一緒に入るか。それなら心配いらないよな」
「……まあ……そうね……。でもエッチはできないよ? 赤ちゃんいるんだから」
「わかってるって。…………手でしてくれるくらいは期待しても?」
「……うん……それくらいなら」

453 : ◆Eby4Hm2ero :2010/06/13(日) 05:26:19 ID:MyQo0aEo0
>>449
GJ!
あずにゃん風なのも可愛いが、竜児のためにそこまでしちゃう大河が何より可愛いw

>>452
こちらもGJ!
エロスよりも愛情の方を強く感じてしまうのは俺だけかw

454 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/13(日) 21:49:43 ID:bIMDpBQe0
>>449
見れなかった……(´・ω・`)


>>452
IDすげぇ!
竜児の元気っぷりもすげぇ!
大河のサービス精神もすげぇ!
乙!

455 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/13(日) 22:19:14 ID:Ap8z1WqR0
>>452
このあとはお風呂でいちゃいちゃか…このラブラブ夫婦はw

456 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/14(月) 04:13:06 ID:+u1CBXOX0
子供は10人くらいだな

457 :とらドラ!で三題噺 ◆Eby4Hm2ero :2010/06/14(月) 07:20:41 ID:XnhCRY2+0
お題 「覚醒」「負ってる」「遠い」



「おや高須くん、今帰りかね」
「おう櫛枝、お前もか。部活は?」
「今日は早上がり。バイトも無いから久々にのんびりなのさ」
「おう、そうか」
「どうだい、せっかくだからたまには一緒に帰らないかね?」


「……あのさ、高須くん」
「おう?」
「その、大河から連絡とか、無い?」
「……ねえな、今の所」
「高須くんからは電話とかメールとかしないわけ?」
「おう。なんか、黙って行った大河の決意に水を差しちまうような気がしてさ」
「そっか……今頃どうしてるんだろうねえ……」
「母親の所に居るはずだけど……『遠い他県』としか聞いたことねえからなあ」
「高須くんの愛の力でさ、大河の様子がわかる能力に覚醒したりはしないのかね?」
「そんなに都合良くいくもんじゃねえよ。そう言う櫛枝こそ友情パワーでどうにかならねえのか?」
「そんなに都合良くはいかないよ、やっぱり」
「ま、大河のことだから元気に頑張ってるんじゃねえかな」
「そうかな……そうだといいけど……」
「確かにあいつの背負ってるものは大きいし重いけど、大河ならきっと、いや絶対、きちんと決着つけて帰ってくるさ」
「……高須くんは、強いね」
「そうでもねえ。ぶっちゃけ半分ぐらいはやせ我慢だ」
「残り半分は?愛とか信頼とか?」
「んー、何と言うか……俺は竜で大河は虎だから」
「へ?」
「竜虎並び立つってやつだ。だからどんなに離れてても、俺と大河はいつもお互いの『傍らにいる』んだよ」
「なるほど……うん、それはやっぱり愛だね」


458 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/14(月) 22:46:53 ID:NJNl87+D0
>>457
GJ!
スピンオフ3書き下ろしの竜児の様子を思い出した
結果的に離れてたのは短期間だったけど、長期に渡る覚悟だったんだよなぁ…
まあそれがアニメ版なんだけど
大河のいない期間もいろいろ妄想が膨らむな

459 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/14(月) 23:22:17 ID:iWF1aGku0
>>457
みのりんいい子
大河が居ない間は竜児が寂し死にしないように他の奴もフォローしそう

460 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/16(水) 01:47:27 ID:6tS3kI5cO
死守

461 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/16(水) 20:19:48 ID:7bmnlp5A0
>>457
乙!
さり気なくも堂々とした竜児の一言にニヤニヤwww

462 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/16(水) 22:54:59 ID:/TuQdUj60
原作読了 アニメはリアルタイムで観てた
大河は口フェチかw女の子ではめずらしい性癖

463 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/17(木) 00:51:25 ID:RtuS+KNX0
別に口の形みてハァハァしてねぇだろ(w

464 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/17(木) 12:27:53 ID:Dd0exGWH0
大河は口でサービスするフェチとな

465 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/17(木) 23:39:08 ID:pUzzgYA+0
大河はエサという名の肉棒食えばいいのさw 

466 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/18(金) 00:48:01 ID:UkzrNfLrO
要はギシアン出来ればいいと!?

大河かわいいよ大河

467 :とらドラ!で三題噺 ◆Eby4Hm2ero :2010/06/18(金) 07:04:07 ID:B0RCPMeq0
お題 「日」「仕事」「自分」



「大河ちゃんはゆっくりしていってね〜」
「うん、やっちゃんもお仕事頑張って」
「は〜い、やっちゃん頑張っちゃう!それじゃ竜ちゃん、行ってきま〜す」
「おう、気をつけてな、泰子」

「だけど、前よりマシとはいえやっちゃんも大変よね、土日も仕事なんて。GWも忙しかったんでしょ?」
「まあ、客商売だからな。このご時勢ではむしろありがたい話だ」
「仕事か……竜児は将来の仕事とか考えてるわけ?」
「そりゃまあ多少はな。まだ漠然とだけど」
「ふ〜ん……やっぱり安定性を考えるなら公務員かな、とか?」
「それも悪くねえかもしれねえけど……一応国立選抜の身で最初っからそこ狙いってのもちょっとな」
「じゃあ普通に会社員?竜児の場合営業には少し問題があるわよねー。顔とか」
「うるせえ、ほっとけ」
「数字には強いし几帳面だし、事務や経理なんかは向いてるかもね」
「あ、でも最近はそういうのってパソコン必須だろ。俺あんまり扱ったことねえし、しばらくは買う余裕もねえぞ」
「それなら私のノートで練習させてあげるわよ」
「まあそれはそれとして、せっかく理系なんだし研究や開発ってのも有りだよな」
「研究って、薄暗い部屋でフラスコやビーカーの怪しい色の液体混ぜ合わせてるイメージしか……」
「……それは偏見だろ」
「当然あんたは白衣で、なぜか下から照明が当たってるのよね。時々窓の外で雷が光ったりして」
「おい大河」
「マッドサイエンティストそのものの笑みで『くくく……ついに完成だ』とか言っちゃったりして。でもって実は造ってるのは画期的な新しいダシの素だったりするの。ぷくく……」
「お前なあ……あ、出汁って言えば、料理関係にもちょっと憧れるんだよな」
「レストランとか?」
「いや、もっと庶民的な……食堂とか定食屋とか。厳選とまではいかねえけどそれなりに拘った食材で、値段はあくまでリーズナブル。
 日替わりランチを二種類……いや、三種類。ごはんも白米と玄米を選べるようにして」
「でもって近所からヤクザの店と思われて閑古鳥、と」
「……い、いや、一度食ってもらえばわかる、はずだ!」
「怖がって近寄らないんじゃその最初の一回も無いわよねー」
「……大河」
「ま、安心して。その時は私が看板娘なウェイトレスになってあげるから」
「いや、大河だとドジやらかして割る食器の数が凄いことになりそうだしな……それに自分の店持つためにはそれなりに貯金と時間が必要だし、その頃の年齢だと看板『娘』ってのは……」
「うう、うるさいわね」
「そういや大河はどうなんだよ、将来の仕事」
「そうね……文系だから事務関係でもいいけど、英語得意だし通訳とか翻訳とか?
 ま、なんにせよその先が決まってるけどね、私の場合」
「おう、何だ?」
「勿論竜児の所に永久就職に決まってるじゃないの」
「お、おう……」

468 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/18(金) 12:16:33 ID:Z3MG+yIKO
ヒャハーGJ!

469 :シンデレラなんかになりたくない3 ◆x6jzI2BeLw :2010/06/18(金) 12:38:06 ID:rftBhCsK0
以下に続きを投下します。10レス程度使います。


「お猿さんみたい」
遠慮会釈ない大河の感想に母親は苦笑する。
「あんただってそうだったわよ」
「嘘!」
「嘘じゃないわ・・・大河の方がもっとしわくちゃだったかも」
うふふと笑う母親に大河は顔を少し引きつらせる。

出産と言う大仕事を終えて間もない母親は疲れた顔を見せずに、喜びに浸っていた。
なぜならいっぺんに子供がふたりに増えたからだ。
ひとりは産まれたばかりの赤子。
そしてもうひとりは病室に居る母親を毎日、見舞いに来る娘、大河だった。
我が子でありながら、前夫との結婚生活の破綻が原因で、置き去りにするようにして離れてしまった過去。
かたくなに心を閉ざし、自分が差し出した手を振り払って前夫の下へ残ることを選んだ娘。
そんな大河の態度を仕方ないものと納得し、意識の下へ押しやって過ごして来た日々。
それが、前夫の失踪という形で再び、母親の下へ戻って来たのだ。
それも、昔のようにかたくなな大河ではなく、自分を母親として見てくれる大河として・・・。


「弟・・・かあ」
「ピンと来ない?」
大河は素直に頭を下げた。
実際、17年間ひとりっ子として生きて来た大河にとって弟ってなんだろうと思わざるを得ない。
「・・・もうひとり居れば少しは違ったかも」
つぶやくような母親の台詞に大河が問い返し掛けた時、病室のドアが開いた。

「お、大河も来てたのか」
「・・・お父さん」
声のした方を振り向くとこの春から大河の義理の父親になった男性がにこにこしながら立っていた。
つかつかと歩み寄ると、ベビーベッドに寝ている我が子をのぞき込み、しばらく眺める父親。
やがて、細々とした気遣いを母親と大河に言い残し、慌しく病室を出て行った。

「お父さんって・・・仕事中よね?」
「抜け出してきたんだわ・・・仕方ない人」
そう言いながらも母親は嬉しそうだった。
「そう言えば、お父さんって何してるの?」
「大河にはまだ詳しくは言ってなかったわね・・・ビルを管理する会社をやってるの・・・分かるかしら?」
「何となく」
自信無さ気に答える大河に母親は補足してやる。
建物のオーナーさんに代わっていろいろなメンテナンスをする仕事で、大河も知っているであろういくつかの有名な建物の名を上げ、みんなあの人がやっているんだと説明を加えた。
「へえ・・・すごいんだね」
単純にそう言う大河に母親は苦笑する。
「あの人の持ち物って言うわけじゃないのよ」
「分かってるわよ、それくらい」
信用無いなという顔をして軽く抗議の姿勢を示す大河だが、そんな様子を見て母親は気持ちが和むのを覚える。
なにせ、前夫の仕事内容なんてまるで興味を示さなかった大河なのだから。


470 :シンデレラなんかになりたくない3 ◆x6jzI2BeLw :2010/06/18(金) 12:39:13 ID:rftBhCsK0

「ねえ、大河?」
「何?ママ」
「お母さん居なくて困ってない?」
「全然」
新家族で暮らし始めて間もなく、母親は出産のため入院してしまい、大河と父親はふたりきりなのだ。
まだそんなに慣れていない関係。
いろいろあるだろうと母親は気にしているのだ。
「本当に?」
大河の顔を真正面から見つめながら母親は聞く。
「うん」
表情も変えずに大河は肯定した。
むしろ父親の方が気を遣ってるんじゃないかと大河は思っている。
この前も大河がパジャマ姿で朝食の席に付いていたら、遅れてダイニングへ入って来た父親が、大河の姿を認め急停止した。
すぐに、お、忘れてたとかわざとらしく言いながら引き返して行ったのだ。
避けられてるんじゃないのかと一瞬、悲しくなった大河だがそれがすぐに誤解だったと分かった。
なぜなら朝食後、部屋着に着替えて再度、階下へ降りた大河に父親は普通に接してきたからだ。

「別に変なパジャマ着てたわけじゃないわよ」
「照れたのよ、きっと」
「竜児は平気な顔してた」
「高校生とは違うわよ」
苦笑いする母親。

それにしても・・・と、母親は思う。
大河から聞き出した竜児との関係。
聞けば聞くほど、良く何の間違いも無く、ここまで来れたものだと感心してしまう。
女の子が一人暮らしをしている部屋に、男の子を入れて、しかも朝起こしに来させるなんて普通の常識だったら考えれないことだった。
そしてよくもまあ、こんなわがまま娘に付き合ってくれたものだと、以前と比べて母親は竜児への印象を大きく変えていた。
わずかに言葉を交わしただけの相手だが、大河の心を解きほぐしてくれたのは彼であると考えて間違いないだろう。
だから、将来を誓い合ったと聞いてもさほど驚かずに済んだのだ。
もちろんそんなことを言い出した娘の顔をまじまじと見つめてしまったのは事実だが・・・。

「何時って決めたわけじゃないけど・・・約束はしたわ」
「ふう・・・大概のことじゃお母さん、驚かないけど・・・少しびっくりした」
「そんなに驚くようなこと?」
「当たり前でしょ」
「反対はしないんだ?」
「大河が決めたことでしょ・・・諸手を挙げて賛成とは言いかねるけど、頭ごなしに反対はしないわ」



471 :シンデレラなんかになりたくない3 ◆x6jzI2BeLw :2010/06/18(金) 12:40:33 ID:rftBhCsK0

基本的に認められれたことが嬉しいのか、安堵の表情を浮かべる大河の顔が輝いているのを眩しい気持ちで眺めた母親。
それでも最低限のことは聞いておかねばと遠回しに大河へ探りを入れる。
いくら親子でも聞き難いことだし、大河が大人なら気にすることではないのだが。

何度も言い方を変えた結果、ようやく大河も母親の聞いている意味が理解できたのか、顔を真っ赤にして大きく首を振った。
「そ、そ、そんなこと・・・してないから」
うつむく大河に嘘は無いと見て母親は胸を撫で下ろす。
母親は聞いたのだ・・・約束って、言葉だけ?それとも、それ以上のことしなかった?ね、大丈夫?お母さんみたいになってない?

大河が無分別な行動に出ていなかったことや相手の竜児が十二分に大河を慮っていることが分かり、母親としては安堵の思いと娘の背中を押してやりたい気持ちが一緒になる。

「わかったわ、大河・・・その気持ち、大事にしなさい」
母親がそう言うと大河はこれ以上は無いって言うくらい嬉しそうにうなづいた。
「あ、それから」
急に思いついたように母親が言い出す。
「あの人にはまだ内緒よ」
「どうして?」
「だって、びっくりするでしょ」
母親のこの台詞に大河は困った様な顔で答えた。

「もう、知ってる・・・お父さん」

大河の説明はこうだった。
竜児から私宛に宅配便が届いて、お父さんが受け取ったの。
・・・高須くんて言う子から荷物が来てるよって。
で、高須くんて誰なんだいって聞くから・・・竜児は、その・・・フィアンセだって・・・

「・・・で?」
驚きの余り固まった母親は恐る恐る後を促す。
「・・お父さん・・・めまいみたいな症状して・・・フラフラっていなくなっちゃったの」

この答えに母親は頭を抱えたくなった。
パートナーに世間一般の子と少し違うからと事前にレクチャーしておいたとは言え、これは強烈過ぎただろう。
出来たばかりの娘がフィアンセだなんて言い出して、どう思っただろうかと母親は気がかりになる。

「何か、言ってた?あの人」
「お父さん?」
「そうよ」
「驚いたって」
「それだけ?」
「・・・竜児のこととか少し聞かれた」



472 :シンデレラなんかになりたくない3 ◆x6jzI2BeLw :2010/06/18(金) 12:41:45 ID:rftBhCsK0

フラフラと居なくなってしまった父親はキッチンで水を飲み、気を静めてから大河の前に再び、現れたのだ。
娘の唐突な台詞に動転したものの分別ある大人である父親の立ち直りは早かった。
18にもならない女の子が婚約とか言いだしたことに逆に興味すら覚えてしまった父親。
外へ出ようかと大河を誘い、ファミレスに入った父親は大河がスペシャルパフェとコンビネーションプリンを平らげる間に竜児との出会いから、今に至るまでの経緯を聞き出していた。

「・・・最初は気になるくらいだった・・・でも、竜児と一緒に居るととっても気分良くて・・・安らげたの」
「それで?」
「男の子のこと好きになったことなんて無かったから・・・それがそんな気持ちだったなんて分からなかった・・・だから、みのりんとの橋渡しをしようとして・・・」
「竜児くんが好きだった子だね?」
「うん・・・でも、ひどく心が痛くて・・・私、竜児のことが好きなんだって・・・独り占めしたいって・・・気が付いたんだ」
淡々として語る大河の口調だがその裏に秘められた想いの強さを父親は敏感に感じ取っていた。

「竜児とずっと一緒に居たい・・・でも、逃げてばかりじゃ夢は叶わないって気が付いて・・・」
帰って来たんだと大河はそう言葉を結んだ。
それで父親は大河が東京へ失踪した数日間の詳しい事情を初めて知った。

娘を連れ戻して来ると、眦を決して出掛けて行った母親が意気消沈してひとりで戻って来たあの日。
そして、掛かって来た電話に生気を取り戻し、空港へ駆け出そうとした母親を掴まえて、父親は車を出したのだった。
親子間の確執とばかり思っていたが、そういうこともあったのかと父親は新たな発見をした思いがした。


「竜児が言ったの・・・幸せになるのは俺たちだけじゃない・・・みんなだって・・・それはママも・・・お父さんも含まれていて・・・だから」
瞳の虹彩をきらめかせて夢中で話す大河を父親は優しげな視線で見つめる。
大河の言っていることは大人から見れば幼稚なことかもしれない、それでもうなづいてやりたくなる部分もあると父親は思った。
こんなに夢中になれるのは若さの特権かとうらやむ気持ちが湧く一方で、大河への危惧も抱く。
何とかは盲目って言う言葉があるが・・・相手の竜児君とやらがいつまでこの子を想ってくれるのか・・・気持ちは簡単に移ろうし、とにかく若い時は熱し易く冷め易い。
若さだけで突っ走った恋愛なら時が経てば覚める・・・。
そうなった時、この子が傷つかなければいいが・・・。

しかし、逆に言えば、覚めなければ・・・それは本物だ。
その時は・・・分からんなあと父親は思う。
娘を持った途端に嫁にやる心配をしなければならないとは思いもよらないことだった。
ま、今日明日にもどうとか言う話じゃない・・・しばらく見守ってやるさ。



473 :シンデレラなんかになりたくない3 ◆x6jzI2BeLw :2010/06/18(金) 12:42:53 ID:rftBhCsK0


「ん、大河は本当に好きなんだね、その竜児くんが」
「・・・うん」
はにかむように肯定する大河。
「じゃ、その辺にしておいた方がいいんじゃないかな?」
「え?」
「ブタさんになった姿を見せたくないだろ、大河は?」
大河の前に並ぶ空になった容器の山。
ファミレスのデザートメニューをコンプリートし掛けていた大河。
「あっ」
急に恥ずかしさが込み上げて来て大河はうつむく。
テンションが高くなった大河は話に夢中で食べまくっていたことに気が付いていなかったのだ。
「いや、どこまで食べられるのかとどんどんオーダー出したのはボクだけど、まさか平らげるとは思わなかった」
小柄な体でよく食べる子だとはうすうす感じていたものの、ここまでとはと、父親は娘の知らなかった一面を見つけ嬉しくなる。

ふと、気が付いて父親は尋ねる。
「夕食とか・・・あれで足りてるのかい?」
「・・・も少し・・・食べられる」
消え入りそうな声で大河は言外に不足だと訴えた。
弾ける様に父親は笑い出した。

「いや、ごめん、ごめん」
笑うこと無いでしょと上目遣いに軽くにらむ大河に父親は謝り、付け加えた。

・・・明日から、炊くご飯の量、倍にするよ。





大まかなところを大河から聞きだした母親は小さく吐息をつく。
大河の話を聞く限り、父親が大河に対してネガティブなイメージ持たなかったことがうかがえて母親はやや安心する。
そんな母親を見て大河はさっきの問い掛けた言葉を続けた。
「・・・さっき、もうひとりとかってママ言ってたけど・・・何のこと?」
母親は少し気難しそうな表情を見せると、そのまま大河をじっと見つめた。
「・・・な、何、ママ?」
「そうね・・・大河も今年中には18になるのよね」
「あ、当たり前でしょ」
「もう子供じゃない・・・のよね」
それは大河へと言うより、母親自身へ向けられた言葉だった。
「・・・大河も結婚を考える人が出来た・・・それなら・・・話していいかもしれない」

そうつぶやくと決意を秘めたように母親は言葉を紡ぎ出し始めた。




474 :シンデレラなんかになりたくない3 ◆x6jzI2BeLw :2010/06/18(金) 12:44:19 ID:rftBhCsK0


「お母さんの故郷が福岡だって言うのは知ってるわよね?」
「うん」
「だけど一度も帰省したことがないでしょ」
そう言われて大河は改めて不思議に思った。
・・・ママのママとか・・・居るんだろうか?
大河がまともな判断が出来るような年齢になって間もなく崩壊してしまった逢坂家。
今まで大河はそのことについて不思議に感じることさえなかったのだ。

その母親の実家は旧家とも言うべき家庭で、その先祖をたどれば福岡の地を長く治めた黒田藩の家老の家柄に行き着く。
戦後の農地改革でかなりの土地を手放してしまったとは言え、現在でも十二分に資産家として通る家だった。
したがって家庭環境は厳格で、いわゆる親の引いたレールの上を踏み外すことすら許されない雰囲気を持っていた。
そんなしばられ方に反発した母親は高校を卒業すると反対を押し切り、東京の大学へ進学したのだ。

「嫌だったのよ・・・やりたいことも出来ないなんて」
大河は母親の意外な過去に目を見開いて話しに聞き入っていた。
「幸い、援助してくれる親戚が居て学費とか何とかなったんだけど・・・」
烈火のごとく怒った大河の母親の両親。
しかし、親戚のとりなしもあり、卒業後に家に戻ることを条件に東京への進学を許された。

「約束・・・破ったのよね、お母さん」
自嘲気味に言う母親。
「どうして?」
「大河も分かるでしょ?親にあれこれ言われたくないって」
思わず大河はうなづいていた。
一瞬、コラって言う表情を浮かべる母親。
大河は小さく首をすくめて見せた。

「猛勉強したわ・・・それでいろんな資格を取って・・・ひとりで生きて行こうって」
結果的に福岡へ戻らず、東京に留まることを選択した母親。
給与の良い外資系企業へ就職し、生活基盤を安定させると母親はそのまま自由を謳歌した。
いつか目を覚まして戻って来ると期待していた福岡の両親はついにさじを投げてしまった。

「・・・で、勘当されたわ・・・もう娘でも何でもないって・・・」
それを聞いて大河は憤慨する。
「勝手じゃないの!そんなの・・・」
自分の代わりに腹を立ててくれる大河に母親は笑みを向ける。




475 :シンデレラなんかになりたくない3 ◆x6jzI2BeLw :2010/06/18(金) 12:45:09 ID:rftBhCsK0


「それから何年かして・・・出会ったのが逢坂だったわ」
「パパ?」
母親はうなづいた。
「その時、逢坂は同じ外資系企業でトレーダーをやっていたの」
トレーダーって何?と言う大河の質問に母親は金融取引の仲介をする仕事でとかいつまんで説明したのだが、米国債とかポンドとか先物取引とか大河の聞き慣れれない単語が連発され、大河は半分も理解出来なかった。
「凄腕って評判だったわ、逢坂は」
少し遠い目をしてみせる母親。

「ちょっとしたきっかけがあって付き合い始めたの・・・逢坂と」
やがて起業して会社を持って、日本のリーマンブラザースを目指すと熱っぽく語った逢坂を思い出し、母親は胸が少し熱くなった。
「少なくとも夢があったわ・・・あの頃の逢坂には」
母親がその夢を一緒に叶えたいと願うようになるまでさして時間は要らなかった。

「2年くらいだったかしら・・・交際期間」
「それから結婚したの?ママとパパ」
「そうよ・・・お腹にあなたが出来ちゃったから」
何気ない母親のひと言が大河の後頭部を直撃する。

「そ、そのママって・・・でき、でき・・・ちゃった・・・コン?」
うなづく母親に大河は後ずさる。
「何よ、大河・・・嫌なの?」
意外な出生の秘密・・・と言うのは大げさだが、大河の驚かせるには十分だった。
「嫌じゃないけど・・・その・・・何て言うか・・・」
乙女特有の潔癖さみたいなものが引っかかり、大河は言いよどむ。

「そんな奇麗事、お母さんが言ってたら、あなた、ここに居ないわよ」
苦笑と共にズバリ、本質を指摘され大河は押し黙る。
確かに母親の言うとおりだった。




476 :シンデレラなんかになりたくない3 ◆x6jzI2BeLw :2010/06/18(金) 12:46:29 ID:rftBhCsK0

結婚後、しばらくは順調だった。
大河が生まれ、母親は退職し、大河の父親、逢坂陸郎は起業に成功した。
企業規模が小さい内は二人三脚で進んだ会社経営・・・思えばこの頃がいちばん、幸せだった頃かもしれないと母親は思った。

順風満帆に人生航海は進まない。
逢坂陸郎の会社に経営危機が訪れる。
行き詰った資金繰り・・・万策尽きた時、母親は恥を忍んで実家に援助を求めたのだ。

返って来たのは手厳しい拒絶だった。
何処の馬の骨とも知れない男と結婚した娘など知らないと・・・。
その時、同行していた逢坂陸郎の見せた表情を母親は一生忘れないだろうと思った。

この辺りからおかしくなり始めた母親と逢坂陸郎の関係。
狂った様に事業へ熱中して行く逢坂陸郎を不安げに母親は見守るしかなかった。
傾きかけた会社を建て直し、従来の数倍規模へ拡大させた手腕は、事業に携わったことのある母親をして文句の付けようがなかったと今でも思っている。

しかし、母親は密かに願っていたのだった。
大企業になんかしなくていい、小さなままの企業でいい、大河を入れて温かい家庭が続くなら・・・。

その願いは叶えられることは無かった。
企業規模が拡大するに従って、離れる夫婦間の距離。

やがて、決定的な瞬間が訪れた。
第2子を身ごもったことを母親は知ったのだ。
その事実を告げた逢坂陸郎が返した言葉。

・・・ひとりで十分だよ。
その瞬間、繋いでいたか細い糸が切れたことを母親は感じ取った。


「もうひとりって・・・そういう意味?」
母親は静かにうなづいた。
散々、反発してきた母親がたどって来たこれまでに大河は圧倒されたと言っても良い。

「それからのことは大河も物心が付いていたから覚えてるでしょう?」
・・・今のあの人と出会って・・・気持ちが逢坂から離れた。
・・・でも、それはお互い様で・・・ひびの入った関係は二度と直ることは無かった。

すっかり黙ってしまった大河に母親は優しく声を掛ける。
「だけど、お母さん、後悔なんてしてないわ・・・逢坂と知り合ったお陰で、大河・・・あなたを授かったんだもの」
「・・・ママ」
今までにあれこれ投げつけた母親への心無い台詞。
そのひとつひとつが今、大河の心へ逆流し、突き刺さる。

ごめんなさいと子供の頃に戻ったみたいに大河は母親のひざ上に顔を埋めて泣いた。
そんな大河を愛しむ様に母親は長く伸びた大河の髪をそっと撫でてやった。


477 :シンデレラなんかになりたくない3 ◆x6jzI2BeLw :2010/06/18(金) 12:47:29 ID:rftBhCsK0


建物の外からは相変わらず喧騒が聞こえてくる。
30分とか言っていた時間は少し長引きそうな気配だった。

「できちゃった婚って聞いた時はびっくりしたわ」
母親から意外な告白を聞かされた時を思い出したのか、大河は苦笑いを浮かべ、すぐ真顔になる。
「ねえ、竜児?」
「何だよ?」
「竜児はどう思う?できちゃった婚」
「別にいいんじゃねえか・・・それは愛し合った証なんだし・・・」
「ふうん・・・なら安心」
竜児の答えを聞き、大河は意味ありげに笑みを漏らす。
「安心って・・・第一、できちゃった婚は大河のお袋さんだろ・・・俺たちには・・・」
関係ないと続けようとして竜児の言葉が止まる。

「・・・ま・さ・か・・・大河?」
じっと大河を見つめる竜児。

「・・・式が終わってから言おうと思ってたんだけど、竜児の台詞を聞いて安心した」
無表情を装う大河。
「・・・ってことは!」
「うん・・・3ヶ月だって」
にぱっと花が咲くような笑みを見せ、大河は竜児を見つめ返す。
「た、たいが〜!!」
感激の余り、大河を胴上げしようする竜児。
「ちょ、ちょっと竜児」
大河の声に慌てて竜児は胴上げを中止する。
「そ、そうだった・・・もうお前ひとりの体じゃねえ・・・大事にしねえと」
そのまま竜児は愛しそうに大河のお腹に耳を押し当てる。
「何してるの?竜児」
「いや、何か聞こえるかなって・・・赤ちゃんの声とか」
「ぷっ・・・バカね」
大河は噴き出した。
「まだ無理よ」
「そっか」
竜児も照れ笑いする。


「でも、どうして式の後でだったんだ?」
竜児のこの問いに大河は大真面目にこう言ったのだ。

「だって、竜児って変なトコがお固いでしょ・・・だから、出来ちゃった婚だと嫌かなって思って・・・式の後なら出来ちゃう前婚になるもん」



とりあえず、今回はここまでです。


478 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/18(金) 14:47:57 ID:41YqIetQ0

よくやった

479 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/18(金) 23:56:51 ID:hPyNS+Ju0
>>467
大河はゆりちゃんのつてを紹介してもらって英語関係の仕事に就きそう、とか想像したことある。

>実は造ってるのは画期的な新しいダシの素
不覚にもwww

>>477
母親のキャラの肉付けがおもしろい。アニメ版の、ザマス系のきつそうな印象に合ってると思う。
◆x6jzI2BeLw氏の大河もついにご懐妊かw続き待ってます。


お二方GJでした。毎度楽しく読ませてもっらってます。

480 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/20(日) 01:09:21 ID:CTT3xBN1O
GJ!!

x6jzI2BeLw氏の大河はかわいすぎる!

続き待ってます。

481 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/20(日) 01:15:03 ID:u4Fzrvt20
>>467 GJ!
楽しげに将来を語り合ってるのがいいなw

>>477 GJ!
新パパともそれなりにやってるようで和んだ
続きに期待〜

482 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/21(月) 13:50:41 ID:o6yhxhbf0
竜児「今日の夕飯なにがいい?」

483 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/21(月) 19:46:47 ID:zCxGhgWmO
大河「肉に決まってるじゃない!!牛どーん!」

484 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/21(月) 20:11:13 ID:M2BX/gDo0
竜児「(ほっ…俺とか言い出さなくてよかった…今晩はゆっくり眠れそうだな)」

485 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/21(月) 20:33:44 ID:zCxGhgWmO
亜美「私は、た・か・す・く・ん」

486 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/21(月) 21:32:06 ID:YTrVAgiV0
祐作「お前たちは本当に肉食系だな!はっはっはっは!」

487 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/21(月) 23:08:27 ID:zCxGhgWmO
亜美「どっから沸きやがったこのストリーキング野郎!亜美ちゃんの邪魔するな!あっち行け! シッシッ」

488 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/22(火) 02:19:43 ID:K58bkBh8O
実乃梨「何だい何だい!?これから亜美ちゃんと大河は、高須君とイチャイチャと何処かにしけこむ気かい!?私もまぜておくれよ〜」

489 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/22(火) 05:05:22 ID:j3JA8K6pO
泰子「や〜ん、竜ちゃんったら、ジ・ゴ・ロ、さんだねぇ〜。ちゃんと避妊はしなきゃだめだよぉ〜」

490 :とらドラ!で三題噺 ◆Eby4Hm2ero :2010/06/22(火) 05:31:51 ID:8d73rmmt0
お題 「黒かび」「舌足らず」「準備」



「白かびさんからお手紙ついた♪黒かびさんたら読まずにかもした♪」
「……嫌な替え歌作ってるんじゃねえ」
「にゃ〜によ竜児。あらしがせっかく歌ってあげてるっていうのに〜」
 大河は竜児にもたれかかったまま、その顔を見上げながらぷうと頬をふくらませる。
 舌足らずな甘え声、上気した頬、熱い吐息。
 と言うとまるで恋人同士のスイートタイムのようであるが、断じてそんなことは無く。
 竜児が風呂掃除をしている間に、梅酒を梅シロップと間違えて飲みやがったのだ、このチビ虎は。
「はぁ……」
 こっそり溜息をつく竜児に大河はにっこりと笑いかけ、
「ねえ竜児、いいこと思いついたんらけど」
「おう、何だ?」
「あのね〜……ていっ!」
「おうっ!?」
 何をどうやったのか、掛け声と同時に竜児の身体は畳の上に仰向けに転がされ、大河はその腹の上にマウントポジションで。
「あのねあのね、今にゃつ休みじゃにゃい」
「お、おう」
「北村君に会えにゃいのは寂しいけど、それは裏を返せば時間があるってことにゃのよ」
「時間って、何のだ?」
「準備!練習!プラクティス!
 今のうちに予行演習を繰り返してにゃれておけば〜、実際の時に慌てずにすむってことじゃにゃい?」
 言いながら大河は竜児の肩を床に抑えつけ、ゆっくりと顔を近づけてくる。
「ちょ、ちょっと待て大河!お前何するつもりだ!?」
「あらやら、おんにゃの子の口からそれを言わせるにゃんて……このエ・ロ・い・ぬ♪」
「エロいのはお前だっ!……おうっ!?」
 竜児は咄嗟に首を捻り、柔らかな感触は頬に軟着陸。
「この味は……嘘をついてる味らわ」
「何がだよ!」
「も〜、にゃにが不満らってのよ〜」
「不満とかそういう問題じゃねえ!大体お前、初めてが北村じゃなくていいのかよ!」
「ん〜……犬が相手にゃらノーカウントってことで」
「しろよカウント!つーか俺の方がするよ!」
「ごちゃごちゃとうるさいわねえ……」
 言って大河は竜児の頭を掴んでがっちり固定。
 が、竜児もフリーになった両腕で近づく大河を必死に押し留める
「しぶといわね……いいかげんに覚悟しにゃさいよ」
「してたまるか!俺の、俺の貞操は櫛枝に……!」
「……そんなに、嫌、なの?」
 突然大河の表情が歪む。
「え?」
「竜児は……私にされるの、嫌、なんだ。私が……嫌い、なんだ」
 くしゃくしゃになった顔から、竜児の頬にぽたりぽたりと雫が落ちる。
「そ……そうじゃねえ!嫌いなわけねえだろ!」
「じゃあ、何で?」
「こんな酒の勢いで俺なんかとしたら、正気に戻ってから後悔するだろ、大河が!それが嫌なんだよ!」
「……しなければ、いいのね?」
「え?」
「絶対に後悔なんてしないなら、してもいいのよね?」
「おい、それって……」
 思わず抵抗が緩み、濡れた瞳が近づきながら閉じられる。
 そして……大河の体から力が抜け、あと数センチまで近づいた唇から漏れるのは安らかな寝息。
「……こいつは……」


491 :とらドラ!で三題噺 ◆Eby4Hm2ero :2010/06/22(火) 05:33:02 ID:8d73rmmt0
「ねえ竜児、昨日の事なんだけど」
 背後からかけられた声に、台所に立つ竜児の心臓が跳ね上がる。
「お、おう、何だ?」
「私いつ帰ったっけ?なんか気がついたらベッドの上で、その前の記憶があやふやなのよねー」
「それなら、大河は梅酒飲んだ後すぐ寝ちまったから、俺が運んだんだ」
「ふーん、そうなんだ。変な寝言とか言ってなかった?」
 今が料理の途中で、大河に表情を見られなくて、本当に良かったと思う。
「いや、別に。それよりお前、礼の一つも無しかよ、けっこう大変だったんだぞ」
「はぁ?犬がご主人様の為に働くのは当然じゃない」
「……そうだよな、お前はそういうやつだよな」
 内心ほっと胸を撫で下ろす竜児の耳に届いたのは、聞き覚えのある歌声で。
「白かびさんからお手紙ついた♪」

492 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/22(火) 17:20:22 ID:K58bkBh8O
いつも乙です!

大河はどこまで覚えているんだW
まさか竜児が何かして来るかもと期待して狸寝入りだったとか?

493 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/22(火) 20:10:24 ID:4AQPHP0a0
>>491
乙!
ドランクタイガー可愛いよドランクタイガー。
酔っぱらいならではの暴走っぷりが面白すぎるwww

494 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/22(火) 23:07:27 ID:sF6AGSHu0
>>491
乙です
予行練習で…っていうのどっかのSSで見たようなw

495 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/22(火) 23:49:41 ID:XFRJnVxZ0
>>477
長編、乙です。大河と新しい父親との会話がいいな。
控えめにメシ増量を要求する大河に萌えた!

>>480-489
オ・マ・エ・ラw

>>491
GJ! 
竜虎は付き合う前も付き合ってからも楽しいよね。
「白かびさん…」フイタ! 
スキー合宿の「ちゅくちゅくぼーし」といい、大河はギャグのセンスもなかなかイイ!

496 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/23(水) 00:17:55 ID:9XDMqpOq0
ギシアンタイムか

497 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/24(木) 07:36:10 ID:egAc4SoP0
エネルギー再充填として
ttp://moe-moe.dip.jp/cgi-bin/img-box/img20100624054133.jpg
ttp://moe-moe.dip.jp/cgi-bin/img-box/img20100624054153.jpg

498 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/24(木) 13:38:19 ID:ELwC8MmG0
>>497
セクロス直後の顔

499 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/24(木) 20:09:10 ID:0CJet7QT0
>>497
最高に幸せそうだ

ドレスもいいけどオレ的には白無垢を着せたい
竜児もあの面なら和装の方が良さそう


500 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/24(木) 21:23:46 ID:4r0cZXfE0
確かに竜児は和装のが似合いそうw
大河はどっちでも映えるだろうが本人はドレスを好みそう。ふわふわしたやつ

いつまででも待つから、ゆゆぽ結婚式書いてくれないかなぁ…

501 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/25(金) 00:41:27 ID:/pL9Afhz0
>>497
一部間違ってるけど良い間違いだ!!

502 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/25(金) 01:20:58 ID:K90ywGkg0
結婚式読みたいなぁ。

まだ誰も大人になって式場でやるような本格的なものは書いてないよね?

俺も少し触れた事はあるけど、やっぱ荷が重いw

書きたい人、是非書いちゃって!(丸投げ)

503 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/25(金) 01:52:09 ID:OFZ8yTWs0
>>497
スゲー良いよ。エロ画像スレがちょっと前まで盛り上がってたけど、やっぱこうゆう大河が良いな。


504 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/25(金) 02:11:02 ID:zbqS1Rax0
>>497
2枚目見てて思ったんだけど、大河の頬に手を添えてるのって竜児じゃなくって花嫁のパパでも良いよね。


505 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/25(金) 21:37:48 ID:ENWI1Wdv0
>>501
おぱーいのことですね。分かります。

>>502
x6jzI2BeLw氏の今の作品がまさにそうなので、wktkして続きを待とう!


506 :とらドラ!で三題噺 ◆Eby4Hm2ero :2010/06/26(土) 06:32:49 ID:6SPPAylW0
お題 「落ち着かなくて」「ずっしり」「どうして」



「おう、こいつはなかなかいいな」
 特売品の南瓜は手にするとずっしりと重い感触。
「天ぷらにするか、煮物にするか……いっそのこと挽肉とか詰めて丸ごと蒸すってのもありか。なあ大河、お前は……」
 振り返った竜児の前に、呼びかけた相手の姿は無くて。
「……あー……」
 大河が母親の元に去ってから、何回今のようなことを繰り返しただろうか。家に居る時、どうにも落ち着かなくて困ることも。
「……さて、今日はこんなもんか」
 竜児はぽりぽりと頭を掻きながらレジへと向かう。


「なあ大河、実は南瓜の旬ってのは夏から秋ぐらいなんだよ。それがどうして冬至に食べるものになってるか、知ってるか?」
 暮れなずむ町を、エコバッグを手に一人歩きながら、竜児は問いかける。
「皮が厚くて保存性が高いってのもあるけど、収穫してからある程度経ってからの方が熟して甘味が増すんだってさ」
 遠い空の彼方に、あの星の下に届くように。
「……うん、やっぱり半分は煮物だな。残り半分はニョッキに挑戦してみるか」
 他にも色々と新しいメニューを身につけよう。
 そして、大河が帰ってきた時に並べて驚かせてやるのだ。

507 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/26(土) 08:47:54 ID:/PnTZxEYO
>>506
乙!
竜児の切なさが伝わってきますね。
あれだけ一緒にいればそうなるよなぁ……。

関係ないけど、南瓜の汁粉が食べたくなったw

508 :タイトル ◆7Pv.TEcQ3M :2010/06/26(土) 09:57:52 ID:FQ7Zh5CVO
テスト

509 : ◆6U1bthnhy6 :2010/06/26(土) 10:00:45 ID:FQ7Zh5CVO
あれ半角か・・・?

510 : ◆odaAq0EgoE :2010/06/26(土) 10:28:37 ID:FQ7Zh5CVO
そうかこっちかw
久々すぎて勝手がわからないわからないw
改めて、知ってる方はお久方。
初めての方はヨロシク。
久々に書かせて貰いに参りました(^-^)
とりあえずご挨拶代わりに、一つ投下させていただきます♪

「なー大河」
その声に振り返るお前。
「なによ竜児」
そうして答えるお前。
それが俺たちの普通。
それが俺たちの毎日。
それは・・・そう。
幸せの入り口だったんだな・・・って思う。

『日常(いつも)』

「なー大河。これお前いるのか?」
洗濯物も取り込み終えたある日の休日。
「なによ竜児」
何気なくかけた竜児の言葉に返ってきた声は、あからさまに不機嫌さに満ちていた。
「・・・なに怒ってんだよ?」
怪訝そうに視線を向けた先、大河はジト目で竜児を見返していた。
思わず竜児がびくりとする。
「今このテレビのクライマックスなの。つまんない事で邪魔しないでよ」
言われて竜児がTVに目を向ける。
画面の中では、綺麗な女の人が「丸っとお見通しだ!」と決め台詞を言っていた。
「ここから解決編に入るんだから」
その視線を追いつつ、大河も画面に向き直る。
今日のコレは、トリックがわからないだけに見逃せない。
「・・・」
「・・・まだわかんないのよ。スキャット美香子がどんなトリック使ったのか・・・」
期待にワクワクしながら、大河がゴクリと唾を飲み込む。
画面では、いよいよ主演の女優が、そのカラクリを解き明かそうと指を突きつけていた。
「・・・なあ大河」
「なにようるさい」
「・・・コレ・・・鏡使ったんじゃねえか?」
「は!?」
竜児の言葉に振り返る大河。
その視線に含まれる、信じらんないといった光。
しかしそんなことには気付かず、竜児は言葉を続ける。
「ほらあの消えたトコ。アレ鏡用意して映したってゆうなら、それで・・・」
「うりゃさー!!」
刹那。大河は竜児の腕を取り、渋川流よろしく、ちょいなと竜児を畳に投げ飛ばしていた。
「いってー!!大河!お前なにす・・・!?」
「なにするはこっちの台詞よ!」
びしっと、あたかもTVの中の女優のように指を突きつけて大河が怒鳴った。
「なに先言っちゃてるのよ!?台無しじゃない!」
「た、ただの予想だろ!?別にそれ・・・くらい・・・」
TVから聞こえてくる声に気付いて、二人揃って画面に目を向けた。
そこではもう見事に、鏡のトリックを使ったことが、長々と説明されていた。
「・・・」
「・・・」
無言で画面に見入る二人。
そこに流れるのは、気まずいアトモスフィア。


511 : ◆odaAq0EgoE :2010/06/26(土) 11:14:10 ID:FQ7Zh5CVO

「・・・あ、あのよ・・・」
その空気に耐え切れず、思わず声をかけた竜児だったが・・・。
「うるさい」
しかし、その返事はとてもつれない。
「・・・」
途方に暮れかけて、思わず竜児は天井を仰ぎ見る。
その耳に聞こえたのは、果たして負け惜しみか救いの手か。
「・・・どうせ・・・」
「え?」
「・・・どうせ私は、わかんなかったわよ・・・」
その言葉に慌てて目を向けると、そこには、
「・・・」
「・・・」
耳まで真っ赤にした子トラが佇んでいた。
「・・・・ぷ」
「!!笑ったわね!?」
顔を真っ赤にして振り返った大河は、その勢いそのままに竜児の首へと掴みかかる。
「なによ自分が先に気付いたからって!!」
「いてて!苦しい大河!苦しいって!!」
パンパンと大河の腕を叩きギブアップする竜児。
すでに慣れたとはいえ、やはり大河の腕力は半端ない。
「悪かったって!お詫びに今夜は、お前の食べたいモン作ってやるから!」
「!?ほんと!?」
竜児の出した最終兵器に、パッと明るい笑顔を浮かべる大河。
・・・安いなお前。
内心で思ったことはおくびにも出さず、話された首をさすりつつ竜児は続ける。「あ、ああ。男に二言はねえ。なにが食いたい?」
「えっとねーえっとねー・・・」
さっきまでの怒りはどこへやら。
嬉しそうに指折り数えながら、食べたいものを羅列していく子トラに、竜児は知らず笑顔を向ける。
とても嬉しそうに。


512 : ◆odaAq0EgoE :2010/06/26(土) 11:20:20 ID:FQ7Zh5CVO

「・・・大河」
「うん?」
「慌てなくていいからな」
「うん」
ニコニコと指を折り返しながら、大河は半分耳に入らないまま応える。
そんな大河を見ながら、竜児の笑顔はますます深くなる。
「・・・なぁ、大河?」
「うん?」
「・・・」
「・・・なに竜児?」
しばらく間が空いて、それでも聞こえてこない続きに、大河が訝しげな目を向けた。
「どうかした?首痛い?」
さりげなく心配そうな目に気付く竜児。
「・・・なんでもねえ」
「なにそれ?」
変なの。
きょとんと首を傾げる大河に、思わず苦笑する。
「あ!なんかバカにしてるっ!?」
「してねぇしてねぇ」
目ざとく見つけて噛み付いてきた子トラに、それでも笑顔が深くなる。
「んなことより、早く決めねぇと、狩野屋の特売が始まっちまうぞ?」
発した言葉は効果適面。
あわてて思案に戻る大河を、笑顔のまま竜児は見つめ続けた。



「なぁ、大河」
「・・・ナニよ?」
「好きだ」
「!?ままま真っ昼間っから、なにぬかしとんじゃーっ!!」



そう。
今にして思えば、あれは確かに・・・幸せの入り口だったな。
━━━今に、続くための。


END

513 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/26(土) 12:36:46 ID:t2nnBWT60
>>506
離れていても相手を思う気持ちが伝わりますね。GJ!

>>512
また読めて嬉しいです。
相変わらずの竜虎が楽しめました。
乙です。

514 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/26(土) 23:48:08 ID:M2V8jtgC0
>>506
いつもGJです。
あえて、大河に話しかける風にする竜児。気持ちは届いていると信じているのだろうなぁ

>>512
わぁ、ご無沙汰です。氏の大河は竜児に容赦なくて大好きですw
電車の中のやつとか、あみのりとか、「満面の笑みで怒る」とかもw

515 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/26(土) 23:59:06 ID:tncCnGFN0
>>506
ありそうだなぁ・・・
竜児の寂しい気持ちと前向きさがじんわりくる
いつもGJ&乙です!

>>512
乙!
食べ物で即ご機嫌になる大河かわいいw
トリック面白いよなw

516 : ◆odaAq0EgoE :2010/06/27(日) 00:08:22 ID:FQ7Zh5CVO
>>514
ありがとうございます(^-^)
しかし人違いですw
>>513もどうなのかわかりませんがw

さて質問。
今まで未完とされてきたやつを、今更ながら書いてもいいですか?

517 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/27(日) 00:33:51 ID:hVVqvzN50
>>516
>今まで未完とされてきたやつを、今更ながら書いてもいいですか?
是非
待ってます

518 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/27(日) 00:47:30 ID:9aLBlbmi0
竜児「高須棒が乾く暇が無い…」

519 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/27(日) 01:14:50 ID:ixf7incq0
大河「なにしてんのよ、そこはもう十分だからこんどはこっちをやりなさいよ」

520 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/27(日) 01:33:34 ID:Bdf3dqBiO
竜児「いや、まだダメだ。ぜんぜん汚れがおちてねぇ」

521 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/27(日) 04:54:47 ID:nAgoF/x5O
大河「・・・っ、バカ犬! こっちだって言ってるでしょ!」

竜児「もう少し・・・もう少しだ、ここの汚れが・・・フヒヒヒヒ」



522 :514:2010/06/27(日) 09:25:39 ID:CtkXy6OV0
>>516
> しかし人違いです。
うわー、本当にすいません。トリップを空目してしまいました。死にたい… orz
改めて、◆odaAq0EgoE氏は、このスレの流れを作った方と思っています。
数々の、竜虎の甘酸っぱい作品、大好きです。

> 今まで未完とされてきたやつを、今更ながら書いてもいいですか?
是非、お願いします!

523 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/27(日) 13:40:18 ID:KVsSoqUkO
大河「暑い…」

竜児「そりゃお前がずっと俺に抱き付いてるからだろう」

大河「虎と竜は並び立つって言ったのはあんたじゃない」

竜児「にしたってなあ…」

大河「へ、平気よ。竜児の側にいれば暑いのなんてへっちゃら!」

竜児「…無理すんなよ」

大河「…やっぱり暑いわ」

竜児「シャワー浴びてこいよ。水なら結構涼しくなるぞ」

大河「しょうがないわね…のぞいたりしないでよ」

竜児「残念だが我慢出来ずにのぞいてしまうかもしれん」

大河「はいはい。一緒に入ろうなんて言わないだけ紳士的だと思っておくわ」

竜児「おう。さあアイス用意しておくからさっさと入った入った」

大河「はーい♪」

524 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/27(日) 13:42:06 ID:KVsSoqUkO
シャワー


大河「ふぅ、さっぱりさっぱり。竜児ー、アイスー」

竜児「その前に頭乾かさないとな。ほれ、手伝ってやるよ」

大河「えー、竜児が乾かしてよ。その間にアイス食べるから」

竜児「やれやれ」

セット中…


大河「あーおいし♪」

竜児「ほい、出来たぞ」

大河「ありがと。あっ、結ってくれたんだ」

竜児「おう。実は俺…ポニーテール萌えなんだ…」

大河「はいはい杉田杉田」

竜児「まあそれは冗談として、首出した方が涼しいだろう」

大河「本当ね。だいぶ違うわ」

竜児「だろう?」

大河「これで竜児に心置きなく抱き付けるわね♪」

竜児「いい加減にしなさい」

大河「てへっ♪」

525 :代理:2010/06/27(日) 21:51:28 ID:c1FmE2pg0
◆fDszcniTtk 投稿日: 2010/06/27(日) 15:38:19 ID:aTxewkKw
だれか代理投稿よろしくです……こっちのトリップって前から本スレとおなじでしたっけ。
----
>>497
サンキュー。軽く充填された。オリジナルはどこだろう。

>>499
何か受信したのだが、伝送中にエラーが起きたかもしれない。すまん。

新作投下:「袴戦争」 3,4レスくらい。


526 :代理:2010/06/27(日) 21:52:37 ID:c1FmE2pg0
222 :袴戦争 ◆fDszcniTtk:2010/06/27(日) 15:38:55 ID:aTxewkKw
「やっちゃん久しぶり!」
「大河ちゃん久しぶり!今日もかわいい!」
「もう。私23歳だよ。かわいいって変だよ」

喫茶店のカウンターの前に立って、くすぐったそうに逢坂大河が笑う。待ち合わせの相手は高須泰子。当年とって39歳のはずだが、子供っぽい顔立ちや表情の作り方は、とてもそんな風に見えない。『永遠の23歳』に偽りなしね、と正真正銘23歳の大河は独りごちる。

大河は6年ほど前、高校2年生の1年間、泰子の家に半居候を決め込んでいた。それまで家族から離れて一人乾いた生活を送っていた大河は、泰子と、その長男の竜児の元で心の潤いを取り戻し、結局3年生に進級する前に竜児と婚約してしまった。
そして長い婚約期間が過ぎ、ようやく今年、二人は晴れて結婚する。つまり大河と泰子の二人は、まもなく義理の親子になる。

「もうすぐ本当にやっちゃんが私のおかあさんになるんだね」
「やっちゃんずーっと大河ちゃんがお嫁に来るの待ってたんだから」
「それ最初に聞いたのいつだったっけ」
「ずっとずっと前だよ」

二人、顔を見合わせて笑う。二人の婚約は5年前から両家にとって周知の事実だったのだが、さすがに働いていない男に娘をやるわけにはいかないと、大河の両親からずっと止められていたのだ。今年大学を出て就職した竜児は、ぺーぺーとはいえ給料袋をもらう身になった。
そうして、ようやく長い長い『待て』に終止符が打たれたのだ。待たせていたのは大河の両親とはいえ、学生時代、ひたすらまじめに『待て』を守る竜児に大河は何度『あんた、どれだけ忠犬気取りなのよ、もう、同棲くらいしようって言ってよ』と、泣いたかわからない。
そのたび蹴っ飛ばされた竜児もいくつ痣を作ったかわからない。

「で、やっちゃん相談ってなぁに?」

15分ほど話し込んだ後、大河に問われて泰子が舌を出しながら破顔する。

「いけなーい、忘れてた。あのね、大河ちゃんおり入って相談なんだけどぉ」

普通『折り入って相談』といわれると、借金の話とか、やっぱり息子はやれないとか、父親は、といった重い話しである。しかし、高須家が貧乏ながら何とか無借金でやりくりしていることは知ってるし、竜児と大河をくっつけたがっていたのは泰子だし、
大河は竜児と出会った頃に父親の写真を見て爆笑している。大河としては、今更びっくりするようなことが飛び出すとは思っていない。何より目の前の泰子がへらへら笑いながら話しているので、聞いている大河もクリームソーダをストローで吸いながら

「なぁに?」

と、気楽なものである。

「あのねぇ、花嫁衣装決めた?」
「うん。ドレスにするの。竜児も似合うって。やっちゃんにも写真見せたよね」

そう答えて大河が顔を赤らめる。ドレスを試着した大河を見て、竜児は挙動不審と言えるほど動揺したのだ。あんまりきれいなんで度肝をぬかれたぜ、とあとで真っ赤になりながら話してくれたものだ。その写真は泰子にも見せている。

527 :代理:2010/06/27(日) 21:56:00 ID:c1FmE2pg0
223 :袴戦争 ◆fDszcniTtk:2010/06/27(日) 15:39:36 ID:aTxewkKw
だが、

「そうようねぇ、大河ちゃん本当にドレス似合うよねぇ。でもね、白無垢も着てみたいって思わない?」

と、和服を勧めてくる。大河の方は思わず黙り込む。だって、どう考えても自分には似合わないと思うのだ。

もともと小学生サイズだった大河は、和服を最初っからあきらめている。
昔の友達には『私だって背が伸びたでしょ』と薄い胸を張ってみせるが、その実伸びたのは3mmででしかない。3cmではない。3mmなのだ。
現在身長は143.9cm。ミリメートルで表さないと成長を見逃すレベルである。

もともと和服は女性の体をふっくらと見せる。丈を詰めても横は細くならないから、自分が着るとちょっと滑稽になると大河は思うのだ。
おまけに自分のようなちびが高島田みたいな日本髪を結うと、頭でっかちになりすぎないだろうか。

その点、ドレスは薄いので、ほっそりとした大河の体の線を引き立ててくれる。
竜児も、頬を赤らめる大河にどれほどドレスが似合っていたか、3時間にわたって熱弁をふるってくれた。

「私、着物似合わないし、竜児もドレスの方がいいって言うの」

しかし泰子は

「見たいなぁ。和服姿見たいなぁ」

と、こだわりを見せる。

「ねぇ、やっちゃん白無垢着たかったの?」

と、大河がおそるおそる聞いたのは、泰子の境遇を知っているからだ。

16歳の時、チンピラの子供を身ごもった泰子は、後に竜児と名付けることになるその子供を守るために家を出た。
チンピラはとっくの昔に姿を消しており、始めから一人で生きて竜児を守るための家出だった。花嫁衣装など着るチャンスは無かったはずである。

もし、自分が着ることのできなかった白無垢に泰子があこがれをもっているのであれば、大河としても願いを叶えてやりたいと思う。しかし、

「ううん、やっちゃんもねぇ、ドレス着たかったのぉ」

などと言う。

小首をかしげ、大河が泰子を見つめる。竜児に『飲食業なんだから』とやかましく言われて短めにセットした髪は、昔ほどではないが
軽く脱色されて明るく波打っていうる。少したれ気味の目尻には、さすがに年相応の年輪が刻まれているが、
それにしてもにこにこと笑う姿は、とても39歳とは思えない。そうして、甘いマスクは年齢だけではなく内心すら覆い隠しているのだ。

泰子はまもなく義理の娘になる女の小首をかしげたポーズに気づいたのか、いっそう目尻を垂らすと

「あのねぇ、やっちゃん竜ちゃんのぉ、紋付き袴姿見たいのぉ」

と、のたまってくれた。ずるり、と大河がいすの上から落ちそうになる。

ええええええぇぇぇぇぇ!と、声には出さないものの、昔『手乗りタイガー』の二つ名で呼ばれた女は、心の内をだだ漏れにしてしまう。嫌だ、嫌すぎる、と。

「大河ちゃんはぁ、竜ちゃん紋付き袴姿似合うと思わない?」
「それはぁ」

似合うと思う。

528 :代理:2010/06/27(日) 21:58:06 ID:c1FmE2pg0
224 :袴戦争 ◆fDszcniTtk:2010/06/27(日) 15:40:10 ID:aTxewkKw
だから嫌なのだ。誰よりも自分に優しくて、たとえ世界を敵に回そうと自分を守ってくれるだろう愛しい婚約者には、紋付き袴姿はきっとよく似合うだろう。
それはもう、おそらく披露宴会場の半分がぷっと吹き出し、半分が目をそらすほど似合うに違いない。

竜児は、目が怖い。裂けるようにつり上がったまぶたの中には青白く不気味に輝く白目がはめ込まれており、その中央でぎゅっと縮んだ黒目が狂気をたたえてかたかたと震える。
絵に描いたような三白眼。

高校生時代、怖いもの知らずで鳴らしていた大河は竜児の顔が怖いなどと思ったことは無いが、自分が思わなくても世間がどう思っているかはちゃんとわかっている。なにしろ並んで歩いているとみんな道を譲ってくれるし、デート中に職務質問をされたこともある。
スーパーで物陰から目つきの鋭い万引きGメンらしき連中に監視されていたことも数知れず。

人を傷つけることのできない、根っからの善人である竜児だが、悲しいかな、遺伝子の半分はチンピラからもらい受けている。それが性格に反映されなかったのは幸いだが、その代わり、ありったけの遺伝が目つきに現れてしまっていた。

そんな、にこにこ笑っても子供が泣くような顔で紋付き袴でも着た日には、披露宴会場に嫌な空気がただようこと請け合いである。
なんだか、竜児と大河の前に黒服の男女が二列に並んでびしっと礼をしている風景が頭に浮かんできて、鳥肌が立つ。
そういう悪ふざけを仕掛ける奴がいるとしたら絶対ばかちーに違いない。

「私嫌だなぁ。紋付き袴」
「ええー、絶対かっこいいよ」

そうだ、忘れていたが、泰子はどうやら「そういう」のが好きらしいのだ。やくざ映画が好きとかじゃなくて、なんだか、怖い顔の男が好きらしいのだ。
そうでなかったら16歳でチンピラにだまされたりしないだろう。竜児を生んでくれたことには本当に感謝しているが、正直、この嗜好にはついて行けない。

にっこり笑って首をかしげて否定する大河に、

「私は嫌だなぁ。竜児は絶対スーツのほうがいいよ」
「大河ちゃん、男は紋付き袴だよ」

泰子もとろけるような笑顔で即答する。

冗談ではない。結婚式は生涯一度きり、竜児とだけと決めているのだ。それを極道もののレンタルビデオの祝言みたいにされてたまるものか。ここは退くわけにはいかない。
竜児はその堅さもあって『お色直しは「あなたの家風に染まります」って意味だからな。2度も3度もするのはおかしいぜ』などと妙なところにこだわっている。
大河としてはウェディング・ドレスさえ着れればいいのだからそれで文句はないのだが、白無垢とドレスのミックスってどうなのか。というか、竜児はお色直しなんかしないだろう。
当たり前だ、自分が竜児色に染まるのだ。竜児にお色直しなんかさせない。

ならば、話は簡単だ。ドレスか着物か。勝つか負けるか。妥協など無い。負けるわけにはいかない。

「竜児もスーツがいいって言うと思うな。わ、私のドレスきれいだって言ってくれたし」

妙な切迫感に包まれて、どもりながらも大河は強気。小首をかしげてつんとあごをあげ、自分が受け取っている婚約者からのあふれるような愛を未来の義母に誇示する。

「じゃあぁ、やっちゃん竜ちゃんに頼んでみようかしら。竜ちゃんやっちゃんにやさしいぃ」

泰子も珍しくこわばった笑顔で押収。じわり、と喫茶店の一角が嫌な空気に沈み始める。

「えへへ、やっちゃん変なの。息子の洋服にこだわるなんて、おままごとじゃないんだから」
「だってぇ、未来のお嫁さんがお願い聞いてくれないんだものぉ。あっそうだ。お願い聞いてくれないなら結婚反対しちゃおうかな。なーんちゃって。冗談よ、大河ちゃん、冗談だかからね」

目をかっぴらいて耳まで避けそうな笑いを浮かべた大河の前で泰子がへらへらと笑う。

◇ ◇ ◇ ◇

529 :代理:2010/06/27(日) 22:00:04 ID:c1FmE2pg0
225 名前:袴戦争 ◆fDszcniTtk 投稿日: 2010/06/27(日) 15:40:45 ID:aTxewkKw
「馬鹿野郎!つまらねぇことで電話してくるな!」
「だって、だって。竜児ぃ」
「あーっ、もううるさい!明日までに泰子に電話して仲直りしとけよ!」

ぶちっと電話を切ってため息を漏らす。午後9時。あらかた人が帰ったオフィスの片隅。残業中に母親に続いて婚約者からつまらない話を聞かされ、高須竜児がどっとため息をもらす。

「高須ぅ、婚約者か?熱いなぁ」

冷やかしの声をかけた同期入社の友達が、ギロリとにらまれて首をすくめる。畜生、なんだってんだ。

「あの二人は喧嘩しねぇと思ったんだけどなぁ」

忘れていた重要事を思い出して、竜児はこれからの生活に頭を抱える。くだらない嫁姑戦争の心配はしないと思っていたのだが…。

今後、たまに巻き込まれるかもしれない「小学生レベルの喧嘩」の様子を思い描いて、社会人一年生の竜児はmなるで人生に疲れたように机につっぷした。

(お・し・ま・い)


530 :代理:2010/06/27(日) 22:00:41 ID:c1FmE2pg0
226 名前: ◆fDszcniTtk 投稿日: 2010/06/27(日) 15:41:35 ID:aTxewkKw
以上。暑くなったなぁ。もうすぐ水泳勝負が決着する時期か。


531 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/27(日) 22:03:24 ID:c1FmE2pg0
>>530
GJでした。
幸せになる前のひとコマって感じが出てましたね。
嫁と姑かあ…そういう関係になるんだよなw

532 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/27(日) 22:24:13 ID:onx1f2qc0
>>530
GJ!です!
代理の方も乙でした。

> 「馬鹿野郎!つまらねぇことで電話してくるな!」
> 「あーっ、もううるさい!明日までに泰子に電話して仲直りしとけよ!」
> ぶちっと電話を切って…

今夜は、梅雨の変わりに、竜児の血の雨が降らないことを祈るw
ただでさえナイーブになる結婚前の花嫁が、大河ならさらに… ハッ、もしかして続きが?

533 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/27(日) 22:53:30 ID:RZfam4/90
>>530
いやぁん、すげえ展開。
大河とやっちゃん怖すぎる…
この二人笑いながら喧嘩しそうだ。

結婚後の竜児に幸おおからんことを…





534 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/27(日) 22:55:53 ID:RZfam4/90
>>516
> さて質問。
> 今まで未完とされてきたやつを、今更ながら書いてもいいですか?
もち!!、期待しております。



535 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/27(日) 23:32:00 ID:GMOYGLRg0
>>530
GJです。式のために必死な大河可愛いなぁ

>>516
楽しみに待っております

536 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/27(日) 23:51:08 ID:vo735EzA0
やっと規制解除された
>>516
間違えなければ「繋がれた手はそのままに」や「1話if」の作者の方ですよね。お待ちしておりました。続編宜しくお願いします。

537 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/27(日) 23:56:54 ID:HsDwSSOH0
>>524
>竜児「残念だが我慢出来ずにのぞいてしまうかもしれん」
wwwてかハルヒ見てるのか二人ともw

>>530
GJです!
竜児出番ちょこっとだけど、いつもラブラブなのが伝わってくるなぁ。喧嘩の対応はなげやりだがw
3mmとか、デート中職務質問とか、小ネタに吹いた
竜児の三時間にわたるドレス大河絶賛がすげーききたい…w

代理の方も乙です!

538 : ◆VW.RtTKf1E :2010/06/29(火) 00:01:05 ID:AC8v+4M40
色々タイミングが余り良くないかもしれませんが、
とらドラ!, againの続きができたので、投下させてください。

山場なので途中で切れず、量が半端なく多くなってしまいました。すいません。

>>380
の続きとなります。
全部で13レス使います。

539 :とらドラ!, again ◆VW.RtTKf1E :2010/06/29(火) 00:05:01 ID:AC8v+4M40

日曜日 14:00
竜児と大河の父親は、リビングルームにつっ立ったまま、亜美が映っている画面をじっと見つめていた。
画面の隅には「川嶋亜美、TV初、生レポート!」の文字が踊っている。これまで映画の出演者として
インタビューを受けることはあっても、作品に関係のないテレビ出演をずっと断ってきた亜美にとって、
こうして自らマイクを握ること自体、とても珍しいことだと実乃梨から聞かされていた。

今回の映画はテレビ局が製作委員会に参加しており、今日の特番は早くから決まっていた。亜美は
監督やプロデューサーなどの関係者に計画を持ちかけ、テレビ局側は亜美の初レポーターとしての
登場等々を条件に、計画に沿った番組づくりに同意したのだった。

『はーい、みなさん、こんにちは。日曜の午後、いかがお過ごしですか? 川嶋亜美です。今日は春に
公開される、私の最新主演映画をご紹介します! この作品は…』
亜美がよく通る声で、映画のあらましを紹介していく。スタジオではなく、どこか家の中からの中継だ。

『では、撮れたてほやほやの映像を、ほんの少し見てみましょう!』
亜美がそう告げると、画面はVTRに切り替わった。

 “病に倒れた父が死の間際に話した、母の本当の姿。
  子供の頃、自分勝手な我儘で家族捨てたと思っていた母親の行動が、
  実は家族を守るためだったという父の言葉をきっかけに、
  日本からアジアへ、母の生き様をたどる、娘の旅が始まる・・・”

映画の冒頭シーンを中心に編集された予告編が流れた後、再び亜美が画面に映る。
『皆さん、いかがでしたか? では、この映画の監督をご紹介します。監督、どうぞこちらへ!』

亜美のにこやかな声に迎えられ、カメラの前に立った監督は気難しそうな顔をしていた。
へそ曲がりの性格と聞いていたので、この表情もわざとだろうと竜児は思っていた。
肩を並べて立つ大河の父親は、この映画が家族の行方と何の関係があるのか?と問い詰めたい様子が
横顔に浮かんでいたが、亜美の姿を昔のクリスマスパーティの時にネットを通じて見たのを思い出し、
今、少し我慢しているようだった。

テレビの画面の中では、亜美による監督へのインタビューが始まっていた。
『えっと監督、この作品は監督が脚本を書かれたんですよね? ご自身の経験を元に』
『まぁ、そうだ』
『ある人がとっても辛い目にあっていますが、本当にこんなことってあるんでしょうか?』
『この話は、昔、俺がテレビでドキュメンタリーを制作していた時に取材した話が元になっている。
何人かの話が組み合わさっているが、そういうエピソードは全て実際にあったことだ』
『でも監督がテレビやってた時って、ずいぶん昔ですよね? 今の時代でもこんなことが起きるんですか?』
『ずいぶん昔って、お前、ほんの20年くらい前のことだぞ… まぁ、俺も駆け出しだったけどな。 
じゃあ川嶋、見て欲しいVTRがある。これは映画と違ってフィクションじゃない。まさに今起こっている
現実だ。これを見れば、今の世の中にもまだまだ理不尽な悲劇が残っていることがわかる』
『本当ですかぁ? じゃあ、その現実というのをちょっと見てみましょう。ではVTR、どうぞ!』

亜美の掛け声と共に、画面が暗転し、テロップが表示された。

“このVTRは事実に基づいて、再構成された再現映像です。実在の人物に配慮した内容となっています”

その文言と書体、数秒間の無音がこれから映し出されることの信憑性をより一層、高めている。
VTRは、ある姉弟の暮らしぶりを描き出し始めた。

  17才の時、母親の再婚相手の元で、父親の違う弟と暮らしはじめた姉。
  年の離れた小さな弟と共に、新しい家族4人で幸せに暮らしていた。
  だが、20才の誕生日に、実の父親に莫大な借金の保証人に仕立てあげられ、
  さらに、その父親の罠によって、母親にも重大な犯罪の疑いが掛けられる。

  取り立てと警察から逃れるために、姉と弟と母親は家を飛び出したが、
  やがて借金取りに捕まってしまう。警察から身を隠し、一緒に暮らせない母親に代わって、
  姉が昼夜を問わず働き、その稼ぎで姉弟は今もひっそりと暮らしている……


540 :とらドラ!, again ◆VW.RtTKf1E :2010/06/29(火) 00:07:54 ID:AC8v+4M40

「まさか、これが… 」
VTRをじっと見ていた大河の父親が、低く、呻くような声を発した。
「はい、先程あなたが尋ねられた、3人はどうしている?の答えです。ただ少し脚色しています。
1人で住んでいるのは大河で、あなたの奥さんと恵児君は近くで一緒に暮らしています。
これは万一の時に、ヤクザを欺き、大河の母親を守るための設定です」

「ヤクザ? さっき重大な犯罪の疑いとか言ってたな? 前に警察や怪しい連中がウチを訪ねて
きたのは、何だったんだ?」
「麻薬です。海外からの麻薬密輸入の疑い。ヤクザはそのルート知りたがっています」
「麻薬! そんなことを… 妻がやっていたのか?」
「大河の母親は直接関わっていません。しかし逢坂陸郎がやっていたことは間違いないようです」

竜児は、以前マスターから聞いた、大河の母親がはめられた罠について、説明した。
正月に大河の母親から詳しい話を聞こうとしたが、頑として口を割ることは無かった。信用されていない
というより、事情を知った人間の身に危険が及ぶのを防ごうとしているのだろう。

「今、ヤツは行方不明ですが、借金を肩代わりさせるため、大河と大河の母親を、嘘の情報で警察と
ヤクザに売ったんです。ヤツは警察にも通じていて、内部に協力する人間がいると私達は見ています」
「ちょっと待て。それが本当なら、こんなことをテレビで流して、ただで済むと思っているのか? 
名前を伏せているとは言え、見る人が見れば、誰のことかわかるはずだ。警察とヤクザに、ここにいます、
捕まえて下さい、と言うものじゃないか!」
「テレビだけじゃありません。もう1つあります」
竜児はテーブルの上に雑誌を広げ、そっと置いた。
扇情的な書体が踊る、週刊誌の芸能界情報のページが開かれていた。

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スクープ!! 川嶋亜美は主演映画の宣伝のために同級生をさらし者にする冷酷女か!?
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
女優 川嶋安奈の娘、いや、若い人への知名度なら母親を凌駕しつつある、モデルで演技派女優の
川嶋亜美。これまで色恋沙汰や怪しい話の無いスキャンダル処女にとんだ疑惑が発覚した!! 

日曜日の14時からXXテレビで放映された春公開予定の主演映画の特番を見ただろうか? 本誌が、
独自のルートで得た情報によると、川嶋亜美は主演映画の宣伝のために、元同級生を利用したという
疑惑が囁かれている。主演映画とその特番の内容とは… (中略)

実はこの番組内のドキュメントで取り上げられていたある不遇な人物は、川嶋亜美の同級生だった
と言うのだ! 2人の関係を知る人物から経歴の秘匿を条件に話を聞いたところ、2人は間違いなく
同級生で、在学中に良く対立し、不仲だったと聞き出すことができた。

川嶋亜美は、仕事熱心なあまり、周囲にも同じだけの高い意識を求めて厳しくあたる「女王様気質」
として知られている。作品に注目を集め、ヒットさせようとする志は結構だが、まさか私情を挟んで、
学生時代の恨みを果たそうとしているのなら、見当違いも甚だしい、とんだ公私混同だ!
今はただ、映画の宣伝に利用された同級生が、無事に窮地から抜け出せることを祈っておこう。(N)

==================================================================================

能登の手による、初のスクープ記事だった。
”亜美のスキャンダル”という形にすれば、大河のことを記事にできるかもしれない… そう思いついた
能登は、原稿を書き上げると亜美を伴って、編集部のデスクと直談判した。

“冷酷女”の見出しは、さすがにやり過ぎと思ったが、『中途半端に手ぇ抜くんじゃねぇっつーの!』
という亜美の一喝と、それを大いに気に入ったデスクによって、芸能欄のトップ記事となった。
明日月曜の朝には、日本全国の駅、書店、コンビニの店頭に並ぶ手はずになっている。

以前、能登を”公器の私物化”と怒鳴りつけたデスクは、『ようやく仕事が分かってきたな』と珍しく
褒めた後、警察は皆が正義ではなく、陸郎やヤクザに内通した人間がいる可能性を指摘したうえで、
信頼できる筋に情報をリークする協力を申し出てくれたのだ。


541 :とらドラ!, again ◆VW.RtTKf1E :2010/06/29(火) 00:11:13 ID:AC8v+4M40

「これは一体どういうことだ! 君たちは何がしたい?」
「真実を見せるんです。表に出すことで、闇で処理しようとする警察の一部とヤクザの動きを封じるんです」
「そんなこと、できるわけ…ない。こんなことして… もう取り返しがつかないぞ!」

大河の父親は、壊れて二度と元に戻らないことを嘆くように、文字通り、両手で頭を抱え込んでいる。
竜児は、大河の父親をゆっくりとソファーに座らせると、自分達の計画の意図を話し始めた。

「俺達、一般人はヤクザを一番恐れています。そのヤクザが恐れるのは警察です。警察はマスコミが怖い。
何か不審なネタを嗅ぎつけられ、探られることを嫌がります。そして、マスコミは話題を作って、一般人の
注目を集めようとしています」

竜児は、この4つのバランスを最大限に利用し、まず、マスコミを通じて”真実”を見せていると話した。

「今日のことはある筋を通して、警察にも伝えています。彼らもきっとこの番組を見て、該当する事件を
大騒ぎで洗い出しているところでしょう」
「しかし、こんな記事が出れば、あの女優だって無事にはいられまい。誰かこんなことを思いついたんだ?」

大河の父親はやや冷静さを取り戻したのか、両手を組み合わせながら、大河の母親仕込みの切り返しで
反論してくる。意図に気づいたヤクザや警察の内通者が、亜美に仕返しにくる、と言いたいらしい。

「計画を考えたのは、その川嶋亜美と女子ソフトボール日本代表で名を知られている櫛枝実乃梨です。
川嶋とのつながりを見せなければ、大河は単なる無名の人物として処理されてしまう、有名人との接点、
それがもう1つの重要なポイントです」
「ば、馬鹿な… 大河ちゃんのために、芸能人がそんなリスクを!」
「ええ、そういうヤツなんですよ、あいつは…」

画面に大きく映る、亜美の顔を見ながら、竜児は答えた。
番組は再現映像が終り、CM明けの後、亜美と監督がVTRで紹介された悲劇について語りあっている。

「確かに表へ出すのはリスクがあります。けど、注目されれば、でっち上げられた嘘がまかり通ったり、
闇に葬られる危険が少なくなると思いませんか? 川嶋と櫛枝は有名人になることで、プライバシーが
無くなったり、時には嫌な思いをすることもあります。でも多くの人が彼女達のことを注目しています。
力になってくれる人も大勢います。光と闇、どちらかを選べるなら、俺達は真実を陽の光の下にさらけ
出すことに賭けました。あなたに何の相談もせず、実行したことは申し訳なく思っています」

「くっ…」
世間で注目された事件について、警察が捜査の手を抜くことは難しい。ましてはテレビや週刊誌という
マスコミがついている… 見くびっていた相手に、言いくるめられそうになっている悔しさだろうか、
大河の父親はテレビの画面と週刊誌、竜児の顔を順番に見ながら、苛立つ感情をあらわにしている。

「だが、ヤクザが本気を出して、君達を潰しに来たら、どうするんだ!」
「信用できる警察に保護される前にヤクザに捕まってしまったら、その時は俺達の負けですね」
「負けって、そんな簡単に言うのか? 妻は? 息子はどうなる? 大河ちゃんも無事でいられるか…」
「わかりません。だけどリスクを取らなければ、ずっとこのままです。いつ、ここに帰ってこられるか
分からない。だったら、俺達は前に進もうと決めました」
「無茶だっ! 身の危険が迫っていないなら、じっとしていた方がいいんじゃないのか? なにもこんな、
煽るようなことをしなくても、時間を掛けて別の方法を考えることもできただろうに!」

やはり、大河の父親は計画を否定してきた。でもありがたいことに、自分に危険が及ぶ可能性を考えるより
家族や大河、亜美のことを心配してくれている。巻き込まれる恐れに気づいていないだけかもしれないが、
話を続けやすくなったと竜児は考えていた。ここから先が本番なのだ。

「そして、恵児君はずっと日陰の中で、大きくなるわけですね。人目を気にして、何かに怯えながら」
「えっ、恵児…? 恵児がなんだって?」

息子の名前がふいに出てきた意味が分からない、というように、大河の父親は目を丸くしている。
竜児は、以前この家に来て、3人が居なくなったと聞いた時から、ずっと考え続けていたことを話し始めた。



542 :とらドラ!, again ◆VW.RtTKf1E :2010/06/29(火) 00:14:28 ID:AC8v+4M40

「大河のお父さん、俺の父親の話を聞いたことはありますか」
「ふんっ、世間知らずのお嬢さんがどこかのチンピラに遊ばれた挙句… あっ、いや… 言い過ぎた… 
君達が結婚を約束している、と聞いたものだから、一度大河ちゃんに君の親のことを詳しく尋ねたのだ…」

竜児は顔色一つ変えずに平然とうなずいて見せる。
「いや、その通りです。俺の父親は、俺が泰子の腹の中にいるとわかって、別に女を作って行方を
くらましました。それから俺は泰子とずっとふたりきりで生きてきたんです…」

竜児はゆっくりと語った。

肉親と呼べる人間は泰子だけで、竜児は親戚はおろか、祖父母ですら、高校2年の冬まで会っていなかった
こと。身体を壊した泰子が治療に通う病院の、食べ物と洗浄液が混ざったような「あのにおい」が大嫌い
だったこと。そして泰子が夜働いている間、託児所の窓から街の光を見つめながら、このまま、もし泰子が
帰ってこなかったら、自分はどうなってしまうんだろうと、いつも、ずっと考えていたこと。

街はこんなにも人や電灯の光に溢れかえっているのに、泰子がいなくなって、1人ぼっちになってしまったら、
もう自分のことを振り返ってくれる人は誰もいない。どこにも居場所はなく、まるで砂粒が風で飛ばされて
しまうように、自分は消えてなくなってしまうんじゃないか… 幼い竜児はいつもそんなふうに怯えながら、
泰子のヒールの音に耳を澄まし、仕事を終えて迎えに来た泰子にしがみついて、泣きじゃくったこと。

「子供には、自分はここにいていいんだ、という安心感が必要なんです。それは、家族といるだけじゃない、
親戚や友達、近所の人、自由に歩ける街、さりげない日常の空気。そういったものと触れ合うことで、安心を、
自分の居場所を認識できるんです。大河達は今、外部との接触を最小限にして、暮らしています。俺と違って、
母親と大河の2人が傍にいるけど、このまま、いつまでも3人でいられるかは分からない…」

正月に大河の母親を説得する時、竜児は同じことを話した。
淡々と語られた、2人ぼっちで生きてきた少年時代の竜児の話に、大河は勿論、実乃梨、能登、春田、麻耶、
奈々子達は涙をこらえることができなかった。他の仲間より、竜児との付き合いが少し長い北村は、天井を
見つめたまま話に聞き入り、亜美は何か別のことを考えていたのか、じっと竜児の顔を見つめ続けていた。

そして今、大河の父親も押し黙ったまま、竜児の話に言葉を返しあぐねているようだった。
「…………………」
「俺が大河の母親の家を訪ねて、恵児君に初めて会った時、彼がどういう行動を取ったか、分かりますか?」
「そんなこと… わかるはずが無い…」
長く息子と離れている大河の父親は、そうぶっきらぼうに答えるしかない。

「恵児君は俺の顔を見た瞬間、飛びかかってきて、この腹に頭突きを食らわせました。5才とは思えない、
いい頭突きでした。俺のこのツラを見て、悪いヤツだと思ったのでしょう。恐怖で目に涙を溜めながら、
それでも俺に向かってきて、“ママと大河姉ちゃんはボクが守るんだ!”と叫んだんです」
「あの子が… あの小さな子が… そんな…ことを?」
「大河は、恵児君には何も話していないって言ってたけど、でも分かるんです。だって、どんなに小さくたって、
一緒に暮らしている家族だから…」

大河の父親の肩が、一瞬、ビクっと震えた。
“家族”
たぶん、この人なりにずっと悩み、心のなかで何度も繰り返してきた言葉なのだろう。

「このままいくと、恵児君にとって、あなたは“無かったこと”になるかもしれません」
「無かった… こと…?」

竜児は話を続けた。
自分にとって、父親とは生物学的に存在したという"知識"に過ぎないこと。写真を見たり、母親から話を
聞かされても、記憶も無ければ、存在を感じたこともない、実体の無いものであることを。

「勿論、恵児君はあなたのことを覚えています。でもその存在は小さくなってきているかもしれません。
今、ここで恵児君を取り戻さないと、次のチャンスはいつになるかわかりません。どうしますか?」
「それは… 私を脅しているのか?」
「そう取られても構いません。今の俺はできることは何でもする、手段を選ぶつもりはありません」
きっぱり言い切ると、竜児は大河の、そして恵児の父親である男を真っ直ぐに見つめた。

543 :とらドラ!, again ◆VW.RtTKf1E :2010/06/29(火) 00:17:28 ID:AC8v+4M40

大河の父親は、その視線をかわすように俯いた。肩を震わせているのは、怒りか、ショックか? 
竜児は固唾を飲んで、大河の父親の答えを待つ。しかし、その顔が再びあげられた時に、竜児に
向けられたのは、あきらかに敵意がこもった視線だった。

「で、キミの望みは何だ? 身の上を語り、説教するためにわざわざやってきたのではないのだろう?」

問いには答えないでそっちに来たか、と竜児は思ったが、臆すること無く、自分達の目的を伝える。
「金融屋に連絡して、俺達と一緒に交渉のテーブルについて頂けませんか? フリだけでもいいんです。
彼らには弱みがいくつかあります。その弱みを突いて、借金の交渉を有利に進めたいんです。でも俺達
だけではその場すらつくることができません。あなたの力が必要なんです」

フッ… 
竜児の言葉を聞いて、大河の父親の口元が緩む。
まるで自分の罪に対する赦しを得たような表情にすら見える。

「結局は金か… 前にここに来た時と変わっていないんじゃないかな?」
「違います。借金を肩代わりしてくれとお願いしているんじゃないんです。とにかくテーブルに付かない
ことには、相手と交渉することも条件を引き出すこともできません。そこを一緒に協力して欲しいんです。
難しいことだとは思います。でも、これはあなたしかできないんです。お願いします。力を貸して下さい!」
そこまで言って、竜児は頭を深く下げた。

「フリといってもだね…」
大河の父親はぎこちなく肩をすくませる。
「昔、ウチの役員連中にも聞いたことがあるよ。会うだけでも噂が広まるんだ。あの会社はヤバイらしい、
社長が金融屋に出入りしているとね。たぶん連中はわざとそういう噂を流すだろう。信用を落とすためにね。
前にも言った通り、そうなった時、君はウチの社員の暮らしに責任を負えるのかね?」

「それは…」
竜児は頭を下げたまま、返答に窮してしまったかのように見えた。しかし、その言葉も想定の範囲内。
すんなりと最初の話で大河の父親が説得できるとは思っていなかった。一番目の矢がだめなら、次の矢を
放つまで。言葉や理屈で伝わらないなら… 竜児は黙ったまま顔をあげると、遠く500kmの彼方にいる
仲間達にこの状況を伝えるかのように、テレビの画面をじっと見つめた。

番組では、亜美と監督が映画を通じて伝えたいメッセージについて語りあっていた。

『じゃあ監督、人々にこういうメッセージを理解してもらうにはどうすればいいのでしょうか?』
『まずは映画を見て欲しい。そして、現実の話として感じることから始めて欲しい』
『でも限界はありますよね。この映画は所詮フィクションですし』
『お前なぁ、主演女優がそういうこと言うか? じゃあ、映像の最強の力を見せてやる』
『最強って?』
『生だよ。逃げも隠れもしない、今、同じ時間にある真実を見せる。これが最大にして最強の力だ』

監督の言葉が終わると、亜美がカメラに目線を向け、真剣な表情で語りだす。
『さて、ここでもう1度皆さんに見てもらいたいものがあります。先程の再現映像に出た姉弟、
その本人達が今、私の目の前にいます。今から私はその2人にインタビューをしてみたいと思います』

そう亜美が告げると、これまで亜美と監督の2ショットを映し出していたカメラが急に画角を広げ、
半透明の衝立を映し出す。そこには小さな椅子に座った、子供のシルエットが浮かび上がっていた。

そう、番組の撮影現場は大河の母親の家だった。どこか他の場所で撮影する方が安全だと、誰もが
分かっていたが、金融屋は大河の母親の行動に制限をかけるために、不定期に自宅へ電話を掛けては、
所在を確認していた。いつかバレるとはいえ、大河の父親の同意が得られるまで、そのタイミングは
できうる限り引き伸ばしておきたい。

『ではまず、弟さんの方からお話を聞いてみましょう。ねぇ君? 君は今、いくつかな?』
亜美はそういうと、衝立の端からゆっくりとシルエットに向かってマイクを伸ばす。
『えっと、5才だよ』
シルエットが動き、快活な声が帰ってきた。
声にはあえて処理をせず、亜美が向けるマイクを通じて、生のまま、テレビのスピーカーから流れてくる。

544 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/29(火) 00:18:44 ID:hRSjZZybO
キターー!
支援

545 :とらドラ!, again ◆VW.RtTKf1E :2010/06/29(火) 00:21:57 ID:AC8v+4M40

「何、なんだって…? 本人って…?」
テレビの画面に視線が釘付けになりながら、大河の父親がソファーからゆらりと立ち上がった。
「あ… あの声は… け、恵児?」

「衝立の向こう側を見てみたいですか?」
そう言うと竜児はいつのまにか開いていたケータイの画面を、テレビと大河の父親の間にかざしてみせた。
衝立の裏側、椅子に座って、亜美のインタビューに答える恵児の生の姿が、そこに写っていた。
撮影現場にいる、麻耶のケータイから送られてきた映像だ。

「こ、これが、今の恵児?」
あどけなさが残りながらも幼児から少年へと変わりつつある姿が、ケータイの画面に映し出されている。
「はい。恵児君はもう一人前の男の子です。顔は…あなたに良く似ていますね」
「け、恵児、こ… こんなに、大きく… なっ… なって…・」

亜美の質問と恵児の答えが、テレビのスピーカーとケータイから、ほぼ同時に流れてくる。
『好きなことは何?』         『保育園で木登りすること』
『お姉ちゃんのこと、どう思う?』  『大好き!』
『どんなところが好き?』       『カッコいいところ!』
『毎日寂しくない?』         『ううん、だってボク強いから!』

「おぉぉっぉぉおおっおぉおぉぉっ……」
もはや立っていられず、床の敷物の上に膝を付いた大河の父親の口から、嗚咽とも唸りともつかない声が
こぼれ落ちてくる。

画面の中の亜美はまるで竜児に合図するように、チラッとカメラに一瞥をくれた後、最後の質問をした。
『じゃあ、キミが今、最もしたいことは何かな?』

恵児はちょっと考えた後、無邪気な笑顔を見せて、答える。
『うーんとね、パパに会いたいなぁ。パパ、お仕事忙しくて、もう、ずっと会ってないんだ。ねぇ、パパ、
元気にしてるかなぁ?』

恵児自身の本心か、大河母娘が言わせたのか、真相は分からないが、その言葉は確実に1人の人間の心に
届いた。

「けっ、けいじっ……ぃぃいぃぃ!!」
大河の父親はがっくりと床に手を付くと、こみあげてくる涙をぬぐおうともせず、
2つの画面に目をやりながら、ひたすら息子の名前を何度も呼び続けた。

その姿を見ながら、竜児は再び声を掛ける。それは大河の母親の家では話さなかったことだ。

「自分と泰子のことしか考えられなかった俺が、初めて心配で心配でたまらなくなる奴に出会いました。
ドジで泣き虫の癖に、意地っ張りで強がってて、でも心は真っ直ぐで、誰かのために必死になれる奴で… 
そいつに出会って、俺は一番大切なことにやっと気づくことができたんです。何よりも守ってやりたい、
そいつとずっといつまでもいつまでも傍にいたい、力になりたい、笑顔が見たい、触れ合っていたい、
それが俺にとっての大河です。でも俺は、大河の手をきちんと掴んでやることができなかった。
何度も、何度も手を放して、その度にあいつは傷ついた。あいつを傷つけた。だから、今度はどんなことが
あっても大河の手を離さない。チャンスを絶対に逃さない。あなたも恵児君の手を掴んでください。
そしてあなたの元を巣立つまで、二度と離さないで下さい」

テレビでは、亜美が恵児へのインタビューを終え、彼の一途な思いを、言葉を変えて伝えている。
大河の父親はふらふらと立ち上がり、言った。

「分かった、協力する。恵児のためなら…」

本人が目の前にいなければ、竜児はガッツポーズを取っていたかもしれない。仲間達と作ったシナリオ、
二本目の矢がぶ厚い壁を貫いたのを見て、竜児は小躍りせんばかりの喜びを感じていた。

これで道は開ける! 大河を、救える!


546 :とらドラ!, again ◆VW.RtTKf1E :2010/06/29(火) 00:24:26 ID:AC8v+4M40

「じっ、じゃあ、すぐにれ、れんら…」
しかし、ふくらんだ喜びのまま、息急き切って発された竜児の言葉は、次の一言に遮られ、打ち砕かれた。

「明日の朝一番に顧問弁護士と相談し、金融屋との交渉をどのように始めたらいいか、話し合うよ」

「あ、あした…?」
竜児は二の句が繋げなくなっていた。この人は今、何と言った? 明日? 話し合う? 何を?
大河達が今、どれだけ危険な状態か分かっていないのか?

大河の母親の言葉を思い出す。
”あの人は本当におぼっちゃんだから…”
身の危険を感じる経験をしていない人間は、これ程までに鈍いものなのか?

「明日じゃ遅いんです! 今すぐ金融屋に連絡を取って、交渉の意志があることを伝えて下さい!!」
「しかし会社にも大きな影響があることだ。まず先に対策を練っておくのが経営者としての務めだ。
地元の財界連中にも今回は特殊なケースだと、先に話を通しておいた方がいいだろう。まだ社会人に
毛が生えた程度の君は分からないだろうが…」

「余裕がある時は是非そうしてください。しかし、今は一刻を争うんです。経営者じゃない、今、ここで
決断するのが、人として、親としてのあなたの役目じゃないですか!!」
大河の父親の目が泳ぎだす。そこで竜児はようやく気づいた。この人は、たった1人で重大な決断をした
ことが無い… そういう人間なんだと。

「き、君は会社と言うものが分かっていないんだ!!」
その姿はもはや責任ある大人のものではなく、精一杯、虚勢を張っているだけにしか見えない。

ギリッ……
竜児は強く下唇を噛みしめ、皮膚の表面が軽く切れるのを感じる。鉄のような血の味が口の中に広がった。
なんとしてでも、今すぐ連絡をさせなければ、大河達は3つの勢力から追われることになってしまう。
金融屋と合意したうえで、すぐに身を隠さなければ、彼らに拘束され、ヤクザや警察との取引に使われる
かもしれない。そうなれば、仲間達の計画、大河達の苦労、努力が全て水の泡になってしまう。

竜児達の計画に三本目の矢は用意されていない。とすれば、何とか今ここで金融屋に連絡を取らせなければ、
計画は”失敗”になる。せっかく協力するという覚悟を得たのに、今、連絡しなければ、何の意味もない…

竜児は生涯で初めて、力づくで人に何かをさせることを考えた。体中の血が煮え立ち、毛穴という毛穴が
開き、全身に”暴力”というざらついた負の感触が湧き上がってくるのを感じていた。

一歩、また一歩と竜児は大河の父親の所ににじりよっていく。向こうも額に脂汗を浮かべながら、
それでも、じっと竜児の顔を見据えていた。
「なんだ? 脅そうというのか? 結局、君が考えているのは金だろ、金が欲しいんだろ?」

怒りに震える竜児の手が大河の父親の肩を掴もうとしたその時、テレビから流れた「キャーッ!」という
悲鳴が広いリビングルーム一杯に響いた。

* * * * *


547 :とらドラ!, again ◆VW.RtTKf1E :2010/06/29(火) 00:28:12 ID:AC8v+4M40

日曜日 14:20
竜児が大河の父親に詰め寄るほんの数分前。

大河は、弟の恵児が亜美からインタビューを受ける様子を憮然とした表情で見ていた。
玄関へと繋がる廊下に面した、居間の襖の燦に軽く足を掛けながら、その表情は今にも誰かを取って
食おうかという程だった。

大河は怒っていたのだ。
不機嫌度はMAXに達し、もし竜児が今の大河の顔を見たら、踵を返して裸足で逃げ出すか、
特上の黒豚をすぐさま買いに走っただろう。

大河の視界の端には、小さなモニタが置いてあり、亜美が仕込んだ番組が先程から淡々と流れていた。
確かに、半月ばかりの僅かな時間で、これだけの番組、特に再現映像を作るのは、並大抵の苦労では
済まないだろう。亜美だけでなく、多くのスタッフの努力の賜物だというのは、テレビ制作の現場を
知らない大河でも容易に推測できる。

しかし… 
自分の描かれ方が気に入らない。

それは再現映像で大河役をやった役者が、やたら地味なのに、自分より背と胸が大きいからではない。
「これじゃまるで、ただ耐え忍ぶだけの悲劇のヒロイン、安っぽいお涙頂戴じゃない……」

恵児のインタビューを見つめる大河の目がまた一段と引き絞られる。
視聴者の共感を得るための人選、演出ということは、大河も十二分に理解している。

でも… やっぱり違う。そうじゃない… 
「私は逃げないって決めた。だからずっと闘ってきた…… のに…」

家族を、母を弟を守るため、あのクソ親父とケリをつけるため、そして何よりも再び竜児と一緒に
なるため、ただ、その日を取り戻すことを考えてきた。確かに落ち込んだり、気弱になる時もあった。
でも、誰かのせいになんかせず、長い間ずっと自分と向き合ってきた。それがほんの10分あまりの
映像にあっさりまとめられてしまった。こんなのは… 断じて、私じゃ、ない…


「…ガー、タイガー、ねぇ、聞こえてるの? 次、あんたの番だよ」
「へ? ばかちー、何? わ、わたし?」
「だーかーらー、打ち合わせで言ったでしょ? インタビュー、恵児君の次はあんただって! 
ほら早く衝立の後ろに来て! 生中継だよ」

大河の弟のインタビューはとっくに終わり、今はCMに入っていた。
CMの後、大河のインタビューが行われ、最後に亜美が締めて番組は終わる、そういう構成だった。
大河は慌てて、さっきまで弟が座っていた椅子に腰掛ける。

「はい、CM明けます。3… 2… 1… 」
「皆さん、次はお姉さんに話を聞いてみたいと思います。えー、お姉さん、まずは今の気持ちを
お聞かせ頂けますか?」

「へっ? あ、え、えと… あれっ?」
打ち合わせで決めていた答えは、真っ白になって、大河の頭からどこかへ飛んで消えていた。
おまけに衝立の横から、亜美が伸ばしているマイクは、大河の口元までかなりの距離があった。
放送で使うマイクは性能が良く、これぐらい離れていても十分に声が拾えることを大河は知らない。
そして、ドジの神様に愛された人間は、必ず然るべき時にドジを起こすようできている。

マイクに近づこうとして、椅子から立ち上がり… そして、衝立の脚に思いっきりつま先をぶつけて、
ふらついた大河は… ものの見事に衝立ごと、倒れた。

「キャーッ!」
亜美が思わず悲鳴をあげていた。
倒れる衝立の向こう側から、豪奢な髪を持つ、大河の小柄な身体がカメラの前に転がり出てきた。

548 :とらドラ!, again ◆VW.RtTKf1E :2010/06/29(火) 00:30:49 ID:AC8v+4M40

「!」
テレビカメラが一拍置いた後、床を映し出す。
「CM行って!」
現場のADの声が飛び、瞬時に画面が切り替わった。
「だから生は危険だって!」
照明を掲げていたスタッフがおもわず声を漏らしている。
「おい、どうするんだよ! 放送事故だぞ、ここで打ち切るか?」
「といって、戻すスタジオは無い! とにかく、亜美ちゃん、もう1回こっちで話して」

そんな現場の動揺をよそに、監督は一人冷静なまま、亜美のところにやってくるとその肩を掴んだ。

「おい川嶋、あの子はやけにちっちゃいけど未成年か?」
「だからぁ、私と同じ年! 同級生だって! ちっちゃいなんて言ったら、あいつに…」
「だったら、二十才は越えてるな。よし! 川嶋、お前はカメラを1人連れて、中継車の中で待機しろ」
「ちょっと!! 監督、何ですかっ、それ?」
「つべこべ言わず、さっさとサブルームに行け! 30秒でだ。でないと映画のギャラは半分にするぞ!」
「はぁっ?」
「おい、誰かさっさとこいつを連れてけ!」
「何考えてんの、監督っ! まさかタイガーを? 無茶よ、無理すぎ… ちょっと触んないで!!」

大騒ぎしながらスタッフに連れ出されて行く亜美をチラッと見送った後、監督は、顔を真っ赤にして、
ようやく身を起こした大河のそばに膝を付き、その大きな瞳を覗き込むように顔を近づけた。

「なぁキミ、キミはさっき怒ってたんだろ?」
「へっ…?」
「いや、答えなくていい。なぁキミ、カメラの前で自分の気持ちをぶつけてみるつもりはないか? 
我々では伝えきれないホントの気持ちって奴をさ…」
「ホントの… 気持ち」
「ああそうだ。あるだろう? 言いたいことが、たくさん」
「CM明け、30秒前」
「監督っ、どうすればっ!」

その刹那、大河と監督がじっと見つめ合う。
(分かってるじゃない? あんたも結構苦労してるみたいよね?)
(ま、いろいろと、な…)
そんな会話を目で交わしたかのように見えた後、大河の唇の端が持ち上がり、不敵な笑みがその精緻な
顔に浮びあがった。

「やるわ。いや、やらせて」
「よしっ、いいツラだ。おい、AD、マイク寄越せ! CM明け、この子の抜きからいくぞ」
事態が飲み込めないまま、つっ立っているADから、大河はマイクを奪い取ると、正面のカメラに向かって
目を眇める。

「いいんですか監督!」
「いいっつってんだろ! 俺が全部責任取る。絶対にいい画が撮れるぜ!」
「CM明けます! 3… 2… 1…」

目の前のテレビカメラのレンズ、その1点を見つめながら、大河はゆっくりと大きく息を吸い込み始めた。

“いつまでも、やられっぱなしじゃねぇんだよっ!!”

* * * * *


549 :とらドラ!, again ◆VW.RtTKf1E :2010/06/29(火) 00:33:41 ID:AC8v+4M40

大河の実家では、竜児と大河の父親が、ただ呆然とテレビの画面を見つめていた。

CMが終わった後、そこに映るはずのない最愛の人が、画面のど真ん中でマイクを握り締め、全世界を
敵に回したかのような目つきでふんぞり返って立っている。

「一体、何がどうなっ…」
うめくように竜児が呟いた時、画面の中の大河が大きく息を吸い込んだ。

* * * * *

「ねぇ、もう… どうなっても知らな、っ!」
悪態をつきながら、中継車のサブルームに入ってきた亜美は、モニタに映る大河の顔を見て、
次に何が起こるか瞬時に理解し、「レベルっ、下げてっ!」と音声係に向かって叫んだ。その瞬間、

「おぅるぅぅぅぅうううああぁぁぁあああぁぁぁーっっっっ!!!!」

虎の咆哮が、日曜の昼下がりのお茶の間に響き渡った。
逢坂大河、全国デビューの記念すべき瞬間である。


「おい、クソジジイ! 見てるんだろ! いや今は見てなくてもいい、でも、いつか必ず見ろ! 
あんたはうまくやってるつもりかもしれないけれど、私は、私達は、ちっとも負けちゃいねぇんだよ!」

大河は半身になると、カメラを睨みつけたまま、ずいっと一歩前に出る。
その威圧感に、ベテランのカメラマンは思わず半歩あとずさりした。

「私には守りたい人がいる、守ってくれる人がいる。私を受け入れてくれる家族がいる。
共に闘ってくれる仲間がいる。愛する人がいる。愛してくれる人がいる。
そういう人間は簡単には負けない、潰れない。あんたには誰もいないんだろ? 守りたい人も守って
くれる人も。そんなヤツに勝ち目はねぇんだよ! てめぇが何を企もうとも、私達はあきらめない。
きっと勝ってみせる。けーさつでもヤクザでも何でもかかってこいや! てめぇもいい加減、
こそこそ隠れてねぇで表に出てきやがれ! この私が、いつでもサシで勝負したらぁああぁあぁ!!!」

気迫の固まりのような叫びが、家全体に響きわたった。

「よし、亜美、あと締めとけ!」
監督が、ADから奪ったインカムに向かって叫ぶ
「亜美ちゃん、締めて!」
間髪いれず、中継車にいるディレクターが亜美に指示を出す。

「ええっ、ちょっ、まっ!」
「はい、2、1」
「え、と…」
カメラが切り替わった時こそ、動揺の表情を隠せなかったが、小さく息を整えると、亜美は一瞬で
誰もが混乱を忘れてしまうような、極上の笑みを満面に浮かべた。

「大変なインタビューになってしまいました。お見苦しい点があったことをお詫びします」
軽く頭を下げると、今度は一転して、見る者に声を失わせる、真剣な表情を見せる。

「でも、これは真実の叫びです。私達の作品も声なき人の想いを伝えられるよう、精一杯作りました。
どうか、1人でも多くの方が見てくださることを願っています。では、今日の番組をこれで終わります」

「よしっ!」
監督が叫んだその瞬間、家の中の電話が鳴り響き、外が急に騒がしくなった。
「おい、いま本番中だ! 部外者は立ち入り禁止!!」
外にいるテレビのスタッフが大声をあげている。

そして、庭の塀の外から実乃梨のひときわ高い叫び声が、皆の耳に飛び込んできた。
「たいがぁああぁーーーー! はっっっしれぇぇええええーーーっ!!!」

550 :とらドラ!, again ◆VW.RtTKf1E :2010/06/29(火) 00:36:31 ID:AC8v+4M40

「おい、お前ら、早く行けっ!」
監督も叫んでいる。
大河、恵児、恵児の面倒を見ていた奈々子が大急ぎで靴を履き、家を飛び出すと、門の前でスタッフと
バーの従業員が揉み合っていた。放映を見ていた者が再現映像で気づいて飛んで来たのだろう。

「どけっ! 今、とらちゃんを行かせる訳にはいかない。マスターに迷惑が掛かるんだ!」
そう叫んで、スタッフの制止を振りほどこうをしているのは、夜、帰宅する大河を送っていた青年だった。
「こっちだって、行かせられるかよ!」
スタッフも2人がかりで必死に青年を押さえつける。その横を大河達が駆け抜け、路地へと飛び出す。

「たいがぁ、はやくーっ!」
先に走り出していたドライバー役の実乃梨が、大通りの方から大河達に手を振って誘導する。
後ろからは、別の従業員達が大声をあげながら、迫ってくる。

路地の角には春田が立っていた。手には長い棒のようなものを持っている。
それは大河があらかじめ春田に頼んでおいたものだった。

「春田ぁ! そいつを、よこせぇえぇーーーっ!!!」
大河の叫び声にびくっと怯えた春田が、手にした木刀を取り落としそうになりながらも慌てて握り直し、
大河の方に柄を向ける。

「ひ、ひえぇぇっ、タ、タイガー、本当に使うの?」
左手で恵児の手を握り締めながら、右手で春田から奪い取るように木刀をつかむと、軽く握り直し、
切先を真っ直ぐ、前に向けた。

「ったり前でしょ? 使うために用意させたんだから!! 走るよ、いい? 恵児っ!」
「うん!!」

身体が弱っている大河の母親は、大河のインタビューが始まる前、一足先に麻耶が家から連れ出していた。
今頃、大通りに止めたライトバンに乗り込んでいるだろう。
転びそうになりながら、なんとか遅れまいと走る恵児のもう一方の手を奈々子が掴み、ひっぱりあげる。

「タイガー! それ使っちゃだめ! 本当に捕まるよ!」
「わぁってる、これは御守り! 魔除けみたいなもんよ!」
普段であれば、吹き出してしまいそうな大河のいい加減な言葉にも、誰も笑う者はいない。
大河、恵児、奈々子、春田と横一列になりながら、路地を駆けて行く。

前方の路地から従業員2人が飛び出してきた。両手を広げて、道を塞ぎ、大河を捕まえようとする。

大河は走りながら、2人に木刀を向けて、叫ぶ。
「どいて、お願い! ケガさせたくないのっ! いいから、どいて! つか、どっけぇえぇーっ!!!」
「ひ、ひえーっ、ホントに、と、とらちゃん?」
大河の気迫に圧されて、飛び退いた2人の間を、4人が通り抜ける。

ライトバンの運転席に乗り込んだ実乃梨が、窓から身を乗り出して叫んでいる
「大河、早く! こっちこっち!」

4人は大通りに出て、荷物を詰め込んだライトバン2台に辿り着くと、二手に分かれて乗り込み始める。
周囲を警戒していた大河が最後に乗ろうとした時、車の陰からマスターがゆっくりと姿を表わした。

「マスター!」
大河は反射的に木刀の切先をマスターの鼻先に突きつける。
「やぁ、とらちゃん、ずいぶん勇ましいな。それがとらちゃんの本当の姿なんだね?」
「ごめん、マスター。お願い、行かせて! 必ず戻ってくる。約束する。だからお願い、今は見逃して!」
「……………」
その時、マスターのポケットの中で何かが震える音がした。


551 :とらドラ!, again ◆VW.RtTKf1E :2010/06/29(火) 00:39:50 ID:AC8v+4M40

「行きなさい」
「えっ…?」
「とらちゃんはずっと、こうすることを考えてたんだろ? とらちゃんの恋人と友達がやってきた時から、
遠からずこういう日が来ると思っていたよ。このチャンス、手放すんじゃないぞ…」

カランカランカラン…
乾いた音を立てて、大河の手から離れた木刀が地面に転がった。

「マスター… ほんとに? いいの?」
「ああ…」
マスターをじっと見上げる大河の両目から、みるみるうちに涙が溢れてきた。

「マスターには、迷惑ばかり掛けてきたのに、最後までごめっ…なさい…」
「いいんだよ。だが、1つ約束して欲しい」
「やくそく…?」
「もう二度と戻ってくるんじゃないぞ、じゃなくて、とらちゃんにはもう一度、戻ってきて欲しい。
ここで一緒に時を過ごした、もう1つの仲間達を救える人間になって、戻ってきて欲しい」
「うん… 分かった…」

「大河、早くっ! もう行かなきゃ! 警察が来るかもしれない!」
運転席の実乃梨が、エンジンを掛けながら、もう一度叫んだ。
「さぁ、お友達が呼んでいる。行きなさい、とらちゃん」
「う…ん」
涙を拭うと、足元に転がる木刀を拾い、大河はライトバンの助手席に乗り込んだ。

「さっき言ったこと、約束だぞ」
「うん… 約束する」
助手席の窓越しに、2人は小指の先をほんの少しだけ、絡ませた。

「出すよ! 大河」
そういうと実乃梨はエンジンをひときわ高く吹かし、猛スピードでバイパスを走り出した。
春田が運転する2台目のライトバンが、慌ててそれに続いていった。

「マスター、いいんですか? とらちゃんを行かせて?」
スタッフの羽交い絞めを振りほどいた青年が、息を切らせて、マスターのところに駆け寄ってきた。

「いいんだよ。たった今、とらちゃんのお父さんから、交渉に応じるという連絡があったようだ」
ポケットから取り出したケータイの着信合図を見ながら、マスターが呟いた。
「我々の役目はここで終りだ… 捕まるなよ、とらちゃん、どこまでも逃げて逃げて逃げまくれ」

マスターと青年はライトバンが見えなくなった後も、ずっと、その方向を見つめ続けていた。

* * * * *

日曜日 14:30
「これで、いいんだろ?」
大河の父親は、ケータイのフリップを閉じると、竜児の方を振り返って、優しげに微笑んだ。

「はい、本当に有難うございます」
竜児は深く頭を下げた。

「礼を言うのはこっちの方だ。もう少しで、取り返しのつかない過ちを犯すところだった。
この番組には、真実をさらけ出すだけでなく、私の目を覚まさせる狙いもあったのだろう?」
「はい。勝手にすいま…」
「いや、謝罪が必要なのは私だ。色々苦労させて、すまなかったね、竜児君」
そう言うと、大河の父親は深々とその頭を下げるのだった。 

* * * * *

552 :とらドラ!, again ◆VW.RtTKf1E :2010/06/29(火) 00:42:43 ID:AC8v+4M40

「あっははははははっはははははっはははははっ!」

大河の一世一代の叫びがテレビで流れた直後、大河の父親は突然、床に膝をついて大笑いし始めた。
予想外の大河の行動に気を取られていた竜児は、文字通り、弾けるように笑い出した大河の父親に
何が起こったのか予測すらできず、ただ呆然と見ているしかなかった。

「ははっ、はははっはははははっ、ははっはっ… は、ははっ、は、は、はぁ… あぁ…」
「………………」
「遠慮せず、君も笑ってくれたまえ… わたしは… 私はなんて、愚かなんだろうね…」
竜児は身じろぎもせず、語り始める大河の父親の姿をじっと見つめていた。そして、その表情から
大河の叫びが頑なな父親の心を打ち破ったことに気づく。

「大河ちゃんが、いや大河が、小さな身体であんなにも強く、家族を守り、精一杯生きようとして
いるのに、私は何をやってるんだろうね。ただ怯えて、誰かがいい方法を見つけてくれるのを待って
るだけなんて。気づいてるんだろう? 会社や従業員を守る、なんて、ただの言い訳だってことを…」

「あ、いや… はい。でも、まだ十分間に合います」
一度は否定しそうになった言葉を、竜児はすぐ訂正した。今、大河の父親は自分の心と向き合おうと
している。そんな人を前に、綺麗ごと言うのは失礼にあたる、咄嗟にそう思ったのだ。

「そうか…」
竜児の言葉に力を得たように、目を見開いて、大河の父親は立ち上がった。

きっとこの人も、頭ではどうすべきか分かっていたのだろう。だが、どうしてもあと一歩が踏み出せ
なかった。自らの手で創り出したことのない、生きるための道筋。地図や標識はおろか、道すらも無い
大地に足を踏み出すことを恐れた。だから、世間の常識や今まで自分が使ってきたものさしに頼った。

大河はそんなものさしごと、父親の心をぶち破ったのだ。人を変え、動かすのは常識じゃなく、自らの
想いであり、熱であり、大切なものを守りたいという心である、それをまざまざと見せつけたのだった。

「やっぱ、かなわねぇよな、大河には…」
目を軽く閉じ、口元に小さな笑みを浮かべながら、竜児はそっとつぶやくのだった。

「お、いかん。すぐ連絡しなきゃな」
大河の父親は、生まれ変わったかのような晴れ晴れとした表情で、ポケットからケータイとくしゃくしゃに
なったメモを取り出すと、ケータイのボタンを押して、耳にあてた。

電話をかける先は、一箇所しか無かった。

* * * * *

竜児と大河の父親は、互いに下げあっていた頭をほぼ同時に起こすと、真正面に向き合う。
先に口を開いたのは大河の父親だった。

「さぁ、早く行きたまえ。これから大河や仲間のところに行くんだろ?」
「はい。そして、あなたの他の家族もそこにいます」

竜児は、大河の父親と連れ立って玄関に向かいながら、大河の母親の家を脱出した後、車で伊豆にある
亜美の家の別荘に向かう手はずになっていることを説明した。

「そうか。じゃあ家族に伝えておいてくれ、頑張れ いや、頑張ろう、と」
「分かりました。あなたもお気をつけて」
「ああ、用心するよ。少しの間、この家から離れていた方がいいだろう」
「はい。では… 行きます」
「ああ、行っておいで」

軽く片手をあげる大河の父親にむかって、竜児はもう一度頭を下げると、玄関の扉を開け、外に飛び出した。

「大河、みんな、待っててくれ! 俺もすぐそっちに行くから!」

553 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/29(火) 00:46:27 ID:BKOhevZd0
支援をしつつ、作った壁紙置いていきます

16:9 1920×1080 ttp://www1.axfc.net/uploader/Sc/so/128577
16:10 1920×1200 ttp://www1.axfc.net/uploader/Sc/so/128580
4:3 1024×768 ttp://www1.axfc.net/uploader/Sc/so/128583
5:4 1280×1024 ttp://www1.axfc.net/uploader/Sc/so/128584
5:3 1280×768 ttp://www1.axfc.net/uploader/Sc/so/128587

背景色違い
16:9 1920×1080 ttp://www1.axfc.net/uploader/Sc/so/128589
16:10 1920×1200 ttp://www1.axfc.net/uploader/Sc/so/128591
4:3 1024×768 ttp://www1.axfc.net/uploader/Sc/so/128592
5:4 1280×1024 ttp://www1.axfc.net/uploader/Sc/so/128595
5:3 1280×768 ttp://www1.axfc.net/uploader/Sc/so/128597

DLキー「竜虎」

554 : ◆VW.RtTKf1E :2010/06/29(火) 00:47:41 ID:AC8v+4M40

今回は以上です。

>>544
支援、有難うございます! おかげさまで無事投下できました。

大量の投下で大変失礼しました。なんか、おかしなところがあったら、ご指摘ください。
ここまで書けたのはスレの皆さんのおかげ。心から感謝しています。

さぁ、あとは幸せを目指してGO! かな?

555 : ◆VW.RtTKf1E :2010/06/29(火) 00:59:36 ID:AC8v+4M40
>>553
支援有難うございます。
長い間、お待たせしてしまい、スイマセンでした。

壁紙、イイっ!!
はやぶさの速さでDLしました。
大河かわええ〜 大河の手と竜児の手の大きさの違いに、ジンと来ました。
いつまでもそうしてくっついてろ、お前らは!

556 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/29(火) 01:31:28 ID:hRSjZZybO
GJ!!
続きも期待してます!

557 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/29(火) 01:38:03 ID:wyyhZRcC0
>>554
いやー!続きが待ち遠しい!展開が素晴らしいです。最後に大河本領発揮でしたね。幸せに向う事を祈って待ちます。GJでした。
何か最近、投稿増えて来て、嬉しい限りです。

558 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/29(火) 01:51:21 ID:KG3/T8E70
>>554
ぐっじょおおおおおおおっぶっ!!!

>>553
壁紙さんも頑張った!


559 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/29(火) 08:56:03 ID:4A4d6f3qO
>>552
続きが気になりまくりだぁぁ〜!!
GJです!

>>553
携帯からは無理なのか?orz

560 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/29(火) 20:16:19 ID:rk+F8sVZ0
タイガーにドラゴンが中田氏

561 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/29(火) 20:23:07 ID:hRSjZZybO
>>560
急にどぉしたW

562 :代理:2010/06/29(火) 22:54:55 ID:yf7BxwWW0
227 名前:高須家の名無しさん 投稿日: 2010/06/28(月) 22:34:57 ID:otF.1mRY
代理投稿、サンキューです。

みんなに朗報だぁ。仕事で打ちのめされているのでSS書こうって気分になるぜ。


563 :代理:2010/06/29(火) 22:56:04 ID:yf7BxwWW0
231 :許さない ◆fDszcniTtk:2010/06/29(火) 17:07:05 ID:VPcebqU.
『俺は竜、お前は虎』

そう言って自分の横に立った男は、最後まで自分の傍らに立ち続けた。それまで誰にも見せなかった涙や傷を見ても、その男は笑うでもなく、目をそらすでもなく、はじめは暖かな笑みで包み、最後にはきつく両の腕で抱きしめ、そして絶対離さないといってくれた。

その腕の中に、ずっと探していた安寧が見つかったのだ。あとはただ、その男がこの世にいてくれたことに感謝し、奇跡のような巡り会いに感謝しながら、そっと微笑みを浮かべてその腕にわが身をゆだねていればいいと思った。
なんの疑問も抱かず、なんの不平も言わず、単に目を閉じて幸せに身を任せていればいい。

男の愛には一片の疑いも抱いていない。この男は自分を見捨てない。

しかし。
それでも。
だとしても。

懸念が疑念に変わる前に、不安が不信に変わる前に、妬みが怒りに変わる前に、悪しき芽は摘んでおかなければならない。

今、虎は再び自らの脚で立ちあがる。隠していた爪を大地につきたて、血に濡れた牙をむき出しにし、炎のように赤い口を開き、全身の筋肉を震わせ、竜に向かって咆哮する。

「竜児、だめよ」
「おう、なんだよ。藪から棒に」
「それはだめ。絶対許さない」
「だからなんだって」
「知ってるんだから。今見てたでしょ。浮気は許さないわよ」
「浮気ってなんだよ!」
「うるさいっ!さっさと歩きなさい!」
「何なんだよお前はよう!」








『ラブプラス』 絶賛発売中。


(お・し・ま・い)


564 :代理:2010/06/29(火) 22:58:01 ID:yf7BxwWW0
>>554
長編、乙です。
ラストへ向けての展開が楽しみです。

>>563
フイタwww

565 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/29(火) 23:44:32 ID:9dMrJKkD0
>>554
まず投下量に歓喜し、夢中になって読みました
いやー、熱い!
亜美ちゃんいい人だし竜児の想いは胸に迫るし、大河は眩しいっ!
続きも楽しみです。GJでした!

>>563
GJ!代理人さんも乙!
これはwww果たして竜児は本当に見てたのかw

566 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/30(水) 00:00:45 ID:cV2j8K7T0
553の壁紙
携帯でも見られるようになったかな

ttp://imepita.jp/20100629/863650

567 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/30(水) 00:06:48 ID:cV2j8K7T0
背景色違いの方

ttp://imepita.jp/20100630/003380

568 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/30(水) 00:10:03 ID:5NIvPJ36O
>>567
Thanks!

569 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/30(水) 00:59:35 ID:yKAXH8nW0
>>553
わざわざキー付きのところにあげるなドアホ

>>559
携帯で壁紙落とせると思うなドアホ

570 :とらドラ!で三題噺 ◆Eby4Hm2ero :2010/06/30(水) 02:17:12 ID:5vRYS5B40
お題 「肩」「泡」「額」



「はあ……」
 プールサイドに座り、足先でばちゃばちゃと小さな波と泡をたてつつ溜息をつく大河。
「大河、どうした?」
 飲み物を手に売店から戻ってきた竜児が、その横顔を心配そうに覗き込む。
「んー…せっかく二人でプールに来てるのに、あんまり恋人っぽくないなあ……って」
「う〜ん……そりゃまあ、どっちかというと今は水泳の先生と生徒だからな……
 でも、今年こそ泳げるようになりたいって言ったのは大河じゃねえか」
 並んで休憩コーナーに向かいながら、大河は少々お疲れムードのようで。
「あ〜あ、なんか面倒になってきちゃった。もう泳げなくてもいいかな〜」
「簡単に諦めるなよ。泳げないとまたプールに来た時や海で十分に楽しめないし、万が一溺れたりしたらどうする」
「その時は竜児が颯爽と助けてくれるでしょ」
「そういや二回ほどやったよな、二年の時」
「二回目は結局竜児も溺れたけどね」
「ほら、そういうこともあるから大河も泳げたほうがいいんだって」
 パラソルの下のテーブルに向かい合わせに座り、二人は少しの間無言でストローを咥えて。
「……あ、でもちょっとだけ憧れちゃうかも。意識の無い私に、竜児が衆人環視にも構わずにマウストゥーマウスで……」
「あー、大河。盛り上がってる所悪いが人口呼吸はキスじゃねえぞ」
「わかってるわよ、人命救助だっていうんでしょ」
「それもあるがな……お前、人口呼吸の正しいやりかた知ってるか?」
「そんなもの、口に口で息を吹き込めば……」
「それじゃ駄目だ。まず仰向けに寝かせて、こう……額のあたり抑えながら首筋持ち上げて、気道確保するだろ」
 紙コップを置いて、ジェスチャーで示してみせる竜児。
「ふむふむ」
「それから、吹き込んだ息が抜けないように鼻つまんで」
「げ、鼻?」
「で、相手の口の周りを自分の口で覆って息を吹き込むんだ。つまり、厳密には唇同士は接触しねえの」
「でも、漫画とかじゃ……」
「そりゃ演出優先なのか単に間違ってるかだ。というか、保健体育で習ったじゃねえか」
「……そうだっけ?」
「さてはお前、居眠りしてやがったな……」
「ちぇ、つまんないわねー」
「そもそも人口呼吸が必要なのは意識が無い時じゃなくて呼吸が無い時だ。そんな悠長な事考えてる余裕はねえよ」
「あーはいはい、もういいわよ」
 大河はつまらなそうに最後の一口をずずーっと啜り、席を立つ。
「さ、休憩おしまい。もうちょっと練習する時間あるわよね」
「おう」
「あ、そうだ竜児」
 同じく立ち上がろうとした竜児の、その背後から肩に手をかけておぶさるようにのしかかる大河。
「おう?」
 そして、耳元に唇を寄せて。
「帰ったら人口呼吸の練習もさせてね」


571 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/30(水) 12:39:02 ID:xU2bxHL1O
>>563
ハゲワロチwww

>>570
プールデートいいねぇ
そんでもって最後の一行でノックアウトでしたw

572 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/30(水) 23:07:34 ID:gADTlv++0
>>570
GJ!
同じくラストで萌え死んだw

573 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/01(木) 01:18:05 ID:+/ElsLxv0
>>563
流れるような文章から、だんだん?となって、オチに吹いた。
以下、勝手に付け足し。すんまそん

「で、高須君はこの3人だと、誰が好みだい? 大河は押さえとくから、このみのりんに話してみねぇ」
「まぁ、そうだな。紳士の皆さんには悪いが、どれもしっくりこねぇ」
「そうけ? どんなとこが?」
「なんか、上目遣いで見られるとだめなんだ。もっとこう、見下ろされる方が落ち着くっつーか…」
「はいはい、ツンデレツンデレ。だめよ、みのりちゃん、高須君はもうタイガーに調教されてるんだから!」
オチがねぇ orz

>>570
プールでデートなら、スク水だよな、お団子頭だよな。まさに今の時期だなぁ…
で、家に帰ったら、吹きつ、吹かれつ…… ふごぉっ(吐血)




574 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/01(木) 13:45:30 ID:IDRy9Jql0
もう少ししたら夏だ
大河と竜児が夏にする事と言えば毎日ギシアン
夏かんけーねー

575 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/01(木) 23:36:26 ID:MXe2ypix0
薄着の大河にムラっときちゃったりするんだぜきっとフヒヒ

576 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/02(金) 01:43:42 ID:diePsVLf0
壁紙置いていった者ですが、改めて見たらタイミング最悪だ。
変なとこにはさんじゃって申し訳なかったです。

577 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/02(金) 07:52:07 ID:vPtuyjK00
>>576
> 壁紙置いていった者ですが、改めて見たらタイミング最悪だ。
話は終わってるし、別に問題ないんじゃね?
壁紙もらった。GJした!


578 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/02(金) 12:27:54 ID:vxTsyJ2eO
>>576
丁度終わったところだからいいんじゃない?
長編の真っ只中にギシアンを突っ込んだ俺に比べたら……

579 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/03(土) 01:07:53 ID:5XSZXUO/0
「竜児ー?」
「おう、なんだ?」
「まだ7月になったばっかりだってのに、なんでこんなに暑いわけ?」

温暖化ヤバイんじゃない? なんて言いつつ扇風機の前で半ばグロッキーな大河。
最近はあまりの暑さにいつものモコモコフワフワな服も夏季休業。
デニムのショートパンツにキャミソールという薄着でスライムの如く溶けかけている。

「ほら、麦茶だ。氷もガッツリ入れたぞ。これ飲んでもう少し頑張れ」

テーブルにコースターと共にグラスを置く竜児。
こちらも汗を流しつつ、Tシャツにハーフパンツという完全猛暑仕様。
高須家のクーラーは全開で稼働しているが、いかんせん出力がヘボい。
冷媒が抜けてしまっているのではないかと疑いたくなる程度の冷風しか出てこないのだ。
それを押入れっから引っ張り出してきた扇風機で循環させているわけなのだが、どうにも暑い。
額を流れる汗を拭いながらグラスを煽る竜児。それに続けと言わんばかりに煽る大河。

「ぷは〜っ」
「ふぁーっ」

氷でキンキンに冷やされた麦茶を一気に飲み干した二人は同時にグラスをカンッとテーブルに戻す。
すかさず竜児は並んだ二つのグラスに麦茶を注ぐ。
グラスが濃い琥珀色に満たされたところで再び大河がグラスを煽る。
汗ばんで上気した頬に、扇風機でなびく前髪。ダラダラに結露したグラスを握る細い指に、覗く首筋。
本当にとろけるわーと、キャミソールの胸元をパタパタして風を送る大河。
竜児とってはこんなの日常的な光景であるハズなのに、何かすごく妖艶な気がして思わず目を逸らす。
そんな竜児の視線の動きを偶然にも見つけた大河は、面白いオモチャを見つけた子どものような笑みで竜児ににじり寄る。

「な、なんだよ?」
「あんた、なんか良からぬこと考えてたでしょ?」

上体をひねり、床に両手をついて下から覗き込む大河。その視線から、必死に逃れようとそっぽを向く竜児は赤面。
それを認めた大河は某腹黒天使のように口元を釣り上げ、竜児の首に腕を回す。

「この……エロ犬!」

「ちっ、違うって!」
「何が違うのよ。 私のこと見て欲情してたくせに」
「……お、お前が珍しく薄着で来るからだぞ」
「じゃあ厚着がよかった?」
「そうじゃねぇけどよ……」
「竜児も素直じゃないなー。私はいいんだよ?」
「大河……!」

ギシギシアンアン



暑さでやられたのは俺だと思うの(´・ω・`)

580 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/03(土) 02:01:37 ID:BOFLE8T+0
<<579 GJ!乙

581 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/03(土) 02:36:45 ID:4NVNuRB80
コメどーん!いきます


>>491 にゃんにゃん大河を前にして正気で居られる竜児の鋼鉄の理性スゴスww

>>506 大河が居ない間は作る量も減っただろうな…

>>512 大河が癇癪おこして竜児が宥める。まさしくこの二人の「日常」だな。未完の作品、是非書いてください!

>>524 「暑いから引っ付くな」「えー、やーだー」みたいな妄想を繰り返す二度目の夏w

>>530 大河どうするんだ…案外やっちゃんの提案受け入れるのか?白無垢も良いな。純潔の血でry

>>554 友のために汚名を被る亜美ちゃんカッコイイ。大河の父親に"息子の手を離さないでいろ"って言うシーンは
父親いない竜児だからこそ説得力があるな。大河の絶叫も全国に届いたし、こっからの展開にwktkしながら続き待ってます!

>>553 早速背景に設定した。PC起動するたびニヤニヤできるw

>>563 大河にはリュウジプラスを、竜児にはタイガプラスをそれぞれ与えてプレイしてる姿を観察したい

>>570 オチがww「もう一度…」のせいで大河はキスしつこそうなイメージ

>>573 >見下ろされる方が落ち着く←ただのMじゃねーか!w

>>579 薄着にドギマギしてる竜児を煽りまくってる大河とか想像すると楽しすぎる



スレのみんな愛してる!ちゅばっ(投げキス三千円

582 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/03(土) 03:14:34 ID:QNu81KIg0
>>581
ちゅっちゅ^^

583 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/03(土) 20:02:51 ID:Ih6XPjOd0
>>579
お、これはよいギシアン!!

>>581
はっ、はっ
って避けてみる。

しかし暑いねぇ。


584 :とらドラ!で三題噺 ◆Eby4Hm2ero :2010/07/04(日) 05:13:14 ID:kg5DXrTF0
お題 「ずっと」「息」「よさそう」



『竜児ーっ!』
「おうっ!?」
 突然響いた声に飛び起きる竜児。
「竜児ー、起きてるー?」
 遠慮のカケラも無く襖を開けたのは、言うまでもなく逢坂大河。
「た、大河、お前どうして……」
「あら、恋人の訪問がそんなに不満?」
「そうじゃねえけど……今日は風邪ひいて熱があるからって電話で言ったじゃねえか」
「だからこそ看病してあげに来たのよ。思ってたより調子よさそうみたいだけど」
「おう、熱も37度ちょっとだしな。だから、そこまでしてもらわなくても……」
「でもまあ、せっかく来たんだし。それに、ずっとこんな機会を待ってたのよね」
「待ってたって……何だよ?」
「私ってば竜児に散々面倒見てもらってたわけじゃない。だから、今度は私がお世話し返してあげるのよ」
「し返すって……世話なら去年の終わりにしてもらったじゃねえか。インフルエンザで入院してる間」
「あの時はほら、あんまり楽しんでいられる状況でもなかったから」
「楽しむって、お前なあ……」
「ま、安心して泥舟にのったつもりで任せておきなさいって」
「言い得て妙な間違いだな……正直不安しかねえぞ」
「大丈夫だってば!掃除や洗濯には手を出さないし、ご飯はレトルトのおかゆとか持ってきたから」
「おう、それならまあ……」
「さて、それじゃ……看護の定番といえば、『お風呂に入れないから体を拭いてあげる』よね!」
「は? まだ昼前だぞ?」
「でも寝汗とかかいてるだろうし、ほら、脱いで脱いで」
「待てって!お前、俺の、その、黒乳首嫌いじゃなかったのかよ!」
「だ〜いじょうぶ、竜児の乳首ならどんなに黒くても愛せると思うから」
「こ、こら、シャツを引っ張るな!伸びる!破れる!」
「無駄な抵抗はやめて、病人はおとなしく言う事をききなさい。うふふっ、ふふっ、ふふふふっ」
「息を荒くするなっ!てか大河、お前なんか目が怖いぞ!?」


585 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/04(日) 16:22:41 ID:Q94i7csO0
<<584つまんないから死ね

586 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/04(日) 16:54:22 ID:8R5IjqHV0
>>585
そういうこと言うなって

>>584
自分はこういうの好きです
いつもgjです^^


587 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/04(日) 17:18:41 ID:9dYF2cQS0
そうか、もう7月か。
世間は夏だもんな。

588 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/04(日) 20:55:23 ID:azvjHcXo0
これからたまに変なのが沸く季節か

589 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/04(日) 21:08:07 ID:jT0nzpd10
>>584
乙!
大河さん突っ走りすぎッスwww
抵抗虚しくひん剥かれるであろう竜児に合掌(見舞い的な意味で


さてさて、付き合いの長くなったこの竜虎スレVol.20も480KBを超えました。
まだおみくじって生きてるのかな?
出来る人いたらスレタイよろしくお願いします。
いなくてもスレタイ案お願いします。

590 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/04(日) 21:51:36 ID:TuznSses0
まだまだ続いて欲しいなあ
次スレは キュンキュン妄想 なんていいかなと密かに思ってるが
スレ立ての仕方知らない 

容量オーバーの所すまん

591 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/04(日) 23:09:04 ID:uFa8DiqF0
>>584
今回の大河はエロいなぁ。
いつもGJ!!です。

私もスレたて知りません。
知っている人お願いします。

592 ::2010/07/04(日) 23:16:17 ID:idB9xWc80
えーとスレタイは
『【とらドラ!】大河×竜児【キュンキュン妄想】Vol21』
でいいのかな?

593 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/04(日) 23:42:41 ID:RhPYw8/hO
お願いします!

594 ::2010/07/04(日) 23:47:39 ID:idB9xWc80
らじゃ、いってきます

595 ::2010/07/04(日) 23:51:26 ID:idB9xWc80
おうっ、スレタイが1byteだけ制限超過・・・・
どうしようキュンキュンを半角にしようか
それとも「キラキラ妄想」とか別のスレタイを考える?

596 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/04(日) 23:55:01 ID:jT0nzpd10
半角でいいんじゃないかな〜
と思います

597 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/04(日) 23:58:32 ID:9dYF2cQS0
いくつか前のスレに候補があったような・・・

598 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/05(月) 00:00:13 ID:4u8Shc040
>>579
GJ!すげーにやにやw

>>584
いつも乙です!
大河嬉しそうだなw
体拭いてもらって竜児は熱が上がるんですねw

>>595
キラキラいいんじゃないかな
お願いします

599 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/05(月) 00:01:23 ID:YTXezidf0
あった!
が、去年の7月のだw

>538 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[] 投稿日:2009/07/19(日) 10:50:15 ID:/SxIlU65
>さて気付けばもう容量426KB
>このへんで次スレタイトル決めておこうか…
>前スレまでのストックは
>【とらドラ!】大河×竜児【ゴロゴロ妄想】Vol13
>【とらドラ!】大河×竜児【ユラユラ妄想】Vol13
>【とらドラ!】大河×竜児【ニコニコ妄想】Vol13
>【とらドラ!】大河×竜児【フニャフニャ妄想】Vol13
>【とらドラ!】大河×竜児【モジモジ妄想】Vol13
>【とらドラ!】大河×竜児【クスクス妄想】Vol13
>【とらドラ!】大河×竜児【モグモグ妄想】Vol13
>【とらドラ!】大河×竜児【ハフハフ妄想】Vol13
>【とらドラ!】大河×竜児【ハラハラ妄想】Vol13
>【とらドラ!】大河×竜児【アマアマ妄想】Vol13
>【とらドラ!】大河×竜児【ウトウト妄想】Vol13
>【とらドラ!】大河×竜児【キラキラ妄想】Vol13

600 ::2010/07/05(月) 00:09:44 ID:HEKTfdo60
>>599
サンクス!

未使用なのは
>【とらドラ!】大河×竜児【ゴロゴロ妄想】Vol13
>【とらドラ!】大河×竜児【クスクス妄想】Vol13
>【とらドラ!】大河×竜児【ウトウト妄想】Vol13
>【とらドラ!】大河×竜児【キラキラ妄想】Vol13
字数制限にひっかかるのは
>【とらドラ!】大河×竜児【フニャフニャ妄想】Vol13
なので、独断で「キラキラ」でいってきます!


ちなみにおみくじスレの使い方を2回間違えてるのは俺です。ごめんなさい・・・・・
とらドラ!って面白いね
http://yy53.60.kg/test/read.cgi/newso9vaplus/1246592936/

601 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/05(月) 00:10:42 ID:O/9KN+o20
>>590-591
スレ立てくらい覚えようぜ…てか何使って2ch見てるんだ?
詳しくは次スレで教えてやるよ
練習するならここがいいだろう
http://hideyoshi.2ch.net/kitchen/

602 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/05(月) 00:11:30 ID:O/9KN+o20
>>600
壷起動状態じゃないとおみくじでないからね

603 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/05(月) 00:18:55 ID:HEKTfdo60
     /:./:.:.:/:.:.:.:.:.:.;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ハ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ハ:.:.:.:.ト、:.:.:.:.:ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:.l:.:.:.:.:.:.:.|
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  l:.:.:/:.:.:.:.l:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:/;た笊圷ミ       {、| 」L笊斧、|テ抔ミx:.:ト 、:.:.:.:.:.:.:|:|:.:.:.:.:.|:..|
  レ′.:.:.:.:|:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:〃 /Y:::::::::沁、{ \:.:.:.:.:.:.:.:j \!〃 l:/゚:::lハ戉} W |.、:.:.:.:.:.|:|:.:.:.:.:.|:.:|
  /::.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.ト、:.:.{{ {叭:::::::::川 \  \:.:.:.:.(      {il::::::::::}川  }} |:.:';.:.:.:/:.l:.:.:.:.:..ヽ|
 /;:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:ヽ:.:.:.:.::!:.}ヽ代 Y:ゝイ匁      \:.:{     トゝ-彳W 〃 |:.l.:./:.:.:|:.:..:.:.:.:.:.|
ノ/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:' :.:.:.:.:.:.:.::.:.|:.|    弋竺少゚        ̄    弋竺;少     小:.|:.{:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:∧
イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:' :.:.:.:.:.:.:.:.:|:.|    `ー一              ー -一    / |:.レ':.:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.::∧
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',:.、.:.:.:.:.:|:.ト、                 ,              / j:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i.:.:ハ
|:.:.:./ ̄ ̄`ヾ:ヽ:.:.:.:.|:.|ー'.                              /_.ノ|:.:.:.:.:.:.:.:;:.i:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:|  あいよー次スレおまちっ!
|/::::::::::::::::::::::::\ト、|:.|:.:∧        トァ─── く}         /:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:l.:l:.:.:.:.:.:.:ト、:.:.|  お二人さんの愛の巣を用意してやったぜ!
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾ|:.:.:.:.\     .   ´ ̄`丶、   |           /:.:.:.:.:.:.!:.:.:.:..:.:./:.l:.:.:.:.:.:.:| '.:.|  
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\:._.>- ´        \__/       _/ ヽ、./:.:.:.:.:.:./:.:.j:.:.:.:.:.:.:|  |:|   【とらドラ!】大河×竜児【キラキラ妄想】Vol21
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ ̄ ̄                 ̄ ̄ ̄`丶、     7:.:./:.:.:./{:.:/___」  |:|  http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1278256303/
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/                           '    /:.彳:.:.:/:::レ'::::::::::::::::`ヽjノ
:::::::::::::::::::::::::::::::::::ノ             |                     '、 /-イ:.:.:/::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
:::::::::::::::::::__.. -‐ ´  、       |           /        ヾ:::::::|/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

てこずってすまん

604 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/05(月) 00:28:00 ID:HEKTfdo60
>>602
えっと、Janeの●ログインからじゃダメって理解でOKでしょうか?

もっとも規制でお試し●使ってるだけなんで、次のスレ立てに立ち会えるか分からないですけど・・・

605 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/05(月) 00:58:17 ID:hse9zlC10
>>603
乙です

606 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/05(月) 01:03:12 ID:JnPb9JDi0
おつ

607 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/05(月) 01:23:21 ID:HEKTfdo60
自己レス
禁断の壷をインストール・設定して、かつブラウザや2chビューアも禁断の壷を使うようにプロキシ設定
ということかと理解しました。スレチな話になりそうなんでこのへんで切り上げます。お騒がせしました

大河にお願いされて竜児がスレ立てするみたいなシチュエーションでSSが一本出来そうかな・・・・
とか、ふと思ったり

608 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/05(月) 02:04:41 ID:k4WEQmcx0
書け!書くんだジョー!

609 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/05(月) 22:52:19 ID:+Dmy4oQt0
>>604
壷ってのはIEで2chのログ取って2chブラウザ風の使い勝手にするツールだよ
●はdat落ちしたスレのログを専ブラで取るように出来るアカウント

ってかお前ら2ch歴どんだけ浅いんだよ…

610 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/05(月) 22:53:50 ID:+Dmy4oQt0
>>607
一応Jane系でもproxyを使用するにチェック入れて送信用のところに壷のローカルプロキシ入れれば
Jane経由で壷の設定を反映させることが出来るんだぜ

611 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/06(火) 00:01:06 ID:3ETx/chJ0
大河「りゅうじ、今日も安全日だよ」

612 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/06(火) 00:36:20 ID:5wYCWCTb0
竜児「安全日でもしっかりゴムは付けねえとな」

613 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/06(火) 10:13:49 ID:JfQaxHMqO
大河「バカ竜児、ゴムなんていいからさっさと来なさい//」

614 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/07(水) 01:59:01 ID:o92hR5x20
生めます

615 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/07(水) 02:00:14 ID:o92hR5x20
                        /: : : /: : : /: : : : : : : : : : 丶: ⌒\: : : : ',_,,,,,,--;;;;;;~~~;;;;;;;;
                         /: : : /: : : : /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : \: : :',;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;_''''
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                      _ - ~;;;;|{: : : : : : : .|: / ',: |: |: : : : :/: :人: : : |: :|: : |: : : : ||
           _ ヘγヘ_ - ,~、;;;;;;;;;;;;;|.{ : : : : : : /ト夂_V',: : :λ:/: /∠\: :|: |: : :|: : : :.}.|
           / .| ハ } / /;;;;;;; _ -|:.| : : : : V (fテ≧心: :./.七∠≦j~)|:ノ:ノ: : : |: : : :.|:|
         へし .ー'tし'  ./」- ~   /: |: : : : : :\ 込i;ソ  V   λ込i;ソ}ノ: : : ノ\: : |:.|
   , 、    , し'| | γ   /.     /: : |: ',: 弋_ : \           ノ: : : : /: : : ;: ノ:|
   ', 丶 ∠i _| |, - ~   .ノ      /: /: |: : ',: ∧~T ̄   '     <_,,:イ:: ノ: : : V: : |
  ,ヘi   `、γ }ゝ´     /      ./: ノ: : : V:∧ :| :ヘ、  ー -‐ ´   //_/ |: : : : : : : |
 ,ヘ_/    ~ ( \    |n,    .//: :/ : : :|: :レ: : | :.`.i      , イ  ノ_: : :|: : : : : : : |
イ| /      }  ',   //',   /: : : :./: : : :.|: : : : ノ/. .∧ `.´ ,τ―〜 ⌒ ',: |: : : : : : : \
|∧      <  l>/ /::: ', /: : : : /: : : γ|: : :γ ̄{  \//:::::::::::::::::::::::::', |: : : : : |: : : :\
>~ \    /.`/`V  ノ:::::::::::V: : : : :/: : :_/::::|: : :{::::::,,,|_=&レ:::::::::::::::::::::::::::::| |: : : : :.| : : : : : \
     ー 、/. ./::::::::::`<::::::::::::::',: : : :/|: :/::|:::::|: :./:::::|| { /介ー―''''' ̄:::::::::::::| |: : : : .| : : : : : : : \
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616 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/07(水) 02:02:37 ID:o92hR5x20
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617 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/07(水) 02:04:32 ID:o92hR5x20
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        /. : .::|::| : ::::\    ´  ´ {叨ソノ::::: /|リ
        , '. : ..::イ__! : :::::|>、    丶  `,f:フ::ノ リ
      ,イ. : .=< ヘ:. : ハ  >、  - 、   ノイl´  ノ
     ,イ. :,r'    \ヘ:. : ハ / ̄ `>ュヤ":/ :|
   /. :.::f   、 ヽヘ:. : /       `>ト、   , ェ=ュ、
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618 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/07(水) 02:07:39 ID:o92hR5x20
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619 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/07/07(水) 02:09:12 ID:o92hR5x20
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